透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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マッシュ・バーンデッドと特異現象捜査部

 

 

 

 

(またまたやって来ましたミレニアム、しかし時刻は深夜……眠たい)

 

 

 

 

 シャーレ所属のメンバー達が各々武器を受領した日から約一週間。マッシュは再びミレニアムへと足を運んだ。今回はマッシュ単独での訪問である。

 

 

 

 

(……それにしてもこの前のあの武器)

 

 

 

 

 

 

 

『あ、先生。その武器は先生以外には使えないからね』

 

『どうしてですか?』

 

『先生の耐久力を考慮して作ったらから、他の者が使えばたちまち腕の骨が砕け散るよ』

 

『こっわ』

 

 

 

 

 

 

(そんな危ない物を僕の部屋で管理して、って言われてもなぁ……)

 

 

 

 

 マッシュが貰った対巨大戦力用兵器・ゴッドキラー。使い手によっては大惨事になりかねない危険物らしく、何かあった時のためにマッシュ自身が保管する事となっていた。

 

 

 

 

(みんなにどんな武器を貰ったのか聞こうとしたけど、何故か教えてくれなかった……なんでもお楽しみって感じだけど――ワカモちゃんがやけに興奮してたのは、ちょっと怖かったな)

 

 

 

 

先日、マッシュと共にミレニアムへと訪れていたサオリ達にも、対巨大戦力用の武器をエンジニア部から受領していたが、本人ら曰く

 

 

 

 

『シャーレに置いておくのはリスクが高すぎる』

 

 

 

とのことで、何を渡されたのか、どんな装備なのかについては全く教えてもらえず、緊張の顔を綴らせていた。しかしワカモだけは少し違ったようで

 

 

 

 

 

 

『貴方様、少しばかり席を外します……うふふっ、大丈夫、大丈夫です。大仕事前のほんの肩慣らしに向かいますので――うふふふふっ♡』

 

 

 

 

(あの目はやばい。一応監視としてイズナちゃんとサオリさんに頼み込んでいるけども……心配だな、主に被害額の方が……それからあの変な機能は外されたみたいだったけど、そりゃそうだよね)

 

 

 

 

 

今朝から嬉々として、自身の愛用武器とともに指名手配犯を捕まえに行っていた。多分被害額がとんでもないことになりそうなので、念のためイズナとサオリに監視を任せたうえで、マッシュはとある生徒のもとへ向かっていた。

 

 

 

(………ヒマリさんか)

 

 

 

そんなマッシュが思いだしていたのは、ウタハに武器を提供された時、ヒマリという人物が何故マッシュにその武器を作るように言われたのかを説明された時のこと。

 

 

 

 

 

 

『彼女が言うには……君を狙っている存在がいる、それらを倒すために装備を整えてくれと言う依頼を受けたんだ』

 

『……そんなにやばい存在なんですか?』

 

『詳しくは教えてくれなかったが、君と会ったら、こっちに顔を出して欲しいと伝えてくれと頼めれていてね』

 

『……わかりました』

 

『あーそれと――彼女は魔法界のことを知っているよ』

 

『!』

 

『気をつけてくれ、彼女は人はいいが――そこが全く見えない、要注意人物でもある』

 

 

 

 

 

謎の多い人物・明星ヒマリに、自分を狙っている新たな勢力……エデン条約のような事件が再び起こる予感がしていたマッシュは

 

 

 

「まいっか、後ことは後から考えよう」

 

 

 

 なんとかなるだろう、というポジティブ思考で行くことにした。思い詰め考え込みまくった結果、エデン条約事件は大惨事につながったからだ。

 

 

 

 

 

(ヒマリさんの元へ案内してくれる生徒がいるって聞いてここまで来たけど……いないな、この辺りのはず―)

 

 

 

 

 マッシュは、目的である彼女の元へ案内してくれる生徒が待つ場所へと向かった……のだが。

 

 

 

 

 

 

