透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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とんでもない間違いをした私を殺してください……とりあえず本編は立つぞ。

それとコメント返信が遅れまくってしまい申し訳ありません、見る機会と返信の機会が本当に無くて……本当に申し訳ないです。

それでもモチベと励みと癒しになるので、これからもどうぞよろしくお願いします。


勘解由小路ユカリと自分自身

 

『二十年前のあの日も、勘解由小路家がユカリ様のように舞を披露する予定でした──―しかしその直前、舞を踊る予定であった巫女……つまりは今のユカリ様のような方がいなくなってしまったのです。儀式のプレッシャーによるものなのか、それとも家の仕来りのせいかはわかりませんが……今となっては分かりません。…少なくとも彼女は―――勘解由小路家の汚点です』

 

 

 

 汚点……逃げ出したかどうかすらわからないそんな人を、汚点とこの家は言った……その真意すら知ろうともせずに、汚点と罵った。

 

 

 

『ああでも、その事に関してはもう大丈夫ですよ。その汚点もユカリお嬢様が払拭してくださるのですから』

 

 

 

 ――その言葉で確信をしてしまった、勘解由小路家は身共の力がどうしても欲しいから、必要だから、認めてくれているから自分を家に呼び戻したんじゃない……ただただ過去の汚点の尻拭いをしてもらうためだけに呼んだのだと。

 

 

 二十年前の失態を、不名誉を私に払拭するためだけに……呼び戻された。

 

 

 

 

『ですのでユカリお嬢様……どうか、お願い致しますね?』

 

 

 

 ………それだけであれば、別に身共は必要無いはず。…………――それは…つまり…

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『そのお気持ち……とっ〜ても理解できますよ?』

 

 

 …!?

 

 

『あれだけ必要だと言っていたのに、結局みんなが欲しかったのは二十年前の汚点を返上してくれる人、悔しさを晴らしてくれる人だったのです!誰も…だぁれも!手前さんの気持ちなんて興味ないんですよ〜』

 

 

 

 …誰…ですか…!?頭が…痛い……!――そもそも身共は何故……どうして、このような空間に――先ほどの…使用人の声は…姿は…!?

 

 

 

『そんなことは別に考えなくても良いじゃ無いですか〜……大事なのは今からの事ですよ。…ショックでしたよね、信頼していた先輩から冷たい声をかけられたりした事、必要と言われた人達の嘘の言葉に』

 

 

 

 キキョウ先輩は……レンゲ先輩は…!!

 

 

 

『百花繚乱の再建だって……結局は貴女の力なしでも良かった──―あの超人先生一人でどうにかなった。本当はそう思っているんでしょ?』

 

 

 

 そんなことは…!

 

 

 

『強くて正義感の塊、その気になればなんでもできる最強無敵の存在!そんな人の力を借りれば百花繚乱を再建できる………そう思って行動をしていたのに、ほとんどあの人一人で、ぜーんぶ変わっていった───

 

 

 

 

───貴女が必要……と言っても、結局は味方を欲しがっただけ。手柄はぜーんぶ自分のもの、それがあの先生の本性なんですよ〜。善人なんてこの世に居ないんですから』

 

 

 

 ………身共は…身共は……

 

 

 

『悔しくありませんか?強くなりたくはありませんか?貴女のことを下に見ている物全てを見返したくはありませんか?―――いいえ……きっとそうしたいと思っているはずです……

 

 

 

 

強くなれば…全てがひっくり返れば、きっと貴女は必要とされますよ?そうすればきっと貴女は――何にも縛られずに、自由に、好きなように生きられますよぉ?』

 

 

 

 

 必要とされる――勘解由小路家の者でも、百花繚乱のユカリでも無い……勘解由小路ユカリとして…必要とされる……

 

 

 

 

『そうですよー!いまの貴女を必要としている奴なんてこの世のどこにもいやしません、貴女の舞にだって誰も興味を示しません……ですから――ね?―もう楽になりましょう』

 

 

 

 

 身共は………身共は……!!!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

――身共は、先生に必要とされています……よ?

