書いてて泣いちゃいました、涙腺脆いんですよ、ほんとに。
本編のアビドス編ラストでも泣いちゃいましたし、他ストーリでもギャン泣きでした。
とりあえず本編へ、どうぞ!
カタカタヘルメット団の襲撃、セリカ誘拐事件、便利屋68襲撃、ブラックマーケットでの銀行強盗、風紀委員会問題、カイザー理事と自治区利権問題、さらにホシノの契約問題、そしてデカグラマトン預言者・ビナーとの交戦。
これら全てを解決したマッシュとアビドス生徒達は現在校内にてこれからの事を話し合う
『シュークリーム製作…………開始!』
ことはさておき、シュークリームパーティーを開くためにエプロンを着込み、シュークリーム作りに励んでいた。
「朝にマッシュ先生が作ってた奴は勿体無いと思って、私たちが食べちゃいましたからね」
「アレ全部自作だったのね……いや、それにしたって1人であの量を?」
「深く考えない方がいいですよセリカちゃん、マッシュ先生にできないことなんてほとんどないんですから♪」
「その通り過ぎて何も言えないね〜……かき混ぜる時のスピードが早すぎて残像見えてるし」
「ん、カスタード作るの…楽しい」
「そう言いながらつまみ食いしないのシロコ先輩」
「バレた」
シロコの青いエプロンには、狼のワッペンが縫い付けられている。
「シュ〜はシュークリームのシュ〜♪」
(音程が合っておらず棒読み)
「ーはシュークリームのー〜♪」
(めっちゃ綺麗な声)
『ク〜はシュークリームのク〜♪』(棒読みと綺麗な声が混ざって奇跡的に合唱みたいになる)
と歌いながら生地をこね、中に入れるクリームを仕立て、シュー皮の焼き上がりを待つ間も歌は続いた。
特にシロコは、いつにも増して笑顔が輝いていた。
「やだ…おじさんの後輩達、可愛すぎ?」
「写真撮っておきましょうか〜」
「シロコ先輩ってあんな顔するんだ、今までにないほどの笑顔なんだけど」
「マッシュ先生と関わってからシロコ先輩、ずっと表情が豊かですよね」
「……そんなことない」(超いい笑顔)
「嘘だぁ!絶対に嘘だぁ!!」
「表情豊かなのは良いことだよ」
「先生がそれ言っても説得力ないですよ」
「あれ」
「…お!そろそろ出来上がったみたいだね〜」
『シュークリーム!』
「あとシロコ先輩、ここまでシュークリーム好きだったけ?」
出来上がった瞬間目を光らせてシュークリームの焼いた生地を取るマッシュとシロコ、その光景にホシノは胸を押さえながら倒れていった。
「ゥ」
「先輩が倒れちゃいました!」
「私の後輩まじ尊い」
「いつものうへぇ〜がない!」
『シュークリーム♪シュークリーム♪シュークリーム♪』
「ミッ」
「先輩が息してません!」
「そこの2人!ホシノ先輩が本当に死んじゃう前に一回止まりなさい!」
『―?』(2人同時に首をかしげる)
「プギャッ!」
『せんぱぁぁぁぁぁい!!!』
――――――――――――――――――――
「では改めまして、みんなお疲れ様でした…カンパーイ」
「「「「「カンパーイ!」」」」」
「「「「カンパーイ!!」」」」
「ちょっと待ちなさいよ!!」
「…え、どうしたのセリカちゃん」
「どうしたもこうしたもないわよ!なんでここに便利屋がいるの!?」
いつの間にか教室内に便利屋68のメンバー達がおり、普通にシュークリームを掴み食べていた。
「依頼の報酬がこれだったんだよねー…ん〜これ美味しい!」
「シュークリームパーティーに招待、それが依頼内容だったからね」
「あ、ああアル様!こっちのものも美味しいですよ」
「ありがとうハルカ、そう言うことで…よろしくね?」
「うぐ、認めたくないけど手を貸してもらったから強く言えない…」
「これまでも何かしら縁があったんですし、気にせず行きましょ〜〜う!」
ノノミの声に同意するようにコップを上げ、今度こそ乾杯。ガツガツとシュークリームタワーからシュークリームを取って食べる姿はみんながみんな可愛らしかった。
マッシュはそんな光景を目にしながら黙々とシュークリームを食べていっていた。
そんなパーティを楽しんでいる中、シロコだけは手が進んでいなかった。
「…?どうしたのシロコ先輩、さっきからまったくシュークリーム食べてないけど」
「さっきまであんなに元気だったのに、どうしたんですか?」
「………食べたくない」
「え!?」
「あれ、ダイエット中だった?」
「先生、デリカシーは大事よ?」
「どうしたの〜シロコちゃん、美味しいよ?」
シロコはシュークリームを持ちながら少し顔を下げ、狼耳も垂れ下がっている 状態で呟く。
「食べて…無くなっちゃったら、パーティーが終わっちゃう―終わったら、マッシュ先生がいなくなっちゃう」
『!』
「便利屋のみんなとも仲良くなったのに……終わっちゃうのは、悲しい」
シロコは普段、口数も少なくクールビューティーだが、歳で言えばまだ16、関わってきた人が離れるとなると寂しいと思うのも無理はない。
「……おバカね、私達の関係がこれで終わるとでも?」
「?」
「先生も、私たちも、もう会えなくなるわけじゃない…よく言うでしょ?離れていても心は通じ合ってるって」
「アルちゃんの言う通りだよ、確かに僕は離れちゃう、けどもう会えないわけじゃないよ?いつでも遊びに来る気満々だし」
「…ほんと?」
「うん、それに寂しいなら、その寂しさを今日で吹き飛ばせば良い―めいいっぱい楽しんで」
