透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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遅れた分はなんとかして取り返す男!六科!!推しはアル社長とリンちゃんとサオリさんだが!甘やかしたいのはヒナちゃんだ!!

関係ないんですけど、私初めてブルアカをやった時に、そらざきをくうざきって呼んでました、後から調べて死にたくなりました

オリ技あるよ。仕事の部分に関しては超適当

それでは本編へ、どうぞ!


ゲヘナシロモップとシャーレマッスルティーチャー

 

 

 

キヴォトス内にある一つの大きな学園

 

 

 

ゲヘナ学園

 

 

 

 自由と混沌を校風としている上、型破りで粗暴な生徒が多く、それに銃撃戦が茶飯事というキヴォトスの価値観も加わり、領内の治安は非常に悪い。

 

 

 もはやこの学園内だけ世紀末のような有様で、学級崩壊は当たり前。教育機関としての機能はほぼ損失している。

 

 

 それでも最低限の治安を維持できているのは、他ならぬゲヘナ風紀委員会とその委員長───空崎(そらさき)ヒナ』の存在が大きい。

 

 

 このゲヘナには風紀委員会に限らず、生徒会である万魔殿もあるのだが…実のところほとんど知られておらず、なんなら生徒会長なんて空気そのものらしい。

 

 

 話が逸れてしまったが、そんな風紀委員長・空崎ヒナは、シャーレの顧問であるマッシュ・バーンデッドとの会談の場を設けることとなった。

 

 

 

 

 シャーレとゲヘナの協力関係を構築するため、マッシュは

 

 

 

 

 

 

「―──よし、これだけあれば十分だよね」

 

『あの……先生?』

 

「?」

 

『今から、ゲヘナの風紀委員長さんとお話しをするんですよね?』

 

「うん」

 

『ならその大量のシュークリーム要りませんよね!?なんですかその量!』

 

「偉い人と話すときは手土産の一つでも用意しておいた方がいいって、じいちゃんが言ってた」

 

『だからってシュークリームですか!?多すぎますし!』

 

「大丈夫、味に飽きないようにいろんな味を用意したから」

 

『いやそう言う問題じゃなくて!!!』

 

 

 

 

 マッシュは大量のシュークリームを用意して、あり得ないほどに落ち着いていた。

 

 これから大事な話があるかもしれないのにだ。

 

 

 

 

「楽しみだなー…ヒナさん、喜ぶかな」

 

 

 

しかし今回のマッシュはちゃんとヒナについて調べ考えていた。マッシュの手元には

 

 

『疲れ激減!?キヴォトスリラックスパンフレット』

 

 

と表紙に印字された冊子が握られている。マッシュの本当の目的は風紀委員会との会談ではなく、この日を使ってヒナをじっっくりと休ませることにあった。

 

 

 

「……全部一人(孤独)で何もかもなんとかするなんて、普通じゃ考えられないからね」

 

 

 

マッシュは決意とともにパンフレットを握り締めた。

 

 

 

 


 

 

 

 

 

ゲヘナ風紀委員会

 

 

 ゲヘナ学園にある委員会の一つ。

 

 

主要メンバーは空崎ヒナ、銀鏡イオリ、火宮チナツ、天雨アコ。

 

 銃弾飛び交うキヴォトス内でも特に治安が悪いゲヘナ学園の秩序維持を一手に担っており、同学園の生徒会である万魔殿よりも遥かに恐れられている。

 

 そして何より、毎日が日曜日ならぬ放課後同然、不良たちが今日も学業とは無縁の馬鹿騒ぎをするゲヘナの中で、最も休暇と無縁な組織でもある。

 

 

 

 

 

(そんな委員会で委員長をやってるのがこの私、空崎ヒナ……ハァ、休みたい)

 

 

 

 

 ゲヘナのある一室、窓からゲヘナ学園への門が見えるその部屋で、風紀委員長・空崎ヒナはため息をつきながら座っていた。

 

 

 

 

「シャーレの先生、マッシュ・バーンデッド……正直、まだ完全に信じ切ったわけじゃない…けど、これからの関係は大事にしておいた方がいい」

 

 

 

 常識外の身体能力を持つ存在が超法規的機関に在籍する現状を見逃すわけには行かず、当然マッシュという存在を単純に信じることもできない。だがヒナは、その活動実績や風貌から、どことなく優しそうな青年であるという印象を抱いていた。

 

 

 

「…もしかしたら、ここの治安がマシになって私の仕事が減るかも」

 

 

 

 そんなあり得ないであろう妄想をして、でかいため息をつきながら腰を上げヒナは窓から門の方を見た。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふんふん』

 

 

「なん――――で?…え?…は!?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 門から敷地に入った道の脇に、ヒナが到着を待っていた人物──シャーレ顧問のマッシュ・バーンデッドがいた。それも、身の丈を超える巨大なバーベルを激しく上下させながら。

 

 

 

 

 

(え、なんで?なんで筋トレしてるの?…門を括って……え?ほんとになんで筋トレしてるの!?後その大きなやつ、どこから持ってきたの!?)