 

 

 

『…………はい?』

 

 

 

――百花繚乱には身共が必要と、先生の口からしっかりと言われました……それに私は初めから…お家のために舞を踊る気ではありませんでした………それを言いに、身共は家へと帰ってきたのです。

 

 

 

『――違います、違いますよ!!貴女は先輩である桐生キキョウに必要ない、現実をみろ、帰れと言われ此処へと帰ってきたのです!!貴女の先輩達が貴女を必要ない存在だと言った、でもお家の奴らが必要としていたから帰ってきた、そうなのですよ!!』

 

 

 

――いいえ、違います……確かにキキョウ先輩にはそう言われました。でも本音は違うと…身共にはしっかりとわかっていました……――それに…そうです、身共はお家の人たちに必要とされていたから帰ってきたのではありません…話をつけに,帰ってきたのでした。

 

 

 

『違います…違いますってば!!―っどうなってるんですか…⁉︎ なんでどうして……どうして、認識が元に戻って…!!』

 

 

 

 先生……マッシュ様と、少し前お話をいたしました。家から呼ばれていること、祭りで舞を披露することを……そしたら舞を見せてくれと言われたので、しっかりと彼の方に見せました……すると彼はこんなことを言ってくれました。

 

 

 

『とっても綺麗な舞だった。本番はもっと綺麗な格好で舞うんでしょ?…楽しみだな』

 

 

『ですから…それで所詮はお世辞!!』

 

 

 いいえ…あれは本音でした、そして次に彼の方はこうもおっしゃいました。

 

 

 

『お家のために動きたくないんだったら、別の何かのために動くって言うのはどうかな。少しだけ気持ち悪いかもだけど、僕みたいにユカリちゃんの舞がみたいって言う人のために舞ってみるとか』

 

 

 

 修行部の皆さんや、お祭り委員会の皆様は……私のこの舞を楽しみにしてくれていました。百鬼夜行に住むか方々も同様に……身共は誰にも必要とされていないとだと思っていました。

 

 でも…身近にいたのです、必要とされてくれるお人たちが。

 

 

 

『――あの人は知っているんでしょうかねぇ!?貴女が本当などんな生徒なのかを!!優しくて天真爛漫な笑顔をいつも持つ生徒……それを――演じている貴女を!!』

 

 

 

―――すでに、見破られていました。

 

 

 

『――はぁ!?』

 

 

 マッシュ様は戦闘のプロフェッショナル、故に観察眼が非常に優れているのです……故に身共の事も、すぐに見抜かれていたのです。

 

 

 ―最初から全て……わかっていらしたのです。

 

 

 

 


 

 

 

 

 誰かの役に立つのは当たり前、何事にも満点を取るのは当然のことで、期待通りに有るのは義務だった。

 

 勘解由小路家の令嬢として、それら全てが身共の使命……でも、それは『やるべき』事であって『やりたい』事では無かった。

 

 生まれてこの方、やりたいことなんて見つからず……見つけようとする事自体が悪い事だとも考えていました。

 

 

 

「――でもナグサ先輩に出会って……初めて、やりたいことを見つけたのです――百花繚乱と言うやりたいことを」

 

 

 

 だから、百花繚乱所属の生徒として……ナグサ先輩のよつな、優しくて正義感の溢れる人になろうと…演じていた。

 

 

 

「身共はずっと、マッシュ様を騙していたのです……ごめんなさい」

 

「とっても言いにくいんだけど、最初からわかってたよ」

 

「―――えっ?」

 

「元気で明るい素敵な人、でも何かを隠している人……本当の自分を隠している、そんな感じは出会った時からしてたんだ。過去にも何人かそんな人はいたからね」

 

「…で、では……どうして…」

 

「隠し事っていうのは悪い事じゃないし、自分を変えようとする事も悪い事じゃないんだよ。……僕バカだからあんまりいいことは言えないんだけど」

 

 

 

 天真爛漫で笑顔を絶やさない明るい身共、その仮面をつけ続けている身共に対して……マッシュ様はこう言ってくれました。

 

 

 

「ユカリちゃんがどんな風に接して来ても、僕はユカリちゃんをユカリちゃんとして接し続けるから安心してね。」

 

