透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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みじかーーーーいです。


マッシュ・バーンデッドと心代わり

 

 

 

「――――やった……勝った――勝ったぁぁぁ‼︎」

 

「よ……よ‼︎ よくやったぞモエ‼︎」

 

「三本先取でモエちゃんの勝ち……やっと、私達の中で、勝利者が…!」

 

「先を越されてしまいましたが――やりましたね、モエ」

 

「イカサマ無しで、僕に勝った……文句なしの大勝利」

 

「先生に勝つとは―すごいぞ、モエ」

 

 

 

 

 

 マッシュとラビット小隊が共に過ごし始めてから、もう四週間が経過していたその日、ついにモエはマッシュとトランプ、ポーカーで勝利した。

 

 

 

 

 

「でも、どうやって先生に勝ったんだ?」

 

「先生の癖と、少しの目線、そこを知っっかりと観察して行動に移した。これだけ」

 

「癖とかあったんだ僕」

 

「手札が悪い時は眉を少し下げてて、いい時は目がいつもよりも開いていた。故にそこを見抜き……後は乱数調整‼︎」

 

「3回交換していいってルールだったからこそできたんだな」

 

「正直運もあったけど……勝ちは勝ち、だよね⁉︎」

 

「その通り」

 

「この勢いで行けば、明日も、その次も、次も‼︎勝てる‼︎」

 

 

 

 

 

 たった一回、されど一回、それだけでも十分すぎるくらいの進歩。ラビット小隊のメンバーがマッシュに勝った……それはつまり、他のメンバーも勝てる可能性が出てきたということ。

 

 彼女らは大いに喜び、我先に我先にと勝負を挑んでくる。

 

 

 

 

 

「僕が分身できたら楽なんだけどなぁ」

 

「先生が分身とか本気で笑えないからやめてくれ」

 

「サキちゃんなんでマジトーンなんですか?」

 

「確かに先生がたくさんいるのは怖いですね」

 

「大怪獣バトルみたいになるだろうしね〜」

 

「私は、外を…歩けないかな……」

 

「みんなしてひっどいよ」

 

 

 

 

 マッシュとラビット小隊、そしてSは最初の頃とはまるで空気感が違い、ほとんど友達のようにもなっていた。言い方絵を変えれば、その心を開けていたとも言える。

 

 マッシュとラビット小隊の仲だけではない、ラビット小隊のメンバー同士も仲良くなっていた。決められていたチームから、信頼し合える仲前へのクラスアップ……キャンプの成果は、そこにもあった。

 

 

 

 

「なあ、先生」

 

「はいはい」

 

「私達ずっと考えていたんだ、これからどうするのかを」

 

「先生がシャーレで私達を迎えてくれるって話、アレもいいんだけどさ」

 

「……やっぱり私達は、SRTで、もっと過ごしたい。だから……」

 

「……先生、我々は連邦生徒会を信用はできません。しかし……しかし、貴方の元でなら…いいのかもしれません」

 

 

 

 

 マッシュは素直に嬉しくなった、自分を認めてくれたのか……ここにいる間の時間は無駄ではなかったのだと。Sは心の底から安堵した、恩人がラビット小隊に認められ、もう敵視されないとわかったから。

 

 

 

 

「それは嬉しいよ、じゃあ早速このキャンプは」

 

「いえ、キャンプは続けます」

 

「あれー?」

 

「私達はまだ、先生に勝っていないからな。勝たずに先生の下につくというのは、どうもな」

 

「ここまで頑張ったんだから、勿論勝ちたいよねって話」

 

「先生に勝ってから、先生の元にいきたいって…思ってます。先生の元に行ってからは……他のSRTのみんなが先生を認めてくれるようにしたい……です」

 

 

 

 

 

 

 先生にまだ勝っていない、勝ちたい。それを終えたから彼の元にいくということを彼女らは正直に告げた。その目は誰がどう見ても本気……それに応えるのが先生という物。

 

 

 

 

