現在の熱、37:6、下がりはしましたがまあしんどいですね……しかし私は投稿をする‼︎ 何故って? なんとなくだ‼︎
それでは…‥エデンのラスト、短いですが、どうぞ、お楽しみください
マッシュはリモート会議の2日後にシュークリームパーティーの開催を予定していたが、各学園内における生徒たちへの連絡や、何よりマッシュと関わった生徒たちの心の整理を考慮して、予定は一週間後に変更された。そして遂に、最低限の療養を経たマッシュがシャーレに戻った後、その日が訪れたのだが――
「………今回は、先生の退院祝い、以前行った会議が丸く収まった*1記念として、各学園でシュークリームを作り、シャーレ内にてパーティーを開こう…と、いうことだったのですが―――揃いも揃って、なんなんですかこれはっ!!!」
「わあすごい、見事にみんな個性的だ」
「個性的にも限度があるでしょう!?」
ものの見事に生徒たちが揃って個性的なシュークリームや食べ物を作って持ってきていた。
「……まずはゲヘナの皆様からいきましょう………ヒナ委員長、これはなんでしょうか」
「シュークリームよ、アレンジは加えたけど」
「そうですね、シュークリームですね――見事に皮が丸焦げのモノが多いですが……これはもう炭です、クリームを炭で挟んでいるだけですよ。食べ物ではありません。もしかして、こういう形の火起こしの燃料なのでしょうか?」
「……お料理なんて、これまでほとんどしたことがなくて……失敗しちゃって」
「何をどうしたらこうなるのですか…」
「よ、弱火で10分、強火で3分でいいよねって……風紀委員の皆が思っちゃってて」
「ぐぅっ…!これだから頭ゲヘナは…!」
「キキッ……だ、だが安心しろ。給食部は完ッ璧なシュークリームを作ってくれたからな!!」
「そうですね――あそこで先生に懐いているタコのような怪物を除いて」
「ジュリちゃん、なんかこの子すっごい懐いてくるんだけど」
ゲヘナ生が持ってきたシュークリームは、まさに炭……普段料理やらは全部給食部に任せていたゲヘナ生の多くは、今回が初めての料理でもあり……まともなレシピを知らなかった結果、ほとんどが失敗して炭や灰になってしまった。
特に万魔殿に至っては、(炭こそ目立たないとはいえ)シュークリームですらない大量のプリンを作って持ってきた。数少ないまともなメニューは、給食部のフウカが美食研究会を扱き回して調理したシュークリームと、アル以下便利屋68が作ってきた品のみ。
「い、一応しっかりとレシピを見て作ってきたのだけれど……」
「……社長が一番まともだったね」
「さ、さすがはアル様です…!」
「これがダークマターってやつかな?」
「捕まえるわよ便利屋68」
「完全なる私怨!」
「……では次、ミレニアムに参りましょう。メイド部の皆さんと、ゲーム開発部、そしてセミナーが作り出したシュークリームは上出来です……が」
リンが持ち上げたのは、エンジニア部とヴェリタスが作り出したシュークリーム―─―否、人体に毒性を及ぼす色合いにしか見えない、謎の球体。少なくとも、人間の歯で咀嚼できるようには見えない。
「なんですかこれは」
「………そのだね、我々は……その、私達の食事は『栄養さえ接種出来ればいい』という考え方が常で、ね……なんと…言うか」
「料理という料理を、したことがなくって…」
「じゃあ機械に作って貰えばいいやと思って、作ってもらったんだけど」
「効率や予算の削減を極端に気にした結果……シュークリームに似た何かになってしまったんです」
「これ食べれるのかな」
「無理でしょ絶対」
「だから『私達と一緒に作ろう!』って言ったのに〜!」
「変な所で意地を張るからそうなるんだ。技術者根性は別の所で発揮してくれ」
「うっ……可愛い後輩たちに『先輩すご〜い』っと言ってもらいたくて…」
「……トレーニング部はもはやただのプロテインですね」
「失礼な、ちゃんとカスタード味ですよ。シュー皮風味のクッキークランチ入りです。チョコ味もイチゴ味も、抹茶味もちゃんと用意してます」
「聞いてませんし、求めているのは普通のシュークリームなんですよ‼︎」
リンは声と息を荒くしながらも、今度はトリニティの面々へ目を向ける。ゲヘナやミレニアムの死屍累々とは違い、トリニティの生徒たちは一段と気合を入れて作ったことが伺える品が多い。しっかりとレシピを調べた上で、お嬢様らしくこだわり抜いた良質な材料を用意、皆で協力して作ったという……が。
