早めの投稿です……そしてお待たせいたしました。スイーツ部のイベストでございます。距離感とかはもう気にしないでください。
それでは、シュークリーム、もしくは甘いものを片手に、どうぞ!
マッシュ・バーンデッドと狙われている猫
キヴォトスの英雄。
マッシュがそのように呼ばれる発端となったエデン条約事件からしばらく、トリニティとゲヘナが平穏な場となり、程よい気温が食欲を誘う様になった頃。マッシュはその頃───
「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンッッ」シュババババババババッ‼︎
いつも通りグラビティダンベルを両手に、高速スクワットを行っていた。例の如く残像が発生し、キヴォトスにやってきた頃よりも早く動くことも可能となった。
「モッモッモッ……筋トレ後のシュークリームはやっぱり格別である」
なんでもないただの日常、そんな時間を過ごしながらマッシュは今日は何をするかを考えていた。
サオリ達シャーレ所属の生徒らはいつも通り他学園の手伝いに出ており、ワカモとイズナはショッピングを楽しんでいて、マッシュは一人早めに終わった書類を見ながら真面目にどうしようかと悩んでいた。
「散歩しにでも行こうかな……あー、それかシュークリームクラブのみんなに会いにいくのもいいな……うーん」
マッシュ自身、キヴォトスに来てからは仕事続きで大変ではあったが、元の世界よりも刺激にあふれる生活が楽しくもあった。しかしデカグラマトン事件の後は、長い間暇な時間が続いてしまっていた。
「……アロナちゃん、クロノススクールの取材っていつからだっけ?」
『再来週の山海経高級中学校の依頼を完了した後、レッドウィンター連邦学園のお仕事を終えた……その数日後ですね』
「そっかー……まあ筋トレしまくれば時間もつぶれるよね」
『暇な時間が、最近はかなり増えてしまいましたね』
「その分平和になったって考えたら、嬉しいことだけど」
シャーレに暇ができたということは、キヴォトスが平和になっていると言う事。それ自体は喜ばしい事だが、暇なのは暇、マッシュは続けて筋トレを行い、時間を潰そうとまたグラビティダンベルを持つ。
『パンパカパーン!お電話です!!パンパカパーン!!お電話です!!』
「おっ、通信だ」
『今の着信音なんですか?』
「この通信機自体ウタハさん達に作っててもらってさ、それで着信音をどうするかって悩んでた時に、アリスちゃんがやりたいって言って、こうなったみたい」
『ああ成程』
「どれどれ……」
マッシュはオフィス内に設置されたシャーレ専用通信機を、壊さないように操作する。するとホログラムのようなものが浮かび上がり、そこに一人の生徒が現れる。
この装置は緊急時にも連絡が入るように連邦生徒会が検討して発注した物であるため、かなりのハイテク仕様だ。
「はい、こちらシャーレの……えーと、先生です。火事ですか?緊急ですか?それともお腹が減って力が出ませんか?」
『最後のは何?……えっと、緊急…緊急なのかな。とりあえず、シャーレであっていますか?』
「はい」
『よかった……にしても、シャーレ緊急のSOS通信機って……ミレニアムのエンジニア部ってそんなにすごいんだ。借りるのにちょっと時間がかかっちゃったけど』
「全学年に一つずつ配ったらしいけど、そんなに時間がかかる物なんですか?」
『シャーレに相談とか依頼ってなると結構条件とかが厳しくて………って、話が脱線しちゃった』
猫耳とピンク色の目が特徴的な生徒はコホン…と一息を入れると、どこか申し訳なさそうな表情を作りながら、色々と話を始める。
『トリニティ総合学園・一年生・
「成程成程……」
『それと、一応先生と生徒なので、カズサって呼んでくれても大丈夫です』
「じゃあカズサちゃん」
『いきなりちゃん呼び⁉︎』
「その困ってることって何かな、なんでも解決できるように頑張るよ」
『あ、ありがとうございます……(距離感……近いな、しかも噂通りめちゃくちゃ若いし……ほんとに先生なのかな)』
マッシュの容姿があまりにも若すぎて、少し疑問を抱いていたカズサだが、彼女にとって今回の一件は急を要するほどに大事なことなので、切り替えて話を続ける。
「あ、あと僕16歳の子供だから、敬語とか大丈夫だよ」
『16!?私とそんなに歳変わんないじゃん!』
「その反応も久しぶりだ」
『……と……とりあえず、写真をシャーレのポストに送るから、その場所に来て欲しいの』
「それって………ごめん、僕達まだ初対面だし、そう言うお誘いは」
『違うから!何勘違いしてるの!?た、ただ、会って直接相談したいってだけだから!』
「そっかそっか、ごめんね。最近距離感が近すぎる生徒達の相手を良くしててさ」
『先生の周りってそんな人ばかりなの…?』
距離感にバグが生じた生徒達と最近よく関わってきていたマッシュ。言い方を変えれば、彼は生徒との触れ合いでは優柔不断に陥っている。不安になったマッシュはカズサにカマをかけてみたが、大丈夫そうなので一安心。
「でも会って話がしたいのなら、シャーレに直接くればよかったんじゃ?」
『えっと……その……ちょっとだけ怖くて』
「?」
『――な、なんでも、ないです……取り敢えず、写真の場所に来て欲しいなって…』
「いいよ、急を要する案件なら時間なんてかけてられないしね」
『ありがとう』
「念のため、一応何があったのかだけ教えてくれる?」
『………その、実は……私』
モジモジと、恥ずかしそうに、今回の相談内容を端的に話す。事の次第よってはマッシュは心のケアのためにシュークリームを買いそちらに向かおうとしていた
