透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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リアルガチでやっと投稿できます……みなさま、温かいコメントをありがとうございます。モチベと元気に繋がっております。

関係ないんですけど五月病ってしんどくないですか?

それでは本編へ……どうぞ!


マッシュ・バーンデッドと敵の目的

 

 

 

 

「――ぅ………アレ…ここは…?」

 

「ユカリ‼︎―良かった……本当に良かった…!」

 

「レンゲ先輩に……キキョウ先輩…それに、ナグサ先輩まで―――はっ…‼︎思い出しましたわ‼︎ 私は何者かに襲撃されて……アイッッ…」

 

「火の中で意識を失っていたのだから、無理しちゃダメ。煙もたくさん吸ってたし……足に火傷も負っちゃってるから」

 

「そ、そういえばお召し物が脱がされていて………まぁ!?身共スッポンポンですわ!?」

 

「そういうこと言わないの! とりあえず…早くこっちに着替えて!」

 

「は、はいですわ!」

 

 

 星空と月の光だけが、その場を照らしている。辺りにあったであろう木々は燃え尽き、地面には無数に灰が散らばっている。

 

 ユカリがいた勘解由小路家の屋敷は完全に燃え尽き、あとは残っていなかった。使用人達や関係者らは忍者研究部が救ったが……ユカリが帰る場所、そこが見る影も無くなっていた。忍者研究部達は要救助者達を別の場所へと避難させているためここにはいない。

 

 

 

「皆様はどうしてここに?」

 

「……シュロって生徒の目的がアンタだったの。色々と溜め込んで、追い詰められているアンタを狙ってここを襲撃、何らかの催眠にかけてアンタを眠らせて、そのままあの妖怪達が放火を開始…って感じ」

 

「街の方はもう先生が鎮火してくれた見たいだったぜ………なんか、増えてたけどな」

 

「それは良かったです!……ああ、それと、助けに来てくれて感謝いたします! やはり皆様は身共の―」

 

「ごめんね……みんな」

 

 

 ユカリが元々きていた服に着替えお礼を言おうとした瞬間、ナグサが口を開き謝罪した。突然の謝罪にユカリ達は驚き、ナグサの方を向く。

 

 

「私は……アヤメのようになれない、なれるはずがないの……アヤメのように…立派でもない」

 

「き、急にどうしたんだ…?」

 

「ずっと…ずっとみんなを騙してた。百花繚乱を解散させようって思ったのは……先生がすごいからとか、みんなのやる気がないからとかそんなのじゃないの…それは建前で…私は―――本当は逃げたかっただけなの」 

 

 

 ゆっくりと、いつも隠している腕の方を彼女らに見せる。そこにあったのは包帯でぐるぐる巻きになっており、さらに黒く染まっていたナグサの腕だった。

 

 

「ナグサ先輩……そ、その腕は…⁉︎」

 

「怪我してて見せられないって聞いてだけど……ただの怪我じゃないでしょ…それ!」

 

「……そう言えば、先生がキヴォトスに来る少し前に二人は遠征してたよな…? その時に…何かが…?」

 

「…怪しい人物の目撃情報が多発していた場所、そこへ私とアヤメは向かっていた――そしていたの……花鳥風月部の…コクリコが」

 

「コクリコ…?」

 

 

 

 

 

『名前覚えてくれてたんやね〜…嬉しいわ〜。御稜ナグサ』

 

 

 

 

 聞き覚えのない声を聞き、ユカリ達は戦闘態勢に入りその方を向く。しかしナグサだけは顔を青くし、冷や汗をかき始めていた……なぜならばその相手を知っているからだ。

 

 

「誰だ!」

 

「お初にお目にかかります。ウチの名はコクリコ…花鳥風月部の部長にして――まあ、今回のお話の黒幕やね」

 

「っお前が…街を、祭りをあんなふうにした元凶か‼︎」

 

「待ってレンゲ! ダメ!」

 

 

 レンゲは自前の愛用武器を持ちながら走り、コクリコへ向けて至近距離で発砲する――しかし弾丸は彼女の体をすり抜け、コクリコの体は霧のようになっていた。

 

 

「嫌やわぁ、野蛮な子は…本当に嫌やわ…」

 

「体が霧に…⁉︎ 何がどうなってんだ…⁉︎」

 

「足元…きいつけや?」

 

「―――っやべ!」

 

 

 レンゲの足元にはいつのまにか地雷が貼られており、レンゲはすぐにそこから離脱しユカリ達の元へと戻る。異質……ただそれしか言えなかった。

 

 

「せっかくのお話が……物の見事に台無しや。シュロも頑張っとたんやけどねぇ……あの童が想定外すぎんのがあかんね。デリザスタにも謝らんといかんなぁ」

 

「デリザスタ…⁉︎ アンタもやっぱり…アイツらと同じ仲間なの!」

 

