透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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トリニティの問題ってこうなんと言うか、異様に現実臭いと言うか……難しくないですか? 色々意見があると思うのですが……

私!! 個人としては!! サンクトゥス派はやりすぎたと思っているので!!ご了承くださいませ

一応胸糞注意です。



マッシュ・バーンデッドと怒りの矛先

 

 

 

会議が終わり、ミネとサクラコは自分の居場所へと戻る事に。

 

 

 

 

 

「では、私は一度大聖堂に戻る事にしましょう、また何かあれば連絡を」

 

「ならば私も救護騎士団の方に――お会い出来て光栄でした、先生」

 

「また会いましょう」

 

「えぇ……どうか、お気を付けて」

 

 

 

 

 

 それぞれが頭を下げ、ミネとサクラコの両名は会議室を後にしていく。

 ナギサとマッシュの二人がその背を見送り、会議室の扉が音を立てて閉じられた。

 

 

 

 

「……はぁ」

 

 

 

 二人が去った後、ナギサは椅子に凭れ掛かりながら、相当に深い溜息を零した。肩と胃を揉みながら大きなため息をついたナギサは、苦虫を噛み潰したような顔で言葉をこぼす。

 

 

 

 

 

「全く、胃が痛い事ばかりですね」

 

「お疲れ様ですナギサさん、肩揉みしましょうか」

 

「……お言葉に甘えさせていただきます。お願いできますか?」

 

「どうぞどうぞ」

 

「では、よろしくお願いします」

 

 

 

 

 

 マッシュはナギサの後ろへと移動すると、ナギサの首の付け根から肩の先までを、手のひらの付け根の部分で優しくほぐしていく。

 

 

 

 

 

(―ァ…これ、すご……

 

「どうですか?」

 

「けっ!―けっこうな…お手前で…」

 

「じいちゃんにいつもやってたので、何回かやってると慣れる物なんですよね」

 

「それにしたって………ちょうどいい……ですね」

 

 

 

 

 

 

 程よい力加減、器用な手捌きによる最上級のマッサージ。

 ナギサがどれだけの財力を注ぎ込んだとしても、マッシュのようなマッサージ師は掴めないだろう。

 

 

 

 

 

「手先が器用なので――一度じいちゃんの肩を壊しちゃった時から学んだ…みたいな感じです」

 

「なるほど……お爺様の肩を――お爺様の肩を壊したぁ!?

 

「あの頃の僕は力加減とかあんま分かんなくて」

 

(なんでしょう、今、少しだけ恐怖が浮かびました……ぁ、でも気持ちいい……)

 

 

 

 

 

 現在のナギサは人に見せてはいけないような顔をしているが、そこは置いておいて……ナギサは肩を揉まれながら、ミカについての話を始めた。

 

 

 

 

 

 

「先生、先程の会議中にも何度か口にされておりましたが、現在のミカさんは非常に……本当に、複雑な立場に置かれておりまして……明日の午前に、ミカさんの聴聞会が開かれる予定です」

 

「聴聞会…」

 

「とは云っても、実際には先日の件に対しての審問に近い――査問会のようなものだと思って頂ければ」

 

「その議題は、やっぱりエデン条約?」

 

「はい、彼女の犯した罪、そしてエデン条約に関連する事柄が中心になるかと」

 

「……趨勢…というやつは?」

 

「……難しい、ですね」

 

 

 

 

 

 マッシュは力を少し緩めながら、ナギサの後ろ首を軽く叩きほぐす。やはりナギサは到底外部に見せられるようなものではない顔をしていたが、抜けた力を入れ直したナギサはなんとか意識を保って話を続けた。

 

 

 

 

「退学に至ることはない…と思います。しかし、相当に厳しい状況である事は確かです」

 

「厳しい状況……不利って事ですね」

 

「エデン条約での事件以降、トリニティ総合学園の情勢は複雑になりました。ミカさんに対する糾弾の声は勿論の事、ティーパーティーの権限を剥奪するべきと云う声も、過程や真相はともあれ……ミカさんはアリウス分校と結託してエデン条約の事件を起こした主犯のひとりですから」

 

「……でも、ミカさんは心からそのことを反省して」

 

「反省した……という態度を見せたとしても、人というのはそう簡単に認められません」

 

「……嫌な現実ですね」

 