 

 

 

「ふぅ」

 

 

 

 

 マッシュが息を吐き地面にバーベルを地面へ置くが、それと同時に置いた地面がヒビ割れて激しい轟音と揺れが生じた。

 

 

 

 

(本当に何キロあるのそれ!?─―待って、落ち着くのよ私…疲れて見間違えただけのはずよ。だって今から大事な話をするのよ?そんな事するはず―)チラッ

 

 

「…」モギュモギュッ

 

 

(空気椅子しながら筋トレの本を読んでるぅぅぅぅー!?)

 

 

 

 

 

 あまりに現実離れした光景に、ヒナが心の中で叫びを挙げながら激しく窓を叩く。

 

 

 

 

(せめてこう……参考書とか、ゲヘナに関する資料とかそんなのがよかった!)

 

「チョップも鍛えれば鉄も切れる―今度頑張ってみようかな」モギュモギュッ

 

(なんか1人で言ってるし、さっきからシュークリームしか食べてない、なんならそれが入っているであろうバッグがパンパンだし!)

 

 

 

 

ヒナはツッコミしすぎて疲れがどっと増したが、先生に会うため自分を自分で説得してなんとか足を動かす。

 

 

 

 

「本当に…シャーレの先生で、いいんだよね?」

 

 

 

 足が進まないが、廊下を歩いてマッシュを迎えに行くヒナ。ヒナはその道中、その疑問を繰り返し呟かずにはいられなかった。

 

 

 


 

 

 

 マッシュが空気椅子でシュークリームを食べていると、待ち合わせの相手であるヒナが現れた。

 

 

 

「おはよう先生……その…色々と言いたいことがあるんだけど、とりあえず一度シュークリームは置かない?」

 

「わかった」ズッ!

 

(今シュークリーム飲み込んだ?…その大きさのやつを?)

 

「アビドス砂漠の時はありがとうございました、おかげで楽に相手をボコボコに出来たんで」 

 

「こっちにも被害が出るかも、と思ったからね……とりあえず中へ入って」

 

「うす」ズイッ!

 

「そのバッグの中に入っているのって…全部シュークリーム?」

 

「うん、カスタードにイチゴ、チョコレートもあるよ」

 

「シュークリームだけ?他には?」

 

「あそこに置いてあるバーベルだけ」

 

「わかった、うん、もうわかった」 

 

 

 

 

 ヒナはいよいよ頭痛を感じ始め、ツッコミと質問を中断してマッシュを部屋に通す。まともに会話できるんだろうか、それだけが不安だった。

 

 

 

 

部屋に着くとマッシュはカバンを置き、ヒナに言われた席へと座る。そしていよいよヒナは話に入ろうとしていた。

 

 

 

 

「先生、さっそく本題に入るわね」

 

「うん」

 

「私の考えとしては、シャーレと風紀委員、この二つの関係を良くしたいの。お互いに何かあった時は互いに助け合う、要請があれば私はそっちに行く、逆に先生はこっちの要請があったら駆けつける…そんな関係に―」

 

「いいですよ、お互い仲良くしましょう」

 

「そうよね、そう簡単に………なんて?」

 

「仲良くしましょ」

 

 

 

 

 マッシュは提案されて数秒でその案に乗った。

 

 

 

 

「早すぎない!?いいの?そんな簡単に決めていいの!?」

 

「うん、ヒナさんが大変な時はすぐに僕が駆けつけますし、僕1人じゃどうしようもない時は遠慮なく貴方達を頼る…そんな関係ですよね?なら大歓迎です」

 

「もっとこう、疑ったりとかは」

 

「疑う?何か企んでたりしたんですか?」

 

「そんなことはない…けど」

 

「なら大丈夫ですね、いやぁ〜これで安心安心」

 

 

 

 

 マッシュはよかった〜と安心するように額を拭う(真顔)、そんなマッシュにヒナは唖然としていた…関係性があっさりと決まってしまった、まだちょっとしか話していないのに、相手は自分のことを完璧に信頼していた。

 

 

 

 

 

(なぜ…なんで、そんな簡単に)

