透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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お久しぶりです。

そしてマジでこんなに早く百花繚乱の二章がでるだなーんて…………予測できないってぇ………。 

まあでもここまで来たらいきなりは変えれないので、このまま行ってしまいます。それでは本編へどうぞ、ラストだけでもみーてください!!


それからナグサ先輩とニヤさん実装おめでとうございます!!


マッシュ・バーンデッドと光の巫女と、真実の姿

 

 

 

 

「―――んっ!!?なんですかこの鏡は……アレ、アレ!?身共の銃は…もしや、この鏡が…?それに、何故夜が明けているのですか!?まだ夜明けまで時間があるはずで───」

 

「自分でやったことなのに何も分かってないの!?」

 

「な、成り行きと申しますか……こう、何処からか力が引き出された、と言いますか…と、とにかく…なんなのですかコレ!?」

 

「ユカリちゃん、それは魔法界に伝わる伝説の必殺技。数限られた魔法使いが使える特権みたいなもの………説明は難しいから、とりあえず超強い技と思ってくれればいいよ」

 

「な、成程……腑に落ちないことばかりですが、今はとにかくマッシュ様のお言葉を信じます!!!」

 

 

 ユカリを守るように傍らを浮いているのは、神器のような輝きを放つ魔鏡を先端に備えた、神々しいサモンズの杖。周囲は真夜中でありながら、ユカリが背にした地平線にはあるはずのない太陽が現れ、鏡が反射する光によって真昼間のように照らされている。

 異変は唐突に、その日光を浴びた瞬間に起きた。

 

 

 

『―せ、先生!ユカリさんの杖から放たれたエネルギー──いえ、恐らく魔力が、会場全体を包み込むように広がっています!影響下に置かれた妖怪達が次々に発火して、反応も徐々に消失していきます…!!これなら、きっと…!!』

 

「マジか───ナイスだよ、ユカリちゃん」

 

「な、なんだかよくわかりませんが……お役に立てて良かったです!!」

 

「見ろ!クロカゲも、あの黒い狐も苦しみ始めたぞ!」

 

「私達の体も軽くなり、傷が嘘のように消えていきます……――我々の憑き物も、あの者が放った疫病も、さっぱりと落ちた様ですね」

 

「な、なぜだか…すっごくスッキリした気分です!」

 

 

 突如として現れた太陽の光、その光を浴びた妖怪達やクロカゲ、黒い狐達が一斉に苦しみ始め、。そんな様子を見ながら、コクリコは忌々しそうな表情でユカリを睨みつける。

 

 

「――なんでやの……急に、なんでやの…!!その技は、そんな簡単に出していいもんやない!!引き出されたとしても…そんな――――引き出された………まさか…!!」

 

「いや、僕何もしてないけど」

 

「あの――チビ狐か…!!」

 

「(チビ狐………―――もしかして、夢で出会ったあの人──クズノハさんのことかな)」

 

「こっちの準備はまだやって言うのに――ほんまに………とことん厄介やわ……!!」

 

 

 サモンズ、それは魔法を扱える者の中でも限られた者でしか顕現させられない者。しかしユカリはそれを会得し、行使していた……違和感、ユカリは自分自身に対して疑問を抱いていた。

 

 

(アマテラス……聞いたことのない名前のはずなのに、どうして自然と口から…誰かが、身共の中から何かを―――いえ、いまはとりあえず!)

 

「――キヴォトスの神秘………ここまでとはなぁ、エピデム兄様が聞いたら喜びそうなもんだ……だがなぁ、いきなりそんな力が顕現したって、まともに扱えやしねえだろ。強大過ぎる力を持て余して振り回されて、自分ごと燃え尽きんのが関の山だろうが…よォッ!!」

 

 

 デリザスタは杖を振るってアスカロンを放つ。

 マッシュが瞬間的に飛び出して拳を振るうが、その瞬間に起きた出来事に、彼ら彼女らは一様に目を点にした。

 

 

「――─アレ?」

 

「あ…あの剣が…粉砕?」

 

「っ…!?───テメェ…黒猫ッ!またそんな力を隠してやがったのか!」

 

「いや、いつもみたいに撃った…はず、なんだけど……」

 

「――もしかして」

 

 

 キキョウは目にも止まらぬ速さで、銃口をデリザスタの急所へ向けて発砲していた。命中精度と威力が上昇、さらには弾速までもが格段に上がり、放たれた一撃はデリザスタの横腹を半円状に抉っている。