「えぇ………本当に」ギリッ

 

 

 

 

 

 ナギサは手を握りながら、渋く曇った顔をする。元々トリニティ全体の統率はティーパーティーが担っていた役割だが、今回の事件で大きく情勢が様変わりした。

 ティーパーティーの権威は大いに削がれ、他主力分派のシスターフッドと救護騎士団という、ティーパーティーに匹敵する柱が生まれたのである。

 

 つまり、ティーパーティーの存続そのものが絶望的になっているのだ…それを思い出したナギサが、再び顔に影を生む───そして、それをやすやすと見逃すマッシュではない。

 

 

 

 

 

「そいっ」ズッ

 

「ヒャ!?」

 

「顔、すごい事になってますよ。今はリラックス、リラックスです」

 

せ、せんせ、そこ、だめ――みゃぁぁぁぁ…

 

「よしよし……僕マッサージ師の才能あるかな」

 

 

 

 

 

 ツボを押し、ナギサの表情を和らげたことで自分の才能に気づいたマッシュ。するとナギサは、あることをマッシュに告げる。

 

 

 

 

 

 

「ふぅ……どのような形であれ───彼女はアリウスに利用されていた、それが大半の生徒の見解である事は確かです」

 

「なら」

 

「しかし、それでも収まらぬ怒りを抱いている分派があります」

 

「……セイアさん関連の?」

 

「ええ……サンクトゥス分派、セイアさんが首長を務めるティーパーティーの一分派…その分派が、ミカさんを目の敵にしています。あの事件以降セイアさんの体調は悪化し、自室に籠り切りになってしまいましたから、余計に……」

 

 

 

 

 

 自分が尊敬し、仕えている相手が殺されかけたばかりか、以来ずっと寝たきりになっている……怒るのはもっともであり、マッシュも気持ちがわかるので強くやめろと言えない。

 

 

 

 

 

「アズサさんがセイアさんを暗殺しようとした時、セイアさんがお願いをしたそうです……部屋を爆破して、逃げろと」

 

「……聞いてないなそれ」

 

「言えるはずも、ありませんので……セイアさんの死を偽装するために、ミネ団長と結託し隠蔽した……その事実が…あるとはいえ…」

 

「怒りは収まらない…当然か……サンクトゥス分派の生徒は、全員ミカさんを?」

 

「いいえ、勿論そうではない生徒もおります。同じ分派の生徒とは云え一枚岩ではないのです。特にセイアさんの率いるサンクトゥス分派は、セイアさん自身が余り分派の構成生徒と関わる事を好みませんでしたから……

 

それでも予知の力を持ち、知性に優れた彼女を慕う生徒は多く在籍しておりました。そうでなければ首長などという椅子に座る事はありません」

 

 

 

 

 

 

 

 学園の不祥事、ゲヘナとの和解(厳密には少し違う)、ティーパーティーの失墜、そう云った様々な不安、不満──心の傷付く要素を、誰かを攻撃する事によって解消しようとしている。

 言い方を変えれば八つ当たりである――その八つ当たりの矛先が、ミカ。

 

 

 

 

 

 

「……現在、一部の過激派によってミカさんが使っていた本や所持品、大事に集めていた服やアクセサリーの一部が持ち去られてしまい、恐らくは処分されてしまっています」

 

「……やりすぎですよね、それ」

 

「えぇ、その事に怒ったパテル分派の一部と小競り合いが発生している様子でして、毎日報告が上がっています……正義実現委員会が取り締まってはいますが、中々どうして全てを阻止する事は難しく…」

 

「…うーむ」

 

「そして何よりも……ミカさん自身、聴聞会にてご自身を弁護する意思がない様でして」

 

「――ふむ」

 

「ミカさんは聴聞会を欠席しようとしています、そんな状態で行われる聴聞会は――まず間違いなく、彼女の不利益に直結する筈です」

 

「……」

 

「私では、彼女を説得する事が叶いませんでした、或いはセイアさんであれば上手く出来たのかもしれませんが……彼女は今、それどころではありませんし」

 

 

 

 

 

 

どこかまごつくように、或いは申し訳なさそうに呟くナギサを前にして、マッシュはマッサージをしながら、簡単に答える。

 

 

 

 

 

「なら、僕がミカさんを説得してきます」

 

