透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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マッシュ君と才羽姉妹が廃墟へ行く前に、ちょっと色々話をする感じです。

前書き短いけど、本編へ、どうぞ!!


マッシュ・バーンデッドと廃部の危機

 

 

廃墟に行こう!となっていたモモイだが、ミドリが結構怒るので改めて色々と説明する。

 

 

 

 

「それでは改めまして…ゲーム開発部へようこそ!私はシナリオライターのモモイ!」

 

「私はミドリ、イラストレーターでゲームのビジュアル全般を担当しています」

 

「あと今はここにいないけど企画回りを担当している部長のユズって子がいるよ!」

 

「そうなんだ、これからよろしくね……あ、これ差し入れのシュークリーム」

 

「わーいシュークリーム!」

 

 

 

 

モモイはシュークリームに飛びつきパクっと食べる、ミドリもそれに釣られ食べようと…するが、一つ気になることが。

 

 

 

 

「……先生、それ今どこから出しました?」

 

から」

 

「懐!?」

 

「ミドリ見てすごいよ!先生のバッグの中にすごい量のシュークリームが!」

 

「お姉ちゃんしっかりして!どう考えてもシュークリームが崩れずにそのまま出てくるなんておかしいから!」

 

「そうかな?」

 

「そうです!」

 

「食べないのー?」モギュモギュ

 

「た――食べる…けど」

 

「何味がいい?あるのはカスタードとイチゴ、抹茶にチョコレートやレモンにブドウにメロンに…」

 

「多くない!?」

 

「それだけの数、本当にどうやって入れてきたんですか…」

 

 

 

 

マッシュがバックからシュークリームを取り出し二人に配る。モモイはイチゴ、ミドリはメロン。二人は仲良く食べながらなぜ廃墟に行こうとしていたのか話す。

 

 

 

 

「私たちゲーム開発部は今までずっと平和に、16ビットのゲームとかを作ってたんだけど……ある日、急に生徒会からの襲撃を受けたの!」

 

「そりゃ物騒だ」

 

「一昨日には生徒会四天王の一人であるユウカから、最後通牒を突きつけられて…」

 

「最後蝶々?」

 

最後通牒です、いわゆる…これでこの部活は終わり!みたいな」

 

「ほんとに物騒だ」

 

 

 

シュークリームを食べながら真剣にそう言ったモモイにマッシュは物騒だと思い、なぜそうなったのか聞こうとする、すると。

 

 

 

「それに関しては私からご説明しましょうか?」

 

 

 

最近よく聞く声が聞こえてきた。

 

 

 

「こ、この声は!?出たな、生徒会四天王の一人!冷酷な算術使いの異名を持つ生徒会の会計、ユウカ!

 

「勝手に変な異名を付けて人をモンスターか何かみたいに呼ばないでくれる?失礼ね…って、何この甘ったるい匂い!」

 

「ユウカちゃん、どうも」

 

「やっぱり先生のシュークリーム!またバッグにシュークリームを入れて持ってきたんですね!?」

 

「手で持つよりいいかなって」

 

「そもそも直で入れるのがダメだって言ってるんです!」

 

「食べる?」

 

「食べ!…ますけど」

 

 

 

ユウカはカスタードを手に取りパクッと食べる、そしてモモイを見ながら言う。

 

 

 

「先生とは色々と話したい事もありますがそれはまた後にするとして・・・・・モモイ」

 

「うっ」

 

「本当に諦めが悪いわね、廃部を食い止める為にわざわざシャーレまで巻き込むだなんて。けどそんな事をしても無駄よ、例え連邦生徒会のシャーレだとしても……いえ、あの連邦生徒会長が戻ってきたとしても!部活の運営については概ね各学校の生徒会に委ねられてるんだから」

 

「そもそもどうして急に廃部通告になんてなったの?別に前々から言ってたって訳じゃ無いんでしょ?」

 

「…ええ」

 

 

 

 

ユウカはシュークリームを食べ終えた後マッシュに事情を説明。

 

 

 

 

「…ゲーム開発部はそもそも部員数4人以上という規定も守れて無い上に部活としての成果を証明出来るようなものも無いまま何か月も経っているんです」

 

「もしや…ゲーム開発部なんて名前だけど、いままでずっとただゲームしてただけ?」

 

「そ、それは・・・・・・」

 

異議あり!凄くあり!私達だって全力で部活動してる!だからあの、何だっけ・・・・・上場閣僚?とかいうのがあっても良い筈!」

 

「それを言うなら上上予知だよモモイちゃん」

 

「どっちも違いますよ!情状酌量!

