透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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百花繚乱の敵って無茶苦茶怖くないですか? あのストーリーだけ和なのでめちゃくちゃストーリーの雰囲気が怖いんですよね……まじで、私苦手なんですよ、和のホラーって。



皆さんは和のホラーは平気ですか?


 それでは本編へ……どうぞ!



マッシュ・バーンデッドとえり〜と

 

 

 

「遠路はるばるようこそお越しくださいました、お疲れでしょうし、こちら些細なものですが…」

 

「お構いなく、シャーレからここまで1分もかかりませんでしたし」

 

「電車で15分はかかる距離でしたよね?」

 

「電車で15分、徒歩で1分です」

 

「……もうツッコむのはやめにします……所で先生…オカルトは信じるタイプですか?」

 

「いやまあ僕の世界がそもそもスピリチュアルを詰め込んだようなな感じなので」

 

「そうでしたね……」

 

 

 

 

 ある日マッシュは、百鬼夜行の陰陽部から呼び出しを受けた。内容は、先の事件で出現した謎の怪異について、そして今後の百鬼夜行に関わること、とのことらしい。

 イズナから怪異の詳細を聞かされたマッシュは、『友達に手を出したのでぶっ飛ばす』と決めている。

 

 

 

 

「あれ、カホさんがいませんけど」

 

「チセちゃんと一緒にお出かけです。近々大きなお祭りもありますし、今のうちにその雰囲気を楽しんでおこうと」

 

「また何か楽しいお祭りを?」

 

「ええ───この度二十年ぶりに、百鬼夜行燈籠祭が開催されるのです」

 

「百鬼夜行燈籠祭?」

 

 

 

 

 

 

 百鬼夜行燈籠祭

 

 20年前に一度廃止された、百鬼夜行の大規模なお祭り。これまで脅威として警戒されてきた他学園の穏健化による警戒態勢の引き下げにより、平和になった百鬼夜行の新たな門出を祝うために開催するらしい。

 

 

 

 

 

 

「ここがまだ連合学院ではなく『百鬼夜行学院』を名乗っていた頃に遡りまして……まぁそこはいいですね。兎にも角にも、百鬼夜行のさまざまな繁栄を祝して、大々的に場を盛り上げようと言うのが今回の趣旨にございます」

 

「おおー良いですね、それで今回は何も企んでませんよね?」

 

「しませんしません、もう二度と悪いことなんてしませんよー」パサッ

 

「あれっなんか落ちました………」

 

 

 

 

 ニヤの懐からマッシュの前に落ちたのは、一枚の写真だった。写真に収められているのは、晄輪大祭で砂にまみれながら笑顔を輝かせるワカモの姿。確かに見事なショットだが、マッシュには一つ見逃せないことがあった。

 

 

 

 

「ええっと……あのワカモがこんな透き通った笑顔をするだなんて何年振りでして……ついっ」

 

「没収です」

 

「あ゙あ゙あ゙ぁ゙〜〜!?何卒ご勘弁をーっ!!」

 

「晄輪大祭での撮影は、許可された担当者以外禁止ってルールでしたよね。なのでダメです」

 

「別に何も悪いことをしようだなんて思いませんよぉ!ただ何かあった時のために確保しているだけで……あっ

 

「はい没収」

 

「鬼ぃぃ!!」

 

 

 

 

 ニヤの性格上何を目論んでいるのか分からない上、絶対に何かの問題を引き起こすことを察したマッシュが、写真を一時没収した。わざとらしく嘘泣きするニヤを見つめながら、マッシュは話を戻すこととした。

 

 

 

 

「ニヤさん、例の変な敵については何かわかりましたか?」

 

「ぜ〜んぜん♪」

 

「切り替え早いですね」

 

「アレからまるっきり見当たらなくてですねぇ、謎の影と怪狐、しかも花鳥風月部と名乗っている存在……こちらとしても頭が痛くて痛くて」

 

「花鳥風月部って、今はないんですか?」

 

「そもそも我々が正式に認めた部活ではありません、いわばテロリストです。我々も追ってはいましたが……その尻尾すら掴めずにいます」

 

「厄介ですね」

 

「所で先生、その影は貴方を狙っていたようですが。何かお心当たりは?」

 

「全く」

 

「ですよね〜」

 

 

 

 

 マッシュとニヤは向かい合って正座をしながら、暖かいお茶を啜る。影について気になることは山積みだし祭りは中止すべきだと意見もあったのだが、影の狙いがマッシュであるのならば、彼はしばらく百鬼夜行にとどまることとなる。