 

「実は僕、きょうは難しい話とか無しで、単純にヒナさんと仲良くなろうと思ってきたんです」

 

「……それは風紀委員長の私と仲良くなろうと?」

 

「いや、ただの空崎ヒナって人と友達になりたくて」

 

「…ただの空崎ヒナ」

 

ゲヘナ最強とか風紀委員長とかじゃなくて、1人の生徒として、友達として、話がしたかったんです。立場なんて忘れて」

 

「……立場」

 

「話も終わったことですし、今から何処かへお出かけしませんか?」

 

「いや、まだ仕事があって…」

 

 

 

 

 部屋にある別の机の上には大量の書類とハンコ、昨日もヒナはちゃんと寝ておらず徹夜で仕事をしていたが…どうやら間に合わなかったようだ。

 

 

 

 

「その仕事ってそこにある書類の山ですか?」

 

「う、うん、あとはハンコとサインだけだけど」

 

「なら任せてください」

 

 

 

 

そう言ってマッシュは書類がある方へと向かい座る、そして『ん〜〜』と両手を上げ背伸びをし、メガネ(伊達メガネ)をかける。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「フル・インテリジェンス魔法・スーパーワークモード」

 

 

 

その声と共にマッシュの両手がすごい勢いで動く。

 

 

 

シュバババババババ!!!!

 

「っ!?」

 

 

 

 

 

 

 

 

説明しよう、フルインテリジェンス魔法とは、マッシュが独自で生み出した魔法であり、仕事が忙しすぎたマッシュが編み出した凄技である。

 

 

マッシュが普段使わない脳を限界までフル回転させ、意思能力・行為能力を極限にまで高める物。

 

 

これによりマッシュは今普段では考えられないほど賢くなっている。(マッシュの中での話)

 

 

 

左手にはハンコとペン、右手には書類、右で書類を持ってきてすぐにハンコを押し、サインが必要なものはスラスラ〜と素早く書く。  

 

 

 

 

 

(……フル・インテリジェンス魔法ってなに?…それよりも、はやい!あれだけあった書類がもう無くなってる!一瞬でどれがハンコでどれがサインか判別しているの!?なんてすごい動体視力!)

 

 

 

 

 

 

「ハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペンハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペンハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペンハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペンハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペンハンコペンハンコペンハンコペンハンコハンコペン」

 

 

(けど怖い!白目剥いてる!!)

 

 

 

 

 

少しして全ての書類が片付き、マッシュは一息つく。

 

 

 

 

(ほんとに……全部、終わったの?)

 

 

 

ヒナは驚きながらも感謝の述べる為動く

 

 

 

 

「あの、ありがとう…先せ」

 

 

 

バゴーーーーーン!!

 

 

「いぃぃぃぃぃーー!!!?」

 

 

 

突如マッシュの頭が爆発し、マッシュは倒れすぐにヒナが駆けつける。

 

 

 

 

「アブブブブブブブブブブッ」

 

「どうして爆発が!」

 

「……フルインテリジェンス……を…使うと…脳をフル回転させまくるから―終わったあとは…こうなるんだ……」

 

 

 

 

 そう、フルインテリジェンス魔法は普段使わない脳を強引にフル回転させるので、使用直後は必ずこうなるのだ。

 

 

 

 

「ごめんヒナさん……し、シュークリームを…カスタード味の…シュークリームと、プロテインを」

 

「わ、わかった!」

 

 

 

 ヒナはすぐにシュークリームとプロテインをパックから取り出しマッシュに与える、もぐもぐシュークリームを食べた後はプロテインを飲ませる……絵面は完全に赤ちゃんをあやす子供。

 

 

 

「―――!」バッ!

 

「起きた!?しかも……なんてスッキリした顔をしているの?」

 

「マッシュバーンデッド、復活」(マッスルポーズを決める)

 

「……ふ…ふふ…フフフフ!アハハハハハ!ふ、復活…って…それに、なに、そのポーズ」

 

「サイドトライセップス」

 

「ふ、ふふ!アハハハハハハハハハハハハ!お、おかしい〜!」

 

「フンス」

 

「やめ…て…w」

 

 

 

 

 

ヒナは腹を抱えて笑う。

 

いつも激務続きでちゃんと笑ったこともなかったヒナ、しかし今はマッシュの奇想天外な行動に爆笑し、子供らしい素晴らしい笑顔を見せる。

 

 

 

 

 

「よし、ヒナさんも笑ったことだし……出かけましょうか」

 

「え…ええ………w…ンン」

 

