先に謝罪をしておきます、アケミさんがもうなんかバグりました。
そう言えば何ですけど、本気モードのマッシュ君と神秘モリモリ強さ増し増しになったミカさんとのバトルってどうなると思いますか?
私は多分周辺が消し飛ぶと思ってます、それでは本編をどうぞ
―――戦うことが好きだった、そして強くなるのも好きだった。だからこそ己を鍛え、強者と戦い続けてきた……多くの者から注目を集め、その闘争心を掻き立て、様々な強者と戦ってきました。
『グルァァァァァッ!!!!』
―――ある時は、山で少しトレーニングをしようかと思い登った際、偶然出くわした山の長…体長三メートルの熊を力でねじ伏せ、叩きのめし。
『来るがいいチャレンジャー!俺はそう簡単には倒されないぜ?』
―――ある時は格闘技のチャンピオンと呼ばれるロボットの大人や、数々の生徒達と戦い、技術を力でねじ伏せ勝利し。
『撃て!轢け!!奴を人として扱うな!あいつはもう、ただの怪物だ!!』
―――ある時は私の可愛い部下達を騙して陥れた悪徳企業の最新鋭戦車やゴリアテ、戦艦などを相手にし、主力装備や武装を弾き、打ち落とし、鉄の塊になるまで破壊し尽くし。
『囲え!動ける生徒を全員集めろ!そして逃すな!』
『SRT現着!これより対象を無力化、捕縛を開始します!!』
―――ある時は私を捕まえようとしたヴァルキューレやSRTの皆様と全身全霊で闘い……勝利しました――してしまいました。
『………足りない』
―――それでもなお、私の心は全く満たされなかった。戦うため、自由に戦闘をするためにスケバンの道に走ったと言うのに……何も変わらないまま時がだけが過ぎていった。いつしか私に挑もうとする相手は消え、戦おうと誘っても、命乞いをしてその場から去る者が後を絶ちませんでした。
『………もういいですわね』
―――いつしかこの世界興味を無くし、檻の中に籠ることに決めました。居心地は良くありませんでしたし、退屈で死にそうでした………そんなある時。
『貴女が欲する相手が、近々シャーレにやってくるかもしれませんよ?――それに賭けて、外へと出てみませんか?』
―――小柄な少女にそのようなことを言われ、他の囚人さん達と共に外へと出て…その時をずっと待っていました。そんな相手がいるとも、現れるとも思っていなかった私は、もう諦めていました………――しかし。
『君ら全員、僕と一緒に謝ってもらうよ』
―――あの人が、このキヴォトスに君臨したのです……世にも珍しい男の人、しかしキヴォトス人を軽く凌駕する力に加え、圧倒的な技量、理不尽とも言える技の数々……そしてそれに相応しい功績。
『――なんと……凛々しい…!』
―――そして完成され過ぎたあの肉体……彼の勇姿、肉体、それらを見て確信したのです。彼こそが私にとって一番の好敵手……そして長年の私の夢を叶えてくれる人なのだと。
「私に敗北という二文字を叩きつけ、壁を見せてくれる相手……私に何かを超えて強くなりたいと言う感情を抱きたい――その夢を叶えてくれる相手…!」
―――彼こそがそのお人、彼以外にはありえない……さあ先生!
