透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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別作品にマッシュルのキャラをクロスさせようかなと思っていてもなかなかうまくいかずやめておいた作者です。

クロス作品自体めちゃくちゃ思い浮かんでいるのですがまぁこの作品のようにうまくいかないんですよね………あっこんな話は置いておいて。


妹先生の彼氏さんの推しは『柴店長と雀女将』だそうです。




マッシュ・バーンデッドと落とし穴

 

 

 

 

「――成程……イズナが苦戦する理由がよくわかりました。こちらの動きを記憶しているかのような動き、そして攻撃の一つ一つに容赦や油断がない――貴女、今まで何人、その手にかけたのでしょうか」

 

「気にする必要は無いでしょう」

 

 

 

 一方その頃、影とのワカモ&イズナの戦い。ワカモは自身の愛用武器の先についてある刀を巧みに使い、影の刃と交わっていた。黒い狐は未だ動かない。

 

 

「それも……そうですね――そうそう、足元にご注意を」

 

 

 影の足元にいつの間にか敷かれていた罠が発動、そのままワイヤーが影を捕まえる――ことはなく。影はワカモの方を見たまま刀を振るいワイヤーを焼き切る。

 

 

「イ、イズナの忍法が見切られていました…!」

 

(……なんでしょうか、この違和感は。あの技は初見であるはず、なのに…くるのがわかっていたかのような動きをしていた――それに…先ほどから私の攻撃の次の動きを予測し、先に刃を繰り出している)

 

「――燃える…愛」

 

「イズナ、構えていなさい」

 

 

 影は刀を下に下げ、その刀身に赤黒い炎を纏わせる。その炎からは肌で感じる熱さではなく、胸の奥から、内側から感じる熱さだった。

 

 

「イザナミ・バーニングラブ(燃える愛)

 

「燃える愛とは……随分と、おしゃれですね!」

 

 

 影に向かって発砲しながら手榴弾を投げつけ、牽制。手榴弾は影に近づく前に爆発、ワカモはそこをつき影に肩に向かって銃剣の刃先を突きつける。

 

 

「―流石は、狐坂ワカモ」

 

(っっ…!刃同士がぶつかっているだけだというのに、この熱…!両手に火傷ができしまいましたが、握る力は………―――火傷…?)

 

「巨大手裏剣の術‼︎」

 

「…!」

 

 

 影に向かってはなった巨大手裏剣を飛んでいった先でキャッチし、そのまま影に向かってタックルを繰り出すイズナ。ダメージは低けれど彼女とワカモを離すことには成功。

 

 

「姉様、お手が…!」

 

「………火傷、ですか。久しく味わっていませんでしたが――まさかこのワカモが火傷を負うとは」

 

「…我が術の炎は、焼きこがれる恋と同様の熱さ。貴女が抱いている先生への恋心を利用させていただきました」

 

「……ほう、それは―――ふざけたことを」

 

 

 彼女の魔法は『ラブ&カースズ』、名の通り恋と呪いの魔法だとワカモは考察、バーニングラブ―燃えるような恋、おそらくは対象の恋心によって温度がわかる奇怪な炎だと結論づけるが――そんなことは今はどうでも良い。

 

 

「あの方への私の愛は、私だけものです。それを利用する……そのような蛮行は到底許せませんよ」

 

「その恋が身を滅ぼしても、ですか」

 

「本望ですよ。好みが滅ぼうとも、彼の方……マッシュ様の心にはこのワカモがいつでもおりますので」

 

(姉様…相変わらず重いです…)

 

「…………イザナミ・ヘビーラブ(重い愛)

 

 

 

 そう呟くと、今度は二人の体に対してとてつもない重力の力が降りかかる。全身に鎧でも身に纏っているのかという程の重さ、されど二人は立ち上がる。

 

 

「こんなもの…先生が普段に身につけておられるあの腕輪に比べれば、容易いものです……前に一度だけ付けさせていただきましたが――あの時よりも随分と楽ですね」

 

「主殿が、言っていました……筋肉が一番喜ぶことは、負荷と休息…だって!」

 

「我々は彼の方の生徒で、私は妻、そしてイズナは妹でもあるのです。そんな我々がこの程度の負荷に負けるわけがありません……イズナ、あの者を倒した後、貴女はすぐにあなた様のフォローに戻りなさい。コクリコは忍者研究部と共になんとかします」

