透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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………やばい、アケミさんの強さがバグってしまった……いやまぁ大丈夫か。


マッシュ・バーンデッドと筋肉令嬢

 

 

 

「オラァ!さっさと出てこい!」

 

「す、すみません!す、すぐでます!でますから!」

 

「ちょっと、やりすぎでしょ!?ヘイロー持ってない一般人なのよ!?」

 

「ロボなんだからこんなんで死ぬか!ほらぁ!テメェも来い!!」

 

「うぅ…だからこんな仕事受けたくなかったのにぃ…」

 

 

 

 

 百鬼夜行自治区から他学園へと続く幹線道路上にて、二台の大型トラックをヘルメット団が襲撃、通行を止めていた。車を運転していたロボットの大人二人と、中にいた百鬼夜行の生徒ら数十名は一様に捕らえられ、縄で縛られて道路上に座らされている。

 

 

 

 

「……よし、物資の中を確認するぞ」

 

「わかった」

 

「ま、まって!開いちゃダメ……その、貴重品なの!」

 

「そんな事を言われたら余計に開けたくなる―…よなぁ?」

 

「そうだな……フヒヒヒッ」

 

「本当にダメですよ!」

 

「そう!本当にだめ!」

 

「やめて!」

 

「うるさい!姉御に物資を奪うときは必ず中を確認するようにって言われてるんだよ!」

 

 

 

 

 そう怒鳴りながら物資の中身を確認するために、ダンボールを複数人で持ち上げ下ろしていく不良グループ。

 

 

 

 

「おも…!!?何が入ってんだよこの中に…!」

 

「武器とかそんなんだろ……っし!後は開けるだけだな」

 

「気をつけろよ、開けた瞬間に爆発なんてこともあり得るからな」

 

「わかってるって…!」

 

 

 

 

 そして一人の不良が物資の入った段ボールについてあるガムテープを引きちぎり、中を慎重に確認する。その中にあった――いたのは。

 

 

 

 

「ちわーす」

 

「――なっ!?」

 

「えいっ」

 

「アベシッ!?」

 

 

 

 我らが主人公、マッシュ・バーンデッドだった。ダンボールを開けた不良に向かって軽く頭突きを行い気絶させ、その姿を不良達に見せつける。

 

 

 

「ま―――マッシュ・バーンデッドだぁぁぁ!!」

 

「有無を言わさず攻撃、会ったら撃てって命令されてたのかな」

 

「馬鹿野郎前に立つな!囲え! 全方位からならあいつだって弾丸を弾けないはずだ!」

 

「させん」

 

 

 

 

 マッシュは地面に手を突っ込み、地面を抉りそのまま前へと倒す。たまらず生徒達は逃げ出し陣形を崩すので、そこをすかさずマッシュが当て身で意識を刈り取る。

 

 

 

 

「っち!こうなったら人質を!

 

「させませーーん!」

 

「オベェ!?」

 

「今度はなんだ!?」

 

「正義の忍者です!―部長!」

 

「はいきたぁ!忍法・煙玉の雨の術!」

 

「こ,こいつらどこから!?」

 

 

 

 イズナが現れ、不良生徒に向かって蹴りを入れた後合図を出し、それを合わせてミチルが空から大量の煙玉を降らせる。

 

 

 

「っ!おい!せめて人質を………いない⁉︎」

 

「し、失礼しまーす!」

 

「あ、あのデカ女ぁ!」

 

「仕上げだ」

 

 

 

 ツクヨが人質を抱え逃げ出したのを見た後、マッシュはそのまま目につく限りの不良生徒達の意識を当て身で次々に刈り取っていき。

 

 

 

「――決着」

 

 

 

 煙が晴れると同時にみんなで決めポーズをとり,完全勝利する事ができた。不良生徒達をは大人数と言えどマッシュと忍者の前では無力だったのだ。

 

 

 

 

「荷物の中に入って敵の本拠地まで行っちゃおう作戦は失敗したけど……物資を守れならセーフ!」

 

「ツクヨちゃん大丈夫?しんどくなかった?」

 

「少し窮屈でしたけど、大丈夫です」

 

「本当に成功しちゃった…凄いねあなた達!」

 

「こ、これぐらいとーぜんの結果!忍者に負けは無し!ワーハッハッハッハッ!!」

 

「忍者万歳」

 

 

 

 本当ならば敵に自分達を運ばせ敵の本拠地を叩く予定だったのだが、敵が用事深く中を確認してきたので仕方ない……そしてここからわかる事は、アケミはやはりただ物ではないという事。

 

 

 

「――そこの貴女!起きてますね!」

 

「ぴえっ!?」

 

「イズナには丸わかりです、逃げ出そうとしても無駄ですよ!」

 

「流石はイズナちゃんだ。さて……少し話をさせてもらえないかな」

 

「おおぉぉぉくるな!来たら撃つぞ!?」

 

「当たらないからいいよ」

 

「畜生!」

 

「少しお話を聞くなんだ、それ以外は何もしないよ」

 

「お、大人しくしててくださいね……えっと、ロープロープ…」

 

 

 

 

 ツクヨが一人の不良を拘束しようとロープを持ち、そのまま拘束しようと前に出た…その瞬間、何かが飛んでくる音が聞こえた。

 

 

 

 

「!」グイッ!

