イブキちゃんの出番がこれで終わり?のんのん……他にも出す予定だぜ
「とある催しで自分を模した黄金の立像を作ろうとするも爆破され、資金を600万失う――私いぃぃぃぃっっ!!」
「イブキ、あんな三年生になっちゃダメよ。お小遣いはちゃんとしっかりと計画を立てて使ってね」
「イブキはそんなに使ってないよ!将来のために、貯金してるんだー!!」
「マコト………」
「な、なんだその呆れた顔はぁ!!」
地獄の人生ゲームが辿った結果は、非常にシンプルなものだった。
「運動不足のあまり転んだだけで骨折の重傷、ミレニアムの生徒と共にバービージャンプ90回………その結果がこれから」
「リーダーやばい、ミレニアムの会長が後ろに倒れたまま動いてない」
「エンジニア部の部長はもう走馬灯見え始めてます!!」
ものの見事に地獄だ。
残すは、アケミとキサキのみ。
「僕を超える人が現れて、その人と生涯かけて戦う…とか」
「マッシュ様以上の強者……そそられますが、そう簡単に現れるわけがありません。それこそ神レベルの相手を見つけなければなりませんしね」
(言えない、無茶苦茶強い敵と最近出会ったとか言えない)
「……さて、勝負は勝負。勝たせていただきましょう」
「頑張ってね、アケミ先輩!」
「ええ、お任せください」
アケミはダイスをすりつぶさないように気をつけながら持ち、それをゆっくりと(小動物を優しく扱うような力)でふるう。これまでダイスを振ってきた者達は『お前もこっちに来い』と言わんばかりの表情を送るがアケミは無視。
「私の運命はいかに………」
『……ゴクン』
「たまたま通りかかった喫茶店でストロベリーホイップマシュマロフラペチーノを食べる、2000円失う……はぁ、拍子抜けですわ」
「「「「「乙女か!!!!」」」」」
「乙女ですが?」
「おおっとー!!ここでアケミさんはこの人生ゲーム唯一の当たりであるマスを踏んだようです!」
「いや貴様の場合あれだろ、プロテインとかそっちだろ!!なんだその体に似つかわしくない可愛らしいメニューは!?」
「女子高生なのですからそれぐらい食べても文句はないでしょう」
「ジャンクの食べ物ばかり食べているものかと思っていたのじゃが」
「先生と同類かと思ってた」
「フフフッ……マッシュ様―――売られたらケンカは買うものですよね?」
「アケミさん待って、ほんとに待ってその腕でキサキさんとリオさん殴ったら二人ともホントに死んじゃう」
意外なことに、アケミは年頃の女子高校生らしい青春の一コマを切り抜いたような未来を引き当ててしまった。
「イブキも、アケミ先輩見たいに大きくなれるのかなぁ」
「イブキはマコト様のように可憐で凛々しい姿になるんだ!!!!」
「イブキはイブキのままでいいわ、お願いそのままでいて」
「二人は妹分のことになると必死なんだな」
「リーダー本当に鏡見てきて?」
「妹分……大きくなる………――イズナ」
「なんか知らないところでダメージ受けてるし!!」
「ワカモちゃんカモン、特別に大胸筋を貸すよ」
カオスもカオス、本当にイブキがいなければ大変なことになってたのは確実と言っていいくらいのカオス。そんな顔にダイスを振るうのがキサキ。
「……不安になってきたの」
「安心してくださいキサキさん!何かあればすぐに動けるように色々と準備はしてあります!」
「準備万端すぎて怖いわ」
「門主様!!何かあればお任せを!!」
「何故其方は天井におるんじゃミナ!!」
「天井に道ができていました」
「警備体制しっかりせい!!」
「ごめんなさい、それやったの身内なんです」
「………ダイスを振るうぞ」
「あっツッコミ諦めた」
キサキはダイスを持ち、ゆっくりと振るう。頼むからまともなものが来いと願い、とにかく頼むと懇願する――しかし現実は非情。
「―――」
「えーとなになに……おや?キキの姿となって、先生と親子を演じ「わぁぁぁぁぁ!!!!」わぁ!?」
「知らぬ!!妾は何も知らぬ!!!」
「貴女……貴女!!我が良人と親子を演じるなどと……しかも、幼子の真似をして先生を誘惑するだなんて……!!」
「知らぬといったら知らぬ!!」
「キキってなに?」
「しらぬ!!」
「アレ?キサキ先輩は、マコト先輩と同い歳……じゃないの?」
「イブキ、見てはいけないぞ。アレはいわゆる深淵だ」
「兄弟って言われても違和感は無いわね」
「……私も頑張ったらできそうね。ナナとかで」
「空崎ヒナ、絶対にやめておいた方がいいぞ」
幼児の姿をしているキサキと大人の服装らしいマッシュが並んで立っていると言ったコマが出現したが、とりあえずこれで全員は終わった。
しかしまだ2週目が存在している。
「イブキ!いっきまーーす!」