 

「あーそれそれ!」

 

「全力で活動してる……?バカも休み休み言いなさい!」

 

「ヒェ」

 

「あわわわ、ほんとにキレてる時のユウカちゃんだ」

 

 

 

 

 

以前、自動シュークリーム製造機を使った時、シャーレ内の電気代がとんでもなく上がった事件でマッシュは本気で怒られた、その時の光景がスッと脳裏に浮かぶ。

 

 

 

 

「校内に変な建物を建てたと思ったらまるでカジノみたいに装飾してギャンブル大会を始めるし、レトロゲームを探すとか言いながら古代史研究会を襲撃するし……」

 

「襲撃はダメだよ、襲撃は」

 

「おかしいでしょう!?全力かもしれないけど部活動としては間違ってるわよ!それにこれだけ各所に迷惑を掛けておいてよく毎度のように部費なんか請求出来るわね!」

 

「うぐっ…」

 

「まあまあユウカちゃん、落ち着いて」

 

「ふぅ…すみません先生、少し頭に血が上ってしまって…それで?真っ当な言い訳くらいしてみたらどうなの?」

 

「と、時には結果よりも心意気を評価してあげる事も必要……」

 

「負け犬の言い訳なんて聞きたくない」

 

「聞きたいのか聞きたくないのかどっちなのさ!」

 

「まあまあまあまあ」(飛びつこうとしているモモイを片手で止める)

 

「そもそもここミレニアムでは結果が全てなの!」

 

「まあまあまあまあ」(飛び出そうとしているユウカを片手で止めている)

 

 

 

 

マッシュは二人を落ち着かせなんとか座らせる、するとモモイは何かを絞り出したかように言う。

 

 

 

 

「け、結果だってあるもん!私達もゲームを開発してるんだから!」

 

「そ、そうですよ!テイルズ・サガ・クロニクルはちゃんとあのコンテストで受賞、も……」

 

「テイルズ・サガ・クロニクル?」

 

「……そうね、確かに受賞してたわ、その反応を見るに先生はご存じないようですね、テイルズ・サガ・クロニクル……このゲーム開発部における唯一の成果です」

 

「へぇー、ちゃんと作ってたのは作ってたんだ…すごいね」

 

「ふ、ふふんー♪」

 

「先生、レビュー評価と言われる物を見てみてください」

 

「レビュー……うわっ」(ドン引き)

 

「そんな顔しないでよ〜〜!!」

 

 

 

 

テイルズ・サガ・クロニクルの評価はマッシュはわかりやすく顔を引き攣らせるほどのひどい物だった。

 

 

 

 

 

 

私がやってきたゲーム史上、ダントツで「絶望的」なRPG。いやシナリオの内容とかじゃなくてゲームとしての完成度

 

このゲームに何が足りないかを数えだしたらキリが無いけど………まぁ、一番足りてないのは正気だろうね

 

このゲームをプレイした後だとデッドクリームゾーンはもしかして名作の部類に入るんじゃ・・・・・って思っちゃうわ

 

ヒロインちゃんは可愛かったな!それ以外はクソ!

 

 

 

 

 

 

「地獄みたいな評価だ」バッサリ

 

「は、はっきり言わないでください!」

 

「わ、私達のゲームはインターネットの悪意なんかには屈しな…」

 

「例えユーザー数が無限にいたとしても沢山の評価が収束すればそれは真実に一番近い結果よ、それに貴女達の持っている結果はそのクソゲーランキング1位だけでしょう?先生、最初にいいねを押されている評価を音読してください」

 

 

「えーと…

 

『世界設定、アイデアはまだいいと思います、キャラのイラストや敵のイラストなどはとても可愛らしくていいと思うのですが……ボタンを間違えただけで即死、謎の敵、突然現れた謎キャラはよくわからず、さらにラストのモヤっとした感じがとても残念でした』です」

 

 

「ね?貴女達のような部活がこのまま活動していてもかえって学校の名誉を傷つけるだけよ、それにその分の部費を他に回せばきちんと意義のある活動をしている生徒達のためにもなるの!わかった?」

 

「「…………グスッ」」

 

「泣いちゃった、よしよーし」

 

「そ、そこまで泣かなくても…」

 

 

 

 

才羽姉妹はマッシュの側により胸に顔を埋める、それをよしよーしと撫でながらマッシュはユウカに言う。

 

 

 

 

「ねえユウカちゃん、なんとかして廃部は無かったことにならないかな」

 

