透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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……重く、なった気がします。


とりあえず本編へどうぞ‼︎……湿度高いような気もしなくもない‼︎


マッシュ・バーンデッドと食い逃げ厳禁

 

 

 

「……いいかいレイジョ、彼に会っても、失礼の無いようにするんだよ?」

 

「本当に、信じていいのでしょうか」

 

 

 

 

 

 

 明るい雰囲気の調理場。そこでは、レイジョと呼ばれた赤髪の生徒と、会長と呼ばれた月餅のヘイローを持つ生徒が話をしていた。会長は料理を続けながら、少し笑ってレイジョを諭す。

 

 

 

 

 

「レイジョ、あんな記事嘘っぱちに決まってるだろう? ただの子供が、そんなことを企てるわけがない」

 

「……お言葉ですが、会長。先生はただの子供ではなく、シャーレの先生という存在で――」

 

 

 

 

 

 

 

ザクッ!!

 

 

 

 

 

 

「違わないよ、レイジョ」

 

 

 

 

 

 

 

 分厚い白菜の芯に包丁を落とし、強い口調で断じた会長。切った葉を細かく切り、鍋の中へと入れて炒めながら、彼女は思いの丈を告げていく。

 

 

 

 

 

 

「どんなに重い責任を背負ってても、力を持ってても、あの子はただの子供……ここに迷い込んだ、私達と同じ…子供なんだ」

 

「……しかし、玄龍門の目はそうとは見ていません。あの目は確実に──敵を、恐ろしいものを見る目です」

 

「だからこそ私達は明るくあの子を迎え入れないといけないんだ。明るい笑顔で、あの子にご飯を食べさせる。手伝ってほしいことなんてその後でいい」

 

 

 

 

 

 

 マッシュの何を知っているのか、彼から何を感じたのかはわからない…だがこれだけははっきりと言える。

 

 

 

 

 

「……さぁ、準備するよレイジョ! 山海経の料理を先生に――マッシュ君に味合わせてあげないと」

 

「……そうですね」

 

 

 

 

 

 

 彼女はマッシュのことを先生としてではなく、客人として、子供(生徒)として見ているのだった。

 

 

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 山海経中学校の自治区へとやってきたマッシュ、大荷物を運んでいたせいか小腹が空いてしまい、道中シュークリームを食べながら、山海経の生徒会・玄龍門へと向かっていく。端末で地図を見ながら移動しているので大丈夫。

 

 

 

 

 

「……何処だっけここ」

 

 

 

 

 

 ではなさそうである。地図とは違う全く知らない道に出てきてしまったマッシュは、立ち止まってもう一度端末をしっかりと見ながら、目的地へと向かって行こうとするが

 

 

 

 

「まあいいや、歩き回ってたらその内つくし」

 

 

 

 

 ダメそうである。この男、自身の体力が有り余っているので、「歩き回ればそのうち着くであろう」という脳筋もびっくりな思考を保持したまま、歩き始めた。

 

 

 

 

 

(街の雰囲気とか…結構好きだな。賑わってて、みんないい感じ、悪い噂が流れているのが信じられないくらい)

 

 

 

 

 

 山海経の街並みは、トリニティやゲヘナが洋風、百鬼が和風というのなら、山海経は中華といった感じであり、道ゆく人々がそれぞれの文化を大事にし笑い合っていた。

 

 

 

 

 

『食い逃げ!!食い逃げだぁぁ!!

 

 

 

 

 しかしどの地域にも悪人はいる、マッシュの目の前で、4人の大柄な獣人が逃げるように走っていた。その後ろには、赤い装飾の制服に頭巾をかぶっている、おそらくは料理人の生徒二名。

 

 

 

 

 

 

(一方犬猫の獣人四名、その後ろに生徒二名――うん、前の人たちが悪い人だな)

 

「どけどけぇぇぇ!!!」

 

 

 

 

 

 一番前を走っていた大柄で筋肉質な犬の獣人が前から走ってきていたので、マッシュは彼のズボンを掴み、そのまま地面へと叩きつけた。

 

 

 

 

「ヘブゥ!?」

 

「あ、兄貴‼︎」

 

「テメェよくも兄貴を!」

 

「何者だテメェ‼︎」

 

「通りすがりのシュークリーム好きです。食い逃げはダメですよ」

 

 

 

 

 

 食い逃げ犯であろう獣人達はマッシュの前に詰め寄ると、兄貴と呼ばれた獣人を立ち上がらせる。犬獣人達は怒り心頭、そんな騒ぎを見に野次馬が集まってきていた。

 

 

 

 

 

「この、ガキが…!」

 

「痛い目見たくなかったら、とっとと消えやがれ!」

 

「こっちのセリフ」

 

「なんだとこのガキ!? 兄貴!! やっちまいましょうよ!!」

 

「めんどくせぇが仕方ねえ……おい、舐めた口聞けないように叩き切ってやれ!」

 

「おう!」チャッ

 

 

 

 

 

 食い逃げ犯が出したのは漢剣。両刃であることが特徴で、刺すことが目的であるため剣格は滑り止めも兼ねている。周りの野次馬達はそれを見て『本気か…?』『流石にヤバイんじゃ…?』とざわつき始める。

 

 

 

 

 

 

「前にやったRPGの敵モブが持ってた武器だ、現実でもあるんだ」

 

「っな――めやがってぇ‼︎」

 

 

 

 

 マッシュは全く怯える様子を見せずいつも通り平常心、漢剣を持った食い逃げ犯は大きく振りかぶり、彼を袈裟斬りのような形で切ろうとするが

 

 

 

 

 

グチャァッ!

