爆死……………………それでは本編へ……どぞ……
今回も重めです
トリニティの最奥――ティーパーティーのテラス。日が落ち、冷たい風が吹き荒れるも、静かなその場所で
「FOXアタ───────ック!!!!」ブンッ!
「あべしっ」
その空間の主人とも言える生徒・百合園セイアは、木製バットのスイングをマッシュの顔に叩き込んでいた。勿論マッシュに痛みは無く、ただ衝撃で後ろに倒れるだけだ。そしてバットも普通に折れた。
「この―何と、言えばいいのだろうな…!―この、バカ!!」
「い、いきなり何するんですかセイアさん……と言うかそのバットはどこから?」
「ここは夢の中だ、夢の中なんだからこういうものをパッと出せたりできる」
「そうなんですね……じゃあ僕はこれで「フンッ!!」…さっきから何故顔ばかり?」
「大馬鹿者の頭を殴ると、その大馬鹿者の頭が賢くなる……と、どこかの本で読んだのさ」
「それを真に受けるって言うのは…ちょっと」
何を怒られているのかわからず、頭を抑え困惑しながら尻餅をついているマッシュ。そんなマッシュの側により、胸ぐらを掴み、獅子の怒りのような表情でマッシュに怒鳴る。
「あれだけ、あれだけ私は君に忠告をしたはずだぞ?―──君が死ねば、最悪の結末が待っていると!」
「……だから、そうならないために…僕は」
「戦ったと言うのか?無理をしたと言うのか?―──自分が死にかけたのも、仕方ないと言うのか!?」
「……そうじゃ、ないと───戦わないと、みんなが酷い目にあうんです……だから、僕が―」
「誰よりも苦しむのは仕方ないと?――私が…私が怒っているのは、君の、その、馬鹿げた考え方だ!さっさと改めろっ!!!」
「僕の?」
セイアはマッシュの胸ぐらを掴みながら、淡々と怒っている理由を話す……戦ってくれたことに関しては怒っていない、しかしその戦い方、これまでの行いを、セイアは怒っていた。
「自分自身がどうなっても構わない、誰かのために犠牲になるのは当たり前……そんな、そんな考えを、私は承知した覚えはない」
「………」
「…私には予知夢がある、しかし今回の…君の行動は全く見えていなかった…未来が変わってしまったんだ」
「僕は―先生なんです、先生は……いつも、完璧じゃないといけません…大人でないといけません、――だから、だから、僕は―」
「完璧…完璧だって?――そんな者この世には無い…それは、君が一番よくわかっているのでは無いか?」
「…!」
「…先生、…いや、マッシュ。君は強い、はっきり言って世界のバグだ………だからどうした?バグだからなんだ? 強いものは弱い者のために犠牲になってもいいと、本気で考えているのか?」
「それ……は…」
「……君の夢を見たよ、先生」
「!」
マッシュはセイアのその発言を聞き、一気に顔色を変える……知られてしまった、隠していたことがバレた…そんな表情をしながらマッシュはあたふたとする。
「酷いものだった……まさに地獄、そんな景色だった」
「………なら、なら尚更、わかり…ますよね……僕が頑張らないと」
「君が犠牲になれば、ああはならないと?―──いいかい、先生」
セイアは掴んでいた襟を手放し、マッシュの胸に触れる。そして優しく口調で、囁くように自分を考えを話す。
「誰も、君が犠牲になることは望んでいない……全と個、どちらも助けるのが君じゃなかったのかい?」
「……………」
「……未来は、変えられる…それは君が言ったんだ、マッシュ・バーンデッド……お願いだ」
セイアはマッシュの胸に顔を埋め、そこで懇願する。
「もう私を泣かせないでくれ……泣くのはもう、疲れた」
「………」
「そろそろ…時間だ」
以前と同じように、光が強くなって行き、セイアの姿が見えなくなっていく。セイアは最後に一言、言い残す。
「マッシュ、君は一人じゃ無い……それを忘れてはいけない」
「セイアさん…」
「また会おう――マッシュ・バーンデッド」
「セイアさん……セイアさん…!」
「…!!――っタァ………天井……」
「先生……先生!?」
「せ、先生が目を──―早く!!みんなに知らせて!」
「はい!」
「………あーらら…」
マッシュは知っている天井で目が覚めた、救護騎士団の生徒達が動きに動き様々な音が聞こえてくる……そんなマッシュの脳にはある言葉
『マッシュ、君は1人じゃ無い……それを忘れてはいけない』
「――わかって…ますよ……そんなの…」
目元を手で押さえながら、マッシュはそう小さく呟くのであった。
その頃、トリニティ内にあるとある回廊では………
(……何故だ…何故だ、何故、何故だ何故だ何故だ!!――何故、当たらない!!)
「これぐらいなら、余裕」
サオリとアズサの激しい攻防……では無く、サオリの弾丸をアズサが反復横跳びで全弾避け続ける光景が繰り広げられていた。そんなありえない光景にミサキやヒヨリ、あのアツコまでもが唖然としていた。
(狙っているはずだ、タイミングもあっているはずだ……なのに、なのに何故!)
「…こんな弾幕、先生の投擲攻撃に比べたら全然余裕だ」
「―っまた…また、また先生か!!」
弾丸が意味をなさないと悟ったサオリは近接戦闘でアズサを攻撃する、体格差は圧倒的にサオリの方が上であり、有利なのも当然サオリ……しかし有利だからと言って、アズサが負けるとは限らない。
(右―左…と見せかけて、下……わかる、わかるぞ!)
(こちらの攻撃が読めている――っ!!)
(蹴り…なら!)
