お気に入り登録が2桁ぐらい減ってガチ凹みしてしまった主ですが……そろそろ調子を取り戻してきました。
なぜって? もうベアトリーチェvsマッシュ君ができるからですよ!!
それでは本編へ…どうぞ!
「――先生……どうしてこ―…ってまた扉が壊れている⁉︎」
「ごめんなさい、セイアさんがすごく唸ってる声が聞こえて、つい」
「そ…そうか………うん」
ゲマトリア達の会談を聞き、マッシュに話の内容を伝えるべく目を覚ましたのだが……
「うなされていた感じでしたけど……また夢で何か?」
「………先生、ベアトリーチェの……目的が……判明した」
「!」
「彼女がやろうとしていることも……君を排除しようとしていることも……やっと、わかった」
「セイアさん……まさか、夢でその人と?」
「君の身も関わる重要な事だ……よく、聞いてほしい」
「………」
セイアは、知る限りの情報をマッシュに話して聞かせた。
ゲマトリアによる会議の内容、ベアトリーチェの目的と理由、ベアトリーチェが魔法を手にした可能性などを、セイアは事細かく必死で話した。
しかしそれでも、イノセント・ゼロのことについては一切話さなかった。話せるわけがないだろう─――
「――わかったかい……先生、君はその命と肉体を狙われている……自分を物のように扱われてやるせないだろうが…どうかここは……―─!?」
「―――――――――」
「き……気絶している…⁉︎」
「――はっ……ごめんなさい、なんか情報量の暴力で殴られて、気絶しちゃいました」
「この前は普通に聞いていただろう?」
「あの時は先生モードだったので」
「先生モードってなんだ……? それに、スイッチを入れるように在り方を変えるだけで、そこまで話の受け取り方が変わるのかい?」
「正直今の僕はそこまで深いこと考えられないんですよね」
「頼むから今だけでも真面目にやってくれたまえよ……」
つくづく、気遣いを返して欲しいと思わされる相手。
「まあでも、何となくわかりました……ベアトリーチェって人がどんな人なのか……要するにその人は―」
「そう…本物の悪でエゴイストな――」
「僕の体を狙ってる変態でショタコンってことですね」
「変態でショタコン……!?――いや…あってる……のか…? …‥いやいやいや、違う、違うだろう、絶対…」
今までのマッシュは、ベアトリーチェを「アリウスを虐げてきた悪人」「皆を苦しめた張本人」と認識していた。ここでセイアの話を聞かされたマッシュは、新たに「ショタコンで変態」というタグを追加した。
「あといい大人が"完全無欠な生命"って言うのもちょっと……それを夢見るのは勝手ですけど、そのために僕らを利用するのは大迷惑」
「……ごもっともな意見だ」
「それから、ベアトリーチェさ――いや、ベアトリーチェに余計なことを吹き込んだ奴は本当に何してくれてるんだって話ですよほんと、出くわしたらとことん文句言ってやる」
(……寧ろ、ぶん殴ってくれても構わないよ)
「セイアさん、いろんなことを教えてくれてありがとうございます――覚悟、完全に決まりました」
マッシュの顔が真剣な表情へ切り替わると、持っていたシュークリームを小皿に乗せ、セイアに渡す。渡されたセイアは何も言わずそれを受け取り――マッシュがこれから何をしようとしているのか、言葉を交わさずとも理解した。
「行くんだね……ベアトリーチェの元へ」
「少し準備をしてからになりますけど……今日中に行っちゃいます」
「……ベアトリーチェは恐らく、途方もなく強い…キヴォトスの兵器とは、比べものにならないほどに」
「でしょうね」
「……今度こそ、本当に危険で、死ぬかもしれない――それでも、行くんだね?」
そう告げるセイアの肩は、少し震えていた。
そんな怪物と、マッシュは本気で戦う―─
「―セイアさん」
「……私は止めないよ、先生……君が選んだ選択、君が選んだ道を信じると決めたんだ…だから……だからっ……───」
「一発芸をします」
「………は?」
「BGMカモン」*1
『このタイミングでやるんですか!?』
「お願いアロナちゃん、セイアさんのためなんだ」
『どうなっても知りませんよ!?』
突然、マッシュがシッテムの箱を起動させ、プレイリストに加えられていた音楽を流し始めた。
「?????????」
宇宙狐状態になったセイアは、必死にその状況を飲み込もうと思考を広げた。気分が落ち込んでいる自分を、おそらく元気つけようとしているだろう……
しかしそれでなぜ一発芸?