 魔心臓を持たない者が相手なら勝敗を決していたような一撃を、キキョウはこの一瞬で、先程まで手足も出なかった格上の相手に撃ち出していた。

 

 

「そういう事ね――ユカリの…魔法、でいいのかしら。とにかく魔法は、『太陽の光に照らされている味方の強化』ができるみたいね、よく見ると私達やワカモの傷も癒えて来てる」

 

「ホントだ…」

 

「ユカリ、今貴女に何が起きているのかわからないし、自分もわかってないでしょうけど……お願い、今だけはその力を存分に振るって」

 

「振るうと……言われましても」

 

「魔法っていうのはイメージが大事らしいよ、だからユカリちゃん──―最強の自分を想像してみたらいいんじゃないかな」

 

 

 マッシュの助言を聞き、最強の自分、目指している自分を目を瞑りながら思い浮かべる――恐怖も、後悔も、今は全て捨てろ。やるべきことはただ一つ

 

 

「やれるだけ、やってみます…!!なんとなくですが…やれそうな気がします!」

 

「オッケー――ねぇ、お前達」

 

 

 マッシュはコクリコ達へとゆっくりと近づきながら、声を低くし、いま自分が思っている事を素直に話す。

 

 

「僕の友達を、キヴォトスの学園を傷つけたんだ―─―災厄でも怪異でも何でもかかってこい、お前ら全員――地獄行き

 

「地獄だぁ……?いいねぇ、地獄!天国よりかは退屈しなさそうないい場所じゃねえさ…大歓迎だぜ!!」

 

「地獄……じゃあ――アンタも道連れや」

 

「影――始めましょうか」

 

「……ええ、狐坂ワカモ……そして、久田イズナ」

 

 

 それぞれが構えを取り、時を待つ。ほんの、少しの動作……マッシュの指が少しだけ動いた…その瞬間!皆が一斉に前へと進み始める。

 

 

「最終ラウンド――勝つよ」

 

 

 本当の本当にラストの戦いが今宵、始まるのであった。

 

 

 

 


 

 

 

 

 ユカリが両方の腕を前に出し、マッシュ達に自分の力を注ぐ。

 車への給油をイメージしながらも、マッシュ達に送るのは最大限のエールと希望。ユカリの集中が極まるとともに杖が一層強く輝き、ユカリの周りを固めて彼女を守るミチルとツクヨの顔色も、先程の披露とダメージが初めから存在しなかったかのように冴えわたる。
 コクリコとデリザスタの顔が焦りと苛立ちに歪み、マッシュ達の目には決然とした眼光が灯る。

 

 

 

(――アカン…あの太陽のせいで実態が元に戻りつつある!このままやったら、生身の体を晒してまう…!!)

 

(一瞬だけ攻撃に対して揺らいだ――やっぱり、あの太陽の光の影響で、コクリコの体が元に戻りつつある………それなら、先生の攻撃が当たる!!)

 

「…!」

 

「いかせませんよ」

 

 

 

 ユカリの魔法が放つ陽光には、邪気を払い闇を照らす効果が伴う。この効果によって、百物語を用いた術によって物理的接触を無効化していたコクリコは、その実態が元に戻りつつあった……無論、影響下にあるのはシュロも同じ。

 

 そのカバーに入るべく影が動くが、そうはさせまいとワカモが横入りを仕留めて足止めを欠ける。加えてイズナも乱入、銃弾とクナイの雨を浴びせて影を攻撃し、彼女をコクリコから引き剥がすことに成功する。

 

 そしてデリザスタとマッシュの戦いは、疲労と魔力の過剰使用によって鈍化したデリザスタが押される一方だった。マッシュの全力にユカリの魔力を込めた連撃が襲いかかり、デリザスタはもはや限界に近づきつつある。

 

 

(――妖怪の力が……私の呪いと愛の力がうまく行っていない。邪気を晴らす光の巫女……相性は最悪…!!)

 

「なぜでしょうか、いまなら貴女の呪いが……個室の灯のように小さな物に見えますね」

 

「イザナ「忍法・蜘蛛の糸、二重(ふたえ)!!」…!」

 

「失礼…します!!」

 

 

 イズナがワイヤーランチャーを用いて影の右腕を捉え、二重となったワイヤーがその腕を巻き取って動きを拘束。刀を握る右手をワカモの狙撃が撃ち抜き、弾かれた刀がくるくると宙を舞って地面に突き刺さった。

 劣勢を悟った黒狐は、影に駆け寄るとワイヤーを噛みちぎって影の首元を咥え上げ、ワカモとイズナから距離をおいて状況の立て直しを図る。

 

 

(ちくしょう…!戦況が変わりやがった!!―あのガキをやって、さっさと退散しねぇと「お久しぶりのフルマスクルズ魔法」――!?)