「あ…ありがとうございます、先生の説得なら…きっと」

 

「一緒に背負うって言いましたし、大好きなミカさんがいなくなるのは絶対に嫌ですし」

 

「ふふっ……先生は本当に…………大好き?」

 

「? はい」

 

「あ、あの、それはつまり……えっと」

 

「自分を救って貰った恩人ですし、大事な友達……だから、大好きですよ」

 

「な、なるほど…」

 

「あ、もちろんナギサさんも大好きですよ、なんならみんな大好きです」

 

「…………本当にそういうところですよ……先生」スッ

 

「?」

 

 

 

 

 

ナギサは自分の肩に乗っているマッシュの手を片手で握り、作り物では無い本物の微笑みでマッシュに言う。

 

 

 

 

 

「―─キヴォトスに来てくれて……私達に出会って、助けてくださり──本当にありがとうございます、先生」

 

「……えーと、どういたしまして…?」

 

「――ふふふっ」

 

 

 

「ミカさん、美味しいところをごめんなさい」と思いながらも、ナギサはその時間を一人噛み締め、マッシュはただただ何も知らずにナギサにマッサージを施し続けた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

 

 

「セイア様を害そうとした裏切り者を引き摺り出せ!」

 

「アリウスと手を組んでエデン条約を台無しにした罪人がティーパーティーだなんて、許せません!」

 

「罪人には罰を!断罪を!!」

 

「裏切りには代償を!」

 

「わわっ、こ、この線から出ないで下さい……っ!」

 

「………思ってた数倍やばいね」

 

 

 

 

 

 

 会議室を後にし、本校舎を離れて約十分。既に夕刻に差し掛かり、空も夕に染まりつつある。

 マッシュは歩いている最中、僅かに空気を震わせた罵声が遠くから聞こえた気がした。ナギサの話を思い出して嫌な予感を得たマッシュは、思い過ごしであることを願いながらもその場へと駆け出していたのだが…。

 

 

 

 

 

 

「またサンクトゥス分派の連中か……!」

 

「お前達、まだこんな事をッ!」

 

「無駄に集まって罵声に怒声、品のない分派ですこと」

 

「程度がしれますね、サンクトゥス!」

 

 

 

 

 

 

 彼女達の声を聞いて駆け付けたのか、或いは遠目に見ていた仲間が連絡網で呼び出したのか。十名程度の同じ制服を身に纏った生徒達が、ゾロゾロと彼女達の傍へと足を進めていた。

 

 

 

 

 

「パテル……ッ!」

 

「ふん、サンクトゥス分派の生徒は随分暇なのですね?」

 

「なんですって……っ!?」

 

(なんで喧嘩ふっかけるんだろう)

 

 

 

 

 

 

 互いの分派が横一列に並び、相手を睨みつける様にして胸を張る。張りつめた空気を感じ取った正義実現委員会の生徒二人が焦燥を滲ませながらあたふたと小銃を抱え、しかし声を掛ける事も出来ず戦々恐々と扉の前で縮こまっていた。

 

 

 

 

 

「そもそもミカ様はアリウスの悪辣な罠に掛かってしまっただけ、この学園が未だ形を保っているのもミカ様のおかげ…その様な御方に裏切りだの、断罪をだの……良く云えますわね?」

 

「そもそも、あの事件は聖園ミカがアリウスを呼び込まなければ起きなかった筈でしょう!」

 

「どうだか、卑劣なアリウスの事だ、どう転ぼうと調印式で仕掛けて来たに違いない。ミカ様は慈悲を見せただけだ、長年の対立を水に流し、手を差し伸べ、それを振り払ったのは他ならぬアリウスだろう?」

 

「ならば我らの首長、セイア様を襲撃した件はどうする‼?」

 

「それこそアリウスが勝手にやった事、ミカ様はセイア様を攻撃しろ等と一度も指示しなかったと仰っているだろうに!!」

 

「罪人の言葉を信じると云うのですか!?」

 

「口を慎みなさい、我らの首長を罪人呼ばわりなど…」

 

「罪人……そうよ、罪人なら、もう一人いるじゃない」

 

「なに!?」

 

 

 

 

 

 

 遂に、サンクトゥス派の1人がとてつもない爆弾発言を口走った───その発言はパデル派だけでは無く、他の派閥にも喧嘩を売りかねないが───状況を鑑みれば、この結論に至るのは避けられなかったのかもしれない。

 

 

 

 

 

 

「シャーレの先生…!あの者も、裁かれるべき罪人でしょう!!」

 

(うそーん)

 

「なっ――口を慎みなさいっ!!トリニティを…いや、キヴォトスを救った英雄になんと無礼な口利きを…!!」

 

「英雄!?笑わせないで!!――トリニティを陥れようとした重罪人を庇っただけででなく、あの異端(アリウス)までも擁護している、そんな者のどこが英雄だと言うのですか!!