「仕事も終わったし今日はとことん休みましょう、何もかも忘れて」

 

「―そうね、今日くらい…先生がいる時くらい、いいわよね――お願い先生、私を連れて行って?」

 

「合点……めちゃくちゃリラックスさせるから覚悟しててね」

 

 

 

 

 

 そうしてヒナはマッシュに連れられ学園を出た。その瞬間からゲヘナ風紀委員長空崎ヒナではなく、ただのキヴォトスの一生徒・空崎ヒナとして、マッシュと出かけるのであった。

 

 

 


 

 

 

 

ヒナを連れ、リラックス旅へと向かったマッシュが最初に訪れたのはキヴォトスにある、とあるお店。

 

 

 

リラックスには動物を触るのがいいって書いてあったんで、こちら猫カフェです」

 

「これが……猫カフェ

 

「名物は…猫風呂らしいですよ」

 

「猫……風呂?」

 

 

 

 

猫カフェだった、猫という生き物に触れ合いながらお茶をしたり談話したりできる素晴らしい場所、猫好き達にとって本当に天国の様な場所である。

 

 

ヒナはネットで存在を知ってはいたが、実際に来るのはこれが初めて……ドキドキしながら扉を開けて腹が中へと入る。

 

 

 

 

 

「どう?可愛い子達多いでしょ?」

 

「うん……確かに可愛い子達が多い」

 

 

 

 

ニャー!

 

ニャーニャーニャー!!

 

ニャーニャー!!!

 

 

 

 

 

「いや、多すぎない?」

 

「猫の国って書いてあったけど、ここまでとは思ってなかったな」

 

「100ぐらいいるんじゃないの?…これ」

 

 

 

 

 

扉を開けて待っていたのは数十匹ではなく百匹ほどの多種多様な猫が床を覆い、そこらじゅうに登って鳴いている光景だった。

 

 

 

 

 

「いらっしゃいませ〜空いている席……は、ないのでそこら辺に座っておいてくださ〜い」

 

「適当!」

 

「わーい」

 

「こっちは乗り気だし…」

 

 

 

 

適当な場所に座りメニューを手に取って見ていると、やってくる猫達。

 

 

 

 

 

「すごい……寄ってきた」

 

「リラックスしてる?」

 

「いや、ここまで多いと逆に緊張してリラックスできないわ」

 

「そんな」

 

「あ、ちょっと、頭の上は―って、きゃあ!?」

 

「戯れる様に猫ちゃんが、わっ」

 

 

 

 

一匹の猫がヒナの上に立つと、それに釣られる様に周りの猫が一斉にマッシュとヒナに飛びかかってきた。猫にぎゅうぎゅう詰めにされ苦しむこと数秒後。

 

 

 

 

「…………なにこれ…とても……暖かい…」

 

「ンニャ〜〜♪」

 

「貴方はそこでいいのね……猫風呂ってこういうことなのね」

 

 

 

 

ヒナの体を埋め尽くすように大量の猫が集まっており、ヒナの体はお風呂に入っているような感覚で、自然とヒナはリラックス状態になっていた。 

 

 

 

 

「……あふぅ」

 

 

 

 

顔がふにゃんとなったヒナから気の抜けた声が出る。

 

すぐにそれに気づいたヒナは顔を赤くしながらマッシュに反論しようとするが。

 

 

 

 

「いや〜、リラックスできてるみたいで」

 

 

 

『ンニャァー!!!』

 

『ン"ナ"ァ"ァ"ァ"!!』

 

『シャ"ァ"ァ"ァ"ッー!!!』

 

 

 

「よかったです」

 

「何をどうしたらそこまで嫌われるの!?」

 

 

 

 

マッシュは顔やら腕やら足やらを猫に噛まれまくっていた、しかもすごい目つきで。噛んでいない猫も威嚇しまくっている。

 

 

 

 

「何もしてない、戯れてきた時にちょっと触っただけなんだ、そしたら急にこうなった」

 

「よしよし…怖がってるのかしら、え、私は大丈夫なのに先生はダメなの?」

 

「僕そんなにやばい?」

 

『『『シャー!!!!!!』』』

 

「やばいんだ……ショック」

 

 

猫にだいぶ嫌われたのかマッシュはシュンとテンションが下がる、その反対にヒナは好かれまくり可愛い声を出しながら列を作り撫でられ待ちになる。

 

 

 

「……よ、よしよし」

 

 

 

そして気に入った子を見つけては持ち上げ、風紀委員会に入っている生徒(モブ)達が言っていたことを思い出す。

 

 

 