 

「きゃっ!」

 

 

 

 なのでマッシュはツクヨの手を掴みイズナの方へと軽く移動させると、自分はその飛んでくるものを真正面から受け止める。

 

 

 

「ツクヨ殿、大丈夫ですか!?」

 

「わ,私は平気…ですけど…先生が!」

 

「何あれ、ピンク色の玉…⁉︎」

 

「―――おも…いな…これ…」

 

 

 

 マッシュはバレボールのレシーブの構えでそのピンク色のエネルギー弾を受け止める、その色と感触にマッシュは身に覚えがあったが,そんな事を考えている暇がない……重い、重いのだ、マッシュが受け止めきれず後ろへと下がっていくほどには重い。

 

 

 

「―フンッ」

 

 

 

 だが打ち返せないわけではない、マッシュは膝に力を込めそのままエネルギー弾を上へと打ち上げる。そしてすぐに何かが降ってくるのを感じ取り、急いで足に力を入れハイキックを空に向かって繰り出す。

 

 

 

「フッ!」

 

「フンッ!」

 

 

 

 空から降ってきたその攻撃にマッシュは蹴りを当てた、その時に生じるは衝撃波。トラックや物資は吹き飛び、忍者研究部の3名は飛ばされないように人塊になってその場に留まる。

 

 

 

「――なんというパワー…!―うふふっ、やはり私の見た手に狂いはありませんでしたね」

 

(えっ重た……ミカさんレベルのパンチの重さだ)

 

 

 

 

 空から降ってきたのは一つの大きな拳、その拳とマッシュの蹴りがぶつかりあったのだ。その拳の主とマッシュはすぐに離れ、主はスケバン達の前に、マッシュはイズナ達の前に立つ。

 

 

 

 

「あ――姉御!」

 

「少し遅れてしまいましたわ……申し訳ありません」 

 

「ぜ、全然です!」

 

 

 

 

 その者こそ、マッシュが今回戦うべきだった相手……伝説のスケバン、栗浜アケミであった。

 

 

 

 


 

 

 

 

「いきなりラスボス出てきたんだけど!!?」

 

「ひ、人質のみんなは!」

 

「こっちはだいじょーぶ!」

 

「主殿! こちらは任せてください!」

 

「頼むね」

 

 

 

 マッシュは人質達をイズナ達に任せ、一人その場に残り構えを取る。それに対しアケミはスカートの両端を掴み,少しだけ上に上げ挨拶をする。

 

 

 

 

「お初にお目にかかりますわ、マッシュ・バーンデッド様……私の名は栗浜アケミ。以後お見知りおきを」

 

「………えっ、あ、これはご丁寧にどうも」

 

「このような形で会えた事、とても嬉しく思います」

 

「嬉しいんですね」

 

「ええ勿論……このような形であるからこそ、お互いに全力を出せるという物――しかし申し訳ありません、今回私がここへきたのは彼女らを助けるため……戦闘は少しだけに止めます」

 

「あっ、はい…それはそれは」

 

 

 

 

 見た目と口調が合ってないような気がして仕方ないマッシュだったが、人を見た目で判断するのは良くないよなと反省し気持ちを切り替える。上品な口調に態度……まるでトリニティ生徒の相手をしているようだった。

 

 

 

 

「………フッ!」

 

「!――セイッ」

 

「ヤッ!」

 

「フッ……んぬっ」

 

 

 

 

 そして二人は突然マッスルポージングを始めた、フロント・ダブルバイセップスから始まり、フロント・ラットスプレッド、バック・ダブルバイセップスとポーズを決め、最後にサイドチェストをビシっ!と風圧と共に決める。そんな様子を見て不良達は勿論困惑した。

 

 

 

「………成程、仲間の帰りが遅いから急いでここへ救援をしにきたんですね。仲間思いなんですね」

 

(今のでそれがわかったってのか!?)