「正確には協力者、ウチらがやろうとしていることに協力したいって言ってくれれてな。それで色々と活動しとったんよ――全部…無駄になってしまいそうやけどな」

 

「アヤメ先輩やナグサ先輩に何をしたのですか‼︎」

 

「――黄昏……今、アヤメはそこにおる。こことは違った別のどこか……そこはウチはアヤメを引き摺り込んだ。その子はアヤメを助けようてしてそうなっただけ」

 

 

 言い方を変えれば『アヤメを別の居場所へと追いやり、ナグサの腕を間接的ではないとは言え黒く染め上げた』と言っているようなもの。怒りの表情を見せながらも、冷静に、その場で待機する百花繚乱。

 

 

「そう……助けられなかった……何もできなかった……‼︎」

 

「それに責任を感じて、必死になってアヤメの代わりになろうとした………哀れやねえ。みんながついていく、ついていって安心できるモンになろうとしたって…どうせ何にもならん言うのに」

 

「――ッ」

 

 

 コクリコのその言葉は全てが本当のことに聞こえ、ナグサは抑えていた何かが溢れ出しそうな感覚に襲われ、震えていた。

 

 

「初めはな、ユカリ…アンタを利用して、何もかもを黒く染め上げようとしてたんや」

 

「身共…?」

 

「祭りを燃やし、破壊し、そのあとあんたの闇を解放してやろうと思ってたのに……あのキノコ頭の童がそれを打ち越しよった」

 

「先生か…!」

 

 

 街の火を消し、妖怪達を後も簡単に破壊したマッシュは、コクリコにとってイレギュラーでありトリックスターでもあったのだ。

 

 

「キノコ頭の存在はウチにとっても邪魔でしかなかった。だから早急に絶えさせなあかんって思っとったところに、あのデリザスタと影がやってきたんや」

 

「――待って…影はそっちの部員じゃないの?」

 

他人も他人、赤の他人や。存在をバラしてくれたのは良い誤算やったぜ? 市民や生徒らの不安や暗い気持ちは大好物やからね……妖怪達は」

 

 

 コクリコは手元に一冊の本を呼び出し、足元にモヤを出す。そこに現れたのは泣きべそを掻いているシュロだった、シュロはコクリコを見るなりコクリコに抱きつき泣きまくる。

 

 

「びぇぇぇぇぇコクリコ様ァァァっっ!!」

 

「おーよしよし、どないしたのシュロ。あの童と戦ってたんやないの?」

 

「アイツおかしいんですぅぅ!!心に入って動揺させたり絶望させたりしようとしても!!脳内シュークリームまみれでぇ!」

 

「……成程ねぇ、善性の塊にしておバカなあの童に精神攻撃は無意味……ようやったねシュロ、立派や立派」

 

「ごめんなさぃコクリコざまぁ!妖怪達がみんなみんなやられちゃってぇー!」

 

「先生……ははっ、やっぱすげぇなあの先生は!」

 

 

 シュロをまるで幼子のようにしてあやしながら抱き上げ、頭をよしよしとしながら百花繚乱を少し見たあと、空を見る。

 

 

「―何か降ってくる……―退避‼︎」

 

「あらあらあら……随分と苦戦してたみたいやねぇ」

 

 

 空から降ってきた物は砂煙を開け、地面にヒビを破りながらも着地。煙が晴れ現れたのは服のところどころが破け仮面が割れているワカモと、同じく服が破れつつあるデリザスタだった。

 

 

「デリザスタ……随分と追い込まれてるみたいやねぇ」

 

「はっ、まだまだ余裕だわ……このイカレ女、良い加減倒れろよ」

 

「戯言を。そちらがさっさと倒れてくれれば終わる話でしょう―――おや?…これは、皆様お揃いで」

 

「狐坂ワカモ、そいつ!」

 

「あなた様のお兄様を名乗る不届きものです、先ほどからずっと戦闘を繰り広げているのですが……何とも手強い相手で――はっきり言って苦戦を強いられております」

 

「生きてるだけで十分だろ……報告にあった、先生をやろうとしてる奴か…‼︎」

 

 

 デリザスタの力は本当の、耐久性はなくとも無限と言っても良いほどの回復能力に音速を超える剣の投擲、流石のワカモといえど苦戦はかなりしてしまっていた。

 

 

「貴女達の目的は……一体、なんなのですか。どうしてこんなことを…!」

 

「――楽しい楽しいお話を作るため。それだけや」

 

「楽しい…?コレのどこが楽しいっていうの」

 

「ある一人の女子が闇に堕ち、全てを投げ出し全てを混沌に陥れ壊す……こんな話、読んでて楽しくならへん?――ウチはそないな感じのお話を作りたいんや」

 

 

 人が絶望し全てを壊す、誰かを助けられず壊れていく者、守るものを守れずただひたすらに終わっていく……そんな話を作り上げ、それを読みたいと、コクリコは言っていた。

 