 

 そしてまたこれでワカモがぐずり出したのは、別のお話。

 

 

 

 

 

「……さて先生、ご依頼の方は話した通り。ここ百鬼夜行連合学園の一時的な警備と、祭りのお手伝いと言うことなのですが……実はもう一つだけ頼みたいことがございまして」

 

「聞きましょう」

 

「実はですねぇ、その花鳥風月部から謎の箱が届きまして」

 

「…箱?」

 

「これです……見てくださいこれ、とっても怪しいでしょ?」

 

「カタカタ震えてるんですけど」

 

 

 

 

 

 ニヤがスッと床に置いたまま前へと進めてきたのは、長方形の木箱。蓋には『花鳥風月部・敬具』との一文が大きく書かれ、クロユリが紫のリボンのような物で箱に括り付けられていた。

 

 

 

 

「中身は確認していませんが……絶対に開けたらまずいものなので、開封できずにいたんです。イタズラにしたって縁起が悪すぎますし」

 

「僕がこれを開ければ良いんですね」

 

「先生がおそばにいてくれれば安泰ですからね、しかしこの箱……中々に硬くてですね。銃弾でもナイフでも傷が全くつかな――」

 

 

 

 

バキッ!!

 

 

 

「やってしまった」

 

「わあ見事なまでにバラバラに……おや?」

 

 

 

 

 箱がバラバラになり、中から一枚の手紙が現れた。その手紙は少し動いたかと思うと黒く染まる──と思った直後、その黒染めとなった紙から、黒い煙や煤の塊のような何かが現れ、怨霊のようにマッシュとニヤに詰め寄る。

 

 

 

 

「敵襲…?」

 

「少しお待ちを」

 

 

 

 怨霊のような物は顔と思しきものを浮かび上がらせると、薄気味悪い笑顔とともに脅迫文を述べる。

 

 

 

 

『そなたらに告げる、我々の風流は終わってなどいない。風情は大勢で味わうべき物、お楽しみが始まり、空に咲いた大輪の花が見上げたその時に…もういち

 

 

 

 

 

 

 

ペチンッ!!!!

 

 

 

 

 

 

ドォォォォォォォォォォォッッ!!!!!!!?

 

 

 

 その怨霊に向かってマッシュはビンタを繰り出し、地面へとはたき落とした。そしてすぐさま海老反り固めの体制へと入り、怨霊へ攻撃。

 

 

 

「えいっ」

 

『ウォコゴォォォォッゥ!!!!?』

 

「多分まだ話の途中やったと思いますけど!?」

 

「何かされる前にやっちゃおうと思って」

 

「嫌だからって………てか多分これ霊体なんですけど、物理攻撃無効なんですけど」

 

「前に似たような存在を殴ったことがあるので、えいやっ」

 

『ガァァボホボボボッッ!!!!』

 

「泡を吹いて本気で苦しそうですね……」

 

 

 

 

 マッシュは怨霊をダウンさせた後、そのまま窓から高らかに放り投げて星へ還した。恐らくこれが、クズノハが言っていた『具現化した怪異』であることは十中八九間違いない。何かしでかす前にぶっ飛ばしたのはある意味正解だったかもしれない。

 

 

 

 

「よし、怪異とか幽霊とかもぶん殴れることが確定したので―─―もう何も怖くありませんね」

 

「私は先生が非常に怖いです……まぁ、そんな相手に犯行声明を送るためだけの幽霊だなんて、花鳥風月部もなかなかに暇なんでしょうね」

 

「さてニヤさん、実はまだ聞きたいことが………―の前に」サッ!

 

 

 

 

 さらにマッシュはそこから一瞬のうちにしてその部屋から消え、次に声がしたのは部屋の扉の外からだった。

 

 

 

 

「覗き魔確保」

 

「……あ、あれぇ!?い、いつのまに身共はここへ!?」

 

「あら、ユカリさん。どうしてこんなところに?」

 

「お知り合いですか?一応降ろしますけど」

 

「――はっ、これはとんだ失礼を!」

 

 

 

 

 マッシュは捕らえた少女を下に下ろす、少女は素早く移動しマッシュの前に正座し、その名乗りを上げた。

 

 

 

「身共は百花繚乱紛争調停委員会に所属している一年生――そして!!」

 

「あんれまぁ、急に部屋が暗く」

 

「この百鬼連合学園最強のえり〜と!」タタンッ!