すでに満身創痍だが――イブキのために、一同はまた身を売るのであった。
「あんこ入りシュークリーム美味しいね!」
「そうだね」
「みんなは食べないの? イブキだけじゃ食べきれないから、みんなにも食べてって言ったけど……嫌だったのかな」
「違うよ、みんなは今精神にものすごいダメージを負っているから回復をしている最中なんだ」
「イブキ、お耳とお目々を隠されてたからわからない……」
「うん、見なくてもいいものだから大丈夫だよ」
マコトは1億ほどの負債を背負い込み破滅、アケミは強くなりすぎた上にマッシュがキヴォトス外へ赴任したことで比肩するものが消えた孤独を背負うことになり、キサキはほぼずっとキキの姿を晒され、ミレニアムの二人は筋トレで死にかけ、ヒヨリは
ちなみにマッシュは『裁判で死刑が決定する』『メガネをかけた魔法使いに事故と見せかけて殺されそうになる』『レグロ共々人権を失いかけている』といった結果を引き当て、ワカモがこの世のありとあらゆる罵詈雑言を掛け合わせたような怒号を飛ばすことになってしまった。
「ねえねえ先生……イブキは、マコト先輩みたいになれるのかなぁ」
「イブキちゃんはマコトさんのことが大好きなんだね」
「うん、大好きだよ!いろんなことを教えてくれるし、いっぱい遊んでくれるの!」
「そっかそっか」
「それかとってもかっこよくてね!強くってね!えーと……とにかくすごい先輩なんだー!」
「すごいのは確かだね」
マッシュの両膝の上に座りあんこ入りのシュークリームを食べているイブキは、嬉しそうにマコトについて色々と話してゆく。それほどにマコトは、イブキにとって尊敬に値する人物なのだろう。
「あっでもでも!他の先輩達もすごいんだよ? ヒナ委員長は強くて頼りになるし、今日一緒に遊んでくれた会長さんはとっても頭がいいし、アケミ先輩もお上品で、とっても素敵だったし……とにかくみんなすごかったの!」
「年上の人たちはみーんな、凄いからね。僕も尊敬してるよ」
「先生とすごい人なのに、尊敬しているの?」
「勿論、ここにきてからもう随分と経つけど……いろんな人にであって、いろんな人を尊敬してるよ」
シュークリームを食べながら少し話をしていくマッシュ、難しくなく簡単な説明にはなるが…その想いははっきりとしていた。
「賢い人、強い人、打たれ強い人。大人ということはどういうことなのか見せてくれた人、この世界には尊敬できる人がたくさんいたなぁ」
「なりたいって、思ったの?」
「むかしはね、でも今はいいかなって思ってるんだ」
「どうして?」
「その人のようになる、っていうのは自分を捨てるってことでもあるんだ。それはダメだって僕は思うんだ――その人に、自分なりのやり方で近づいて、自分を持ったまま並ぶ、そんな感じでいいんだって教わったよ」
「………難しい…けど、わかった気がするよ!」
「それはよかった」
イブキはシュークリームを食べ終えた後、口元を拭き、マッシュの胸に向かって飛びつく。マッシュは反射的に勢いを殺しイブキに怪我がないようにした。
「イブキね!マコト先輩から先生のお話をいっぱい聞いて、仲良くなりたいって思ってたの! そしたらとっても凄い人だってことがいっぱい知れてね!よかった!」
「僕まだ何もしてないと思うけど」
「だって、尊敬している人たちは先生のことが大好きなんでしょ? なら、先生がすごくないわけないもん!」
「……こりゃ一本取られた」
「先生も、イブキとお友達になってくれる?」
「全然いいよ、今回はみんなで遊んでたけど……そうだな、次は僕の方から遊びに行くよ」
「ホント!?」
「ホントホント」
「わーい!!」
「あっこらこら、危ないよ」
マッシュの体を掴んだまま回転するイブキ、絵面は仲良く遊ぶ兄妹。イブキにとってマッシュは『凄い人』でもあり『初めてできた兄的存在』。
「――クゥッ…先生以外だったらキレていたが……ぐぅ!!」
「どうします?混ざりますか?」
「……いや、もう少しだけここにいましょ」
「あの中に入る勇気は無い」
「同じく」
そんな様子を、遠目から見ているボロボロのヒナ達であった。
「先生!先生のこと、マッシュお兄ちゃんって呼んでもいい?」
「いいよ」
「わーい!!」
(拝啓じいちゃん……妹がもう一人できました)
「キキキッ……よろしく頼むぞ我が義弟」
「えっなんですか急に怖い」
イブキちゃんのような妹が………もういましたね。(惚気)
次回はまだ関わりがなかった生徒その2でございます、その次は……レグロおじいちゃんのお話で、魔法界でとある人と出会うお話です。
百花繚乱後に見たい話
-
まだ交流がない生徒との話
-
アイデェア箱から選んだお話
-
ラビット2章
-
愛が重い生徒との話