透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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もうなんかギャグしか無い感じになってしまいました。そして今回の被害者はミサキちゃんです、ほんとにごめんね


"革命のイワン・クパーラ ~ギャグと混迷の連邦学園&戒野ミサキの受難~"
マッシュ・バーンデッドと混沌の始まり


 

 

 

「……寒い」

 

「カイロ貼る?」

 

「別にいい……先生はいいの?」

 

「ここにくる前に筋トレしまくって、筋肉をあっためておいたから大丈夫」

 

「どうりでさっきからホカホカとしてるわけ……ってなるわけないでしょ、何でそれで湯気出てんの」

 

 

 

 

 

 

 

 

 キヴォトスには一部、まるで気候が特定の季節に固定されたような場所が存在する。その一つがこの場所、レッドウィンター連邦学園。学園の領域はキヴォトス最大と言われるが、一年中雪が積もっている僻地であるため人口は校舎周辺に集中しており、学園としての規模や人口密度は三大校が上である。

 

 

 今回マッシュはその生徒会から招待を受け、シャーレ所属生徒・戒野ミサキはその付き添いとして同行していた。

 

 

 

 

 

 

「なんで私が付き添いに……」

 

「嫌だった?」

 

「そうは言ってないじゃん」

 

「会話って難しい」

 

「私が言ってるのは、なんで私一人なのかって事と、招待されたのは先生だけなのになんで私まで連れてこられたのかって事」

 

「前者は周りの皆がミサキちゃんを薦めたから、後者は多分ツッコミ担当

 

「貧乏クジ引かされたってことじゃんそれ」

 

「泣いていい?」

 

 

 

 

 

 

 付き添いになったことに不満はないが、ツッコミ役を一人で任されたことはミサキにとって面白くなかった。常日頃からギャグに生きている人間でもあるマッシュを、一人でセーブし続けろというのは、到底無理な話………将来的には例外が出現するのだが*1

 

 

 

 

 

「そもそも、なんの用事で呼ばれたの?」

 

「近いうちにお祭りをやるみたいなんだけど、その様子を見て貰いたいってことで呼ばれたんだ。視察……もしくは護衛?…ってことらしいよ」

 

「……それ、政治の道具として利用されてない?」

 

「どゆこと?」

 

「シャーレの先生って立場上、数多くの生徒と関わってるわけ……つまりは顔が広い先生の立場を利用して、自校を大々的に宣伝してやろうってこと。もし『我が校の祝祭にあのシャーレの先生が参加した!』なんて言えば、それなりに箔がつくでしょ」

 

「つまり……虎の威を借る狐?」

 

「そうではな……くもない……けど……とりあえず、警戒は解いちゃダメだよ」

 

「うす」

 

 

 

 

 

 

 ミサキはレッドウィンターの事をかなり警戒していた、今回の招待に呼ばれるに当たってレッドウィンターの事を調べ上げていた……その結果は

 

 

 

 

 

 

 

『ゲヘナよりも混沌とした学園』

 

 

『カオスの塊』

 

 

『クーデターと粛清は慣れるのが当たり前』

 

 

『軽い気持ちで行ってしまったら元の場所には戻れない』

 

 

 

 

 

 

 

 

 などと言う噂があまりにも目立っていた。最後に関しては転校という線もあり得るのだが、他があまりも不穏……だがマッシュはそれを露知らず、のほほんと祭りを楽しみにしていた――これは危険、危険すぎる。

 

 

 

 

 

(本で読んだ事がある。純粋無垢だった子供が突然、今までいた場所や世界とは掛け離れた所へ関わった結果、人が変わったかのように狂い始めた事があるって――このレッドウィンターに関わった先生が、そうなる可能性もある)

 

「あっ、見て見てミサキちゃん。狐がいるよ、かわいいね………アレ急に寒気が身体中に……やっぱり寒いなーここ」

 

(今はまだいつも通りだけど……何か一つ、一つでも先生の脳に刺激を与えた瞬間……先生がそっちに引っ張られるはず……そうなった瞬間、私の胃は確実に裂ける)

 

 

 

 

 

 

 そもそもツッコミ役自体かなりの忍耐力と対応力が必要な役職であり、凡人ができるような物ではない。ツッコミというのは『そうはならないだろう!?』という疑問や動揺と『なんでそうなるの…』という呆れが同時にやって来るので、対応力には大きく個人差が出る。

 

 