『――ストーカー……されてるみたいで』
「すぐにいくよ」
しかしストーカーという単語を聞いて飛び出して爆速でシュークリームを買うと、アロナにストーカー被害者のケアに欠かせないアイテムを検索させて大急ぎで買い漁り、彼女の元に向かったのであった。
「お待たせ、それでそのストーカーはどんな奴?出会い次第フルボッコにするから」
「開幕早々物騒!あと、何その手荷物」
「シュークリームと防犯グッズ10個」
「そんなにいらないよね!?あと、先生が考えているような相手じゃないから」
トリニティ内にある踏切、その付近に依頼主である杏山カズサが立っており、焦った様子のマッシュは左手にシュークリームの入った袋、右手に防犯グッズの入った袋を所持していて、そんな容姿の彼をみてツッコミを入れて落ち着かせた。
「ごめん、ストーカーって聞いてちょっと急がないとって思って」
「だからって急すぎだよ……先生って心配性?」
「何かあってからじゃ遅いから、のんびりしてられなかったんだ」
「……びっくりするほど噂通りだね」
「噂通り? 僕の噂って今どんな感じなの?」
「『引くほどのお人好し』『狂人レベルお人好し』『天然ドS』『人間兵器』」
「わあ不名誉」
「一番有名なのが『人間兵器』と『キヴォトスの抑止力』『脳筋ど天然ドS即落としクリエイター男子』かな」
「最後のなに?」
あだ名と言うか噂がもうとんでもないことになっていることを知り、なんでそうなった……と頭を捻っているマッシュ。しかしカズサはお人好しという部分がこういうことかと即自覚し、一安心。
「正義実現委員会に相談しようってことも考えたんだけど……それは、ちょっと不味くて」
「まずい」
「その……何というか、ちょっと普通じゃないというか…まず、本人に全くストーカーしてるのが自覚無いみたいで」
「ストーカーって、みんなそんな感じなんじゃ?」
「はは……そうかも。…とにかく、別に懲らしめて欲しいとか、そういう理由じゃ無いの……ただ具体的な解決策が思いつかなくて……先生の力を借りられれなっ…て」
「成程」
「……ごめん、逆に先生を困らせちゃうよね。こんな曖昧なお願い」
「気にしないでよ、助け合いの精神ってやつで。なんでも相談してよ」
「そんなこと簡単に言っちゃって……先生が困るだけなのに――でも、ありがとう」
フフン、と胸を張り自信満々な態度を取っているマッシュ。そんな彼をみて思ったよりも子供っぽく、普通っぽく、お人好し以外の噂が嘘なのでは無いかと思い始めていたカズサ……大丈夫、最初はみんなそうだから。
「それで結局、そのストーカーをしてる人ってどんな人なの?」
「名前がわかってる相手なんだけどさ……その相手の名は―――
そこまで言ったところで、何処からかとてつもない声量で、勢いで、カズサの名を呼ぶ声が聞こえてきた。
『ついに見つけた!もう逃げられませよ、杏山カズサ!』
そんな声にマッシュも思わずビクッとなり、カズサは結構なため息を吐きながら、『来た……』と呆れた様子で顔を顰める。
『大人しく挑戦状を受けなさい! この私、『宇沢レイサ』との決闘を避けられると思わないでください!』
「……はあ」
「挑戦状?」
「…そう、こんなふうに…」
バンっ!と地面に打ち付けられる挑戦状と書かれており、少し汚れているような紙がマッシュとカズサの間の地面に打ち付けられ
『先手必勝ー!!!』
「襲ってくるやつなの……っちょ…!」
『レイサキッーーク!!』
綺麗な姿勢から繰り出された飛び蹴りは、カズサへ向けて一直線に放たれる。カズサは思わずそれを止めようと構えをとるが、そんな彼女を右手で引き寄せ、左手を前に出すマッシュ。
パシッ!!
「なんと!?」
「いきなり飛び蹴りは危ないよ」
「嘘、飛び蹴りを……片手で?」
「それ」ブンッ
「んわぁ!?」
飛び蹴りを行ってきた生徒の足を左手で掴み、それを軽く振り払う。彼はカズサを自分の方へと右手で引き寄せたまま、彼女を守るような姿勢をとる。
「ぐぬぬぬ、私の蹴りを止めるだなんて……何者ですか!」
「人に名を聞く前に、自分から名乗るのが礼儀では」
「それもそうですね!」
「素直、あと声量でか」
「私は宇沢レイサ、そこにいる……杏山カズサを打ち倒すべくやってきた者です!」
「あーもう……あんた、いい加減にしなって…」
「打ち倒すって……なんだがよくわからないけど、カズサちゃんは君と戦う気が全くないんだ、だから一度、落ち着いてくれない?」
体に引き寄せられ、自分を守るマッシュ。胸圧と言うのだろうか、とにかく硬くも柔らかいそれに体を擦り寄らされ、彼女は少し戸惑う。
そんなマッシュの様子を見て、レイサと呼ばれた生徒は――
「杏山カズサを頑固として守るその態度――わかりました、貴方が」
「そう、僕がシャーレの」
『杏山カズサの舎弟なのですね‼︎』
「なして?」
「なんでそうなるの!!?」
「舎弟であるのならば容赦しません!覚悟ぉぉ!!!」
「………話が通じない子って、今回で何度目だろう」
いきなり物騒なことから始まった今回の一件。
それはスイーツのように甘い青春物語でもあれば、ほろ苦い過去の物語でもあり、味わい深い、濃厚なストーリーでもある。
今日の我が家
妹『新衣装イチカちゃんを実装してってヨースターに抗議してくるわ』
弟『アビドス!!アビドス!!アビドス!!ホシノアイドル!!』
私『やめなさい』
気持ちはわからなくはないですけど、コクマーとかアイドルのアニメーションとかで、運営側は死にかけていると思うんですよ……だからやめてなさいな。
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