「何故貴女達は、揃いも揃ってシュークリームを作れないのですか…?」
「わ、すごい。見たことのないデザートでいっぱいだ……おいしそうだな」
「――違うのです……最初は普通にシュークリームを作っていたはずなのです――でも、でもいつの間にかロールケーキやパフェも作ろう、と誰かが言いだしたことをキッカケに…」
「作るのが楽しくなってしまってね、もう歯止めが効かなくなってしまった。途中から、各々が思いついた品を作り始めたんだ」
「ティーパーティーも、救護騎士団も、シスターフッドも、正義実現委員会も、それ以外の生徒たちも……全滅です」
「唯一まともにシュー作りしてたのはツルギちゃんぐらいだよね⭐︎」
「が、頑張って…作りました……」
トリニティの生徒達は作るのが楽しくなってきたのか、それぞれの生徒たちが好きな菓子やスイーツを作り始めてしまい、念頭に置いていたはずのシュークリームパーティーという前提が完全に記憶から消し飛んだという。
「アビドスの皆様は……それぞれ個性的な色合いで、可愛い形のシュークリームですね」
「ん、ずっと前に先生と一緒に作ったから。その時の知識を活かした」
「桃だったりメロンだったり、イチゴなんかも色々と用意したよ〜」
「……の、乗り気じゃないけど……先生の、ためだから…」
「そんなこと言って〜、セリカちゃんが一番楽しそうでしたよ〜?」
「い、言わないでよ先輩!!」
このパーティーで一番と言って良いほどに完成度が高く、おいしそうなシュークリームを作ってきたアビドスのメンバー達。クッキー生地でオオカミを再現したシュークリームや、クジラをモチーフにしたエクレアなどもあり、並ぶどれもが魅力的である。
「――そして、イズナさんにワカモさん……貴女たちが作ったものを、紹介してもらえますか?」
「ええもちろん!――人の心を掴み、慈しみ、優しく温める……まさにマッシュ先生そのもののような料理…その名も―――」
「
「せめてスイーツを作ってきてください!!!!!」
「おっ、これめちゃくちゃ美味しい。リンさんこれすごいですよ、全身が徐々にあったまっていく感じがして最高です」
「それはよかったですね〜じゃなくてェ!!!」
「ふふふっ、私はあなた様の愛妻……故に、これぐらい当然のことで――」
「あれ?でも姉様はシュークリーム以外の食べ物を作ったとことがなくて、今回は緊張しながら作ったって―」
「イズナ」
「は、はい!!余計なことは言いません!!」
マッシュに喜んでもらおうと、何から何まで一人でレシピを調べて回り…シュークリームではなく、百鬼夜行の特産である蛤と赤味噌を使った赤出汁を仕立ててみせたイズナとワカモ。マッシュから高評価を得られたならば、結果オーライか。
「そして、現在シャーレに所属している元アリウスの皆様のシュークリームですが……」
「………すまない、姫から話は聞いていたし、何回か先生に食べさせてもらったりしたのだが……」
アリウスが持ってきたものは、シュークリームやスイーツなどと言った物ではなかった。
「わ、我々はこれしか……知らないんだ」
「むしろこれしか食べたことがなかったし…」
「あのぉ……皆さんの作ったものを見ているだけで、お腹が空いてきたとか言いますか…」
「……………」(無言で涎を垂らしている)
「―――何はともあれ、みんながみんな一生懸命に作ってきたんだし……食べましょうか。シュークリームを」スッ
マッシュはみんなが作ってきたシュークリームを口に加えながら立ち上がり、加えたまま
「――
シュークリームパーティーの開始を、宣言した。
「…………まさかこんなことになるだなんてねぇ〜」
「どんなことですか?」
「わぁ⁉︎ ま、マッシュ君いたんだ、気づかなかった」
「神出鬼没が売りなので」
「ごめん初めて聞いたかな」
「それで、こんなことって、どんなことですか?」
「……ああやって、みんなでシュークリームを食べたり、学園や所属で分け隔てることもなく触れ合える事―それが、ちょっと信じられないんだ」
「……成程」
