透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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アバンギャルド君はダサいのでは無い!!!!!!

個性的なのだ!!!!!!!


マッシュ・バーンデッドと歩み出すシスター

 

 

 

 

「ゔぇぇぇぇぇぇん主殿お゙ぉぉぉぉっっ!!」

 

「大丈夫だよイズナちゃん。骨も折れてないし、青痣もちょっとしたら治るよ」

 

「普通は治らないのよ……そもそもなんで骨折れてないの」

 

「えーと、確か健康診断で…かーぼん、なのちゅーぶ?っていう素材と同じくらい骨が硬いって言われました」

 

「会長……やはりチェーンソーやアックスより、ハンマーのような打撃武器で戦った方が良かったのでは?」

 

「そういう問題じゃないわ、先生の肉体に勝てる強度の物質が存在しない」

 

 

 

 

 

 

 ミレニアムサイエンススクールの生徒会長室。勝負を終えたマッシュとトキ、そしてリオに拘束されていたヒマリ、潜入任務を果たしたイズナが揃っていた。リオは激しく消耗したトキを介抱し、イズナはマッシュにシュークリームを渡しながら、足の傷の手当を行っている。

 

 

 音の速さに匹敵する移動速度で動かしたトキの脚は激しく傷ついており、裂けた皮膚や断裂しつつある靭帯のせいで、しばらくは歩くことすらままならない状態にあった。

 対してマッシュは、ミカとの戦いに匹敵する攻撃を受け続けたにも関わらず、内出血のアザを作った程度で済んでいた。

 

 

 

 

「……さて、リオ。私は忠告したはずですよ、先生相手は無謀だと」

 

「……反省はしているわ」

 

「おや、あのリオが反省とは……明日は雨でも降るのでしょうか」

 

「明日は快晴ですよ」

 

「先生、そういう意味ではありません」

 

「おろ?」

 

「……貴女がキヴォトスを、ミレニアムを守りたいのだというのは心の底からわかりました。しかし尚更許せません……何故こうなる前に、私に一言相談をしてくれなかったのですか」

 

「……ミレニアムのトップとして、責任が」

 

「―――んなぁぁぁっ!!ほんっとうにバカですね貴女はッ!!」

 

 

 

 

 

 ヒマリは車椅子を走らせてリオに肉薄すると、人差し指でずしずしと腹を突いていく。

 

 

 

 

「責任だとか、トップだから、そうやって何でもかんでも自分のせいにして、自分がやらないとダメだと思い込んで……そっちの方が無責任という物ですよ!」

 

「で、でも」

 

「でもじゃありません!みんなを巻き込みたくないという気持ちもわかります……しかしそれとこれとはお話が別でしょう!!――そもそも!!貴女の同期にはこの天才美少女ハッカーである私がいるのですよ!?それなのに頼らないだなんて……もうほんと、ほんとに貴女は!!」

 

「い、いたっ……ちょっと、それ以上はやめなさい……!!」

 

「1人で全部を背負い込みすぎって事です、自分1人が犠牲になればそれで済む……それは,本当にダメな事です」

 

 

 

 

 

 かつてのマッシュが、叱られ反省した事。リオの気持ちはよくわかる……わかるからこそ本気で止めなければならなかった、自分のようになる前に。

 

 

 

 

「主殿、これからどうするのですか?」

 

「とりあえず今の状況を確認しなきゃダメだから、情報交換……というか共有かな。リオさんが準備してたことについても、色々と聞かなきゃダメだし」

 

「……………………そうね」

 

「あれなんか凄い間が」

 

「会長、言いづらいのはわかりますが,やっぱりちゃんと言わなきゃダメです。早めに言っておかないと後々めんどくさいですし」

 

「そうね………そうよね……」

 

 

 

 

 リオはものすごく気まずそうな、申し訳なさそうな顔をしながら一つの画像をモニターに映す。そこに写っていたのは一つのとても大きな都市だった。

 

 

 

 

「街? ミレニアムっぽいですけど……僕がまだ行ったことがない所かな」

 

「……どこですかここ、ミレニアムにこんな都市ありませんよ?」

 

「え?」

 

「主殿、イズナもこんな街知りません」

 

「ええ? じゃあ……アレなに?」

 

「……………作ったの」

 

「………ん?」

 

 

 

 

 リオは顔を横に向けながら,とんでもなく気まずそうに,尚且つ申し訳なさそうに告げた。その事実はマッシュが驚きとあまり目をかっぴらぐレベル。

 

 

 

 

「私が、秘密裏に作り上げた都市なの」

 

 

『―――はぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!?』

 

 

「………嘘だろマジか」

 

 

 

 

 


 

 

 

 

 

「――ほんっっっとに信じられません!!ミレニアムの資金を横領してあんな要塞を作り上げるだなんて!!」

 

「コユキちゃんが資金を盗んだ時と同じ時期に横領しちゃったんだ……策士ですね」

 

「褒めてる場合ですか!?億ですよ、億単位!!そんな大金を……どうするんですかアレ!?」

 

「後にも引けないって、アレを造ったことも関係してたんですね」

 

 

 

 

