まず原因なのですが………電気代をケチッてクーラーをつけてなかったのが原因です。妹先生と私が出かけている間……この暑さの中クーラーをつけずに過ごしていたのです、本気でビンタしました、妹先生が。
それでは……どうぞ! 皆さんもどうかお気をつけください
ミサイル撃墜、その直後。
「―――――馬鹿な…あり得ない、そんなはずはない」
空中で爆散するミサイルを前に、サオリは何度も心の内に叫んだ。マダムが用意した兵器が、この計画の第一段階が、瞬間的にその存在意義を失った。
あらゆる兵器をものともしないそれを、抹殺対象である男はなんの障害も躊躇も弊害も、妨害も無く……簡単に破壊した。
幾年もの恨み、復讐のための鏑矢が……圧し折られた。
(奇襲は…失敗!)
サオリは通信機で他のアリウススクワッドに連絡を取ろうとした、しかしその時、別の連絡が入ってきた……相手はベアトリーチェ。
「……マダム、奇襲は」
『――もう構いません……アレを使いなさい』
「了解…では我々は『帰還は許しません』―っ、しかし、相手は万善の状態です。いくら我々といえど」
『あなたは、私の意見を否定するのですか?』
「っ」
『逃げることも、敗れることも許しません……いえ、マッシュ・バーンデッド、奴さえ排除すれば我々の勝ち……それを忘れないように』
「……………はい」
通信が切れた直後、サオリは拳を握りながら、作戦の続行を決めた。状況は、はっきり言って絶望的。傷ひとつないゲヘナとトリニティの主要幹部に、驚異的な力を持つマッシュ・バーンデッド、それら全てを相手取らなければならないのだから。
(………やめろ、もう何も考えるな)
考えたところで状況が変わるわけではない。サオリは愛銃を右手に握りながら、左手を上に掲げる。
スッ……
掲げた瞬間現れたのは、レオタードに似た修道服に身を包み、ガスマスクで顔を隠した修道女の隊列。ヘイローはひび割れ、肌は異様なまでに青白く、まるで亡霊にも似た雰囲気を纏う不気味な存在。その後ろには、"秘密兵器"を収めた巨大な棺桶が鎮座している。
「……行くぞ」
返答は無い、ただただ命令に従い、サオリの後に続く。狙うは全ての元凶、マッシュ・バーンデッド。
「……何故だ……何故、そこまで動ける―マッシュ・バーンデッド…!」
その目に、怒りと戸惑い、疑問を宿しながら。
―――――――――――――――――――――――
(…っ、さっきの衝撃は……先生、やってくれたのね)
「っ、な、なんだ……さっきの!」
「先生がミサイルを撃ち落としたのでしょう…流石です」
「全員、無事?」
『はい!』
古聖堂内にいたゲヘナ風紀委員会は、マッシュが撃墜したミステリーミサイルの炸裂による爆風を耐え凌ぎ、次の作戦へと移行する……作戦といっても、内容はアリウスを待ち伏せて迎え撃つだけ、という単純なものだが。
「――あ……あぁ…やっぱり……そうですよね……失敗しちゃったんですし……そりゃあ、普通に…ピンピンしてますよね…」
「……アリウス分校」
「……ど、どうも、お邪魔…します」
そそくさと、ゲヘナ風紀委員会の前に現れたアリウス分校・チームⅢ。イオリとチナツはヒヨリに向かって銃を構え、他ゲヘナ風紀委員会達も、アリウス生徒らに銃を向ける。
「………あの〜、中には偉い人達とかいっぱいいたんじゃ?」
「最初からいないわ。ミサイルが降ってくるかもしれないのに…わざわざ中にいてもらう事なんてできないわ」
「なら、調印式…エデン条約は?」
「行われていない、というのが事実よ。本当は今日中に締結させたかったけど、今回の件で後回し」
「……クロノスが報道してなかったのは、それが世間にバレないために?」
「正解よ」
「――つまり私達は……は、はめられちゃったんですね……へへ……」
「気の毒だけど、そうなるわ」
