透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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ただ……みておくれ、そして、コメントもよければおくれ……それだけ


それでは本編へ……どうぞ!


マッシュ・バーンデッドと合戦

 

 

 

 

「―――――っ、ぅ」

 

 

 

 

 

眩しかった、その男の姿が、声が、全てが眩しくて仕方なかった。自分とは何もかも違う…意志の強さも素の力も、教育者としても……全て、自分とはかけ離れている。

 

 

 

 

 

「―カッコつけてみたけど……なんか似合わないや」

 

 

 

 

 

どうしてだ、何故なんだ、なんで、なんで現実を見ている私たちよりも、あの男の方が強いんだ………何故、此処までの大差が開いた、どうして―──どうして私達はそっち(日の当たる世界)にいけないんだ……

 

 

 

 

 

 

「………そんな体を持っていて、そんなに強い力や人脈を持っていて、そこまで立派に育ったあんたが……私たちの気持ちがわかってしまう…?―ふざけないでよ…ねえ…!」

 

「ミ、ミサキさん…」

 

「どうせ……親に愛されて、恵まれた環境で育って、周囲から愛されてたんでしょ…? そんな奴が、私達の気持ちがわかるわけがない…!!」

 

「………僕は親に恵まれている」

 

「そ、そうですよね……きっとあなたの両親も、あなたみたいに強い人で…」

 

「僕の親は、僕を育ててくれたおじいちゃんだけなんだ」

 

『……!?』

 

 

 

 

 

 

突然、あの男は自分の両親について語った……私は…幼い頃の記憶は無い…物心ついた時から、寒さに耐え、ただただ明日を生きるために全力を尽くしてきた……ミサキやヒヨリに会うまでは、ずっと1人だった――まさか…奴も、同じだと言うのか?  

 

奴の言葉に、我々だけではなくパラダイス機構の者達も、シャーレ連合隊の者達も驚いていた。覆面水着団だけは、違ったようだが。

 

 

 

 

 

 

「赤ちゃんの頃はあんまり覚えて無いんだけど、僕はじいちゃんに拾われて、育てられて、此処まで生きてきた……正直言うと、育ての親には恵まれてると思う」

 

「恵まれているの…なら、なら私達の気持ちは…!」

 

「元の世界に僕の居場所はじいちゃんと暮らしている我が家……そこだけ、それ以外には全くないんだ」

 

「なに……?」

 

「……まあここら辺は省きますが、じいちゃんは僕にとっての恩人で、何よりも大事な家族なんだ」

 

 

 

 

 

 

お前も……そうなのか……だが…お前と私達は違う………私達は―愛されてなどいない……そうか…違う………そうだ…!

 

 

 

 

 

 

「お前を拾った、その男が…本当にお前に愛を注いだと…思うか…?」

 

「何もせずとも愛してくれたよ」

 

「何も尽くさず愛されることなんてあり得ない!」

 

 

 

 

 

 

 

尽くしてきた私たちが愛されていないのだ、だからお前もそのはずだ……尽くすこともせず愛されることなんて…!

 

 

 

 

 

「僕のじいちゃんは、常識知らず、表情筋だけは動かない、頭が悪い、物や扉をたくさん壊したりもした、そんな僕をたくさん愛してくれたよ」

 

「…………!!」

 

「アズサちゃんが君を愛していたのも、尽くされてきたからじゃない……ただ普通に、愛していただけだ」

 

「その大人も、いつか必ずお前を裏切るぞ!」

 

「それはないよ、絶対にない」

 

「何故そう言い切れる!!」

 

「それがじいちゃんだから」

 

「話にならない……」

 

「そうだね…そりゃそうだ――でもこれだけは言わせてほしい」

 

 

 

 

 

奴はまた一歩踏み出し、手を出す……私が散々傷つけたその腕を堂々と出し、あの男は言った。

 

 

 

 

 

「愛されたことがないのなら、僕がいくらでも愛すよ。シュークリームよりも、筋肉よりも、じいちゃんと同じぐらい……家族と同じぐらい愛す」

 

 

 

 

………愛すだと?…私達を…お前が……私が殺そうとした、殺意を沸かした、夢の思いも何もかもを否定し罵詈雑言を浴びせた…私を……私達を愛すだと…?