「わかったよ……全部、終わってからだね」

 

「はい!」

 

「なら早速勝負を始めようか、Sさん。レフェリーをお願いします」

 

「引き受けよう」

 

 

 

 彼女らの挑戦は、青春はまだ終わらない。マッシュに一度でも、全員同士に勝つという目的を果たすために。

 

 

 

 

――――――――――――――――――――――――

 

 

 

 

 

 

 

『先生、ヴァルキューレとカイザーが深々と繋がっている証拠を手にしました』

 

「ナイスですカンナさん」

 

『お礼なら、カイザーのことを調べ上げてきたワカモや、パラダイス機構の生徒達におっしゃってください。疑いが、確信に変わったのですから』

 

 

 

 

 

 その日の夜、マッシュはこっそりとカンナと連絡をとっており、カンナがついにカイザーとヴァルキューレの不正に関する情報を手にしたと知った。

 

 

 

 

 

『早速これを明日、マスコミに流す予定です。先生もぜひ』

 

「カンナさん、それなんですけど」

 

『?、はい』

 

「少しだけ、待ってもらえませんか?」

 

『……はい? いったい、なぜ?』

 

「僕に、少しだけ考えがあるんです」

 

 

 

 

 

 

 ヴァルキューレとカイザーの不正証拠を掴み、あとは報告をするだけだが。それだけでは何か違うとマッシュは思っていた。

 

 

 

 

 

「この証拠を、ラビット小隊のみんなにゲットしてもらおうかと思いまして」

 

『つまり……盗ませると? あの、先生……いったい何のお話を?』

 

「連邦生徒会のみんなは、僕のことを信じてくれていますが、SRTのみんなのことは信用していません。SRTのみんなも、ラビット小隊のことを信じてない」

 

『……先生、まさか』

 

「連邦生徒会には、SRTが正義のために動いていると認識させて、SRTのみんなにはラビット小隊がただ暴走しただけじゃないと認識させる……その為の、計画があるんです」

 

 

 

 

 連邦生徒会は今のところ、SRTをただの暴走生徒だと思い込んでしまっている、マッシュに任せようと思ったのも暴走した生徒を止められるのはマッシュだけだと思っているからだ。

 

 

 

 そしてSRTの面々からしてみればラビット小隊は余計なことをしてくれた存在……もしかすると、信頼がゼロになり、ヴァルキューレに行く気もシャーレに行く気もなくなっているのかも知れない……それはダメだ。

 

 

 

それには証拠が必要だ、確証が必要なのだ。

 

 

 

 

 

 

「一芝居打って貰いたいんです、みんなのために」

 

『……先生の頼みとあれば、断れませんね。聞きましょう、その作戦を』

 

「その名も、『お互いのことをちゃんとわかろう大作戦』です」

 

『まんまですね』

 

「発案者は僕じゃなくて、Sさ…サオリさん何ですけどね……ですよね。サオリさん」

 

 

 

その作戦を提案したのはマッシュでは無く、サオリ。マッシュは再度サオリに確認を取るために、彼女を呼びそちらへと顔を向けるが。

 

 

 

 

「先生、私はサオリではない………そう」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「謎の悪役Sと呼んでくれ……いや、呼べ」

 

「何で……ドレスなんですか?」

 

「ミヤコ達、可愛い後輩のためだ。この呪われた顔……十分に利用させてもらう」

 

「顔見えてませんよ?」

 

「どうだ先生、悪役に見えるか? アツコに選んでもらったんだ」

 

「いや普通に似合いすぎて、逆に悪役に見えないんですけど」

 

 

 

 

真っ黒なヘルメットを被り、白のドレスに身を包んだサオリが、マッシュの前に現れた。





後数話で終わりますね……なぜか短く感じてしまっている自分がいます。

ものすごく今更ですが、お気に入り登録2700超え、本当にありがとうございます。これからもどうぞよろしくおねがいいたします…お気に入り一つでも私はモチベがグレンガランします。

百花繚乱後に見たい話

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