「猫吸い……だったわね、ちょ、ちょっとだけ」

 

 

 

持ち上げた子を顔に近づけ、そのまま吸う。猫の匂いには、猫愛好家をリラックスさせる効果があると言われてはいるので、この行為は今のヒナにはピッタリである。

 

 

 

「スゥゥゥ………成程…これは…あ、だめ…止められない…」

 

「まだ時間はあるし、しばらく続けててもいいと思いますよ」(猫吸いをしようとして死ぬほど嫌がられて引っ掻かれた)

 

「な、なら…遠慮なく…スゥゥゥゥッ」

 

 

 

ヒナは羽をパタパタとしながらしばらく猫吸いを続けた、マッシュは最後まで怖がられて嫌われまくった。

 

 

 

 

 

―――――――――――――――――ー

 

 

 

 

「リラックスできたみたいで何よりだよ」

 

「あれだけ襲われても無傷なのは流石ね…服とかに毛がいっぱい着いちゃったけど、かなり安らいだわね」

 

「ならよかった、じゃあ次行こう…次は食事だよ」

 

「食事でリラックス…っていうのはよくわからないんだけど」

 

「ヒナさんって食べたいものとかありますか?」

 

「食べてみたいものなら……少し」

 

「じゃあそこに行きましょう、好きなものを食べるっていうのもリラックスの一つだから」

 

「そう、なら……一つ」

 

 

 

ヒナが食べたいと言ったもの、それは最近の若者がこぞって食べていると聞いた幻の食べ物。

 

 

 

「これが……クレープ」

 

「大っきいの買っちゃったね」

 

 

 

クレープ、それもイチゴとクリームがいっぱい入っている超絶うまいクレープ。

 

 

 

「……」

 

「食べないの?」

 

「い、いざ食べるとなると変な緊張が……」

 

「上からガッついちゃえばいいんだよ、こう、ガバッと」

 

「ガバッと……ゴク…あーん」

 

 

 

ヒナは大口を開けクレープを頭から喰らいつく、口の中に入った物を噛むと、流れてくるイチゴの果汁。

 

さらには甘いホイップクリームが果汁と同じようにして喉へと通っていく……その美味しさは段違いで

 

 

 

 

「んんんっ✨」

 

 

 

 

ヒナが目を光らせながら次から次へと口へ運ぶほど、そんなヒナを見ながら嬉しそうにシュークリームを頬張るマッシュ。

 

 

 

 

「チョコレートとかカスタードもあるけど、どうする?」

 

「食べる」(キリッ)

 

「OK」

 

 

 

ヒナはクレープを結構堪能した、マッシュはこっそりそんなヒナを写真に撮っていた。

 

 

 

 

―――――――――――――――――――

 

 

 

 

その後もマッシュとヒナはリラックス旅を続けていった、食べ物や動物の他にも遊びなど様々な事をやっていき、ゲヘナに戻ってきた時にはもう夕方になっていた。

 

 

 

「――堪能…しまくっちゃった」

 

「仕事のこと忘れられてた?」

 

「ええ、完全に頭に無かったわ……ありがとう先生」

 

「どういたしまして」

 

「食べたい物も、やりたいこともほとんどやっちゃった。こんなの久しぶり……そういえば、今日先生がやってくれた書類…今思い返せばまだ少なかったような」

 

 

 

 

普段ならあれの倍以上はある仕事、それは万魔殿から面倒な業務を丸投げされていたからであった。しかし今回はいつもよりも少なかったのでヒナは少し疑問に感じていた。

 

 

 

 

「あの仕事って………えーと…パンデモニックモンスター?」

 

「もしかしてパンデモニウムソサエティーの事?ええ、そこから回ってきたのよ」

 

「やっぱり、話をしておいてよかった」

 

「……話?」

 

「うん、『明日、ヒナ委員長を連れて遊びにいくんで仕事はなるべく減らしてくださいね』って」

 

「あの議長がそう簡単に応じるとは思わないんだけど……」

 

「意外と簡単に承知してくれましたよ?『そうしてくれないなら、シュークリームを1000個そこに送り込む』って」

 

「どんな脅し!?…そ、それで?」

 

 

 

 

 

 

『キキキッ!やれる物ならやってみろ!このマコト様は、シュークリーム如きでは屈しない!!』

 

 

 

 

 

「って言ってきたから、10000個送りつけた」

 

「10倍になってる!!…じ、じゃあ今朝持ってきていたあれは?」

 

「ヒナさんと食べようとしてたのが半分、議長さんに送りつける分が半分」

 

「うわぁ…」

 