 

「序章は完璧やった。邪魔になるであろう光を黄昏に送り、その近場にいる者を追い込む……さらにそこから、その者の周りにいる者達の暗い感情で覆わせ、関係性を破局させる。そして物語の鍵となる巫女を闇に落とし、災厄を出現させ全部を壊す……そんなお話やったのに――あの邪魔者がその物語を…薄っぺらくした」

 

「先生という、描いた物語にいない余所者がいたせいで……計画の全部が狂った」

 

 

 鬱陶しそうに、忌々しそうな態度をとりながら淡々と説明していくコクリコ――ここまで話すのは、勝負をつけるつもり満々ということだ。

 

 

「影の奴が百鬼夜行で暴れて、そこに住む奴らの不安を煽り、お前ら百花繚乱の評判を落とす。その前に起きた、例の筋肉女の騒ぎは予定外だったが…良い誤算だったぜ? そのおかげでお前らは俺たちが何かをするまでもなく仲間割れをして、破局にまでなりかけていた……あとは仲間の一人が消えれば万々歳! だったんだけどなぁ」

 

「そ、それはそっちもミスでしょうが!」

 

「あ?」

 

「ミイッ!」

 

「こらこらデリザスタ、あんまりシュロをいじめんといたって?……それに失敗したんは事実やろうに」

 

「ああ……だから、今ここで妥協すんだよ。アイツの大事なもん全部消してな」

 

 

 ことの経緯と真実を告げられ、怒りに怒る百花繚乱。ただ一人の自己満足なための物語のために多くの者の気持ちを踏み躙り、困らせ、大切な存在までも奪った……コクリコと、その協力者であるデリザスタに対して。

 

 

「まあ……ここで、百花繚乱の誰かさえ落とせれば……あとは簡単にことは進むやろうし―シュロ、もうちょっとがんばろか」

 

「はい…‼︎ ギャフンと言わせて見せますよ」

 

「ええ心意気………――始めよか」

 

 

 コクリコの周りには大量に妖怪達が現れた、しかも色がより濃くなっており、殺意や敵意が凄まじいものになっている。ユカリ達は武器を構え、迎撃体制を取る。

 

 

「皆様、色々とお話をしたいことはたくさんあります……しかし今は―今だけは、ここを切り抜けることだけを考えましょう!!」

 

「賛成だ。ナグサ先輩……アヤメ先輩のことに関しては、残念だって思う――けど私たちがついて来たのは、アヤメ先輩の代わりだからじゃない…ナグサ先輩だからついていったんだ」

 

「作戦は会話の中で作り上げておいた。いつも通りに動いてくれれば良い……フォローはしっかりとする」

 

「みんな…」

 

「嘘だらけのうすぺっらい手前らにはお似合いですねー!――そのまま終わってしまいなさいよぉ!!」

 

「ハッハー!面白くなってきたじゃねえか‼︎」

 

 

 皆が武器を取り、先頭の体制に入る。気持ちの整理は完全にはついていない……だが、生きる残るために――話をするために百花繚乱は立ち上がる。

 

 

 

「――ごめんね…みんな――手を貸して」

 

『御意‼︎』

 

「致し方ありませんね」

 

 

 百花繚乱+ワカモvsデリザスタと花鳥風月部の戦闘が……今,始まろうとしていた。

 

 

 

 

『ちょっとまったぁぁぁぁー!!』

 

『―――ん?』

 

 

 

 しかし、役者はまだ揃ってはいなかった。

 

 

 

 

 

 

「正義のために、悪を打つ! 狐忍!久田イズナ!」

 

「炎が舞い! えっと…あっ、糸が踊る! 狸忍!千鳥ミチル‼︎」

 

「か、影に隠れて、闇を…打つ! 兎忍、大野ツクヨ…!」

 

………あっ僕か。悪・即・打、筋肉忍、マッシュ・バーンデッド」

 

 

 

 

 

 

「人も知らず、世も知らず、影となりて悪を討つ…我ら‼︎」

 

 

 

 

『忍者研究部!+シャーレの先生! あ、参~上~!』

 

 

 

 

 謎の傘と謎の爆発と謎のポーズと共に現れた忍者研究部+マッシュ、それらを見たコクリコは一言。

 

 

 

「――いややねぇ……無駄にキラキラとしてんのが」

 

「来たなぁ…マッシュ・バーンデッド!」

 

「決着をつけよう、今ここで」

 

 

 

 

 そして改めて戦闘は始まるのであった。





コクリコ様の目的はもう完全なる主観というか妄想です。そんな気がして仕方なくて……。


ラストの名乗りはわかる人には分かるネタなのですが……うん、結構マイナーというかニッチなので答えを言いますと。

ハリケンジャー・名乗りで調べてみてください。ガッツリわかります

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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