 

「はい!」

 

「……………信頼、家族……愛……―――あぁ……あぁぁぁぁっ…!!」

 

 

 

 影は頭を抱えながら苦しみ始める、二人はそんな影に対して驚愕する。影は唸りながら地面に刀を突き刺し、呟く。

 

 

 

「ラブ&カースズ…」

 

「――ケホッケホッ…!…… っ喉が急に……まさか…!」

 

「姉様!」

 

「ラブ&カースズ・セコンズ、モービットラブエリア(病的な愛の空間)…!!」 

 

 

 

 禍々しい、様々な負の文字がそこらじゅうに広がって飛んでいるそんな奇妙な結界の中に二人は閉じ込められた。そしてその中で、ワカモは突然の病に襲われる。

 

 

 

(吐き気と眩暈……っ、熱っぽさも…‼︎…イズナと私で症状の違いが……私の方が…重症…ですか…!)

 

「イザナミの力は、相手の恋という感情を利用し呪いの力を強化しそれを相手に降り注がせることができる……逆に言えば使用者の愛がそのまま反映されることもあるのです――だから……久田イズナ…!!」

 

 

 

 

 影は呪いごとのような声と速度で、つげる。

 

 

 

「死になさい――死んでしまいなさい!!!!」

 

「絶対に、いやです!!!!」

 

(―――術者の…恋が…反映?)

 

 

 


 

 

 

 

 

「―!……なんだ…今の嫌な気配」

 

「よそ見してる場合ですかぁ!?」

 

「ワカモちゃん達の方……心配だ、さっきから連絡も付かないし」

 

「片手間で処理してるんじゃねぇですよぉぉぉ!!!」

 

 

 場面は変わりマッシュ達のいる戦場、マッシュはよそを見ながら右手だけでクロカゲの攻撃を止めていた。クロカゲは神秘の力を半減させる力を持っているが、それが効かない彼にとっては『ただのデカい猫』である。

 

 

(クロカゲの体は厄そのもの…‼︎ なのになんで触れてて平気なんですか⁉︎ クロカゲの厄は神秘や魔術を蝕んで―――ああそうでしたこいつの体にはそれが無いんでしたね!!)

 

「あいつに街が滅ぼされた理由は……その体質。神秘っていうのに作用して対象者に様々な厄、つまりは病気を降り注がせる力……でも先生にはそれが無いからなんの意味もない。フィジカルだって負けてないどころか勝っている………あの猫が可哀想に見えてきた」

 

「意気揚々ときておいてそれかぁ!?ちゃんとやれ!!」

 

「やってんですよばーか!!先生にボコボコにされたやつがイキがんないでもらえますか!?」

 

「あ"ぁ!? そもそもテメェが巫女を落としてりゃこうはならなかったんだろうが!!殺すぞてめえ!!」

 

「じゃんねんでしたー!物理攻撃効きませーん!!」

 

「そのせいか相手の仲悪くなってるし……」

 

 

 とはいえ相手は怪異、ダメージは入っているが倒れる気配はない。おそらくはシュロが本によって呼び出した怪物なので、シュロをなんとかしないと始まらない。

 

 

「シュロ自体物理攻撃が効かないのも厄介だぞ…!どうするんだよこれ!」

 

「……キキョウちゃんヘルプ」

 

「今考えてる――って言いたいところだけど、もう対処方法は考えた」

 

「早い!流石はキキョウ!」

 

「それでその案とは!?」

 

「……いい?一度しか言わないからしっかりと聞いていてね」

 

 

 アスカロンと妖怪の攻撃を避けながら、キキョウの指示を聞いた一同。それで本当にどうにかなるのかと一度は不安に思ったが――その瞬間だけだ、キキョウの作戦を信じ、彼らは行動をとった。

 

 

「ちょこまかと…!(くそっ!…まだ視界が完全に戻ってねぇ!脳みその方にダメージがいってやがる!…心臓も…うまいこと動いてねぇ! まともに…やり合えねえ!)」

 

「ああもう…! クロカゲ!そのままあいつらに向かって光線を『シュロ様ー!!』…うるさいですねお巫女様!叫ばなくても聞こえて」

 

 

 

 

 

 