 

「太鼓の音もどこから?」

 

 

 

 

 何処にあるのか太鼓と拍子木が打ち鳴らされ、天から放たれた光がスポットライトとなって生徒──ユカリを照らした。優雅な回転とともに花びらが散った直後、ユカリは一言。

 

 

 

 

「勘解由小路ユカリ!先生と陰陽部のニヤ様にお願いがあり――やってまいりましたの!」

 

『『『『よっ!!お嬢様!ギヴォトス一〜!!』』』』

 

「おお〜(お嬢様……?)」

 

「一体いつこのエキストラの方々はここへ…?」

 

 

 

 

 

 勘解由小路ユカリ、百花繚乱に所属している一年生であり、この物語のキーパーソンが――現れた。

 

 

 

 

 


 

 

 

 

「身共は先生のような、超が付くほどのひーろーになりたいのです!どうすればよいのでしょうか!」

 

「しっかり食べて、しっかり寝る。そして人のために出来ることを見つけて精一杯手伝うとか」

 

「なるほど!!」

 

「いいんですかそれで」

 

「頑張れば、先生のように戦車をひっくり返すことが出来ますか!?」

 

「できるよ」

 

「出来ませんってば、そもそも素手で動かすことだって無理ですからね?」

 

 

 

 

 ユカリの隣に正座をして座り目を光らせながらマッシュに向かって色々なことを聞くので、マッシュがわかりやすく調子にのり色々言うのを、ニヤがツッコミを入れる。

 

 

 

 

「……話を戻しますが、ユカリさん。貴女のご相談の内容は、百花繚乱が完全復活するために継承戦を手伝って欲しいと言う事ですね?」

 

「はい!」

 

「……そういえば、イズナちゃんが『百花繚乱紛争調停委員会』が解散するって話を聞いたな。継承戦……って?」

 

「まあ先生風に言うと、『百花繚乱のトップになるためにトップを倒そう!!』って感じですね」

 

「百花繚乱って下剋上制度とかあったんですね」

 

 

 

 

 マッシュがイズナから聞いた百花繚乱の事、それはトップである七稜アヤメが謎の失踪を遂げてしまっていた。

 

 なので代理である副委員長の御稜ナグサが指揮を取っていたのだが……そのナグサが、正式な「解散令」を発行、つまり百花繚乱は現在解散間近になっているのである。しかも他のメンバーたちもユカリを除いてそれに同意してしまった。

 

 

 

 

 

「ですから私が、そうならないために委員長となり……解散そのものを無くしたいのです!」

 

「なるほど……ユカリさん、貴女の考えはよーく分かりましたけども…継承戦には立ち合い人である人1人が必要なわけですが」

 

「それを!先生に担っていただこうかと!」

 

「御意」

 

「……そこの問題は解決しましたが、問題は次です。現在百花繚乱は解散令が出ている状態、そんな状態で継承戦を行えば確実に、『百花繚乱の混乱に乗じて委員長の座についた』と思われてしまいますよ? ただでさえ、あんなことがあった後だと言うのに」

 

「…うっ、それは……」

 

 

 

 

 そこに陰陽部が力を貸したとなると、ユカリに対しての評価はかなり低くなってしまうだろう。さらにいえば反乱の片棒を担がせようともしているわけなので……陰陽部としては手伝うわけにはいかない。

 

 

 

 

「なので、僕の出番ですね」

 

「その通り♪――ユカリさん、貴女個人のお悩みを……この方なら確実に解決してくれますよ。なんてたって無敵の超人マッシュ・バーンデッド様ですから」

 

「任せて、こう見えても僕は廃校寸前の学園を救ったことがあるからね――それに」

 

 

 

 

 マッシュは立ち上がりユカリに手を出す。

 

 

 

 

「居場所がなくなる生徒を見捨てはいられないからね、絶対になんとかして見せるよ」

 

「先生………いえ――マッシュ様!このユカリに、どうかお力を!」

 

「任せなさい」フンス

 

 

 

 

 

 

 マッシュの手を握り、わーいと喜びながらその場を回るユカリ。いくつもの学園を救ってきた彼にとって一つの委員会を助けるなんてなんの問題もないこと、彼は久しぶりの大仕事に胸を躍らせるのだった。

 

 

 

 

 

(………いやはや、流石にいえませんねぇ。…百花繚乱が解散令を出す決断の決定打……その原因が先生にもあるだなんて…ね)





怨霊を殴って倒す………なんかぬ〜べ〜先生みたいになっちゃった。ただこれで驚かない私もどうなんでしょうか。

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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