ミカはオフィス内の端、窓が見える場所にこっそりと移動し、輝くキヴォトスの夜景を眺めていた。オフィス内はシュークリームで盛り上がっており、学年・学籍・関係なく、皆が皆、シュークリーム……いや、人との関わりを楽しんでいた。マッシュがシャーレに所属するまでのキヴォトスであれば、このようなパーティは決して実現しなかったことだろう。
「……見てマッシュ君。ちょっとぎこちないけど、アリウスのみんな……楽しそう。マッシュ君に邪魔されなかったら、あの輪をつくってたのはトリニティとアリウスだけだったかもね」
「まあそんな未来訪れなかったわけですが」
「邪魔されなかったらって言ってるじゃーん…」
「――僕、正直言うと、自分がここまでのことをできるだなんて思ってなかったんです」
「…?」
「異世界から何も知らないまま来て、何の知識も無いまま先生をやって、戦って………みんながあんなふうに、笑える空間が作れるって、夢にも思ってなかったんです」
異世界から、それも孤立した山奥から来たマッシュは、『本当に自分がこの空間を作ったのか』と疑問を抱いていた。今なお、眼前の光景が信じられない節があった。
「……まだ、完璧じゃないだろうけど。皆を関係をもっと良くして、もっともっと仲良くなりたい、それが今の目標です」
「マッシュ君らしいな〜…――まあ、確かにみんな、まだ腑に落ちてない部分もあると思うよ?……でも、今、この時だけはそれを忘れて……ああやってシュークリームを分け合ってる―──これって、私が知る限りキヴォトスの歴史でもあんまりなくて、すごいことなんだよ?」
「本当ですか? すごいな僕、歴史に名を残しちゃった」
「…その自信満々な感じも、先生のいいところだよ、はいこれシュークリーム…あーん」
「あーん」
痛々しい体でまだ両手がギプスで塞がっているままのマッシュだが、ミカがシュークリームを口に運び、一口食べさせる。―─シュークリームを食べさせながら、ミカが思い出したのは……過去の、あの戦いの時の記憶。
『ミカさんが罪を償い切るまで……僕にも、その罪を背負わせてください』
『貴女を一人にはしない』
『僕のお姫様達に、何してるんだ』
自分を、自分達を救った時に言ったその言葉……お姫様「達」。
「……マ〜ッシュ君!」
「ふぁい?…ゴクッ……なんです――」
「えい⭐︎」スッ
ミカはマッシュの頬へ顔を近づけると、そのまま……優しいキスを、彼に落とす。マッシュは想定外の事態にしばらく目を見開き、唖然として固まった。
「……………………え?」
「ずっと、ずっっっと、みんなのために、私のためにありがとう! これは、そのお礼だよ⭐︎」
「………お礼……お礼…?」
「フフッ――じゃあね〜⭐️」
「あ、えっ、ちょ、ま、まって―」
ミカは耳を赤くしながらもその場を離れ、ナギサ達のいる方へと向かう……マッシュは自分のほっぺを触りながらも、マジか……としばらく放心していたが。
「…………これも、一つの青春。――僕が、守った…大切なもの」
見渡した皆が、マッシュと仲良くなった生徒達が、喧嘩も銃撃戦も起こすことなく、ただただ仲良くシュークリームを食べている……そんな光景だけで、お腹がいっぱいになってきているマッシュは
「……よく、頑張ったね―僕」
優しく微笑みを浮かべながら、自分自身を、生まれて初めて……褒めた。マッシュはいつもの顔に戻った時
「「「「先生〜〜〜っ!!!」」」」
「マッシュ君」
「あなた様〜〜♡」
「――はーい、今行くよ」
「そしてここからは……最終局面です。先生には、まだまだ多くの試練が残っているでしょう……勿論、この私……黒服も、先生の障害として……立ち塞がりましょう――大人として、悪い悪党ととして……ね。」
「クククッ……先生、貴方は我々にとっても害……しかし同時に、宿敵でもある。先生、貴方は知らないでしょうが……実は私───」
「───負けず嫌いなのですよ」
とりあえず一言…………皆様方、本当に、本当の本当にありがとうございます!!!!!!
まだアリウスのいざこざや、人間関係など書きたい部分がありますが…‥一旦はここまで。
エデンに入ってからコメ返しが極端に遅くなりましたが…‥これからもどうか、どうか見守っていてくださいませ。
百花繚乱後に見たい話
-
まだ交流がない生徒との話
-
アイデェア箱から選んだお話
-
ラビット2章
-
愛が重い生徒との話