 

「―─そうだ、罪人を庇うのならあの男も同罪だ!!!」

 

「アリウスを庇うなど、きっと何か企んでいるはずです!!」

 

「奴を野放しにしておくとは、どういう了見だ!!」

 

「第一、キヴォトスの外から来た一介の部外者ごときに、我が校の問題についてとやかく言われる筋合いはないっ!!」

 

(わーお…困った)

 

 

 

 

 

 

 罪人を庇って味方する者もまた罪人、とする理屈は決して誤りとは言えないが、今回に関してはそもそも訳が違う。マッシュはシャーレの先生として、ミカやアリウスの罪を共に背負って償い、その責任を取る覚悟を決めて職務に当たっているのだ。

 生徒の過ちを赦して責任を取ろうとする姿勢を罪人の擁護や隠匿と混同し、事実上「気に食わないから」という理由で非難をぶつけるに値する理由など何処にもない。
 しかしサンクトゥス派は、トリニティという環境に染まった思考のためか、その事実に対する理解が浅かった。武器を握った彼女たちは、遂に実力行使に出ようとする。

 

 

 

 

 

「なんなら…今すぐ、ここで───捕虜となっているアリウスもろとも!!」

 

「いい加減にしろサンクトゥス!!それ以上あの人を侮辱するのなら…!!!」

 

 

 

 

一触即発、ほんの些細な刺激で銃撃戦に発展する予感……もうこれ以上はだめだ、そう思いマッシュは素早い動きで、互いに突きつけている銃口を手で覆う。

 

 

 

 

 

「はいそこまで」

 

「何ですか、今私達は大事な話の最中――で……?」

 

「申し訳ありませんが、今私達は、この魔女に加担する連中を――……?」

 

「それ以上の行動は許せないよ。今すぐ、武器を下ろして」

 

『ま――マッシュ・バーンデッド先生!?』

 

 

 

 

 

 

 マッシュの姿を前にサンクトゥス派は青ざめ、パデルは怒りを収め、双方銃を下ろす。近くにいた正義実現委員会の2人は死ぬほど安堵し、場の騒動は一気に鎮火された。

 

 

 

 

 

 

「あ、あの、先生、さっきのは、違くて……」

 

「先生、この者達なあろうことがミカ様に罵詈雑言を浴びせ……貴方にまで牙を向けていました、なのでどうか……御裁きを」

 

「別に、さっきのことなんて気にしてないよ」

 

「し、しかし……!!」

 

「……君達の怒りもわかる、でも、今ミカさんは罪を償っている最中なんだ。捕虜になっている子達も今、自分と戦っている」

 

「トリニティを陥れようとした、そんな犯罪者共を許せと!?我々には、彼女らを裁く権利が───」

 

「ねえ、そこなんだけどさ」

 

 

 

 

 

 

マッシュは少し口調を強め、サンクトゥス派に向かい合うと、はっきりと自分の意見を述べる。

 

 

 

 

 

 

「君達になんの権限があって、そんなことをするの?」

 

「わ、我々はセイア様の仇を…」

 

「セイアさんは仇を取ってくれって言ったの?セイアさん、ミカさんやアリウスに怒ってたりした?それともナギサさんに許可でも取ってきたの?捕虜のみんなに酷いことするつもりなら……そんなこと、誰に許されたの?」

 

「そ……それは……」

 

「……君達の怒りは理解する、でも今やってるこれは違うでしょ……聞けば、ミカさんの大切な物を勝手に処分してるらしいけど……それも、許可されたこと?」

 

『…!』

 