 しかし悲しいかな、ミサキはこれに耐えることができ(てしまっ)た。

 

何故なら彼女の周りにはシスコン姉(錠前サオリ)

 

天然姫(ロイヤルブラッド)

 

同じ境遇(アリウス)のはずなのに体型が明らかにおかしい(デカパイヨモギモチ)、槌永ヒヨリ

 

天然無知純粋ジゴロな朴念仁(マッシュ)、その妻を名乗る不審者(狐坂ワカモ)……とまぁ、このようにツッコミどころしかない者ばかりなので、仕方ないと言える。

……閑話休題、ミサキは何がなんでも、彼女のツッコミ(もう一つの固有武器)でマッシュをカオスから守り抜くつもりだった。

 

 

 

 

 

 

(……でも、こんな感じの……先生は……悪くない…)

 

「あっ見て見てミサキちゃん、熊だよ熊」

 

「熊????」

 

「グルルルルルッ……」

 

 

 

 

 

 突如として現れた一匹のクマ、しかも大きさは2m〜3mほどか?極度の空腹か、涎を垂らしてギラギラとした目つきでマッシュとミサキを見つめている。

 

 

 

 

 

「涎垂らしまくってるね、お腹空いてるのかな」

 

「そしてどう見ても私たちのことを食べようとしてるでしょアレ!!!」

 

「空腹状態のクマってヤバいって聞いたことあるな」

 

「そもそもなんでここに熊が…!?」

 

「あれ、キヴォトスでは普通じゃないの?」

 

「キヴォトスでも見たことないんだって、獣人でもない本物のクマは!!」

 

「グルルァァァァ!!!」

 

 

 

 

 

 

 有無を言わさず、二人へ向かって走って来る熊。狩りを生業とするマタギでもなければ逃げるのが先決であり、キヴォトスにおいては銃器や重火器を持っていても戦わないのが普通である。そう、普通ならば。

 

 

――しかし、相手はマッシュだ。

 

 

 

 

 

 

「エイッ」

 

「キャウン!?」

 

「知ってた」

 

「人を食べちゃいけません」

 

 

 

 

 

 シンプルにビンタを繰り出し、クマを撃退した。他に危害が及ばない様に駆除すべきか、と思い立ったミサキは、後ろ手にナイフを握りしめて首筋を一突きしようと構えたが────

 

 

 

 

 

「クゥーン…」

 

「おーよしよし、森へお帰り。もう人は襲っちゃダメだよ」

 

「……皆、信じてくれるかな…先生が熊をあやして森へ帰らせたって」

 

「意外と信じてくれるんじゃないかな。バイバーイ、クマきち」

 

「名前つけてるし」

 

 

 

 

 

マッシュに服従したので、そのまま人を襲わないことを約束させて自然に帰した――もうお気づきであろう。

 

 

 

 

 

「………なんで学園内に熊が?」

 

「普通に受け入れてたね」

 

「………わかった、これわかった――もう私達カオスの中だ」

 

「そんな気がする」

 

「あ゙あ゙ァ゙ぁぁ‼︎」

 

 

 

 

 

 ミサキは完全に油断していた、此処が完全にレッドウィンターのテリトリーだという事を思い出した。レッドウィンターはカオスの巣窟、つまりはこう言った事が何度も起きる魔の学園。

 

 

 

 

 

「……先に行こうよ先生、なるべく普通に」

 

森の熊さんを歌いながら行きます?」

 

「普通って言ってんでしょ」

 

人間っていいなの方が良かった?」

 

「変わんないでしょうが! あと"普通(しずか)"にって言ってんの!!」

 

 

 

 

 前章とは打って変わり、この章は――ガッツリとギャグ空間である。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「やってまいりましたレッドウィンター」

 

「………やってきたけど……さ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「権力者優遇はんたーい!我々労働者も優遇しろー!」

 

「黙れ!四六時中汗水垂らしてこっちは頑張ってるんだ、優遇されて何が悪い!!」

 

「聞いたか皆の者、これが上の声だ!!権力に負けるな、部長がいない間でも頑張ってクーデターを起こすぞー!!!」

 

『おーー!!!!』

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう帰らない?」

 

「僕も帰りたくなってきちゃった」

 

 

 

 

 

 

 THE・CHAOS。ゲヘナでもこのような集団による抗議活動はなかった。条約締結前のトリニティでは似たようなことがあったものの、少なくともクーデターを頑張ろうなんていうパワーワードが間欠泉のように噴き出したことは一度もない。多分これから先も一生ない、あってたまるか。