 

「そちらの計画も素晴らしい物でしたわ、しかし……少々浅くも感じます。そして意外でした、貴方がそんな知略的な作戦をするとは」

 

(なんで姉御もアレでわかったんです!!?)

 

 

 

 

 筋肉言語というのだろうか、マッスル同士はポージングをするだけで何かを話せるというが……事実らしい。そしてマッシュは少し残念そうな顔をしていた。

 

 

 

「そこまで美しい筋肉を身につけたというのに、どうして悪行なんかに?」

 

「強さを求めるが故にそうなってしまった……それだけですわ。強さに正義も悪もありません、強さは強さですから」

 

「きっと,仲良くだってなれたはずです」

 

「仲良く?……うふふふっ、それは無理という物ですよ、筋肉の貴公子様」

 

「またなんか辺なあだ名がついた」

 

「私は貴方と和解し仲良しこよしとするの気は毛頭ありません,それは断言いたします」

 

 

 

 アケミは不良達に集まるように指示をしながら、そう告げる。マッシュが嫌いだからや憎いかという理由ではない……ただ純粋に、スポーツ選手が対戦相手を敵と見なすように、そう言っていた。

 

 

 

 

「私は貴方という素晴らしい存在と戦いがために、あのろくでなしの猫と手を組んだのです。ついでにこの子達の居場所も見つけるために」

 

「他に方法があったはずです」

 

「ええ、貴方は福利厚生をしっかりとするお方。この子達をゲヘナやトリニティ、他学園へと通わせれるようにする事だって簡単な事でしょう……しかしこの子達にはこの子達のプライドや生き方がある――この私と同じように」

 

「……ふむ」

 

「しかし私本来の目的、そして目標は貴方と本気で戦う事……その果てで負けようとも構いません、それさへ叶えば……私のこの枯れた喉は潤います」

 

 

 

 

 アケミは一歩前へと力強く踏み込み、マッシュも負けじとそうする。少しの時間稼ぎ,双方共にそう思っており本気でやり合うつもりはなかった……しかしアケミだけは胸の高鳴りを抑えることができていなかった。

 

 

 

 

「味見と行きましょう――マッシュ様!」

 

「受けて立ちますよ、アケミさん」

 

 

 

 二人は前へと飛び出し、拳に力を込め前に出そうとする―――しかしその刹那

 

 

 

 

 

『見つけたぞ犯罪者どもぉぉ!!』

 

「…?」

 

「あ、姉貴! あいつ、あいつです! 百花繚乱の!」

 

「……全く邪魔を……――言え,少し冷静になるべきでしたね。みなさん,ここは撤退です」

 

「まてぇぇぇぇ!!!」

 

「うわっと」

 

 

 

 

 マッシュの背を踏み台に、上へと上がってきたのは龍のような尻尾と一本の角が特徴的な少女。その少女は銃を構え、アケミに向かって放つ。

 

 

 

 

「今日こそは逃さない!」

 

不破(ふわ)レンゲ……貴女との戦いは非常に楽しい物ですが、今回はそんな場合ではありませんので、失礼致します」

 

「失礼すんじゃねえ! キキョウとユカリの仇!」

 

「うふふふっ、その真っ赤に燃えた情熱……素晴らしい――しかし今は邪魔ですね」

 

「やばっ」

 

 

 

 アケミは放たれた弾丸を払い除けた後、降ってくるレンゲと呼ばれた生徒に向かって紫色のエネルギーを纏った蹴りを放つ、それを防ぐためマッシュは飛び出しレンゲの前にジャンプする。

 

 

 

「―フンッ!」

 

「どわっ!!?」

 

「さようなら皆さん、またお会いいたしましょう」

 

 

 

 アケミは地面に向かって拳を叩きヒビを入れ煙を大量に発生させる、その隙に不良達とアケミは脱走。物資は奪われなかったのものの,敵は逃してしまった。

 

 

 

 

「っぶね……アレ完全に神秘だ……でもアザがない……ミカさんと同じタイプか」

 

「お、おい、アンタ大丈夫か?」

 

「あーうん、大丈夫大丈夫(……腕が震えている、結構なダメージだったな)」

 

「……あれ,あんたどこかで……」

 

「僕はマッシュ・バーンデッド、君は?」

 

「マッシュ――あ、あー!あんたがあの先生か!……こ、こほん」

 

 

 

 

 その生徒が、元気溌剌に名乗りを上げた。

 

 

 

 

「私は不破レンゲ!百花繚乱から来た助っ人だ!」

 

 

 

 

百花繚乱の生徒と初対面、そしてこの対面が、物語を一気に加速させるので合った。






ものすごく魅力的なキャラに仕上がったアケミ姐さん……実装早く…!!

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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