思ってた以上に話が難しくなってきて、困惑している作者です……スイーツ要素を早くガンガン入れていきたい。
「いやぁ……まさか、先生があのキャスパリーグと……やっぱ先生ってすげぇんだな」
「そのキャスパリーグ……って何? 野球のリーグ?」
「それはただのパリーグ、キャスパリーグってのは……まあなんだ、あだ名みたいな感じだな。私らスケバンの世界、スケバン社会じゃ結構な有名人なんだ」
「スケバン社会って単語も初めて聞いたけどね」
後日、シュークリームクラブが働いている店内にて、マッシュはシュークリームクラブのリーダー・モブエと、カズサについて色々と聞いていた。
そして出てきたキャスパリーグと言う単語…それについてモブエなら知っていると思い、足を運んだ。
「かつて不良生徒達を震え上がらせた神話!泣くスケバンも泣き止むという恐怖の怪猫! その名もキャスパリーグ!!」
「……その口上は?」
「この話題になると絶対にやるやつ」
「本人の目の前では絶対にやらないであげてね」
「しないよ……つか、できるわけねぇ……あのキャスパリーグ相手なんだしな」
「そんなに強かったの?」
「そこらのスケバンなんて相手にならないレベルだったからな……百発百中、力も強く簡単にねじ伏せられ、逃げ出そうにも素早すぎて逃げられない……狙われれば最後、泣くことも許されないレベルに陥る――って感じだな」
「すごいなカズサちゃん」
恐怖などといった感想よりも、単純に「すごい」という感想が出てきたマッシュ。キャスパリーグ、最強のスケバン………レイサが彼女を狙っている理由が少しづつわかってきた。
「ちなみになんだけど……宇沢レイサって子は知ってる?」
「宇沢…宇沢……あ、あー!あのスケバンに片っ端から喧嘩を売って倒してきていたやつか」
「昔からそんな感じだったの?」
「詳しくはわからないけど……名のあるスケバンに戦いを挑んで、勝って、正義を示してたとか……あーでも、キャスパリーグだけには勝ててなかったみたいだな」
「中学時代に勝てなかった相手への下剋上……なのかなぁ」
「にしたってしつこすぎやしないか?」
「それはまあそうなんだけど」
レイサは「スケバンを見ればすぐに飛びつき喧嘩を売る」といった生徒であり、正義の使徒というより戦闘狂な気がしなくもない。
だがカズサを追うレイサは、別に悪を倒そうとしているような感じには少し思えなかったマッシュは、次はレイサのことを知ろうと動くことに決めた。
「色々教えてくれてありがとう、頼るべきものは友だね」
「気にしなくてもいいぜ?私らの仲なんだから、どんどん相談してくれよ」
「――あっ、じゃあ最後に一つだけ」
「ん?」
「戦闘以外の勝負だと、何がいいかな」
「……まぁ、私なら…スイーツ作り…とか?穏便に済ますならそれだな」
「そっか、ありがとう。参考にするよ」
「おう!」
マッシュは店から出て、レイサに一番関わりがあるであろう場所に連絡しながら移動。そんな背を見ながらモブエは考える。
「――言うべきだったかなぁ、私やモブミとモブコは昔、キャスパリーグにボッコボコにされたことがある〜って…」
――――――――――――――――――――――
「――あっ、先生、こっちです」
「久しぶりだね」
「ええ、初対面から大体200話近く経ってしまっていましたね」
「200……なに?」
「いえ、こちらの話です」
マッシュが連絡した場所は、レイサが所持していると言うトリニティ総合学園の非公認部活・自警団。その団員の一人である守月スズミと、話ができることとなっていた。