「如きって言われたのが腹たっちゃって…後、『生徒会のくせに仕事しないって、それ、生徒会としてどうなんですか?ヒナ委員長に勝ちたいなら、ヒナ委員長と同じぐらいすればいいんじゃ?』って言ったら、無言で切られました」

 

「先生って……容赦ないのね」

 

「いけない事を叱りつけるのは先生として当然なんで」

 

 

 

 

歩きながらそういうマッシュ、ヒナはマッシュの横を歩きながら、一つ聞く。

 

 

 

 

「先生は……強さって、なんだと思う?」

 

「………パワー?」

 

「いやそうじゃなくて、先生が思う強さの事」

 

「僕が思う強さ……そうだな、友達や家族を守る力かな、ヒナさんは?」

 

「私も同じような感じ、ゲヘナのためにこの力を使っている――けどちょっと、先生の事が羨ましい」

 

「僕のことが?」

 

 

 

ヒナは両手を見てつぶやくように言う。

 

 

 

「もっと私が強かったら、ゲヘナの風紀や治安はもっと良くなったかもしれない…私がもっと動ければ、仕事も減って…今日みたいな時間がいっぱい増えたかもしれない…私がもっと強ければ―トリニティとも、もっといい関係になれたかもしれない」

 

「…」

 

「私がもっと頑張れば……弱く…なければ」

 

「ヒナさんはもう十分頑張ってますよ、それに弱くなんてない」

 

 

 

 

 

暗い顔をするヒナには、マッシュはヒナの前に立ち手を上から支えるようにして持つ。

 

 

 

 

 

「貴方はこの小さい腕で、ずっとずっと戦っている。ゲヘナのため、友達のために……そんな貴方が弱いわけがない」

 

 

「…だけど」

 

 

「それに、ゲヘナの治安が悪いのはヒナさんが頑張っていないからじゃないですよ?校風がそうさせているってだけで」

 

 

「それは…そう」

 

 

「後、ヒナさんが風紀委員長であり続けるから今のゲヘナがあるんです…きっと貴方がいなくなったら、ゲヘナはもっと大変なことになりますよ?多分世紀末ぐらい」

 

 

 

 

実際、ゲヘナ風紀委員長には勝てないと思っている者達がほとんどなので、今のゲヘナはまだおとなしい方。

 

 

 

 

「だから、自分を卑下しないでください…なんならもっと胸張って自慢してもいいんですよ?『私強い!!』って」

 

「そ、それは流石に…」

 

「けれどそんなに強い貴方でも限界はある、弱音を吐きたい時もある、そんな時は僕を頼りまくってください。いつでもどこでも駆けつけるんで」

 

 

 

 

 

マッシュが自分に視線を合わせ鋭い眼差しでそう言う。ヒナはそれに目を見開き、頼っていいんだ、弱音も吐いていいんだ…そう思った。

 

 

 

 

「――そう…頼っていいのね……いいんだ」

 

「はい」

 

「……ありがとう先生…あの…わた―」

 

 

 

 

ヒナが何か言いかけたその時、辺りに爆発音が響く。

 

 

 

 

「っ!」

 

「大きな戦車が一つにロケラン、それから大きな盾を持っているロボット……あれ、何か侵略してきたの?」

 

「ゲヘナなら日常茶飯事…っていいたいけど、今回はちょっと特殊ね」

 

 

 

 

ミサイルを撃ってきたのは一つの大部隊、全員がヘルメットを被りヒナとマッシュに向かって侵攻していた。

 

それもヘルメットの色は様々であり…ゲヘナにいるヘルメット団が集まったようだった。

 

 

 

 

「ゲヘナ風紀委員長!!今日でお前も終わりだ!」

 

「今まで散々やりやがって!」

 

イケイケヘルメット団、ツヨツヨヘルメット団、ガンガンヘルメット団!その全てがお前の敵だ!」

 

「ついでにそこにいる変な奴も、一緒にぶっ飛ばしてやる!」

 

 

 

 

 

そう笑いながらやってくるヘルメット団達、そんなヘルメット団にイライラしながら愛用銃である『終幕:デストロイヤー』を構える。

 

 

 

 

 

「……最悪、せっかくいい気分だったのに…ごめんなさい先生、少し下がっていて」

 

「いや、僕も戦うよ―ヒナさんの楽しい時間を潰された怨みもあるし…ヘルメット団が集まっているならちょうどいい」

 

「いくら先生でもこの数は」

 

「大丈夫―だって僕1人じゃない、ヒナさんもいるし」

 

「!」

 

「一緒に戦いましょう、2人なら負けなしです」

 

「……そう、そうね、頼っていいんだ…よし、いきましょう―先生」

 

「うす」

 

「何を、ごちゃごちゃと!!撃て!!」

 

 

 

 

 

戦車からミサイルがマッシュ達に向かって放たれる、それをマッシュは

 

 

 

 

 

「あぶな」カンっ!

