透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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ドレスサオリさんやったぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁっっ!!!!!!


マッシュ・バーンデッドとほんの一つの手助け

 

 

「ぶっ殺してやらぁ!!」

 

「強いのに言動が勿体無い」

 

 

 怒りを爆発させたデリザスタが、マッシュに向けて無数のアスカロンを放ちながら、矛を片手にマッシュへと攻撃する───が、

 

 

 

「はっ─―」

 

「筋肉―スラッシュ」

 

「ッグアッ!!?」

 

 

 

次の瞬間、周りのアスカロンがことごとく砕かれ、デリザスタは激しい衝撃とともに後方へと吹き飛ばされる。デリザスタは何が起こったのか分からないまま、混乱した状態で地面に叩きつけられた。ダメージが大きかったのか、その顔は次第に青白くなっていく。

 

 

(今―何が…!!)

 

(私は……見てた。先生は飛んできた剣から避けた後、その剣の側方に回り込んで柄を掴み取り、続いて飛んできた剣を破壊した。、持った剣をバットみたいに振るって、あいつを吹き飛ばした…!!しかも刃で斬りつけたわけじゃない、明らかに刀身で殴っていた……!!)

 

 

 

「おお、流石に頑丈だ」

 

「テメ……!!」

 

「ところで君、野球は知ってる?」

 

「あぁ!?いきなりなんだ……!!」

 

「キヴォトスにはバッティングセンターっていう練習場があってね、そこで僕はたまにバットを振るってるんだ」

 

「何を…ごちゃごちゃと――ラビットアスカロンッ!!!」

 

 

 またもや無数のアスカロンがマッシュに向かって飛び出してくる。それに対しマッシュは、持っていたアスカロンを固く握って構えると、とある体勢で刃を構えた――それはまさしく、

 

 

(バントの、構え……!?)

 

「──―フンフンフンフンフンフンフンフンフンッ」

 

(しかも、飛んできた剣をバントで弾いて、攻撃の勢いを殺いでいる……!?)

 

「あっ、壊れちゃった」

 

ッッッ─────ラージアスカロンッッ!!!!

 

 

 次にデリザスタが放ってきたのは、巨大なアスカロンだった。巨大な刀身が音速を超えてマッシュへと襲いかかり、衝撃波によって木々を吹き飛ばすほどの勢いで斬りかかる……のだが、マッシュはその切先を片手の指で挟み込んで受け止め、キキョウもその衝撃波に吹き飛ばされそうになりながらも、なんとかその場に踏み止まった。

 

 

「確かに、貴方は実力がしっかりとある。きっと僕以外ならかなり苦戦するし勝てるかどうかも怪しいレベルだとも思う」

 

(こいつ――ラージアスカロンを、片手で……!)

 

「でも貴方には致命的な弱点がある」

 

「俺は無敵の矛を持ってるデリザスタだ!弱点なんざあるかよぉ‼︎」

 

「それは」

 

 

 マッシュは受け止めた巨剣を握り潰し、拳で破片を払い除けた後、デリザスタの腹に向かって直線的ながらも爆発的な速さで正拳突きを放つ。

 

 

「貴方は敵を、下に見すぎている」

 

(はっ――えぇ……!!?こいつさっきよりも…何倍も……!!)

 

「そんな油断しまくって───―勝てるもんも勝てるわけがない」

 

 

 続けざまに二撃目を打ち込んだ後、マッシュはアッパーカットでデリザスタを宙に打ち上げる。吹き飛んだ奴を追いかける形でマッシュも高く跳び上がると、両者は空中戦へともつれ込んだ。

 

 

「なんなんだよテメェは……!!()()()と違いすぎんだろうが!!!」

 

「───()()()…?」

 

「アスカロン!!」

 

「とりあえず話はまた後でだ」

 

 

 飛び交う音速の剣戟と、人間離れした格闘の攻防。そんなものを見て言葉を失うのは無理もない……キキョウはそんな光景ただ唖然として見ながら、考えていた。

 

 

(…私……これでいいの?ただ見てるだけで…終わってもいいの……いや、下手なこと考えちゃダメ……ここで下手に動かず守られてた方が先生としても楽だし…勝てる勝率も上がる―――でも…そのままで本当にいいの…?)

 

 

 下手に動き足を引っ張るよりも、ただ見たまま守られていた方がいいのは確実……しかしそれで本当にいいものかと、彼女は両者の接戦を眼前に、強い葛藤に締め付けられていた。

 

 

(私は百花繚乱の参謀……それが、こんな有り様でいいの?――あの子にも、先生にもあんな態度を取っておいてこんなのって……ほんとに……いいの……!?)

 

 

 冷たく冷徹に、八つ当たり気味に声を上げたキキョウ。それなのに自分は何もできず棒立ち、役立たずのまま……心の中でずっと『自分にもあんな力があれば、あんな能力があれば』と羨んでいる自分にも、次第に腹が立っていた。

 

 

「――ハハハッ…でもいいぜ!こいよ…とことんまで遊ぼうじゃねえか!!」

 

「いきなりテンションが…そういうお年頃なのかな」

 

(―――違う……何かが…変)

 

 

 そんな中、デリザスタの声色が一瞬にして変わったのがキキョウにはわかった。地面に着地しまたまた激しい攻防が続けられているのをよく観察し、キキョウは思考を巡らせる。

 

 

(徐々にこっちへと戻ってきている……まさか、またあの特大の技をやる気なんじゃ……!?しかもそれは先生に対してじゃなく…また、私に対してやってくる――そうなったら先生は…絶対に───!!)