 

 

 

 

 突如、食い逃げ犯の脳内に流れた存在しない未来の記憶。自分の顔が陥没するほどのパンチを喰らい、崩れ落ちる…そんな未来。

 

 

 

 

「―――!?」

 

「と……止まった?」

 

「お、おい、どうしたんだよ!」

 

「ぁ……ぁいや……ぁの…」

 

「力がある人ほど、戦っている時、この先自分がどうなってしまうのか相手の殺気とか覇気とかでわかるみたいだけど―その通りみたい……ぶった斬る覚悟はあっても、潰される覚悟はないんだね」

 

 

 

 

 マッシュは食い逃げ犯の手から漢剣を抜き取ると、そのまま膝でかち割る。それを後ろで見ていた別の食い逃げ犯は鎖の両端に錘のついた武器、分銅鎖を取り出しそれでこっそりと攻撃。

 

 

 

 

 

「危な」

 

「っ!!」

 

「返すね」

 

「こん…のお!!」

 

 

 

 

 食い逃げ犯は分銅鎖を激しく振り回した後、その遠心力を保持したままマッシュへと攻撃。しかし彼はあえて前に進み、そのまま指を出す、鎖がその彼の指に止まると、回転し先についてある鉄が食い逃げ犯のこめかみに当たる。

 

 

 

 

「グッッッ……‼︎」

 

「わっ痛そう」

 

「っ、だったら!!」

 

 

 

 

 今度はバタフライナイフを持った食い逃げ犯がマッシュの前に立ち、そのナイフを右手から左手、左手から右手へと高速で移動させていく。左右どちらから攻撃するか惑わせるつもりだったが、

 

 

 

 

「――あれ?」

 

「エイッ」

 

「アゲッ!?」

 

 

 

 

 マッシュはそのナイフを奪い去り、デコピンでナイフ持ちの食い逃げ犯を撃退。残るは、兄貴と呼ばれた者のみ。

 

 

 

 

「――なん、なんだ、なんなんだテメェは!!」

 

「名乗る程の者ではない……なんて言ってみたり」

 

「ざっっっけんなぁぁぁぁ!!」

 

 

 

 

 主犯は大きく腕を振りかぶり拳を出す。下、上、右左へと主犯は連打するがそれも無意味、マッシュはまるで舞うかのような動きでその攻撃を避けていく。

 

 

 

 

「フンッ」

 

「オッ…‼︎」

 

 

 

 

 そして隙を見て腹に一発、重い打突を叩き込んだ後、すぐさま体を回転させ裏拳で主犯の顔を殴りつけ、宙に浮いた主犯の顔を掴み

 

 

 

 

 

「―──食い逃げダメ絶対」

 

 

 

 

 一言呟き、そのまま地面へと顔を叩きつけた。食い逃げとは、食べ物とそれを作った人に対する冒涜であり、何気にマッシュの地雷だったので容赦は無い。

 

 

 食い逃げ犯を倒した直後、湧き上がり歓声にマッシュはビクッとなり、やらかしてしまったなと後悔。

 

 

 

 

 

「――やべ暴れすぎちゃった」

 

「お、追いついた……ってなんだぁ!?」

 

「食い逃げ犯が全員倒れて……あんたがやってくれたのか?」

 

「あ、うん。やり過ぎちゃったけど」

 

「いやいや! むしろやりすぎなのがちょうどいいくらいだよ! こいつら食い逃げの常習犯でさぁ……ここらじゃちょっとした問題児どもだったんだ」

 

「それはそれは」

 

 

 

 

 

 後からやってきた料理人の生徒らがマッシュにお礼を言い、食い逃げ犯達が逃げないように住民達が麻縄で縛り、事態は終息した。

 

 

 

 

 

「……なあ、ひょっとしてあんた……シャーレの先生か?」

 

「うん」

 

「やっぱりな!―って、まずい……先生、実はあんたに会ってもらいたい人がいるんだよ」

 

「会ってもらいたい人?」

 

「ああ……できれば、玄龍門よりも先に」

 

「!」

 

 

 

 

 玄龍門にマッシュが向かっているという事実、それを何故この子達は知っているのだろうか……不思議だが、その目からは絶対に来てほしいという強い意志を感じた。

 

 

 

 

「……訳ありみたいだし、いいよ」

 

「ほんとか!? 助かる!……そうと決まれば、騒ぎが大きくならないよう、こっそりと案内する」

 

「何かあったの?」

 

「……言いにくいんだけどさ先生……アンタ――――

 

 

 

玄龍門から警戒されまくってるんだ。怪しい動きをしたら即捕縛!…ぐらいには

 

「ガーーーーン」

 

 

 

 

 

 招かれたのに警戒されまくっているという現実……マッシュはかなりショックを受けてしまった――ので。

 

 

 

 

 

「メンタル回復の為に甘い食べ物を作ってほしいな」

 

「それ言ってる時点でメンタル強いだろアンタ!!……まあ、とりあえず案内する! 私らの職場――玄武商会に!」

 

 

 

 

 山海経の料理を食べることとなり、玄武商会と呼ばれる場所へと、足を運ぶのであった。

 





湿度高ーいな?

私最近思ったんです、書いているうちにこうなんか……マッシュ君よりも年上のキャラ達が恋愛方面とかではなく、保護者、後輩として見ることが多くね?と

まあ、子供に先生の責任を……って考えたら、そりゃそうなるかなと。



励みになりますのでUAとコメントの程、どうぞよろしくおねがいします。


後コメ返信なかなかできなくて申し訳ないです

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