「罪を裁くのも、許すのも、判決を下す人も、ちゃんとした役割を与えられた人が手続きを踏んでいるんだ――その仕事は君たちの役割じゃない……罪を犯した人に対しては、罪に釣り合った裁き方が必要なんだ。何をしてもいい、どれほど追い込んでもいいなんて……そんな考え方は間違ってる。そんなの、意味もなく周りを傷つけるだけだよ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 マッシュははっきりと断言する。ミカの失態は確かに、トリニティどころかキヴォトスを揺るがす惨事を招きかねなかった……

 
 だが、だがマッシュは知っている。ミカが自らの罪に苛まれていることを、過ちを犯した自分自身と向き合っていることを……そして、あの場所(体育館)で聞かされた、彼女の本音を。

 

 ミカは自分勝手な罪人ではない、アリウスとの和解を本気で願った心優しい生徒なのだ。

 他人の粗を探し、見つければ徹底的に吊し上げて位を引きずり落とそうとするトリニティの体質が、そんな彼女を、そしてアリウスの生徒を傷つけている。
 そんな現状は、彼女たちを支える覚悟を決めたマッシュには、決して見過ごせないものだった。教師として明確な怒りと叱責を示したマッシュに、サンクトゥスとパテルの両分派がたじろいで萎縮する。

 

 

 

 

 

 

 

「……パデル派のみんな、アリウスの件は僕がなんとかする……だから、手を出さないで欲しいんだ。それと……サンクトゥスの皆や、他の分派が怒ってる理由についても、少しは理解して欲しい」

 

「ぅ……わかり、ました」

 

「サンクトゥス派の皆も、怒りの矛先が違うことを……理解してね」

 

「………承知……しました」

 

「――はい、解散解散」

 

 

 

 

 

 

 ぐちぐちと言いながらも、溜飲を下げたように解散する両分派。その背中を見送り、マッシュは深く溜息を吐き出す。

 

 

 

 

 

「せ、先生……!」

 

「お疲れ様、正義実現委員会も大変そうだね」

 

「い、いえ、助けて頂いてありがとうございます!」

 

「僕は何も……あ、ごめん、一応警護の方お願い。何かあったら呼んでね、直ぐ駆けつけるから」

 

「はい、此処はお任せ下さい!掃除は私達で行いますから……!!」

 

「ん、そっか……ごめん、ありがとう」

 

 

 

 

 

マッシュは礼をして、中へと入っていく……行き先はミカがいる地下――も、あるが、先に向かうべき場所は別。

 

独房の存在するこの場所は薄暗く、何処か空気が冷たく感じる。マッシュは天井を見上げながら

 

 

 

 

 

 

 

「罪を犯した人に対しては何をしてもいい、どれほど追い込んでもいい……それは間違い、きっと危ない考えだよね……だけど、ベアトリーチェをボコボコにしようとしている僕も、人のこと言えないのかな……うーむ」

 

 

 

 

 

そう呟き、目的の場所へと向かうのであった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―─と言うわけで差し入れとしてクマのお人形と絵本をたくさん持ってきたよ、どれがいい?」

 

「私達は幼児か!?――いや、幼少期にそんなものはもらったことはない…けど…もっとこう、あっただろ!?」

 

「いらない?」

 

「――……いる」

 

 

 

 

その場所、以前ミカの件で捕まえた捕虜達がいる独房で、いつものマッシュらしさを発揮していたのであった。

 




胃が痛い、すみません本当に胃が痛い……こういうギスギスとしたやつは苦手なんですよなぁー私!!




私個人の意見になるのですが、サンクトゥス派の気持ちもわからんでもないんです、尊敬している人が傷つけられて許さない!!って気持ちは……でも限度ってあるじゃないですか?


他人のものを勝手に奪うとか、処分するとか、それ自体がだめだと私は思うのです……悪意って本当怖い。それが正義だ!と思ってしまっているのが本当に怖い。

私はサンクトゥス派が怒るのはまだいいと思っています、でもやっていることを、私は正義だと思っていません。

本当にこれは私個人の意見ですのでね!はい!!、弟先生や妹先生は



妹弟先生『トリカスまじぶっ飛ばす』



と言っておりますし、考えは人それぞれ‥…と言うことで、私があんまりにも考えすぎだと言うのもありますが。




次回……曇らせ注意です、アリウス捕虜達の……



励みになりますのでコメントと評価……を言う、雰囲気じゃないですね、はい。


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