 

 

 

 

「そんな―戯言を!!」

 

「リーダー……」

 

「もう、ユスティナ聖徒会はまともに動作していない、私達の結んだ戒律は意味を急速に失くしつつある」

 

「残った聖徒会も、この様子では、もう……」

 

「手札がない――私達の、負けだ」

 

「…ふざけるな………――ふッ、ざけるなぁぁぁ!

 

 

 

 

 

 

喉が痛い、血が出てもおかしくないほどに叫んだ……認めたくなかった、その言葉の全てを、思いを、それを信じてしまっては、今まで何のために生きてきたのかわからなくなるから。

 

手を前に出し、ユスティナの使徒達を動かし奴を襲わせる………しかしそれも無駄に終わった、奴は何も言わず、無言で使徒達の腹を殴り、蹴り、消した。

 

 

 

 

 

 

「ふざけてなんていないよ、僕は君たちを愛す、じいちゃんが…他人であるはずのじいちゃんが僕を拾って助けてくれたように――僕も、君たちを助ける」

 

「―――全てだッ! 全てを否定してやるッ! お前がこの世界に来て学んだ事も、経験した事も、気付いた事も! 全て、全てッ、その全てをッ!―アズサもだ…!」

 

「…………」

 

「私達は一緒に苦しんだ……絶望した! この灰色の世界に! この希望なき世界に! それが世界の真実だと、それがどうしようもない現実だと、身を以て知った筈だッ!」

 

「…ああ」

 

「だと言うのに……全てが虚しいこの世界で、お前だけが意味を持つのか!? お前だけがそんなッ、青空の下陽の当たる場所に残る事が許されるのか!?」

 

「私1人だけが残る気なんてさらさらない、サオリ姉さん――姉さん達も、一緒だ」

 

「っっっ…!!」

 

「……此処まで言ったけど、きっと君は納得しないだろうし…アリウスのみんなも受け入れられないと思う――だから」

 

 

 

 

 

 

 

奴は構えを取り、優しい目から戦いの目になり……まるで、全てを受け入れるかのようなそんな声で、顔で、こう言ってきた。

 

 

 

 

 

 

「相手になるよ…気が済むまで」

 

「――――ああ……いいだろう………全軍…構えろ」

 

「リーダー…!」

 

「此処まで来て、逃げていられるものか!!――壊せ、否定しろ! 全ては虚しいのだから‼‼」

 

「いいえ――そんな事はさせません!」

 

 

 

 

 

 

……あの生徒が声を上げた、背に、光を背負ったまま

 

 

 

 

 

「そうよ! 私達が合格した事も、ここまで頑張って来た事も、何もなかった事になんてさせない!」

 

「私も、アズサちゃんもヒフミちゃんもコハルちゃんも…先生も、あなたも!バッドエンドになんて行かせません!」

 

「此処にいるみんながそのハッピーエンドを望んでいる……だから…サオリ…!!」

 

 

 

 

 

………そんな顔が、できたんだな……アズサ

 

 

 

 

 

「勝負だ!」

 

「――アリウス分校……突撃!!」

 

「キキキッ…先生、指示を!」

 

「うん――パラダイス機構、出撃…!」

 

 

 

 

『ウォォォォォォォォォー!!!』

 

 

 

 

戦闘が始まった……始まってしまった――私には……お前が……お前達が――眩しすぎる。

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

いよいよ始まった決戦────パラダイス機構vsアリウス分校&ユスティナ聖徒会。使徒自体が減ったと言っても未だ膨大な数がいる。それを全て相手にするのは、あのマッシュ・バーンデッドでも不可能────

 

 

 

 

 

「フンッ、フンッ、――フンフンフンフンッ」

 

 

 

 

 

なわけがなかった、マッシュは次から次へと使徒にラッシュを叩き込んでいき倒していく。この前のような暴の化身ではなく、動きは研ぎ澄まされ、フォームも精密なものへと進化している。

 

 

 

 

 

 

「使徒がどんどん倒されて…!」

 

「この前よりも、パワーアップしてませんか!?」

 

「戦い方が……変わっている……いや、あれが本来の、戦い方か!?」

 

「よそ見をしている場合?」

 

「っ!」

 

「この前の借りはぁ――返させてもらうぞぉぉ!!」

 

 

 

 

 

 

マッシュが使徒らとの戦闘中、ツルギとヒナは仇を返さんとばかりにサオリへと襲いかかる。しかし流石の実力者、サオリは2人の攻撃を避けながら反撃する。

 