そして、曲のサビに入ったその瞬間―─
「ヤー!」
「――ブホッ‼︎」
大声とともに、フロントラットスプレット──広背筋の広がりをアピールするポーズ──を決めるマッシュ。それを見て、セイアは思わず噴き出してしまった。
「せん…せん…せんせ…ククッ…ンフフフッ…な、なんだ……何なんだ…それは――フッ、アハハハハッッ!」
「疲れてるリンさんを癒そうと思って作り出した渾身のギャグです、ちなみにリンさんはこれでもう10回は腹筋を崩壊させています」
「お……面白かった……が…ブッフォ……なぜ、なぜ急に?」
「こんなシリアスな状況でも、僕はこんなことができる――そんな僕が死ぬと、思いますか?」
セイアは生まれて初めて腹を抱えて笑い、蹲りながらその言葉を聞かされ、遂に納得する……マッシュにとってのシリアス──つまり、彼を阻むような暗い現実は、決して敵になりえないのだと。
「相手は強大すぎる極悪人……だからこそ容赦なくボコボコにできる、皆の分まで借りを返せるってわけです」
「恐れはないんだね…もう」
「負けるつもりが1mmもありませんし、みんなを不幸にする気もありません。シャーレの先生としてではなく……みんなの友人として、何が何でもあの人の企みを止めます」
「――君が負ける…そんな未来、あるはずがなかったね………マッシュ」
セイアはベットの上に座りながら、腕を前に出す。
「完膚なきまでに、やっつけてくれ」
「任せてよ―──セイアさん」
「…フフッ」
マッシュとセイアは軽く拳をぶつける、マッシュが負ける未来を信じず、勝つ未来だけを信じる――セイアはマッシュの友人として、マッシュを信じ、応援するのであった。
「……………すまない、自分の貧弱さを軽視していた」
「いえ…………ほんっとごめんなさい」
拳を本当に軽くぶつけただけで、セイアは腕を負傷したが――それでも、マッシュを信じる事を誓った。
「ミネさんに怒られちゃった……反省しないと」
セイアとの会話を終えたマッシュは、装備や連絡などの準備のため、ただ一人シャーレへと駆け戻っていた。
「雨降っちゃってるな……まあ関係ないか」
雨に打たれながらも走り続けるマッシュ、雨の日のジョギングは体に悪いものと知っていたこともあり、急ぐつもりで帰っていたのだが―――ふいに、彼は足を止めた。
「……」
周囲を見渡す。
「……いるんですよね、サオリさん」
「…………………構えないのか」
「もう、僕達は敵じゃありません」
「このまま…引き金を引く可能性もあるだろう」
「例え撃たれても、僕なら拳銃弾くらい弾けますし」
「……そうだったな…お前は……強い………強い……からと言って………私は…!」
振り返った先に立っていたのは、すり減った拳銃を握っているサオリだった。ピストルの中には特殊弾、そして左手には爆弾――だが、それらを前にしてもなお、マッシュは眉一つ動かしていなかった。
サオリが、自分を攻撃してこないと……確信して。
「………マッシュ……バーンデッド…」
「!」
「アツコが……連れて…行かれた」
「……ベアトリーチェの、目的のために?」
「ああ……ヒヨリは、ミサキを連れたまま…どこかへ逃げた――生死も、不明だ」
サオリはマッシュの目の前で突然膝をつき、崩れるように土下座した。罪悪感に震えながら、サオリは最後の願いを告げる。
「私のことはどうしてもいい……何をされても、仕方ない事をした――先生のことを、何も知らないくせに……私は…先生を…傷つけた……何度も…何度も、何度も何度も‼︎」
「…サオリさん」
「私の、命を賭けて約束する、どんな対価も支払う、どんな指示だろうと従う、何も持たない私だが、私に差し出せるものならば、全てを捧げると誓う……!」
そう告げ、サオリは懐に手を差し込み、先生の前に幾つかの影を放った。
「彼女に言われた……『自爆してでも、自らの命を引き換えにしてでもあの男を消しなさい』、と」
「………」
「だが――――無理だ……もう、嫌なんだ……私はもう…お前を…傷つけたくない…!!」
サオリは泣きながら、マッシュに懇願する――震え、歯を食いしばり、自身の積み重ねて来た全てを擲って、彼女はマッシュに向かって必死の叫びを発した。
「ヘイローを破壊する爆弾、これも預ける。私の命を握って貰って構わない、私の事は使い潰してくれて良い、信用できないと判断したら、それを使って処分してくれ…私は決して、抵抗しないと約束する……!だから、頼む――アツコを…私の…家族を!!」
そう叫びながら、泥だらけの地面に頭を下げた…その時――頬を、温かいものが包みこんだ。
「……顔をあげて、サオリさん」
「私に……先生の顔を見る資格なんて」
「サオリさん」
「やめてくれ先生っ…!!私に……私に、顔を見る資格も、話す資格も…ないのだから…!!」
「――フンッ」
「ッ!」
マッシュはサオリの顔を強制的に持ち上げると、正面から目を合わせる……
「そんな事をする必要も、
「私は―─―私は、何も知らないくせに……──―先生の苦しみも理解せず、勝手に決めつけ、勝手に妬みを抱き、心も体も傷つけた…!!」
「言いましたよね。僕はもう、許してるって……だから、サオリさんがこんな事をする必要はないんだ」
「…縋ろうとした身で何をと思うかもしれない、しかし……先生の……命を奪おうとした事実は決して消えない、だというのに、どうして罵倒の一つも飛ばさずに、そんな、簡単に……」
「何度でも、何回でも、貴女があの人に何をされたとしても、言い続けますよ」
マッシュはもう一度、優しく声で、態度で、今度は……空っぽの彼女を埋めるように、冷えた体を温めるように、前から首にを回し、強く抱き寄せる。
「仲直り……それから───今までよく、頑張ったね」
「―――ゥ……ぅう」
「何度も泣かせちゃってごめん……でも、もう泣かせない。僕は貴女を苦しめない……傷つかせたりしないよ」
「っ…あ、っ……、ぅあ……!」
「もう、大丈夫……―――
君達には、僕がいるから」
「ま……っ…しゅ……ぅ…うぅぅ……ウゥァァァ…あああぁぁぁっ……!!!!」
サオリは大粒の涙を流しながら、サオリはマッシュを強く抱きしめながら、これまでの人生で経験したこともない程に泣き続けた。
悲報、我が家のクーラーがぶっ壊れました……最悪です。なので現在我々は一緒の部屋で、扇風機を二台回しながら寝ています……じゃ無いとほんとに死ぬ。
勿論水分は大量にあります、明日修理に出すので、ご安心ください。
次回、ちょっとした修羅場(ガチ)なので、ご注意ください。
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