「……………!!」

 

「あっ、あといい人を演じてたって言ってたけど……そこは間違いだよね? だってユカリちゃんはいい子だもん――正真正銘の。…フフンッ、僕こう見えても人を見る目はいいんだよね」

 

 

 

 どんな身共でも関係なく接せると…あの方は言ってくれた。

 

 

 

「自分のなりたいように、やりたいようにやることって別に悪いことじゃないよ。道を踏み外さなければ全然いいと思う、それでもし喧嘩になっちゃったりしたら、仲直りをすればいい」

 

「……できるのでしょうか」

 

「できるよ――絶対にできる」

 

 

 

 

 

 好きな自分でいればいいと言ってくれた、なりたい自分になろうと、自分を偽ることは誰にだってあると言ってくれた。

 

 

 ―――だから身共は……お家に話をつけにきたのです。お家の立場ややるべきことは理解しますし、どうしてもしなければならないというのであればそれは全う致します。

 

 

 ――しかし身共は、百花繚乱の一員、勘解由小路ユカリであることも忘れないで欲しいと。祭りの舞も、家のためではなく……楽しみにしてくれている誰かのために舞うのだと、いうためにやってきたのです…!!

 

 

 

 

 

「――踏ん切りはついた?」

 

「ええ……はい!とっても!」

 

「なら良かった――じゃあ、早く戻らないとね。このままじゃ君が危ないし……僕もそろそろ消える」

 

「…ほんの少しの間でしたが――ありがとうございました!!」

 

「――がんばれユカリちゃん、みんなが待ってるよ」

 

 

 

 

『待ってなんていませんよ!!』

 

 

 

 

「自分のやりたいこと、自分自身を胸張って―前に進むんだ」

 

 

 

 

『心の中の偽物が!思い出の中の俗物がぁ!黙りやがれですぅ!!こ、こんなはずじゃ……知りませんよこんなの…!!手前が…こんなにも、こんなにも心が強く成り上がってるなんて…!!報告と全く違います…!!』

 

 

 

 

 ―――思い出しました……全てを。

 

 

 先ほどの話をした瞬間に…視界が暗転し、いつの間にかこのような空間が広がっていたのでしたね……身共を利用し更なる災厄を呼ぼうとしている…!!それはもうお見通しです!!

 

 

 

 

『――元に戻ったとしても!貴女は…どうせまた、苦しむだけなんですよぉ!?本当の貴女をしれば、みんな……みんなきっと傷つくでしょうねぇ!!』

 

 

 

 その時はしっかりと謝罪し、仲直りをして見せます!できると……絶対にできると、彼の方に背中を押してもらえたのですから!!

 

 

 

『ナグサちゃんが……もっと苦しみますよ!!?』

 

 

 

 あの方が抱えている物も、全て――全て解決して見せます!!

 

 

 

 

 

 

 

 

『――ユカリ!起きてくれ!!』

 

 

 

『ユカリ…起きて…お願い!!』

 

 

 

『ユカリ……―ユカリ!!』

 

 

 

 

 

―――みなさま……今――今!!

 

 

 

 

 

 

『っっっぁぁぁぁぁっっ!!こんな……こんな、薄っぺらい…台本なんかにぃぃぃ!!!』

 

 

 

 

勘解由小路ユカリ、帰還いたします!!

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

『ど、どうするんだよキキョウ!こういう時ってどうすればいいんだ!?あれか!?人工呼吸か!?』

 

『違うでしょどう考えても!!』

 

『さ、先に脈を測って……心臓マッサージね……柔らかい』

 

『ナグサ先輩もどこ触ってるの!?』

 

『な、なんでもいいけどとりあえず運ばない!!?』

 

『火と妖怪達が迫って来ましたぁ!?』

 

 

 

 

―――本当に帰ってもよろしいのですよね?

 

 

 

 

『いいから早く!!……今喋ったよね!?』 

 

『とりあえず目が醒ませられるのなら覚めて!お願い!』

 

 

 

 

―はっ、はい!!





マジでデカグラマトンの預言者達が合体するだなんて思わないじゃないですか((

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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