 

 

 自分を守って怪我する、回復が遅れダメージがどんどん蓄積されながらも耐えているデリザスタ。狙うはほんの一瞬の隙……それさえ貫けば、マッシュは勝てる。

 

 

(早く伝えないと―でも、私の言うことなんて……でも、でも───)

 

 

 自分の策に、自分の指示に自信が持てなくなっていたキキョウ……このままマッシュの邪魔にならないようにと隠れようとした――そんなときだった。

 

 

「キキョウちゃん」

 

「―───!」

 

「僕は、君を信じるよ――だから、信じて」

 

 

 信じるから、信じて……安く甘い言葉なのは間違いない。しかし彼はキキョウを信じると言った……冷たい態度を、ひどい言葉を投げかけたのにも関わらず…信じると言った――ひどく心が揺らいだ。

 

 

「そんな余裕……あるわけねぇだろうがよぉ!!!

 

(――くる…チャンスは一瞬!!!)

 

「今度こそ切り刻まれろ―──―ギカントマキアッ!!

 

 

 そこからは体が勝手に動いていた、デリザスタがマッシュを攻撃する瞬間……ほんのその一瞬を狙って自分の銃を向け、狙って

 

 

パァンッ!!!

 

 

発砲し、デリザスタの右目を撃ち抜いた。

 

 

 

づづづづづっ―――!?──グッ……クソ猫が…‼︎」

 

「先生ッッ───!!!」

 

「ナイスキキョウちゃん、あとは…任せて」

 

 

 マッシュは左手でデリザスタの首を掴み、右手の拳を限界まで握りしめ、彼に向かってそれを振るう。それも残像が見えるほどだ。

 

 

(くっ―そっ!!回復が…間に合ってねぇ…!!──クソクソクソクソッ!!!!!!)

 

「さっき、僕のことをゴミって言ってたよね」

 

(聞いてねえ――ここまでとは…俺は―聞いてねえぞ!!)

 

「そのゴミの一撃─―受けてみよ」

 

 

 マッシュはデリザスタに向かって渾身の右アッパーを叩き込んだ。顎を砕かれたデリザスタは空高く舞い上がり、そのまま地面へと落下、血溜まりに沈むこととなった。

 

 

「……やべ、やりすぎたかもしれない」

 

「妥当よ……本当に」

 

 

 

 


 

 

 

「――――は……ハッハッハッ!!成程…なぁ……あの、そっちの赤ババアが負けるのも納得…だわ」

 

 

 地面に叩きつけられ、肉がボロボロになりながらも再生していくデリザスタ。ここまでやっても意識がはっきりと残っている彼を見て…マッシュは少し感心した。

 

 

「あっちやらそっちやら……なんなんですか?」

 

「…教えてやるよ――俺は、お前がいるこの世界のデリザスタじゃない」

 

「はい?」

 

「要は…俺はここにいるお前の兄貴じゃない。別の時空(パラレルワールド)に存在するお前の兄貴だ」

 

「別の時空ってことは……えっと……僕の世界にいる人とは違った…人ってこと……?」

 

「そう言うわけ!――まあ、そこのオジョーサマのことはよく知ってるけどなぁ、俺」

 

 

 完全回復とはいかないが、立ち上がり矛を持つまでに回復したデリザスタはそれをマッシュに向けながら告げる。

 

 

「俺の目的はそこの猫を捕まえてお前を誘き寄せて殺すこと……これがどーいうことかわかるか?」

 

「全然」

 

「テメェが死ぬのはいつだって、お友達を守ったときなだよ―――つまりはお前が守ってきた奴らのせいでお前は危ない目に遭ってるんだ…足手纏いだもんなぁ、そいつら」

 

「その足手纏いに、ここで一杯食わされたのは何処の誰でしたっけ」

 

 

マッシュはキキョウの前に立ち、指を鳴らしながら強く告げた。

 

 

「それから、キキョウちゃんやみんなは足手纏いなんかじゃない。僕の大事な仲間だ」

 

「そいつに散々言われてたんじゃねえのかよ」

 

「そんなの気にしてないし、と言うか前々から色んなこと言われてきたから慣れてるよ……それからもう一つ――僕はもう一人で戦うつもりはない」

 

 

 マッシュは強く胸を拳で打ち付け、はっきりと言った。

 

 

「誰かと一緒じゃなきゃ、僕だって本気出せないよ」

 

「綺麗事ばっか言いやがって……虫唾が走るんだよ――殺す…やっぱテメェはここで――」

 

 

 

 その瞬間、デリザスタと周りの空間にヒビが入った。それを見てマッシュはすぐに攻撃を開始するが………すり抜けてしまった。

 

 

「……チッ…時間切れかよ」

 

「なんじゃこれ」

 

「一つ忠告しといてやる。これから先、テメェは……仲間のせいで死ぬ

 

「ほほう――それこそ戯言だね」

 

「せいぜい、人生最後の時間で上っ面だけの青春を楽しんでろ――ゴミ野郎」

 

「そっちこそ、次会った時は覚悟しておきなよ――クズ野郎」

 

 

 

 

 デリザスタはその空間にのまれ、その場から完全に消えた。マッシュは『二度とくるなばーか』と呟きながら、キキョウに近づく。

 

 

「さっきはありがとうねキキョウちゃん、いやぁほんとに助かっ『明後日……暇…?』…ん?まあ、うん」

 

「……明後日の、午後11:00に…百花繚乱の屋敷に一人で来て」

 

「いいけど…なんでまた?」

 

「……話があるの、百花繚乱の参謀としてじゃなく」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「桐生キキョウとしての…話が」

 

 

 

 キキョウはもう一度、彼と本気で話すことにした。

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――はっ!!!泥棒猫の気配…!!」

 

 

 

そして別の場所では、ワカモが何かを察知していた。




じかーいじかい。

多分湿気がえげつないと思います

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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