『やってまいりました、最終競技の学園対抗リレーです!各学園から選出された4名の選手が、1位を競って全力で走っております!』
『これに勝った学園は、実に10万ポイントの特典を得ることが出来ます!皆さん、優勝を目指して頑張ってください!!』
この祭りに参加している全学園の対抗リレー、これこそがこの祭りの醍醐味と言っても過言ではない。例年は勝利のポイントが高い学園同士でやるのだが、今回はせっかくなので全学園(連邦生徒会以外)対抗という形にした。
「イェーイ、皆さん見てますかー。完璧メイド全力疾走中でーす、ぴーすぴーす」
「忍者パワーーー!!!」
「ふにぃぃぃぃぃ…!!!」
「み、みえ……おえっ…」
「速すぎるでしょ前2人ぃ!」
「玄龍門パワァァー!!」
「特攻隊長舐めるなァァ!!」
「はぁ、はぁ、はぁ…!!!!」
「うわぁぁぁぁぁん!みんな早すぎますぅぅぅ!!!びえぇぇぇっ!!!」
第一走者のレースはトキが大きくリード。ソニックスを駆使して走るトキに対し、ミチル・ユウカ・モエ・セリカ・ミナ・イオリ・ハスミ・ヒヨリは大きく引き離されてしまう。
「んー、ロボットはやっぱり早いねー」
「貴女も中々の脚力です……流石は修行部」
「ホシノ先輩!準備をおねがいしまーす!」
「エッホエッホエッホエッホエッホ…走るのって、楽しいですね…!」
「そうだ……ね……周りが早すぎなければもっと楽しかったね」
「い、息が…上がって……ぅ…!」
「サキちゃーーん!」
「うううぅ……薬があればぁぁ!!」
「ワカモ…!後は、頼んだからね…!」
二走者目はケイとツバキがトップを争い、ノノミ・ノア・セイア・アコ・ミユ・サヤ・ミサキはその背後で互いを追い抜こうと必死に走っていた。セイアに関してはトリニティは走り切った後に倒れてしまい、アコも臨終するように倒れてしまった。
「みんな早いねー!」
「勝利を、先生に捧ぐために…!!」
「忍法…!本気走りの術ー!!」
「いい走りだねヒナちゃん…! 柄にもなく、楽しそうだよ!」
「そっちこそ…いい顔をしてるじゃない…!」
「このメンツ相手に、ついていくのは…流石に…きついですね…!!」
「ミヤコ…まで後少し‼︎」
「あいつの負担を少しでも減らせ…!!」
第三走者は白熱と言ってもいいほどに、各学園の最高戦力達とレイジョが争っていた。勝負は本当に一瞬で着く形であり、
「―――っ!!」
『お、おーーっとここでネルさんが転倒!前に思い切り倒れてしまったぁ!!』
「――ッラァァ!!」
『だーがしかしバトンを投げたぁ!!投げた先にはリオ会長、そして今…受け取った!!』
「ネ―」
リオはネルの名前を呼ぼうとした、しかしネルは地面に倒れながら拳を出し『走れ』と念を押した――リオは振り返らずバトンを手にしたままダッシュ、皆が繋いだ道を閉ざさないために、彼女は前に走った。
「走りなさいマコト!」
「言われなくともそのつもりだァァ!!」
「ナギちゃん、後はファイト⭐︎!」
「ええ…!必ずや勝利を…‼︎」
「シロコちゃーん!頑張っといでー!」
「んっ!!」
「託したよレイジョ!」
「おまかせを!キサキ様の分まで、頑張らせていただきます!!」
「ニヤ様〜!!」
「あんら〜…この子ったらいい笑顔で走ってきましたね〜……仕方ありませんねぇ――ちょっと本気を出してあげますよ」
「ぶちかませ…ミヤコ!!」
「任せてください…‼︎」
「――主役は貴女に譲ります……なので―絶対に勝ちなさい、サオリ!」
「……ああ、任せろワカモ!!」
第四走者、アンカーである選手らの全力疾走。ゴールは目前、お互いに体をぶつけ合いながらも前へ前へと突き進む、湧き上がる仲間たちの歓声と声援、それを聞き血反吐を吐く思いで前へと走り抜ける。
普段使わない足を必死に動かしながら、リオはマコトとナギサに食いつく、ニヤも負けじと喰らいつき、レイジョとミヤコはそんな4人の少し先に進む。
『スゥゥ――がんばれー』
しかしその声援を聴き、目を光らせ、飛び抜けた者たちが3名いた。その声は背中をしっかりと押される物だった。
(――砂狼シロコ……、月雪ミヤコ……そうか……お前も…先生のことを)
(お二人も……)
(……そっか、貴女も……なら)
(ならば)(尚更)(であれば…)
『負けない!!!』
3人が地面を割るほどの勢いで踏み込み、ゴールへと突き進む――数センチ、いや、数ミリの差が勝敗を決した。
「――ん、やっぱりメインヒロインは…私」
『―ゴ、ゴーール!!一位は砂狼シロコさん!この祭りを制したのは――アビドス学園だーー!!!』
「………負けた――そうか…久しぶりの負けとは……こんな思いなのか」
後からゴールしてきた生徒達を見ながら、シロコはマッシュのように近づき、グットサインを向けながら告げた。
「――ナイスファイト」
他のアンカー達はそんな彼女を見て、少し笑った後、グッドサインをシロコに向けるので合った。
「あれ?さっきので終わりじゃないの?」
「特別競技らしいぞ、短時間だけだがそれに勝てば豪華景品を授与らしい」
「ふーん……所でセイアちゃんはなんでずっと私に肩車されてるの?」
「嫌な予感がするからね」
「セイアちゃんの予感は洒落にならないんだけど?」
各学園、出場生徒が集まり話にあった特別競技の開始を待っていた。何が始まるかわからない生徒達はドキドキワクワクしていたが、各学年のトップ達は何やら嫌な予感をしていた。