「血湧き肉躍る闘争を――楽しみましょう!!」
「わぁ…見れば見るほどおっきなお城だね…ボロボロだけど。周りにも町並みが残ってる感じだし」
「大昔は使われていた城らしいんだ。でも昔、百を超える妖怪や黒い大猫が顕現して、全てを焼け野原にした……って話だ」
火で焼き払われた廃屋の数々に、人が住めるとは思えないほど荒れ尽くした城。かつて起きた災厄によって消えた城下町が、百鬼夜行自治区からやや離れた場所に存在していた。
正確には、ここも昔は百鬼夜行の一部だったらしい。しかし大昔に起きた謎の災害により、城と城下町を中心とした一帯が壊滅。修復は不可能と看做され、そこから人が多く離れていったらしい。
「怖いねそれ」
「まあただのほら話だと思うけど……ここのてっぺんにニャン天丸はいる。先生、奇襲を仕掛けてアケミをここに誘き寄せて―」
「その必要は無さそうだね」
「……!」
真正面の門が開き、そこから堂々と現れた生徒…栗浜アケミ。その筋骨隆々の肉体からは、夥しいほどの赤いオーラが溢れ出ていた。
「―──お待ちしておりました、マッシュ様」
「様って言われるのはむず痒いので、マッシュで大丈夫ですよ」
「では先生と呼ばせていただきます……先生、この日を心の底から心待ちにしておりました。ずっと、ずっっっと、この世の何よりも」
「それは嬉しいな」
「……ああ、ニャン天丸の方は好きに持っていってもらって構いませんよ?ただ、城内には数多くのトラップや部下達が配置されておりますが」
「大丈夫です、僕の生徒達強いので」
「……ふふっ、そうですか」
アケミの背後から、ゾロゾロと他のスケバン達が現れるが、アケミの側には絶対に近寄らないようにしている。不自然なまでに動こうともしなかったこともあり、マッシュと共にやってきたレンゲはそれらを警戒して、武器を持つ。
「皆様、手出しは無用です。そちらのレンゲさんも……よろしいですね?」
「……わかってる。けど後ろにいる奴らがちょっとでも怪しい動きをしたら、即、そいつに向かって攻撃する」
「かまいませんわ……その前に先生、お一つ…お聞きしてもよろしいですか?」
「何でしょうか」
「貴方が私との勝負を受ける理由を、お聞かせください」
「いろいろありますけど…まず百鬼夜行で起きているこの事件を解決するため、次に百花繚乱の子達の仇を取るため、あのドラ猫をぶん殴るため……そして」
マッシュは服を勢いよく脱ぎ捨て、トレーニー姿へと変わり力強く構える。
「苦しんでいる一人の生徒を助けるためです」
「……うふ……フフフッ――ウフフフフフッ…!やはり貴方は、本当に素晴らしいお方です」
「ワカモちゃんや、知り合いの元スケバンの人に貴女のことを聞いたんです。そして貴女が欲しいものをみんなで考えて――僕みたいな強い人なんだなと確信したんです」
「まさしくその通りです」
「だから」
マッシュは生徒を相手にする態度では無く、本当にアケミを敵と考え本気の目と態度で構えをとる。その気迫は今までに感じたことのない物、鳥肌が立ち、心の底から緊張感が現れる……アケミは歓喜した、そして心からの笑みをマッシュに向けた。
「僕の本気を貴方にぶつけます、先生としてではなく。貴方の筋肉の好敵手として……手加減はしません。そしてこれもタイミングを見て外します」
「――何と……何と素晴らしき肉体……何と、気高き闘志! ――ああきっと貴方ならば私に、私の夢を見せてくれるでしょう!――超えるべき相手がいるという夢を!!!」
地面にクレーターができる強さの踏み込みを行い、アケミは堂々と両手を上に上げ構える――スケバン達は見た、その背にある背筋が、まるで鬼神の面のように憤怒の表情を作る幻影を。
レンゲは見た、マッシュとアケミ、二人から溢れ出る赤いオーラと黄金のオーラがぶつかり合う幻覚を。
「シャーレの先生、マッシュ・バーンデッド、行きます」
「七囚人、伝説のスケバン栗浜アケミ…参ります!!」
鬼神と豪傑、二人のキヴォトス全体を激震させた戦いが…今、始まった。
「フンッ」
「セイッ!!」
前へと踏み出した二人、まず真っ直ぐにお互いの技をぶつける。拳と拳がぶつかり合い、いつも通り風圧と衝撃がその場には走る……しかし以前と違う点が一つ。
(このパワー…!以前味わったパワーよりも、さらに,一回りも進化している……いえ―これが本来の彼のパワー…!)
「フッ」
「いいですわ先生――とてもよろしいですわ!!」
衝撃で二人が少し後退した後、アケミが構えをとったまま真っ直ぐマッシュに向かって両手の拳を交互に放ってゆく。
「フンフンフッ!!」
それを両手でガードし続け、すぐにマッシュは右足で連続蹴りを行いアケミを攻撃、アケミはそれを受けずジャンプし避け、落下様に右手でマッシュに向かってチョップを繰り出す。
ガンッ!!