 

『―――へ?』

 

「……そんなの、できるの?」

 

 

 

 

裏拳でそのまま他所へと弾き飛ばした、そしてそのまま拳を握り目でヒナに何かを伝える。

 

 

 

 

「な、なんだよあいつ!」

 

「……キノコ頭の…男…ま……―ま、まままさか、あいつ!あのシャーレ先生か!?」

 

「あ、あの戦車を一撃で破壊したって言う!?」

 

「なんでそんな奴が委員長と!?」

 

『ひ―――怯むな!こっちにはこのゴリアテがある!こいつの盾の分厚さは10cm…しかも耐久力はホローポイントやその他強力な弾を全て防ぎ切る程の力がある!』

 

「そうだ―行け!やっちまえ!!」

 

 

 

 

ゴリアテの中にいるヘルメット団は合図を聞き前へと動く、片方の腕にはその盾、もう片方の腕にはガトリング砲。

 

 

 

そんなゴリアテに対しマッシュは冷静に構えを取り技の名を言う。

 

 

 

 

「トライセップス魔法・バリスタナックル」

 

『何が魔法だ!くたばれぇ!!』

 

 

 

ガトリングガン砲から銃弾が発射されマッシュはそれをするりと避け一気に距離を詰める、そしてジョルトブローを縦に向かって繰り出す。

 

 

 

『無駄なんだよ!ゴリアテとお前じゃ格が!』

 

 

バキャァァッ!!

 

 

『ちが―……え?』

 

 

一撃で大盾を破壊し、ゴリアテの動きが少し止まる…その隙を狙いヒナがデストロイヤーで攻撃。

 

 

 

ダダダダダダダッ!!!

 

 

 

『ゴ、ゴリアテにヒビが―』

 

 

 

バサッ、と羽の音…ゴリアテの内部に入っているヘルメット団が顔を上げると

 

 

 

「さようなら」

 

 

 

銃を構えたヒナがいて、そのまま銃弾を発射、ゴリアテは大爆発。

 

 

 

「ナイス」

 

「次、いきましょう」

 

「OK」

 

「う、撃て撃て!撃てェェェ!!」

 

 

 

ヘルメット団は声を上げながら銃を乱射、それにヒナとマッシュは左右に分かれて回避。それぞれ回避した先にいたヘルメット団達の注意を引き迎撃。

 

 

 

 

「君ら全員、拳骨の刑」

 

 

 

マッシュによる拳骨刑が開始、銃弾を華麗に避けながらマッシュはヘルメット団の頭に向かって

 

 

 

「フン!」

 

「アグッ!!」

 

 

 

拳骨を食らわせる、ヘルメットはもはや意味を成さず凹み食らった者はどんどんやられていく。

 

 

 

 

「面倒をかけさせないで」

 

「こん―のぉぉ!!」

 

「甘い」

 

 

ヒナに関してはもう言うまでもなくヘルメット団達は相手にならない、近接に持ち込んでもほとんど避けられ逆にカウンターを喰らう。今現在ヒナの顔はいつも以上にキリッとしている。

 

 

 

「ならこいつはどうだ!!」

 

 

 

敵の1人がロケランをヒナに向けて撃つも

 

 

ダダッ!ダダダ!!

 

 

「見えてる、殺気が丸わかり」

 

「と、飛んでるロケランの弾を撃ち抜きやがった!?」

 

 

 

 

その弾をデストロイヤーで破壊、そしてマッシュが合流するとヘルメット団達は2人囲うようして集まる。

 

 

 

 

「先生…背中、任せてもいい?」

 

「もちのろん」

 

「フフッ―貴方達はもう…逃げることはできない」

 

 

 

ヒナの雰囲気が一気に変わり、羽を大きく広げて回りながら銃を乱射、マッシュはそんなヒナの背にベッタリつきながら飛んでくる弾を

 

 

 

「フッフッフッフッフッフッフッ!」

 

 

 

拳で防いでいく……マッシュは頑張ればキヴォトス人の銃弾を拳で弾けた。けど殴るよりも避けた方が早いので普段はそうしている。

 

 

 

 

(背中を預けるのって……こんなにも、安心するんだ、それにきっとマッシュ先生は…私よりも強い)

 

「フッフッフッフッフッフッフッフッ!」

 

