ニヤ様のエミュむずくないですか?……そうでもない? そうですか……
あとアケミさんってやっぱり別ベクトルでやばくないですか?
そして皆さんよく聞いてください、この作品で麻痺している方がいらっしゃるかもしれませんが……普通のキヴォトス人は戦車を片手で投げたりなんてできまけん。マッシュ君とアケミさんがおかしいだけです。
「……ニヤ様、最初から先生と効率よく会うためにわざとあの子達にこんな無茶な事を?」
「さぁ〜、なんのことだか?私はただ忍術研究部というのがどれ程の物か確かめるために、この依頼を出しただけ……深い意味はないんよ?」
「あからさまな嘘をおっしゃらないでください……百花繚乱でさえ捕まえることのできなかったあの七囚人を、あの子達が捕まえられるわけがないじゃないですか」
「あらら、あの子達のことを信じてあげないの?」
「信じる信じないではなく……危険だからやめさせたいのです――あの生徒は異次元です、災厄のレベルで言えばあのワカモと同類です」
「強さ的にはそうでしょうけど……ねぇ?」
陰陽部
実質的に百鬼夜行連合学院のトップである生徒会として扱われている組織。複数の勢力の連合としての性質が強い百鬼夜行連合学院内において各勢力のバランスを保つ調停役を自認しており、他校と異なり単純に自治区を統治している組織という訳ではないとのこと。それでも自治区内外問わず、生徒たちからは生徒会に近い組織として認識されている。
その部長である
「キヴォトスの英雄……そんなふうに呼ばれている方を味方につけるチャンス、今回はそう言う数にも捉えられると思わない?」
「あの方は、生徒全員の味方だと聞いていますが」
「そんなのは建前ですよ建前、それに聞けばあの方は年頃の男の子……その扱いなんてちょろいもの、でしょ?」
「男性とまともに話したこともないくせに」
「さぁて。シャーレの先生がどんな方が、るんるん気分で拝見するとしましょうか〜」
「どうなっても知りませんからね!」
ニヤはゆっくりと襖を開いた。時代劇などで描かれる、城の天守に存在するような奥の間に似た生徒会室、そこには───
「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンッ」
「……………………???????」
超高速で上体を動かして腹筋を鍛えるマッシュが待っていた。その横には、口を大きく開いて固まっている忍術研究部の二人と、灯籠のように目を輝かせているイズナが居並んでいる。最初からここまでカオスなのは何故なのだろうか。
「――あっ、ニヤ様!」
「どうもー…………あの、何してるんです?」
「筋トレらしいです」
「なんで?」
「暇だったらしくて」
「なんでここで筋トレを?」
「趣味らしいです…はい」
「筋トレが趣味って……ちょっと、あの、一回やめていただけませんか?ちょ!風がっ…!」
「ふ、服がめくれちゃいますから!」
「あっすみません」
『素直…⁉︎』
さっそくマッシュのペースに乗せられてしまった陰陽部。と、ここでイズナがあることに気づいた。
「あの、ニヤ様にカホ様…チセ姫はいらっしゃらないのですか?」
「あーあの子は今……お昼寝中なんです」
「お昼寝…⁉︎」
「起こそうと思ったんだけど…ねぇ?かわいすぎてねえ?」
「ええそうなんです‼︎ 寝顔だけもうほんっとに可愛くて………やっぱりチセちゃんはキヴォトス一可愛い生徒で…!」
「ほうほう……そんなに可愛いんですか?」
「勿論ですとも!」
「……あースイッチ入っちゃったねぇ」
何が琴線に触れたのか、カホはハイテンションで懐から写真を何枚か取り出してマッシュに見せた。写真に収められているのは陰陽部の一人・和楽チセの姿。彼女はチセに対し並々ならぬ感情を溢れさせているらしい。
最も、それ以上に目に付くのはチセやニヤの服装があまりにも際どく露出が多いという点だが、もはやマッシュは何も感じられない状態になりつつあった。布地の面積に比例して、何か常識として守るべきものが失われたような、そんな制服が存在することは未だに信じられないが。
「こちらがさっき撮ったチセちゃんの寝顔、こっちがこの前頑張って踊っていた時の写真、こっちが猫と戯れている写真です……どうです? 可愛いでしょう?」
「確かに……でもこれ見せていいんですか? お宝なんじゃ」
「チセちゃんのかわいさを広めるためならば人に見せたって構いません」
「そうなんですね」
「先生は、生徒さんの中で可愛いと思った子達などは?」
「みんな等しく可愛いですよ」