 画像にある都市、それはリオは作り上げた超技術要塞都市・エリドゥ。

 本人の弁によるとキヴォトスの危機、無名の司祭達に備えるために作り上げたという。実際、様々な防衛機構を備えている……だが使う前にマッシュと協力してしまったので、端的に示せば無駄になりかけていた。

 

 

 

 

「本当に……本当に反省しているわ」

 

「横領は立派な犯罪ですけど、世界を救うために使ったって考えればマシだと思いますよ。話せばきっとみんなわかってくれますよ」

 

「それでも罪は罪、いくらでも罰は受けるつもりよ」

 

「その時は、僕も責任を負いますよ。リオさんのあれこれを止められなかった僕の罪……ってことで」

 

「……貴方は………本当に…」

 

 

 

 

 リオは少しだけ泣きそうになるのを我慢して,自分の考えを告げる。

 

 

 

 

 

「私は当初、ここで反抗してくる生徒達を迎えようと思っていたけれど……今は,違う。この都市を使って……例の軍団を迎え撃つ」

 

「僕もそう考えていました」

 

「そして……これは,非常に……言いにくいことなのだけれど、アリスの力も借りたいの」

 

「……まさか暴走させる気ですか?」

 

「おびき寄せる、というべきね。アレの意識は未だに健在……ならば、一時的にその意識を止める。――そのための兵器はもう作りあげているわ」

 

 

 

 

 リオはモニターを操作し,都市からとある物の画像への変える。それを見た瞬間――全員の意思が止まった。

 

 

 

 

 

「アリスの内なる存在を倒し、あの軍勢すらも全て破壊する要塞都市エリドゥに配備していた戦闘用ロボット……その名もアバンギャルド君よ」

 

 

 

 

 

 子供の工作のような頭部に、ミレニアムの校章がでかでかと描かれたボディ。4本腕があり、右腕にはシールド(下)とバズーカ砲(上)、左腕にはガトリングガン(下)とアサルトライフル(上)で武装。下半身は戦車そのもので、脚部はキャタピラ………はっきりと言おう。

 

 

 

 

 

 

めちゃくちゃにダサい。

 

 

 

 

ヒマリが本気でドン引きし、イズナが宇宙狐となり、トキは顔を背けるレベルのダサさ。

 

 

 

しかもそのデザインをドヤ顔で説明しているリオを見てみんなが何も言えなくなっていた,言ったら確実に泣くという自信すらもある。

 

 

 

それと黄金長方形の盾も意味がわからない、普通の盾にしなさいと本気で言いたくなるほどだ。

 

 

 

 

 

 

「凄い独創的で、個性的ないいデザインですね」

 

「――ふふっ、そうでしょう?」

 

(ナイスです先生‼︎)

 

「はい、まるで6歳の子が頑張って絵に描いたデザインって感じで、とても愛らしいです」

 

「――――――――6歳?」

 

「……あっ、いや。ぼくが昔描いた落書き似てるなって思って…………あっ」

 

「…………………そう、私たちは……気が合うよう、ね……」

 

(泣きそうになってる!)

 

 

 

 

 

 

 幼女のようにウルウルとし出しているリオ、なんとかしてマッシュは彼女を勇気つけようとするが、流石はミレニアムのトップ、気持ちを切り替えて説明を始める。

 

 

 

 

「作戦は十分な人数が集まってから話すつもりよ。その方が合理的………でも、その前に……天童アリス自身に説明をしないといけないわ」

 

「その役割はぼくが引き受けます」

 

「…なら、2人でいいましょう。私は彼女を破壊しようとした張本人、尚更顔を合わせないといけないわ」

 

「なら私も」

 

「貴女は絶対安静よ!!」

 

「すごい剣幕だ。必然だけど」

 

 

 

 

 

 リオとマッシュは、自分の口から全てを説明すると決めた。なにを言われるかわからないという不安もある……だがそれを乗り越えなければ、意味は無い。

 

 

 

 

「頑張りましょうリオさん……大丈夫です、僕がついていますから」

 

「…………うん」

 

「なんだか兄妹のように思えてきましたねぇ……ビッグシスター――まさにその通りですね!!」

 

「ち……ちがうわ」

 

「マッシュ兄ちゃんでもお兄でも可」

 

「乗らないで!!」

 

「じゃあ私は先生の同級生として完璧超人なエージェントメイド系幼馴染を指名します」

 

「長いし濃い‼︎」

 

「あーずるいです!イズナだって先生の妹になりたいです!」

 

「僕がワカモちゃんにすごい顔されるからやめてね」

 

 

 

 

 何はともあれ、ギスギスとした軋轢は無くなった一同。これでいい,これこそマッシュやリオが望んだ物――あとは、全てを終えるだけ。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「先生,そのご婦人はどなたですか?」

 

「いや、アリスちゃん──」

 

「―───ご婦人、じゃ……別に私、老けてなんかないもんっっ!!

 

「リオさん、リオさん落ち着いて」

 

「ううぅぅぅ……!!」

 

「あ、あれ!?あ、アリス…何か失礼なことを言っちゃいましたか!?」

 

「うん、だいぶ言っちゃったかな……」

 

 

 

 

 

 

 

……訂正する、かなり時間がかかるかもしれない。




 

リオさんとアリスちゃんってぶっちゃけ親子だって勘違いしませんか?

私はしました。

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