 

「ハリケーンラッシュ・アマテラスの加護と共に」

「feat.勘解由小路ユカリ、ですの〜!」

 

(はぁッ!?こいつのいつの間に!?さっきまでコクリコのやつと戦ってたんじゃねぇ――」

 

 

 マッシュ達の猛攻は止まらない、太陽の下にいる彼らはいつも以上のパワーと活力で溢れている為、次から次へと力が湧き上がってくる。

 

 マッシュはデリザスタの懐に入り込み、一瞬の隙をつき彼の腹に向かって拳を叩き込み空中へと飛ばす。長らく登場してこなかったハリケーンラッシュが、ここで再び火を噴いた。

 

 

『グリューツ! ──フォラーム! ──クアドリセップス!』Weak 150000

 

(―――見えねぇ――痛みが、一瞬でやって来やがる…!!)

 

『ペクトアル…!』Weak 300000

 

「――ざんけんなよゴミがぁぁぁ!!」

 

 

 サモンズの矛を振るいながら、アスカロンをマッシュに向かって放つも、マッシュは素手――ではなく頭で破壊し、そのままサモンズの矛も拳で破壊する。

 

 

「――そう言えば、さっき『必死になってバカみてえ』って言ってたけど。今まさしく逆の立場だね」

 

「!!!!」

 

『イリオソアス…!!!』Weak 999999

 

 

 骨を確実に砕き、デリザスタの体を完全破壊する勢いでそのまま地面へと彼を頭から落とす……しかしその技はヘル・フォールのようなドロップではなく、両手で相手の両腿をつかみ、相手の頭を自分の肩口に乗せて固定してそのまま地面へと落下!

 

 

『エリクトリアスパイン───マッスルバスター!!』Weak 1000000

 

「くそっっっがぁぁぁぁぁっっ!!!!!」

 

 

 地面が揺れ割れるほどの勢いで、『◯肉バスター』ならぬマッスルバスターを喰らわせ、デリザスタを完全に沈黙させた。

 

 影は刀が拾えず劣勢、デリザスタは動けない、そんな状況になってしまった為シュロは焦りに焦りコクリコに泣きつく。

 

 

「こ、コクリコさまぁ!」

 

「お黙り!!……百物語が…ここまで、寒くなるとはねぇ…!!」

 

「この世界は、貴女だけの世界だけではありません……我々が住むこの世界の物語は、誰にも操られず、時の流れに沿って成り立つ物!!自分勝手に変えていい物では無いはずです!!それも、誰もが不幸となるようになんて!」

 

「青臭いガキが生意気言いよって…強いもんが物語(世界)を作るんや、その資格がウチらにはある!!それだけや!!」

 

「なればこそ―なればこそ!なおさらみんなで作っていかなければなら無いのです!」

 

 

 そうしてユカリが鏡をなんとか動かし、それらに力を貯める。コクリコは妖怪達を前に出し盾にするが意味はなし、銃に弾丸を嵌め込むように、コップに水を注ぎ込むように、彼女は力を、太陽のエネルギーを注ぎ込む。

 

 

「この先何が待ち構えてようと、どんな現実がこようとも、身共はそれを受け入れ次へと進みます……エピローグやエンドロールはまだまだ早いのです!!」

 

(――あの狐…!!とことん……とことんにまで…!!)

 

「身共はたくさん嘘をつきました、たくさん人を騙してきました………――なのでコレから、ここからまたやり直すのです!!!それを…みんなは、許してくれたのですから!!」 

 

「明日からどんな顔で……どんな顔で!みんなに会うっていうんですかねぇ!!ユカリちゃん…ナグサちゃん!」

 

 

 ユカリのことを見ていた百花繚乱はその問いかけに対し、ただシンプルに、素直に、元気よく返事をした。全員が満面の笑みを、コクリコとシュロに見せつける。

 

 

『こんな顔!!』

 

「ッッッ…!!」

 

「覚悟しなさい花鳥風月部!みんなを悲しませたその罪、しっかりと反省してもらいます!―即興必殺!!」

 

 

 鏡に太陽のエネルギーが溜まり、ユカリがそれをコクリコ達に向かって放つ。影は、コクリコ達を守らんと刀を拾い上げると、炎の壁を生成して自らと二人を覆う。

 

 

 

「ヤタノカガミ・ハイパーユカリビィィ────ムっっっ!!!」

 