そう言ってマッシュはシュークリームをシロコに渡す、シロコはそれを美味しそうに食べ笑顔になる(耳もピンッ!となる)それに釣られ他面々も笑顔でシュークリームを頬張っていく。
マッシュは食べているシュークリームを手に取りながら小さく呟く。
「……仲良くなったみんなで食べると、こんなに美味しいんだ」
ずっと山で自分の祖父と2人で暮らしていたマッシュ、友達もおらず世間のことも知らず、時にはもっと大騒ぎしたいと思ったこともあった。
けど自分にはじいちゃんがいる、だから大丈夫…と自分に言い聞かせていた、しかし心のどこかで
寂しい
そう思っていた。
「先生?手が止まってるよ?」
「……あ、ううん、なんでもないよ。ただ……楽しいなって」
「これもみーんな先生のおかげだよ?先生が戦ってくれた、働いてくれたから今がある」
「僕だけじゃないよ、アビドスのみんなが諦めず僕についてきてくれたから、色んな人が協力してくれたから……こうやって楽しい思いができる…ここに来て」
「ちょ、貴方!それ私の!」
「早いもの勝ちよ?ふふっ、この最後のいちごはわた―ってあれ!?」
「ん、美味しい」
「はやぶさみたいな早さだったね、ハルカもどんどん食べて良いんだよ?」
「い、いいえ!私のような者がそんなことをする権利も」
「はいはい♪とりあえずあ〜ん」
「あ〜ん……美味しい」
「ねえねえメガネちゃん、分け合いっこしよ?」
「別に構いませんが…って!ほとんど持っていってるじゃないですか!」
「騙されたね♪」
「むぅぅー!!」
「……ここに来て、本当に……よかったな」
「…せ、先生、い、いま!」
「…!」
マッシュの顔は……なんと爽やかな笑顔が浮かんでいた。ホシノはそんなマッシュの顔に驚き写真に収めようとするが
「…」シュッ
「あー戻った!もう一回!もう一回だけ!!」
「やだ」(シュー君を装備)
「ねぇお願い!もう一回!もう一回だけ!」
「断固として拒否致します」
「ねぇ〜えー!――アハハハッ!」
マッシュ達は宴を心ゆくまで楽しんだ。
ねえ聞いてユメ先輩……私、
今私……すっごく幸せです。
―――――――――――――――――――――――
アビドスから離れて、約1週間後
『マッシュ先生!アビドスの生徒さんからメッセージが届いていますよ!』
「みんなから?早いね」
アロナに促されるままマッシュはシッテムの箱を起動する。
メッセージボックスに届いている一通のメールを開くと、びっしりと長文が記されていた。
『マッシュ先生へ。アビドス高等学校一年生の奥空アヤネです。あのパーティからもう一週間が経とうとしているなんて、全く実感が湧きません。
あれからアビドスには大きな変化が起きました。まずカイザーに課せられていた高額の利息についてです。
利息金の横領、そしてカイザーPMC理事の生徒誘拐、度重なる不祥事にカイザーコーポレーションも動かざるを得なくなり、連邦生徒会も重い腰を上げて対応した結果、法外な利息は現実的な数字に引き下げられました。
しかもマッシュ先生が頑張ってくれたおかげで、借金が半分以下になり、返せる見込みや希望が見えてきました、本当にありがとうございました。
便利屋68の皆さんはパーティの後すぐにアビドスから去って行きました、しかしご安心を、もう事務所は見つけたそうで、今も頑張っているらしいです……借りている場所の家賃はかなりあるみたいですが』
マッシュのスマホに『いつでも依頼、待ってるわよ!』とアルから連絡が来ていた。マッシュはもう一度手紙に目をやる。
『ホシノ先輩をスカウトしようとした黒服という人物なのですが、こちらで調べた限りでは正体不明としか言えません。』
「また何かしたら、すぐにでもぶっ飛ばすって脅しておいたけど……それじゃ止まらないよね」
『それから、これは余談になるんですが、マッシュ先生が私たちと一緒にカタカタヘルメット団、並びにカイザーの軍隊を倒した、と言う噂が流されたおかげでアビドスの存在が周知され始めたみたいなんです。良くも悪くも目立ってしまったせいですね……。
でも今の対策委員会は今までとは違います。先生から正式な組織として認可されましたし!』
「これでみんな安心だね」
『本当にお世話になりました。これからどうしよう、どうやって生きていこう。そんな風にばかり考えていたのに、今はとても前向きな気持ちで明日を迎えられます。
私達を助けてくれて、私達の世界を守ってくれて、ありがとうございました
追伸 シロコ先輩やホシノ先輩が寂しがっているので、たまにはここに顔を出してあげてください。』
メッセージの最後には対策委員会生徒達と最後に撮った集合写真が添付されている。みんないい笑顔で、シュークリームを持ちながら。(マッシュは真顔)
「………フフッ」
マッシュは生徒達には見せていない笑顔を静かに作り、トレーニングウェア姿に着替え
「気分もいいし――筋トレしますか」
今日もまた、筋トレを開始する。
アビドス対策委員会編
完
アビドス編・完!!スッキリしたような悲しいような、複雑〜な気持ちです!ここまで本当にありがとうございました!
あ、終わりはしませんよ?まだまだ全然やります。
次回からはしばらく短編が入ります、ネタが集まってきたので、そっちもどうかお読みくださいませ。
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