 

 工場労働者の様な格好をしている生徒らと、生徒会っぽい格好をしている生徒らの戦い。戦いといってもほぼ言い合いか殴り合い。

 

 

 

 

 

 

「――お待ちしておりました、マッシュ・バーンデッド先生。そして戒野ミサキ様」

 

「ごめん自己紹介の前に説明して、アレ無視していいの?」

 

「ああ、もうクーデターの季節ですか。早いですねぇ」

 

「「なんかとんでもないパワーワードが聞こえた気がするんだけど?」」

 

「ふふっ、お二人共息がぴったりですね…申し遅『アイダダダダ!』た。レッドウィンター『ヤンノカコノォォ!!』事務ガシャァァァン!!長、佐城トモエと申します。レッドウィン『ワーギャーワーギャー!!』ら歓迎いたします」

 

「後ろがうるさ過ぎてよく聞き取れなかったんだけど」

 

「シャーレから来ました、マッシュ・バーンデッドです。こちらこそよろしくおねがいします、トモエさん」

 

「なんで今ので理解できたの?もしかして名前以外全部聞いてなかったりする?……まぁ、私は戒野ミサキ。よろしく」

 

 

 

 

 

 

 

 互いに軽く挨拶を済ませ、トモエとマッシュが握手を行う。一見すれば、お手本の様な社交辞令を経て、至極真っ当な来賓の応接が行われているようにも感じられるだろう。後ろで起きているクーデターから目を背ければ。

 

 

 

 

 

「チェリノ会長がお待ちです、どうぞこちらへ」

 

「あの子達は放っておいていいんですか?」

 

「いつものことですので」

 

「それで済ますのもどうかと思うけど……一応警告だけしておく。先生はそっちを完全に信用してる『キサマ!カミヲヒッパルコトハナイダロウガ!!』……みたいだけど、私は違う、これはあくまでも外『キャッ!?ドコサワッテンノ!?』……だから、警戒はさせてもら―『うぉぉぉクーデター最高!!クーデター最高!!』―――――」ブチィッ

 

 

 

 

 

 シリアスな会話をしようとしているのに、周りがうるさすぎてそれどころじゃなくなったミサキは痺れを切らし、愛用武器であるセイントプレデターを構えると、クーデターと事務局役員に向かってロケット弾を発射する。

 衝突が起こっていた街道に擲弾をばら撒いたロケット弾により、取っ組み合いになっていたクーデター趣味者と事務局員が吹き飛ばされ、周囲の者は一斉にミサキとマッシュに顔を向けた。

 

 

 

 

 

「うるっさい!!クーデターなら他所でやってきて!!てかクーデターなんかするな、そして争うな!!次やったら先生放り込むからね!!?!?」

 

「どんな脅し?僕ってミサイルか何かなの?」

 

『だ、誰だあいつ…!?』『見ない顔だな…レッドウィンターの生徒じゃないのか?』

『ヤバい!シャーレの先生と生徒だ!怒らせたらまずい、今すぐ全員謝れっ!』
『す、すみませんでした…!』『ご、ごめんなさい…』

 

「まあ……なんと、クーデターをこうも短時間で止めてしまうとは……流石はシャーレ所属の生徒さんですね」

 

「は…ぁ、はぁ……ほんと……疲れる……」

 

「やはりチェリノ会長の見立ては間違っていませんでした――さあこちらへ、ご案内致します!」

 

「お願いします」

 

「………胃薬、持ってきておいてよかった」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

始まるはもはやカオスを超えたカオス、ギャグを超えたギャグ。

 

 

腹筋の準備は大丈夫か?ならば続きをご覧あれ‼︎

 

 

 

 

 

 

 

  

革命のイワン・クパーラ
 
~ギャグと混迷の連邦学園(レッドウィンター)&戒野ミサキの受難~
 
祝祭、開幕!

*1
フィン君のことです





なんだこれ



妹『やっぱりヒナちゃんにはお母さんが必要だ、なんだこのイベントヒナ虐がすぎるでしょ。だからどいてお兄、マコトちゃんビンタできない』


まあ気持ちは分からんでもないのです、お労しいですよねヒナちゃん……あっ、ドレスイベントの話です。弟先生はって?ヒント、イブキちゃん………以上‼︎

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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