「エデン条約の調印式では、お力になれず申し訳ありませんでした……先生がピンチの時に、そちらへ行けず……とても、後悔しております」
「もう終わったとこだし、気にしないで。それに相手が悪すぎたんだから、仕方ないよ」
「それは………いえ、本題に入りましょう。宇沢レイサさんのことですね?」
「うん、少しややこしいことになってて、レイサちゃんがどんな子なのか教えてくれないかなーって」
「レイサさん……レイサは……なんと言うか、悪い子ではないのです――ただ少し、エネルギッシュすぎて人と馴染めていない部分もあるのです」
「ほうほう」
レイサは決して悪人と言うわけではない。自衛団としての誇りもあれば、正義を守る人間としての誇りもある……だが行動力の怪物であることは確かで、考えるよりも先に行動してばかり。故に、問題が多発して起きてしまう……そんな子なのだ。
言い方を変えれば脳筋とも言える。
「しかし意外ですね、いくらレイサさんと言えど、先生には迷惑をかけないと思っていたのですが……」
「飛び蹴りされたり、とある生徒の舎弟って間違えられたりされちゃったんだ」
「先生に……飛び蹴りを⁉︎ なんて命知らずな事を…」
「命知らずって、そこまで?」
「いやそれよりも……我々の恩人になんと言う事を――先生、申し訳ありません」
「勘違いさせちゃった僕も悪いって事で」
「……それで、今回レイサさんは一体何を?」
「実は――」
マッシュは包み隠さず、レイサとカズサの一件を話した。それを聞いたスズミは驚愕の余り絶句し、額に手を当てて『レイサさん……』と悩んでいる様子だった。
「レイサさんらしいと言いますか……お相手の方も困っているでしょうに……それにしてもスケバン社会…ですか。そんなものがあるだなんて、世界は広いのですね」
「カズサちゃんは、もうそれをやめているんですけど、レイサちゃんは何故かしつこく追ってるみたいで」
「……これは本人に直接聞いたほうが良さそうですね、レイサさんなら私も連絡先を持っているので、呼べばすぐにくると思います」
そういい、スズミは端末からレイサに電話をかけようとしたのだが――その端末から、警告音のようなアラームが流れ始め、マッシュとスズミは仰天。
「…これって?」
「救援要請――行かないと」
「ええ、場所は……この近くですね。お話はその後で」
人命最優先、マッシュとスズミはレイサの元へと駆け足で向かい、彼女の救援をすべく動き始めた。―――のだが。
「あっ!スズミさん!来てくれたんですね!―でもごめんなさい、タイミングが遅くなりそうだったので先に行っちゃいました!」
「行動力の鬼」
救援をしたのにも関わらず、先に全てを終わらせてしまったことに、マッシュは深く感心していたのだった。
――――――――――――――――――――――
現場に着くと、広がっていたのは気絶したスケバン達の倒れている姿。一人で全部片付けたのか……と感心はするものの、尚更なんで救援を呼んだのかわからなくなってしまったマッシュ。
「スズミさんが来てくれると言ってくれたので、勇気が出ました! 流石はトリニティの走る閃光弾!」
「そ、そうですか。それならよかったのですが……その呼び名はやめてください…恥ずかしいので」
「それから……えーと、あなたは……どこかで会ったことがあるような」
「久しぶり……でもないよね」
「………!! や、やっぱり!! 思い出しました…貴方…!!」
レイサは何故かファイティングポーズを決め、マッシュをじっと見ると、耳をつんざくような声量で叫ぶ。
「悪党、杏山カズサの舎弟さんですね!!」
「違うってば」
「今度こそ負けませんよ! いざ尋常に」
「やめなさい!!!」ペシッ!