「なんと愛がお深い!」
「主殿〜!イズナ!イズナだって可愛いと言われてますー!」
「そうだね,イズナちゃんもとびきりかわいいね」
「えへへへ〜」
「なんですかこの甘ったるい空間は……」
さてさて、茶番はここまで。ここからはシャーレの先生と陰陽部二人との大事なお話。
「さてと……改めて自己紹介を、私は陰陽部の部長を務めております。天地ニヤと申します、そしてこちらは副部長の桑上カホちゃんです」
「よろしくお願い致します」
「マッシュ・バーンデッドです。今日ここに呼ばれたのは、例のドラ猫と七囚人の件でですよね?」
「ええ、ついでに忍者研究部の皆さんにも聞いてもらおうかと思いまして。依頼は忍者研究部の皆さんだけと言っていましたが……よくよく考えれば不可能でしたね。失敬失敬」
「腹が立つけど何も言い返せないぃ…!」
「元々は先生にご依頼しようかと思っていた案件でした……その内容は、七囚人・栗浜アケミ並びにニャン天丸の捕縛」
「やっぱしか」
カホは真剣な表情でことの経緯を説明をしていく。それは百鬼夜行全体に関わること……そして忍者研究部が捕まえるべき相手のこと。
「ニャン天丸、本名ニャテ・マサムニェ。以前捕まえた時はただの小悪党でしたが……今回は指名手配に至るまでの悪党へと変貌しています」
「何をやらかしたんですか?」
「百鬼夜行に、数多くの不良グループを引き入れ、百鬼夜行から他校へと送付・輸出している一部の物資や物品類を奪い去っているのです。さらに嫌がらせとばかりに街中でも暴れておりまして…」
「修行部の皆さんや百花繚乱の皆さんにも協力してもらってるんですがね〜」
「百花繚乱……っていうのは?」
「百花繚乱紛争調停委員会って言ってね、百鬼夜行の均衡を保つための調停者として、治安維持組織や風紀委員会の役割を担ってるの……簡単にいうと超強い!」
「そんな人たちが苦戦しているんですね」
「ただの不良グループは全くと言っていいほどに相手になりませんが……厄介なのは統率の指揮をとっている相手でして」
「そ、それが……伝説のスケバン…」
「……その通りです」
ニヤの目が少し開く、そこからただようのはまさしくただ者では無い気配。アケミという生徒がいかに危険なのか、それが一発でわかるほどの態度。
「人望、統率力、指揮能力……どれもずば抜けていて、不良達はそんな彼女に惚れ完全に慕っております。捕まえた者達も口を一切破ろうともしませんでした」
「そこに加えて、彼女はとてつもない戦闘能力を持っているのです……その力の前に百花繚乱は苦戦を強いられています」
「……あれ?でも百花繚乱って今活動停止状態だったんじゃ?」
「そんなことも言っていられない事態ですからねぇ。なんせ相手は七囚人、しかも実害がしっかりと出ているので……陰陽部から直々にご依頼をしたんです」
「それでもなお止められてない……ってことは、相当ヤバい人なんですね」
「百花繚乱が負けるなんて考えられない…」
「……いえ、正確には負けていないのです。むしろ彼女が逃げ出してしまうのです」
「え、なんで?」
「なんでも―――」
『……違う、これでは私は満たされない。貴女達は素晴らしい力を持っておりますが……貴女達ではダメです……満足できません――やはり、私を満たしてくれるのはあの方だけ』
『貴女の目的は何!?』
『たった一つ……シンプルな答えです、私は――
完全なる敗北を知りたいのです』
「と言って、勝手にどこかへと言ってしまうんですよ。しかもほぼ毎回」
「戦闘狂……?にしては……なんか違うような」
「主殿がその満たしてくれている相手……ということでしょうか」
「嬉しいような嬉しく無いような…」
「そして厄介な存在は彼女だけではなくニャン天丸もです、彼には話術と交渉力が確かにあるのです……なので不良グループが次々に味方になっていっているのです」
「じゃ、じゃあ!本拠地を叩けばいいんじゃ無いの?」
「それがですねぇ……複数の戦車やゴリアテに加え、大量の武器弾薬を保持しておりまして……下手に手出しすれば逆にこちらが大火傷を負いかねない状況のために、なかなか手が出せないんです」
「うぅぅぅぅ、やっぱり大人っておかしい!」
「そこにアケミさんも加わる…と―――うーむ確かにやばい状況だ」
大量の物資と兵士を保有し、最強の右腕まで存在しているニャン天丸。もはやただの子悪党ではなくなった……とりあえずマッシュは脳内で彼を埋めるか彼を餌にしてサメを釣るかを考えていた。
「そこで、先生にはぜひ、そのアケミさんと戦っていただければと思っておりまして……受けてくださいますか?」