それをマッシュは左肘で防ぎ外側へと弾くと、そのまま右拳、左拳とテンポよく勢いよく殴りつけた。
「フンッ、フンッ!」
「!――フフフッ…!」
マッシュの拳がアケミの頬を掠め、裂けた頬から血が垂れる。それを確認したアケミが笑みを浮かべた後、マッシュがラッシュを繰り出し、それに合わせてアケミもラッシュを繰り出す。
「フンフンフンフンフンフンフンフンッ!」
「ウフフフッ―アハハハハハ!!」
拳がぶつかるたびに、その場には風圧と衝撃、そして肉が弾け骨が軋むような音が響き渡る。もはや人同士の争いではない、災害と災害のぶつかり合い。
「あ……姉御と互角……い、いやでも……押されてる…!?」
「ば、バカ言え!!姉御だぞ!?あの姉御が押されてるわけ…!」
(タイミング…タイミングをよく合わせ先生は確実にアケミの拳を破壊しにいっている……まるで以前にも、経験したかのような戦法だ!)
腕輪は外していないが、一切の手加減が伴わないマッシュのラッシュ…それはまさに、残像がはっきりと見え腕が複数見えるような速さ。
「フンッ!」
(私のガードを一撃で崩した…!)
「デルトイド魔法」グググッ
(そしてすかさずの攻撃…!!)
「バーバリアンパンチ」
二の腕が膨れ上がり、アケミの腹に向かって勢いよく放たれる拳。アケミはそれを防御せず、あえて喰らって反撃をしようとしたが―次の瞬間
「――2連ッ」
「くっっ!!(一撃と見せかけた二連撃……―いえ、違う!)」
「3連ッ」
「くっ…!」
「4…5――6ッ!」
「クハッ…!!」
腰から入った拳が一撃一撃丁寧にアケミの腹に刺さり、最後の六連目を喰らった後、彼女は後ろへと飛んだ。
(早い…!瞬きをする瞬間にはもう、攻撃が来ている!)
「ハムストリングス魔法・ミーティアレッグ――四連ッ」
(そして容赦のない追い討ち……あぁ、ああ先生…!本当に――本気で来てくれているのですね!!!)
そこから宙に浮く彼女を逃さまいとマッシュは、あのヒエロニムスの腕を切断した技を連続でアケミに繰り出す。アケミの体が斬れる様子は全く無かったが、ダメージは確実に入っていた。
「もういち……!」
「私…とっても嬉しいです…先生、正直に申し上げますと、私は貴方が本当に本気で来てくれるのかと言う不安があったのです――しかし!」
(マジか、振り解けない……なんて握力してるんだ)
「そんな私を恥じますわ――貴方は本当に、素晴らしい相手!!」
アケミはマッシュの足を潰す勢いで握り、そのままジャンプし彼を地面に叩きつけた。そしてそこから繰り出された技に、周りの生徒は思わずドン引きしてしまった。
「フッ…!ハッ!!ゼリャア!!」
「――で…出た…!!姉御の大技、ドレス!!」
「相手の手足を握り、ヌンチャクのようにして振り回す危険技。常人が食らうと遠心力で死にかける、まさしく使い手と相手の双方が強者でなければ使えない技だ!」
「あまりにも相手を早く動かすので、姉御がドレスを身につけているかのように見えるからドレスと名付けられた技!」
「に……人間技じゃない…!」
マッシュを周りの障害物や民間が吹き飛ぶほどの勢いでヌンチャクのように振り回すアケミに、流石のマッシュも激しい遠心力に吐き気を感じて目を回す。回転でマッシュに加速を付けたアケミは、そのままマッシュを城目掛けて全力で放り投げた。
「まだまだ……まだまだ戦いましょう!」
「!」
城へと激突して崩壊した石垣と漆喰に埋まったマッシュだったが、すぐに体制を立て直すとともに、天高く飛び上がってくるアケミに向かって飛び立つと、空中での乱戦を繰り広げた。
(何てお人なのでしょう…!あれだけの技を繰り出したと言うのに、顔色ひとつ変えず痛がりもしていない……ダメージは負っているはずなのに、そんなそぶりを一切見せない――むしろ私の方が押されている!)