「部長も人が悪い……何もこんな時間帯に呼び出さなくてもいいのに」

 

 

 

 

(―――変態…?……け、警察案件? 119……110、あれ551だっけ…?――落ち着こう、一度…一度目を擦って……)

 

 

 

 

 

指定されていた場所、そこに立っていたのはピンク髪の――上半身は服をはだけさせ、ブラに謎のファスナーがついている生徒。流石にそんなわけはないとマッシュは目を擦り、もう一度生徒の方を見る。

 

 

 

 

「……あっ、シュークリームが好きって言ってたし、買って来た方が良かったかな」

 

(見間違いじゃ無かった、見間違いであって欲しかった―――なんで? 流石に……え、ほんとになんで?)

 

 

 

 

今まで露出度の高い服を来ている生徒らを散々見て来たマッシュだが、流石におかしいだろうとツッコミを入れざる終えなかった。

 

それもそのはず、相手はほぼ全裸なのだ。同じような服装を、過去にツバキが着ていたが――それを、おそらくは上回るほどの露出。

 

 

 

(―――筋肉会議〜〜)

 

 

 

 なので、自分の筋肉達と会議を開くことにした。近くの茂みに隠れながら、自分が名付けたマイクやケビンといった筋肉達とのディスカッションを行う。

 

 

 

 

 

「ねぇケビン、マイク、今から会いに行く生徒って……あのアコさんとかツバキちゃんとかが可愛く見えるレベルの服を着ているあの子?」

 

『待っていた場所にあの子がいたのなら、絶対にそうだよ!』(裏声)

 

『でも流石に露出度がおかしいわよ、もしかしたらそう言う趣味の変態さんかも知れないわ』(裏声2)

 

「でもキヴォトスではあんな感じの服装の人がたくさんいたし……普通にファッションかも」

 

『だとしても攻めすぎだと思うわ』(裏声その2)

 

「……アコさんって普通だったんだ」

 

 

 

 

 

普通ではありませんよマッシュ。彼は困惑しながらも次の行動を考える。このままじっとしていると言うのも、流石にヒマリやあの子に失礼である。気持ちを切り替えて出ようとした瞬間──

 

 

 

 

「――熱い……」グイッ

 

「待って待って待って待って」ビュン!

 

「わっ……誰?」

 

「シャーレの顧問、マッシュ・バーンデッドです。とりあえず案内をお願いします」

 

「トイレでも我慢してるの?」

 

「いや違くて」

 

「………まあいいや、こっちだよ」

 

(――ふぅ……危ない)

 

 

 

 

 ピンク髪の生徒がもうチャックごと脱ごうとしていたので、マッシュは慌てて飛び出し、脱ごうとしていた彼女を止めた。

 

 

 

 

「自己紹介してなかった……私、和泉元(いずみもと)エイミ。15歳、特異現象捜査部に所属してるよ」

 

「ども……ところで、一応聞いておいてもいい? その格好って」

 

「格好? 服がどうかしたの?」

 

「…………いや、なんでもないよ(アコさんとツバキちゃんと同じタイプだな、よし……いやよくないだろ)」

 

「私暑がりなんだ、だからこれぐらい薄着じゃないと死にそうになるの」

 

「そこまで…?」

 

「先生は暑くないの?」

 

「いやむしろ寒く感じるよ」

 

「そうなの?」

 

「そうなの」

 

 

 

 

 エイミの服装についてはさておき、マッシュは彼女についていく。久しぶりに来るミレニアム校内、相変わらず先進技術に満ち溢れた近未来的な雰囲気には、まだマッシュは慣れない。

 

 

 

 

「…ヒマリさんって、どんな人?」

 

「一言で言えば天才、キヴォトス内でも多分一番賢いんじゃないかな」

 

「すごい人なんだ」

 

「むしろ凄すぎる人……性格で損してるけど」

 

「損?」

 

「いい性格してるんだよね、いい人ではあるけど、なんと言うか……うん、今は気にしなくてもいいかも」

 