エデン条約・調印式、それは今日行われる……はずだった、しかしティーパーティーと万魔殿はアリウス襲来の報を受けて会合の場を設け、――アリウスの迎撃・無力化の後にあらためて条約調印式を開くことを決定していた。表向きには「調印式を行っている」とアリウスに誤解させ、油断を引き出し、彼女たちを包囲網に誘い込むために。
「………貴女達には二つの選択肢がある。ここで私達の集中砲火を受けて消えるか、それとも武器を捨てて投降するか…どちらかよ」
「……正直、貴女に勝てるって私は思いません……だって、強すぎますから」
「なら―『でも…』」
「――どうせここで降伏しても、待ってるのは拷問とか…監禁とか、酷いことしか待ってないんですよね?」
「そんなことしないわ」
「嘘ですよ……うん、絶対そうです―うぅぅ…!」
ヒヨリは涙目になりながらも、固有武器・
「どうしても、なのね」
「シャーレの先生を……倒さなきゃ、ダメなんです……倒さないと、みんな、みんな酷い目に合わされるんです!!」
「…
「っ……―─シャーレの先生だって!私達を捕まえて、酷い目に遭わせるつもりに…決まってます…!だって、あの人は―強い人なんですから…!!」
「お言葉ですが、先生は絶対にそんなことをしません。きっと貴女達を幸せに、笑顔に―『嘘です』」
「嘘です……そんなの、嘘ですよ…だってこの世は、人の痛みや苦しみによって回ってるんですから」カチャ
対物ライフルとは思えない早撃ちで放たれた、恐ろしく早い発砲。それはヒナに向けて放たれた。しかしヒナはそれを羽で弾く。ヒヨリは『やっぱり強いですね…』と言いながら、取り巻きのアリウス生に指示を出す。
「リーダーからの合図があるまで、応戦します」
「貴女…」
「私達はどうせ苦しみから解放されません……してくれる人なんていません…!――だからずっと苦しくてもいいんです…!」
「だからもう――私達に、構わないでください」
「……無理だな」
「無理ですね」
『無理』
「ええぇ!?」
「そう言う事だから、何が何でも止めさせてもらうわ――貴女達のためにも」
ヒナは羽を大きく広げ、愛用武器デストロイヤーを構え、そう告げる。それに続くようにイオリも喋る。
「お前達が狙っている相手はな、信じられないほどのお人好しなんだ」
「それも……自分を殺そうとしている相手を助けようとするぐらい」
「そんな先生に私達は救われた!」
「海にも連れていってくれた!!」
「あと治安を良くしてくれた――おかげで休みが取れてる!」
「先生が私達を助けてくれたように、私も、貴女達を助けたい……そのために、貴女達を止める」
「―──へ、変な人達ですね…私達が聞かされてきたゲヘナ学園とは、ちょっと違う気がします…」
「先生のおかげで変わることが出来た、ってことよ。……ゲヘナ風紀委員会、状況を開始しなさい」
ゲヘナ学園風紀委員会 vs アリウス分校チームⅢ、交戦
―――――――――――――――――――――――
「ツルギ先輩! 風紀委員会と敵分遣隊が接触、戦闘を開始したみたいです!!」
「了解した……なら、こちらも始めるぞ」
「いやぁ〜ハハッ……信じられないっすね…ユスティナ聖徒会が目の前にいるだなんて」
「…サクラコ様、本当に……彼女らが着ている服装が、あのユスティナ聖徒会の礼装なのですか?」
「間違いありません…しかし、なぜ…アレはもう数百年も前に……」
「なんでもいい――奴らは、敵だ」
チームⅢとゲヘナ風紀委員会が戦闘を行っている一方…トリニティのシスターフッド並びに正義実現委員会、少数のティーパーティーの面々は、戒野ミサキ率いるチームⅡ、そして……彼女が引率する謎の存在、ユスティナの使徒との交戦を始めようとしていた。
「地下から出て、奇襲を仕掛けるつもりだったのに……ついてない」
「地下……では、古聖堂の地下には本当にカタコンベが?」
「正義実現委員会も、シスターフッドもピンピンしてる。……最悪……まあ…いい、どうせ最終的な目標はあの男一人なわけだし……」
「……どうして、先生を狙っているのですか?」