 

 

 

 

「うへぇ、シロコちゃん。背中任せちゃうね?」

 

「ん…勿論――でも変わったね、背中を任せる…なんて事してこなかったのに」

 

「おじさんも変わっていくんだよ〜?」

 

「…そっか」

 

「よ〜し…覆面水着団のみんな、やっちゃうよ〜〜!」

 

『おおー!!』

 

 

 

 

 

他人に背中を預けながらアリウスの生徒らと、まだまだ残っている使徒達と戦闘する覆面水着団──もといアビドスの対策委員会、そしてゲヘナ生とトリニティ生も、互いに援護と火力支援を行いながら敵を倒していく。

 

 

そんな中、必死に戦っている者達が一つ

 

 

 

 

 

 

「ぬんぁぁぁぁっ!!?」

 

「リーダー!」

 

「っ、なんなのだこいつは!」

 

「し、使徒達と同じ種類…でしょうが…」

 

「デカさと強さが違うっスよ!!」

 

「コユキちゃん! なんか無い!? いつもみたいに、状況を打開できる手とか!!」

 

こーいうの(最前線での直接戦闘)は専門外なんですよー!」

 

 

 

 

 

使徒と同じような雰囲気を出している巨大な敵、アンブロジウス──この前の戦いではいなかった個体だ。シュークリームカップル団の面々はそんな相手に立ち向かっていた。結構必死に。

 

 

 

 

 

「パラダイス機構のみんなも手伝ってくれてるけど……キツイ!!」  

 

「何か、何か打開できるものは……」

 

「ここは私達におまかせを!」

 

「あ、さっきの狐コンビ……ってなんだそれ!?」

 

「忍法・巨大手裏剣の術…です!」ブンッ!

 

 

 

 

 

 

イズナは愛用武器の巨大手裏剣をアンブロジウスに向かって投げつける、かなりの威力がある手裏剣なので、アンブロジウスはその身を貫かれて左腕を失う。しかしこれで終わりではない。イズナは投げた先でまた手裏剣を掴み、更に投げる。

 

 

 

 

 

「マジか……おい……あのでっかい奴が、ボコボコにやられてる…!」

 

「あの手裏剣何なんだよ」 

 

「あいつもやべぇ! ほとんど動きが見えねえ!!」

 

あのお人(マッシュ先生)に仕える者なのですから、それぐらい当然です」

 

「そうか……――厄災の狐!?」

 

「この場ではセカンド狐とお呼びください」

 

「セカンドフォクスでは無くて…ですか?」

 

「……………………何か?」

 

『いえ!何でもありません!』

 

「……さて」

 

 

 

 

 

イズナがアンブロジウスをボッコボコにしている間、ワカモは力を込めて愛銃を握る。照準を定め、目を紅く光らせながら、怪物の脳天を狙った…………そして、囁くように一言。

 

 

 

 

 

「亡霊よ、安らかに」

 

 

 

 

そう言って引き金を引いた瞬間、赤く染まった弾がアンブロジウスの顔を貫く。頭部を貫かれたアンブロジウスは崩れ落ち、その場から消えた。そんなワカ―セカンド狐に対しシュークリームカップル団から一言。

 

 

 

 

 

『――かっこいい!』

 

「……ふふっ」

 

「イズナは!? イズナもかっこいいですよね!!? ね!?」

 

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

場面は変わりマッシュのターン。パラダイス機構からの火力支援もあり、無数の敵を楽々と制圧していく。そんな時、痺れを切らしたミサキが空に向かってミサイルを発射、それを合図とした他のアリウス生も、迫撃砲から同じミサイルを次々と撃ち上げていく。そして発射されたミサイルの弾列は無数に枝分かれし、マッシュに降り注いできた。

 

 

 

 

 

「ホイホイホイホイッ、そ〜〜れ」ブン!

 

「降ってくるミサイルを掴んで投げ捨てるって…!」

 

(こ、此処からこっそり狙って―)

 

「おまけにどーん」

 

「ヒィィッ!? 見つかってましたぁ!?」

 

 

 

 

 

 

そんなミサイルをマッシュは全て軽く掴み、回りながら一発だけ残し他を放り捨てる、残した一発は、瓦礫の裏で狙撃位置を確保していたヒヨリの近くへと投げつけた。

 

 

 

 

 

「ミサキ!ヒヨリ!―おのれ…!」

 

「ギィェェェェ!!!」

 

「っ、こ…の!」

 

「甘いわよ」

 

(武器が…しまった!)