「勿論です……あーでも、どれくらいの人なのかはわからないので教えてくれませんか?」
「ハイハイ少しお待ちくださいねー」
そしてここからが本題。百花繚乱も修行部も彼女に勝てなかった理由が、ここで判明したのだ……その内容に、マッシュは思わず耳を疑った。
「戦車を片手で軽々とひっくり返して投げてきたり」
「………ん?」
「本体重量38.1kgにもなる
「あらま…」
「地面を殴り、コンクリートを抉り取って持ち上げ投げつけてたり。人をヌンチャクの様に扱ったり」
「嘘だろ」
「あーついでに素手のパンチで弾底を叩くことで、ロケット弾や砲弾を射出する、みたいなこともしたらしいですよ」
「そんなファンタジーみたいなことってあります?」
今まで散々同じことをしてきたくせに何をいうのだろうか、というツッコミはさておいて。自分以外にもそんなことができる者……一部いた気がするが、ここまではっきりと言われるのは初めてだったので、彼は流石に驚いた。
「それから……報告によると…『紫色のエネルギー』、ですかね?それを空中に作り出してドッジボールの様にエネルギー弾として投擲してきた事例があるようです」
「魔法使い確定だ…アザとかって見えたりしてませんでした?」
「その様な報告は全くありません……が、ニヤ様がおっしゃったことは全て事実です。私もこの目で見ましたので……」
「主殿…そう言えば以前、ワカモ姉様がこんなことを仰っていました……『その昔、単独で警備車両12台と戦車2両を全損させ、多数の重軽傷者を出す事件を引き起こした生徒がいる』……と」
「――久しぶりに腕輪を外すことになりそうだなこれ」
はっきりと言おう、今までは神秘云々や魔法云々の強さでの強敵は沢山いた……しかし彼と殴り合える生徒は今までミカくらいしかいなかった――つまりアケミはミカ並の強敵という事が確定した。
「――あのー……そんな相手と私達は戦うんですか!!?」
「む、無理です!絶対に無理!!」
「にゃはは♪ 流石にそんなことを頼めはしません、皆さんに頼むのはニャン天丸の身柄の確保です。先生とアケミさんが戦っている間、その隙を狙って捕まえてきてもらえればな〜と……ほら、忍者って隠密が得意なわけじゃ無いですか」
「それは………」
「もし確保してくれたら、貴女達の部活動を正式に認めますが……どうします?」
「……それだけの実績があれば、我々は貴女達を認めることができます…しかしこれは危険なこと、やるかやらないかは貴女達次第です」
みんなが少し悩んだ後――イズナは大きな声ではっきりと告げた。
「そのご依頼、承りました!」
「い、イズナ!?本気なの!?」
「はい!…みんなが困っているのに,じっとしていることなんてできません――イズナは正義の忍、ですから!」
「……ここで頑張れば派手な忍者にもなれる……――うーーーん!もうわかった……やる……やるったらやる!!」
「二人がやるのなら……わ、私も……」
「それはそれは助かります〜、いつ戦うからそちらでお任せします。物資の方はこっちで用意いたしますので……じっくりとご考えくださいませ…あっ、勿論助っ人もご用意してますので♪」
「――では、本件はそちらにお任せする…ということで構いませんね?」
「バッチグーです」
百鬼夜行に襲いかかった、前例のない大事件……その解決において、マッシュと忍者研究部という四人の存在が大きな鍵となる───そんな事件が今、幕を開けた。
「シャーレの先生かぁ……――熱血で青春を感じられる人ならいいんだけどなー!」
戦車を片手でひっくり返すって書いてますけどね? これ史実です、イベントストーリーのムービーでガッツリやってました………びっくりしちゃいましたよねほんと。
この小話は長編ではないので後数回で終わりますが……おそらくは誰も濃いのでご注意ください。
多分次回もネタ回です
百花繚乱後に見たい話
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まだ交流がない生徒との話
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アイデェア箱から選んだお話
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ラビット2章
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愛が重い生徒との話