シスターフッドの若葉ヒナタは、ミサキに問いかける。その質問に対し、ミサキは間髪入れず、当然のように答える。
「排除対象だから……それ以外にあるとでも?」
「アリウス分校、貴女達のことは理解していますし我々を憎んでいる理由もわかります…過去の罪に対して、我々は誤魔化すつもりもありません……しかし何故、何故我々ではなく、先生を排除するのですか?」
「……私達の生徒会長がそれを望んでいる、だから排除する……っていうのもある…でも一番は」
ミサキははっきりと、恨みを含めた声で告げる。それは紛れもない本音……少なくとも、アリウスの総意であることは確かだった。
「あの男が言っている事、やっている事…何もかもに虫唾が走るから…それが一番の理由」
「………」
「みんなのハッピーエンド、誰もが皆笑顔に……イラつく……何も知らないくせに、何も抱え込んでないくせに、私達を助ける…幸せにする?…笑わせないでよ、何様のつもりで物言ってるわけ? そんなの誰も頼んでない」
ミサキは愛用武器・
「あいつの自己満足の正義のために…偽善のために、私達が付き合わされるのが我慢ならない――何の痛みも知らない奴に、助けてもらいたいとは思わない」
「自己満足……確かに、先生は自己満足のために動いてる」
「…否定しないんだ、やっぱり」
「助けた相手の笑顔が見たい、幸せにしたい、そんな自己満足のために動いていると……先生は言っていた」
「……………は?」
「ここに来てから、その気持ちが一気に高まったとも言っていた……信じられないだろうが―それが先生だ」
ツルギは愛銃・ブラッド&ガンパウダーを両手に握りながらも、どこか柔和な口調でミサキに告げる。
自己満足……確かにそうかもしれない。マッシュは過去にアビドスを救ったが、そこにも『アビドス生徒みんなの笑顔が見たい』という理由があった……そうなのかもしれない。
「みんなのハッピーエンド、普通ならこの言葉は何の責任もない無責任な言葉だ……しかしな、先生が言えば、変わる」
「無理だと周りから言われても、私達には真似できないような力技でどうにかする」
「それが……マッシュ先生って人なんすよ」
「……本気であんな夢物語を信じてるの?」
「ええ、信じます」
「先生ならできると、我々シスターフッドも、正義実現委員会も、……皆、信じています」
「意味……分かんない………相手は責任能力のある大人じゃない…私達と同じ子供でしょ?」
「子供だからこそ―信頼できるのですよ、同じ立場で考えて、同じ立場にいてくれる。そんな先生だからこそ…信じれるのです」
頑なにマッシュの事を信じないアリウスと、頑なに信じると言い続けるトリニティ陣営。話にならない…そう確信し、ミサキは告げる。
「チームⅡ各員…これよりトリニティ主力部隊と交戦、目標を殲滅する」
「話し合いは…不可能か」
「…当たり前でしょ、そんなの。最初から無駄に決まってんじゃん」
「……ならば仕方ない――ゲヒヒッ…」
羽を広げたツルギが、二丁の銃身を十字架のように構えて叫んだ。
「――戦闘開始……敵を鎮圧せよぉぉぉ!!!」
シスターフッド&正義実現委員会 vs アリウス分校チームⅡ、戦闘開始
それぞれが直接戦闘へと突入する中
「シュークリームパーチー、シュークリームパーチー、……シュークリームパーチ」
…たった1人、雰囲気にそぐわない呟きを繰り返しながら、その場へと向かう者がいた。
ごめんやっぱ辛えわ……まあアリウスのみんなはマッシュ君がどんな世界で生きてたのか知らないので、痛みを知らないやつ!って思いますよね〜と。アツコちゃんの出番は次回です。
夏のブルアカらいぶ!はっぴ~さま~しょ~たいむ!SP、いよいよ始まりますね……アリ夏、くるかなぁ。
熱中症は本気で命に関わるので、どうか皆さんもお気をつけください。
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