『技名ダッサぁ!!?』

 

 

 

 ハイパーユカリビームこと、太陽光を収束したレーザーが炎の壁に放たれぶつかってゆく。鏡から出たとは思えない、溢れんばかりの極太ビーム…それは徐々に巨大化していき、炎壁ごと多い隠し――そのまま炎壁ごとごと包み込み爆発した。

 

 

 

「悪…成敗、ですわ!!―――――キュウ…

 

「ユカリ!」

 

「全身の力が抜けてしまいましたわ……指ひとつ動かせません……」

 

「――あっ、夜になっていくね」

 

 

 サモンズが切れたのか、ユカリの鏡は本来の小銃へと戻り、顔のアザが薄れていくとともに幻日のような朝日も消えた。百花繚乱と忍術研究部、そしてマッシュ・ワカモ・イズナがユカリに走り寄り、脱力したユカリを介抱しながらも勝利を噛みしめる。

 誰もがこれで勝利したと、確信していたのだが。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「―――はぁ……はぁ……やはり、一人で…十分でしたね」

 

「…アンタ…」

 

「勘違いしないでください……貴女方を守ったのではありません」

 

「……嘘でしょ」

 

「マジか、普通に立ってる…―――えっ」

 

 

 しかし…影が立っていた、服がボロボロになりながらも、彼女は刀を持ったまま立っていた。完全では無いがビームを防いでいたのだ、気絶しているシュロを大事そうに抱き抱えながら、コクリコも立ち上がる。

 

 

「――アンタ、姿が、さっきの光線で…!」

 

「………もう良いのです――もはや取り繕う意味などありません、真の姿と声を、あの方に、あの者共に……明かす時が来た、それだけです」

 

「――み、みんな!なんか…影の人のモヤモヤが消えていっているよ!?」

 

 

 

 銃を構えながらも、ついにあらわとなった影の姿……軽装な赤と黒の着物に身を包み、狐の面をしている……その姿を。

 

 

 

「――あ、あのお面って…!!」

 

「わ、ワカモ姉様の…!?」

 

「じゃ、じゃああの人は…!!」

 

 

 

 ワカモが愛用してきた面と同形の狐面が、影を覆う靄の中から現れた。加えて、靄の中から明瞭に姿を表したのは、黒い狐耳と小銃……見覚えのない黒い装束に違和感があるとはいえ、その姿は間違いなくワカモそのもの。

 闇の鏡にワカモの姿を映した鏡像のような少女が、靄の中から歩み出たのだった。

 

 

 

 

 

 

「―――違う」

 

 

 

 

 

 

 しかし、それをマッシュは否定した。その言葉に浮かんだ疑問符に百花繚乱と忍術研究部は思考を支配され、目を丸くしてマッシュを見つめる。

 直後、これまでの戦いで擦り切れてひび割れた狐面が、目に見えないほどに細かな亀裂を起点として砕け、影の少女の顔からずり落ちる。

 

 

 

 

「――――――――――――は…?」

 

「…………………嘘……ぇ……どういう…?」

 

「……そう言う……事…?……だから…だから…!!」

 

「…う、嘘だよね?また騙されてるだけだよね…!?そうだよね…!?」

 

 

 

 

 百花繚乱と忍術研究部はその姿に驚愕し、肌が粟立ち、腹の底が冷えるような感覚に陥った。

 そして……イズナとワカモは、何も口に出せないほどに衝撃を受け、凍りつくような感覚を味わった。マッシュはただ一人、影の少女の顔を見据えていた。

 

 

 

「――――――――――――――ぇ…?

 

「…ぇ……ど…どう言う……こと……―…ぇ…?」

 

「……やはり、先生にはわかってしまうのですね。この私の正体が」

 

「モヤモヤが晴れて……やっと…確信したよ」

 

 

 

 

 マッシュには、モヤが晴れた瞬間それが見えていた……この世界の共通の存在であるヘイロー、彼女のトレードマークでもある桜花のヘイロー。

――それは今や、焼け爛れたように赤黒く染まり、ひび割れて歪な形を呈していた。

 

 

 

「―やっぱり凄いですね…先生……いえ」

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「主殿」

 

 

 

 天真爛漫で無邪気な笑顔が消え去り、マッシュの傍らにいる彼女よりも遥かに成長した―――

 
久田イズナが、そこにいた。





私言いましたよね?


地獄が待っていると

百花繚乱後に見たい話

  • まだ交流がない生徒との話
  • アイデェア箱から選んだお話
  • ラビット2章
  • 愛が重い生徒との話
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