「気になるなぁそれ」

 

「どうせ話せばなんとなくわかっちゃうよ…っと、着いたよ」

 

「あれいつのまに」

 

 

 

 

そうこう話しているうちに、ヒマリが待っている部屋へと到着。エイミが『こっち』と手招きをし、マッシュは中へと素直に入る。

 

 

 

 

 

「……お待ちしておりました、先生」

 

 

 

 

中で待っていたのは、近未来的な白い車椅子に乗っている、自分とは明らかな違うのある女性。子供とは到底思えないような凛とした姿に声色。風格からはナギサやリンを思い浮かべる。

 

 

 

 

 

「私の名前は明星ヒマリ。特異現象捜査部の部長を務めております」

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

「ヒマリ……じゃあ貴女が………絶地のヒマリさんですか?」

 

「全知です先生」

 

「エッチ?」

 

「全知‼︎です‼︎」

 

 

 

 

しかしそんな彼女も、いつものマッシュに振り回されてしまった。これはもう仕方のない事であり、聡い人間ほど彼に振り回される事が多い。

 

 

 

 

「あっ、全知か…と言うか自分で天才って言ってましたね」

 

「……コホン、事実ですから。それに私そこそこ有名人なので、一度くらいは噂など聞いたことがあるのではないでしょうか?」

 

「いえ全く」

 

正体不明のヴェリタスの超美人部長ですとか、病弱美少女のお手本のような存在ですとか……澄み切った純正のミネラルウォーターとか、一つくらい聞いた事がありませんか?」

 

「自己肯定感MAXで自信家の人初めて見ました」

 

「ふふっ、それほどでも」

 

「褒めてな……いや褒めてるにはいるのかこれ」

 

 

 

 

かなりの自信家で図太く、確かに「いい性格」をしている生徒、それがヒマリ。しかし天才なのは天才なので何も言えないし、否定もできない。

 

 

 

 

「あーあ、また部長が調子乗っちゃった……責任を持ってちゃんと元に戻してね、先生」

 

「その言い方は心外ですねエイミ、私は事実確認を通じて全てが順調であることを証明しただけです……とにかく、私は先日、ここの部長の任命されたばかりでして、元々はヴェリタスに所属しておりました」

 

「じゃあなんで今ここに?」

 

「ミレニアムの生徒会長、調月リオに任命されてしまいましてね……ここを作ったのも、そのリオです」

 

「ミレニアムの生徒会長さん……そう言えばまだ会ったことが無かったな。今度お話を」

 

「それはお勧めしません。絶対に、話すだけ無駄です」

 

「え?」

 

「部長、私情挟みすぎ。ともかくここは、科学的に証明しがたい事象を追求・研究する場所。所謂、オカルトやオーパーツ案件の研究と解決を行う、セミナー傘下の部活なの」

 

「えーとつまり……摩訶不思議な事を調べる部活、って事?」

 

「だいぶ簡単な説明になったけど、そんな感じ」

 

「成程」

 

 

 

 

 

 マッシュはなんとなく理解した。魔法界も大概摩訶不思議な事だらけだが、よくよく考えてみればこっちの世界も大概だった事を思い出していた。

 

 

 

 

「――そんな、我々が貴方にお願い理由は……たった一つ………先生には、我々が観測したある驚異的な存在、それらの対処をしてもらいたいのです」

 

「…そう言えば僕を狙ってる、何かすごい存在がいるって話でしたね」

 

「ええ、その存在は……まさしく脅威そのもの、いったいどこで生まれ、なんの目的で存在しているのか、それもわからない謎多き物」

 

 

 

 

マッシュを狙う存在……名を

 

 

 

 

「デカグラマトン、それが…今回、先生を狙っている超常的存在です」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「デカグラタンマントン?」

 

「デカグラマトン、です‼︎」






デカグラマトン編、むずすぎる。あと同業者の人でデカグラマトン編をやっている人がほぼいない

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
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