サオリはアズサの視界外から蹴りを放つ、それをアズサは避けるのでも防ぐのでもなく、その足の脛に向かって拳を繰り出した。
「フンッ!」
「っ…!?」
「……嘘」
「さ、サオリさんの攻撃を……アズサさんが、相殺…した?」
「………」
「まだ終わっていないぞ、サオリ!」
サオリが脛を殴られてよろけた瞬間を狙い、アズサは弾丸をサオリの腹に叩き込む。しかしサオリもやられっぱなしではなく、反撃とばかりに体勢を立て直し、今度は掌打をアズサの顎に繰り出す。
「させ……無い!!」ブンッ!
「ガッ―(頭突き―頭突きだと……そんな、そんな攻撃は)」
「…スマッ……シュ!」
(教えていないぞ…!!)
サオリの掌打が顎に当たる前に、頭突きでサオリの顔を攻撃したアズサは、銃をバットのように持つと、そのまま腹へ向けて振るった。
「…何あの戦い方、あんなの……あんなの、知らない」
「サオリさんが教えてくれたやり方とか…私達の戦い方じゃ無い…です、よね?」
「……」
「当たり前だ……この戦い方は、先生から教わったことなんだから」
「―――また…またあの男か? あの男の教えがそんなに好きなのか……あの男の、そんな、野蛮じみた攻撃が――そんなにも、そんなにも好んでいるのか…アズサァ!!」
濁った目、本来のサオリならありえないはずの目。クールな風格のサオリは、今や負の感情でいっぱいだった。まるで様子が違いすぎる、アズサだけではなくスクワッドの全員がそう確信づいていた。
「……サオリ、様子が…おかしいぞ」
「おかしい…おかしいのは、お前だ…アズサ! 短い……ほんの短い時間でしか過ごしていないのに、私たちとは違って、同じ境遇でも、同じ考えで育ったわけでも無い、そんな奴に――何故そこまで!!」
「サオリ…?」
「お前は、私の家族だ……あいつのものでは無い、奴はお前の家族でも無い!! トリニティの連中もだ!! なのに―なのに何故……どうして……どうしてっ…
――どうしてそんなにも幸せそうなんだ!!」
嫉妬、一言で言えばそれなのだろう……いや、それだけではない。サオリはマッシュやトリニティに『家族を奪われた』と思っていた。長年支えあってきた者が、突然何処の馬の骨ともわからない者に奪われた……そう、解釈していた。
そうですよ…サオリ、そのまま、奪い返すのです……家族を、大事な物を――あなたの手で…
――しかしサオリがおかしくなったのはこれだけが原因な訳ではない。サオリの脳に流れる一つの声、それにサオリは惑わされていた。
「…そうだ、私が…取り返さねば…私が…守らなければ――みんなを…家族を…」
「リーダー……ねぇ、おかしいって…」
「ミサキ…あぁ、安心しろ…大丈夫だ……全部、全部終われば……その傷だって……」
「サオリさん、あの…」
「ヒヨリ――そうだ、ヒヨリにだって、いい物を…美味しい物を………」
「…!」(手話で必死に訴えかけている)
「姫……―――姫だって…奪わせない……これ以上―これ以上」
サオリの目が、変わる…表情も、死ぬ……アズサは確信した……これは全て―全て、
(……サオリの目を覚まさせる、今のサオリは、おそらく先生から食らった頭の傷と……マダムによって何か細工をされて……ああなっている。なら…ならば)
「守るんだ…私が――私がっ!!」バッ!
(これしかない!)バッ!
アズサはサオリに向かって、走る。その時思い出していたのは、マッシュから教わったある事
『何かを殴る時、その時は力だけじゃなくて、気持ちとか思いとか、そう言うのを込めるといいよ』
『思いや気持ち?』
『うん、どう言う思いでその拳を放つのか…これ結構重要だよ』
『…例えば、どんな?』
『そうだな……暴れている人達に対しては、静かにさせるって気持ちだし、悪いやつには遠慮なく、ぶっ飛ばすって気持ちを込めてるよ』
『ふむ……』
『今は難しいだろうけど……いざ、その時になればきっとわかるし、アズサちゃんならできるよ――絶対に』
「――ああ、本当に…よく、わかった…!!」
サオリがアズサの顔に向けて銃口を向けた瞬間、アズサは武器を捨て、まっすぐ突っ込んでいく。周りがそれに対し驚いているのも束の間、アズサは向けられている銃口を左拳で……弾いた。
「サオリッ!」
(左手で、銃を……弾いた…!?)
「目を――覚まして!!!」
腰の入った重い一撃、それがサオリの鳩尾に向かって放たれる。アズサの小さな拳がサオリの腹に
「………リーダーが……負けた?」
「そ、そんな……傷を負っているは言え…あの、あのアズサさんが…サオリさんを?」
アズサは息を漏らしながら、サオリに向かって…力一杯叫んだ。
「私は、私1人が幸せになればそれでいいだなんて思っていない! みんな、みんなが笑顔になれる、その日を望んでいる! その日が来るまで、私は―負けない!!」
マッシュがハッピーエンドを望んでいるように、アズサもハッピーエンドを望んでいた、家族みんなが笑顔になれる……そんな、ハッピーエンドを。
兄弟での喧嘩は終わったのですが、私的にはまだこう…‥何と言いますか、まだ何かやれるよな?みたいな感じのが残っていました……なので弟先生にはお仕置きとして
ぷかぷかぴ~すと言う歌を聞かせました……その後?廃人になりながら、『もう、もう二度と、しません』って呟いてました、やったぜ⭐︎
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