「あいたっ! な、何をするんですかスズミさん!」
「レイサさん……この方は、誰かの舎弟ではありません。この方はシャーレの先生、マッシュ・バーンデッドさんです」
「ども」
「シャーレの先生…………え、先生!?」
「うん」
シャーレの先生と言う単語を聞き、自分の耳を疑ったレイサ。それと同時にあわあわとし始め、先ず謝罪。
「ご、ごめんなさい!いきなり、勘違いをして、飛び蹴りなんてしちゃって……」
「怒ってるわけじゃないから気にしないで?……でも、とりあえず人の話は聞こうね」
「うぅ、ごめんなさい……まさか、キヴォトスの生きる伝説さんに危害を加えてしまっていただなんて」
「また知らないあだ名が出てきた……」
「先生はトリニティ内で、その、神格化している様子が最近見受けられまして。それこそあだ名が数え切れないほど出てくる程度には」
「嫌だなぁそれ」
功績云々のせいか、どうやらマッシュはトリニティ内で様々なあだ名が出るほどに有名になっているようで、そんな相手に飛び蹴りや舎弟呼びをしてしまったことに対し、レイサは後悔をしていた。
しかし同時に、疑問も浮かんでいたようだった。
「……でも、なんでシャーレの戦略兵器と呼ばれている先生が……あのキャスパリーグと一緒に?」
「新しい名前が出てきたことは置いておいて、カズサちゃんから依頼されてたんだ。自分はもうスケバンをやめたんだから、放っておいてほしいのに、レイサちゃんは何もわかってくれてないから困ってる…って」
「………杏山カズサが、スケバンをやめている?――え、あの杏山カズサが……ですか?」
「うん」
「い、いやいやいや! ありえないですよ! だって、あの杏山カズサ、キャスパリーグですよ!?」
「それももう過去の話……ってことなんだけども」
「えぇ、だって……んん??」
「そんなに納得しづらいことなのですか?」
スケバンをやめている、そんな事実を何故が受け止めてきれていない、信じれていないレイサ。彼女にとってカズサは『宿敵』であり『倒すべき相手』である以上、それが急にいなくなったとなれば、困惑するのも頷ける……が、マッシュにもスズミにも、レイサの執着心は少ししつこすぎるものとも思えてしまう。
「だ、誰にも止められない獣が……普通の学校生活を行っているだなんて……そんな、あのキャスパリーグが……」
「……過去は変えられない、でも今は変えられる」
「…え?」
「カズサちゃんは過去を捨てたわけじゃないと思うんだ、でも、今の変わりたいと思ってスケバンをやめた、他の部活に入った…ってことなんじゃないかな」
「で、でも。杏山カズサは……」
「スケバンをやめて普通の人生を、青春を……って、きっとカズサちゃんは思ってると思う」
「………過去を……私を……忘れて……」
「…レイサさん?」
「――あ、あの……ごめんなさい。少し、混乱してきたので……失礼します!!」
レイサは脱兎の如くその場から退散、その背をマッシュは見ていたのだが――どこか寂しそうにも感じた。過去を切り離そうとしているカズサを、彼女はとても認めたくないようにも、見えていた。
「あんなにテンションが低いレイサさんは、初めて見ました……そんなにショックだったのでしょうか」
「もう少し、色々と調べてみるよ」
「……私ごとではあるのですが、どうか、レイサさんを、よろしくお願いいたします」
「勿論」
レイサとカズサの問題、かなり深刻で、かなり複雑な気がして仕方ない……マッシュはよーく考え、この問題を解決するために。
「アロナちゃん、通販で色々と頼んでおいてくれないかな」
『はい!それぐらいならばいくらでもお任せを、それで何を頼むのですか?』
「業務用電子レンジ、卵黄と牛乳、砂糖、薄力粉を20人前……あといろんな種類のクリームもお願い。僕は台所の用意をしてくる」
『何をどうする気なんですか!!?』
とんでもない数の食材を発注したのだった。
お気づきの方がいらっしゃるのかもしれませんが……絶賛、ギャグスランプ中でございます……200話まだ行くとまたネタが、ネタが……。
まあ悩んでてても仕方ないので、ガンガン書いていきます。
自称はラビット編で、その次がパヴァーヌ二章なのですが…正直みなさんってどちらの方が興味があるのでしょうか、シンプルに気になって仕方ないのです。教えてくだされば幸いです。
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