 

「ツルギ!」

 

「これで借りは―─返したぞぉぉ!!」

 

「づっ!! ぐぁっ!!?」

 

 

 

 

 

サオリがヒヨリとミサキに気を取られている間、ヒナとツルギは容赦なく詰め寄り攻撃、銃を落とし、そのまま渾身の一撃をサオリに決めた。サオリはそのまま後方へと飛び、追い詰められる。

 

 

 

 

 

 

(―体が、思うように動かない……どうして…どうしてだ…!)

 

「お前はもうすでに…先生の手によって、変わりつつある」

 

「……わたしが…?」

 

「迷い、疑い、全部見えているわよ……今のあなたは、私たちよりも格段に弱い」

 

「ふざけるなっ…!私が、あんな男に……あんな…!」

 

 

 

 

 

 

 

グルルルルルルルルルルルルルルッ!!

 

 

 

 

 

 

 

「戦場で、ダンス…? を踊っている者に!!――そもそも何故あれで竜巻を起こせる!!」

 

「その程度のことを気にしたら負けだぞ」

 

「あなたもいつか慣れるわよ。寧ろそうじゃなきゃ、先生には勝てない」

 

慣れて(負けて)たまるか……そんなものに!」

 

 

 

 

 

 

マッシュはブレイクダンスで竜巻を発生させ、使徒達をそこへ巻き込んで上へと飛ばしていく。飛ばされた使徒は地面に叩きつけられるとともに灰と消え、場には綺麗に使徒達がいなくなっていた。

 

 

 

 

 

「こんなの認めない……こんなふざけた力に、私たちが!」

 

「ふざけた力、ではなく…鍛えた力だよ」ガシッ

 

「し、しまっ―」

 

「トライセップス魔法・ヒューマンズスピン」

 

 

 

 

 

マッシュは一般アリウス生徒に向かってヒューマンズスピンを発動、そのままベイブレードのように回転しながらアリウス生徒らを蹴散らしていく。

 

 

 

 

「からの、えい」

 

「ガッ……っ……」

 

「ごめん、後で必ず責任は取るから――さてと」

 

 

 

 

マッシュはサオリの方に目を向ける、ツルギとヒナにやられボロボロの状態、ヒヨリ、アツコ、ミサキも同じような状態。

 

 

 

 

 

「さ、最後のユスティナ聖徒会の消滅を、確認しました…………他部隊のみんなも……撤退を……」

 

「……今度こそ、終わりかな」

 

「そう――ですね、これ以上は、もう……」

 

「ッ――…まだだ――」

 

「リーダー……?」

 

「まだ古聖堂の地下には、アレがある……!」

 

(…アレ?)

 

「いくぞ…!」

 

 

 

 

アリウス・スクワッドはサオリの言葉を聞き移動、そのまま古聖堂の地下へと向かって走っていった。その様子を見て、ヒナはマッシュとアズサにつげる。

 

 

 

 

「あの4人は、2人に任せるわ」

 

「……ありがとうございます」

 

「いいの、部外者が行くよりも―2人が言って、説得した方が早い」

 

「…行こう、先生」

 

「うん――ヒフミちゃん達をお願いします」

 

「ええ」

 

 

 

 

マッシュとアズサは此処を任せ、アリウス・スクワッドを追いかけていく。アリウス生徒らも…何者かの指示により撤退……あとは2人が、サオリらを制圧すれば、解決。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「――ああ……いい、いいぞ、いいぞマッシュ・バーンデッド!――さあ……もっとだ、もっと、その力を魅せてくれ!!………お前は…あの作品に相応しい…極上の相手だ」

 

 

 

 

違う場所、古聖堂とは違ったその場所で……ゲマトリアの一員、マエストロはそう呟いていた。……しかし、朗報だ。

 

 

その作品は、すぐに壊れる




総力戦、と言うよりかはこう言う大人数の描写が苦手ですね……個々の戦闘なら余裕なのに…悔しい。

先に言っておきますよ、次回はあのにっくきボスとの戦闘です…‥どうぞ、お待ちくださいませ。

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