(誰かと一緒に戦うのって、…こんなに楽しかったっけ?…そっか、私は今…この戦いを――全力で楽しんでいるんだ)

 

 

 

 

少しも経たないうちに戦車を除いてほとんどのヘルメット団員は壊滅。

 

 

 

 

「くそっ!!こっちの攻撃が通らねえ…仕方ねえ…ここは一旦退却……は?」

 

 

 

リーダーが目にしたのはマッシュがおそらくあたりに散乱した銃弾を集めて加工したであろうボールがあった。

 

 

 

「一番、ピッチャー…マッシュ・バーンデッド」

 

「振りかぶって〜〜」

 

『投げました〜〜〜!』(マッシュ真顔、ヒナ笑顔)

 

 

 

 

 

マッシュがそれを全力投球し戦車に直撃、そのまま戦車は大破しヘルメット団の大部隊は無事に鎮圧。

 

 

 

 

 

「もう二度と暴れちゃダメだよ?」

 

「次暴れたら、私だけじゃなくてこの人も出てくるからね」

 

 

 

 

そう言って2人はハイタッチをした。

 

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

その後は風紀委員達に任せてヒナとマッシュは別れる事に。持ってきたバッグを背負い門の前で2人は話していた。

 

 

 

 

「今日はありがとう先生……今まで一番楽しかった」

 

「またいつでも駆けつけるよ」

 

 

 

マッシュがそう言うとモジモジしながら、願いを言う。

 

 

 

「………その…先生?…私、先生と!友達に…なりたい」 

 

「え?本当に?やったー、なろう、超なろう」

 

「食い気味!」

 

「じゃあお友達の印に……これをどうぞ」

 

 

 

マッシュはバッグからシュークリームの人形を手渡す、それはシュー君のぬいぐるみだった。

 

 

 

「…シュークリーム?」

 

「シュークリームカップルのシュー君、それのお人形…お手製だよ」

 

「シュークリームカップル……そ、そこは置いておいて…ありがとう」

 

「寂しくなったらそれを僕と思って欲しい……あれ、ちょっと気持ち悪いかな」

 

「そんなことないわ―またね、先生……いつか、また」

 

「うん、またね―ヒナちゃん」

 

「!」

 

 

 

マッシュはバッグを背負いながらその場を去っていった(全力疾走)、しばらくそれを見つめていたヒナはシュー君を抱きしめ。

 

 

 

 

「………友達…フフッ」

 

 

 

静かに笑っていた。

 

 

 

 

 

その後の一幕。

 

 

 

「ごめんなさい!本当にごめんなさい委員長!」

 

「あの人が怖すぎて逃げてました」

 

「大事な会談だったのにごめんなさい」

 

「別にいいわ……楽しかったし」

 

『………楽しかった?』

 

「じゃ、そろそろ眠るから……また明日」(笑顔)

 

 

 

ヒナはシュー君を持ちながら部屋へと戻っていった。

 

 

 

『―――ヒナ委員長が――とびきりの笑顔!?何があったの!?』

 

 

 

 

ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

 

 

 

一方その頃

 

 

マッシュにシュークリーム10000個を押し付けられたマコト様はと言うと。

 

 

「…………イロハよ…シュークリームはあといくつ残っている」

 

「ウップ……あと、5000ぐらいですかね」

 

「くっ!おのれマッシュ・バーンデッドめ!なにが1000だ!!10倍ではないか!」

 

「貴方はだんだんシュークリームを食べれるようにな〜る、貴方はだんだん苦しくなくなーる……オエッ」

 

「議長大変です!サツキ様が自分に催眠術をかけ始めました!」

 

「もうイブキに手伝ってもらえればいいんじゃあ?」

 

「馬鹿者!!イブキにこんな拷問をさせるわけにはいかないだろう!?行くぞパンデモニウム・ソサエティー!我らの底力を見せてやれ!!」

 

『ォォォォー!!!!!!』

 

(そもそも貴方のせいなんですけどね)

 

 

 

 

 

パンデモニウム・ソサエティーが総力を上げて、死ぬ気でシュークリームを食べ切りました、そして後日、またシュークリームが送られてきて

 

 

マコト様はシュークリームがトラウマになりましたとさ

 

 

おしまい

 

 

 







ぶっちゃけここの小説ではヒナちゃんを無茶苦茶甘やかしたり休ませたりしたい、働きすぎなんだもんヒナちゃん。

スーパーインテリジェンスに関してはもう、ほぼ適当です。

励みになりますのでコメントと評価!どうぞよろしくお願いします!

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