「その腕の包帯〜!なぜ付けていらしているのですかー? もしかして怪我をなさっているのですかー!?――それともおしゃれなのですかー!!?」

 

 

 

 

 

 

 止まる時間、シュロはそれを聞き少しの間思考回路が止まり……動き出すと,震えながら声を上げる。

 

 

 

 

「………べ、別に……そんなんじゃないですし。ただ付けてるだけですし……」

 

「あっ、もしや――そういうお年頃なのですね!?身共もありましたから、大丈夫ですよー!(悪気&悪意なし)」

 

「―――――別にかっこいいとか思ってませんよバーーーーーーカ!!!!」

 

「あ、あら?注意を引くつもりが怒らせてしまいました…!」

 

「泣きそうになってる…」

 

 

 

 

 クロカゲに乗りながらユカリへと襲いかかるシュロ、そこが作戦の第一段階。マッシュがすぐさまそこへと入り、クロカゲの腹に一発叩き込み吹き飛ばす。

 

 

「花火って綺麗だよなぁ‼︎」

 

「あ"――づづづぁぁっ!!?クソ…!眩し……くそ―――オゴァ!?」

 

「いよっし!」

 

 

 そしてレンゲが目眩し言わんばかりに大量の火薬を使いデリザスタの視界を遮り、ふらふらとしたところでクロカゲにぶつけさせる。そのまま二人と一匹は地面へと落ちる―――そこで第二段階。

 

 

 

「ぎゃぁぁっっ!!?」

 

(落とし穴…だぁ!?いつも間に――――あの野郎かぁぁぁっ!!)

 

「超早く作りました」

 

 

 地面についた瞬間に穴が開き、そのまま落下。20メートルはあるであろう穴に落ちたデリザスタとシュロはクロカゲが上に乗ったまま身動きが取れない。しかも触れているので弱体化もされている。クロカゲの体なので、シュロは思いっきり潰される。

 

 

「クロカゲに乗ったり地面の上に乗ったりしている時点で実態はある、ただただ普通の攻撃が効かないだけ。ならやりようはある……例えば、こんなふうに落とすとか」

 

「クロカゲのせいで魔力も半減されて!しかも病気もかかりまくってる……ろくに動けねえはずだ」

 

「這いあがろうとして来ても無駄……また落とす。そもそも…上がって来させない」

 

「シュロちゃん、デリザスタ、どっちか選ばない?」

 

 

 

 マッシュは穴の上から両手にスコップを持ち、そのまま声色を引くして告げる。

 

 

「このままその穴で暮らすか、それとも上がって来てゲンコツ500とお尻ぺんぺん1000か」

 

「舐めんじゃねえぞテメェ…!!この最強の矛を持つ俺が…魔力のねえゴミであるテメェに負けるわけねぇだろうが!!」

 

「 そっちの最強の武器はその杖と剣だけ――─でも僕は、全身の筋肉が最強の防具になるし武器にもなる……強いのは、どっちかな」

 

 

 

 デリザスタはほとんど不死身、であれば地下に落とし身動きができないようにすればいい。這い上がってこよう物なら落とすし、たとえ上がって来てもゲンコツとお尻ぺんぺんをするし、なんならマッシュは反省しないのならひとまずシュロは別の穴に入れてデリザスタは埋める気満々だった。

 

 ちなみに、別の穴と言うのはマッシュも入るスペースもあり――一言で言えばマッシュと一緒に閉じ込められる。つまりは一体一、何かをしてもすぐに何かと変なやり返しをされるひどい空間。

 

 

 

「これで二人はしばらく動けない、今のうちにコクリコ達の元へ行くよ」

 

「本はどうする?」

 

「最悪燃やすだけ、でも今は――」

 

 

 

 

 その次の瞬間、穴の近くに複数の影が降って来た。その影の正体は……影&コクリコ――そして

 

 

「…ぃっっ……っ……‼︎」

 

「イズ…ゴホッ…!ケホッ!!ゴボッ!」

 

「ツクヨ……しっ、かり!」

 

「強……すぎる…!!」

 

 

 

 

 ボロボロになっている仲間達の姿だった。

 

 

 

「さっきぶりやねぇマッシュ・バーンデッド……さっ、やろか。これからが――ほんまもんの最終決戦や」

 

「………許さぬ」






次回の投稿は月曜日……と見せかけて明日です。お楽しみに

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