「エイッ…!」
そして今度は逆に、マッシュがアームハンマーでアケミを城へと叩きつける。ドレスという技によって迫り上がった血液が一気に元に戻り、目から少しの血が流れるが、今となってはその程度のことに構っている暇はない。
「先生……ああ先生!まだです!もっと、もっと全力を出してください!!まだ私は完全には満たされておりません!」
「うえっまじか……あれ、あそこにあの猫いないのか」
天守閣の頂上を覆う瓦屋根に手をかけると、その望楼を下層から引き千切るように持ち上げてマッシュに向けて放り投げた。そして地面へと降りると、そのまま地面を抉り、砕けた岩と土石をマッシュに向けて投げつける。
「む、無茶苦茶だぁぁ!!!」
「あ、あれ先生死んだんじゃねえのか!?」
「先生!」
「―はっ…!…いけません……ついテンションがハイになって…一気にやってしまいました…!」
遅まきながらも我に返ったアケミは攻撃の手を止め、砂埃と瓦礫に覆われたマッシュの姿を探した。頂部をもぎ取った城についても確認を怠らず、上層部に誰もいなかったことを確認してしばしの安堵を得た。
「先生、まさかこれで終わり……なんて仰りませんよね? 私はまだ骨も折れておらず,拳から血が流れ、腹に小さな打撲痕ができる程度で終わっています……それなのに終わりは悲しい,とても悲しいですよ――マッシュさん…マッシュ先生―――!」
次の瞬間、マッシュを覆っていた瓦礫が全て弾け飛び四方へと飛んでいった。煙が立ち上り、そこから出てきたのは……もちろんマッシュ、それも目から血を流していたはずなのにそれがもう止まっている。
「なんであの先生……立ったんだよ!?」
「腕や足が潰れている様子がない!切り傷がある程度……や、やっぱり姉御のパワーじゃないと怪我もしないのか!!」
「瓦礫が効かない体って何だよ!?」
「………は………はははっ…―これ、キキョウに何で説明すればいいんだ……?」
こんなことを説明しても夢が幻覚として扱われるのは目に見えているので、説明しなくてもいい気がする。そんなことは置いておいて…マッシュは首を鳴らしながら、アケミの前に立つ。
「生徒と戦って、ここまで強いなと思ったのはミカさん以来だ」
「先生…今の相手は私ですよ?他の生徒のお話は禁句です」
「えっ、ごめんなさい」
「そのミカさんという方と戦っている頃よりも、貴方は成長しているんです。……いえ、むしろそれが本来の貴方なのでしょう」
「ミカさんも、僕と同じくらい強いですよ。腕輪状態の僕が本気でやばいってなった相手なので……できればもう戦いたくないですけど」
「あら、その状態ならば勝てるのではありませんか?」
「だって聞いた話によれば、あの頃よりも神秘を強めて筋トレをして強くなりまくってるって聞きますし…少し前にお仕事として向かった先のビルが倒―――――あっ、話脱線しちゃった」
なんかまた強くなってきているらしいミカのことは一度置いておいて、マッシュはデカグラマトンよりも、ベアトリーチェよりも、目の前にいるアケミが強いと完璧に確信した―――だからこそ、もう。
「ギアを上げていく、其方も……僕を殺す気で来てください」
「殺すだなんてとんでもありません……が、貴方の本気と戦うのであればそれが1番適切ですね――フンッ!」
アケミが声を上げ、サイドチェストのポーズをとると、赤いエネルギーがアケミの体全体から溢れ出る。マッシュはそれを見て両腕の腕輪を外す。
「―名残惜しいですが…ファイナルラウンドと参りましょう!!」
そして正真正銘、それが最後の戦いであった。
「し………城が……このニャテ・マサムニェの城がぁぁぁぁっっ!!!!」
次回、本気マッシュ君がリミッターを外したバージョンvs本気で殺す気のアケミさんのバトルです。
ちなみにミカさんはどんどん強くなっていっておりますが、それはまた後ほど……。
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