『えーみなさん、体育祭お疲れ様でした。例年に比べて圧倒的に楽しめたと存じ上げます……しかし祭りはまだ終わっていません、これより連邦生徒会主催、特別競技を開催いたします』
「あれ?先生はどこに?」
『今からみなさんには持ち武器を持ってもらい、その中にペイント弾を詰めていただきます。準備が完了出来次第その場で待機を』
自分たちの武器に、連邦生徒会が用意したペイント弾を詰めて準備を完了させる。するとスタジアム全体の照明が消え、ある一点に集中する。それは入場口、そこから現れたのは――マッシュ。
「最後の最後、楽しもう」
『特別競技、的当てゲームです。制限時間は5分、本気モードの先生に一発でも攻撃を当てた学園には特別な報酬――先生を一週間その学園に滞在させれる権利を差し上げます』
「それは初耳………あれ」
マッシュは腕輪を外し準備満タンだったが、周りの反応が予想と違った。もっとこう『はぁぁ!!?』みたいなのを予想していたのに、生徒達は武器を構え隊列を組みやる気満々だった。
『それでは早速――スタートです』
「撃てぇぇぇぇ!!!」
「あぶね……――まあ負ける気ないけど」
勝負が始まり次第,各学園の生徒らはマッシュに向かって集中砲火を行った。しかしその弾幕の中をマッシュは突っ込みながら避け、分身のような残像を作り撹乱。
「なんでこの数を相手に、普通に避けれてるの!?」
『『『本気出すと弾丸が止まって見えるのです』』』
「いっぺんに喋らないでもらえますか!?」
「おぉい空崎ヒナ!貴様お得意のビームでなんとかできないのか!」
「ここであんなのを撃ったら、他に被害がいくわ。ただでさえ先生が味方同士で相打ちにならないように………――相打ちにならないように動いている?」
「――うっわ気づいちゃった、先生ってば私達の攻撃が仲間に当たらないような動きばっかしてる……」
『『『ピース』』』
「しかもピースする余裕を残しながら!」
壁、人混み、空に至るまでマッシュはとにかく逃げまくった。RPGの連射は全て後ろへと下がりばらけるのもを待ち、ショットガンは撃たれる前に銃口を上に上げるなど尋常ではない動きをしまくっていた。
各学園の強豪たちが一斉に襲い掛かられるのは流石に辛かったのか分身の数が減り、当てられそうには何度かなった……しかしそれで終わらないのがマッシュ、最終手段として彼は空へと逃げた。
「あっ!ずるい先生!!」
「ほらほら当ててみなさーい」
「ジェット機みたいな速度で動いてる!」
「ミカちゃん!おじさんのこと空に飛ばして!」
「OK!」
空に逃げるマッシュを追おうと様々な生徒らが協力し、彼をどうにかしようとしていた。――こんな光景は、彼がくる前ならあり得なかった光景だ、そしてマッシュ自身も、彼が此処に来なければ、彼がこんな経験をすることもなかった。
(……ありがとうございます、連邦生徒会長さん)
マッシュは心の底から、連邦生徒会長に対して感謝をするのであった。
マッシュとキヴォトスの大運動会は……これにて、幕を閉じるのであった。
―
「結局勝っちゃった」
「いやそりゃそうじゃろとしか」
「………終わっちゃったなぁ」
「終わってしまったのぉ……」
「……帰っちゃうんだね」
「そう…みたいじゃな」
祭り終わり、閉会式を終えた後。マッシュとレグロは人気なの少ない場所へと移動し少し話をしていた、レグロの体はすでに消えかけており,元の世界に帰る数分前といった感じだった。
「……のおマッシュ、実は最近の……変な夢を見るのじゃ」
「…夢?」
「うむ……飛び降りようとしたあの日、あの場所で……赤ん坊のお主を、ワシではない誰かが持っていて…お主をワシに手渡した…という夢じゃ」
「随分と具体的な夢だね」
「……その時のお主は全く泣いておらんかった、昔のお主のままじゃ……しかしワシの記憶では、確かに泣いておったんじゃ…その鳴き声を聞いてワシは……―ーん…?」
「じいちゃん、夢は夢なんだからあんまり気にしない方がいいかも。僕も夢で大変なことになったし」
「……それもそうじゃな――あっ、光強まってきた」
「時間だね」
レグロはマッシュの頭に手を置き、軽く撫でた後優しくづけた。
「マッシュがこっちに帰って来れる魔法を、ワシが頑張って探しておく……その間マッシュはここで、頑張るんじゃぞ」
「バッチグー」
「バッチグーじゃな――じゃあの、マッシュ」
「うん…またね、じいちゃん」
レグロは光に包まれて消え、マッシュはそれを見送った。スタジアムの掃除を手伝おうと足をそちらへと向けた瞬間
「―――いっ」
突然の頭痛が彼を襲った。
『―――お願い――を……そだ――』
(誰だ………この人………でも……何処かで―会ったことが――)
「先生…⁉︎」
「シロコちゃん……あいってて…」
「頭痛いの?」
「今は,そうでもないけど……なんだろ……―――いや、多分疲れてるんだろうね」
「……先生が?」
「僕だって人間だもん」
「……後で保健室直行」
「それほどまでじゃ………嘘ごめんちゃんと行きます」
マッシュはシロコと共にスタジアム内部の方へと向かい、そこにいる生徒らと共に片付けを行うのであった。
次回が百花繚乱編でございます、お楽しみに
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