「そう言われても…自分達の活動にも意義があるのだと主張したいのなら、証明してみせなさい!としか言えません」

 

「ヒグッ…証明って…?」

 

「な、何度も言ったでしょう?きちんとした功績や成果を証明すれば廃部を撤回するって、例えばスポーツでのインターハイやエンジニア部の発明品の公表とかね……GOTY(ゲームオブザイヤー)、これさえとれば少しは考えるかも」

 

「な、なら!」

 

「とはいえ出せば何とかなるとも思えないわね、貴女達の能力はあのクソゲーランキングが証明済み」

 

「……」

 

 

 

 

才羽二人は今にもギャン泣きしそうな顔で下を向く、そんな二人の顔を見てマッシュの心がかなり動く。

 

一人っ子だが、マッシュはお兄ちゃん属性も少なからず持っていたので…キュッ、と胸が締め付けられた気がした。

 

 

 

 

「どうせならお互い楽な形で済ませましょう?今すぐ部室を空けてこの辺のガラクタも捨てて…『ガラクタじゃ無いもん!!』

 

 

 

 

モモイがマッシュの胸から飛び出しそう言う、可哀想だとは思うがユウカと心を鬼にして言う。

 

 

 

 

「……じゃあ何なの?」

 

「そ、それは…――分かった、全部結果で示す

 

「お?」

 

「その為の準備だってもう出来てるんだから!」

 

「え?」

 

「そうなの!?」

 

「何でミドリが驚くのさ!?……とにかく私達には切り札がある、その切り札を使って今回のミレニアムプライスに私達のゲーム!

 

 

テイルズ・サガ・クロニクル2を出すんだから!」

 

 

 

 

と、自信満々にモモイはいうが、マッシュは冷静にツッコミを入れた。

 

 

 

 

「売れて無いゲームの2を出しても、売れないと思うんだけど」

 

「シャラップ先生!!」

 

「所でミレニアムプライスとは?」

 

「ミレニアム中の部活が各々の成果物を競い合うミレニアムでも最大級のコンテスト!ここで受賞さえすればいくら何でも文句は言えないでしょ!」

 

「……まぁそうね、受賞出来たならの話だけど。けどねモモイ、今貴女が言っているのは運動部がインターハイに出場するとかそういうレベルじゃなくて高校球児がいきなりメジャーリーグに出るみたいな雲を掴むような話よ?」 

 

「……それってどれぐらい難しいの?」

 

「つまりですね、先生が数学のテストで満点を取るのと同じぐらいです」

 

「ほとんど不可能では?」(真剣な顔)

 

「先生!?」

 

「ごめん、それ聞いて一気に不安になってきた」

 

「先生諦めないで!お願い!!」

 

 

 

 

数学のテストで満点を取るなんて天地がひっくり帰ってもあり得ないのでマッシュは本気で不安になる、だがそれで諦めるマッシュでは無い。

 

 

 

 

「二人とも、この部活…残したいんだよね?」

 

「う、うん!」

 

「じゃあ僕もできるだけ協力するよ」

 

「ほんとですか!?」

 

「二人がここを大事にしてる、なんとしてでも守りたいって言うのはちゃんとわかったから」

 

 

 

マッシュは立ち上がりユウカに大事なことを聞く。

 

 

 

「ユウカちゃん、そのミレニアムプライスまでは後どれくらい?」

 

「2週間です」

 

「わかった、じゃあそれまでに完璧で究極のゲームを僕らで作るよ」

 

「道は険しいですよ?」

 

「どんなに高い壁だろうと、険しい道が待ち構えていようと……乗り越えなきゃハッピーエンドなんて訪れない」

 

 

 

マッシュはキリッとした顔を作り、才羽二人の頭に手を当てこう言った

 

 

 

「僕がこの子達を、ここを守るよ」

 

『…!』

 

「わかりました……今日からミレニアムプライスまで2週間、この短い時間でどんな結果を出せるのか楽しみにしてるわ。それにしてもまさか先生の前でこんな可愛くない所を見せてしまう事になるなんて……ただこれも生徒会の仕事なので、次はもっと違った落ち着いた状況でお会いしましょうね。それではまた」

 

 

そう言ってユウカは部室を出て行った。

 

 

 

「先生……あの、ありがとう!」

 

「いいよ全然」

 

「さっそく、色々アイデアを出していかないと!」

 

「そうだね!」

 

「うん…所で一つ、聞いてもいい?」

 

『なに?』『なんですか?』

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「コンピュータゲームって、どんな物なの?」

 

『そこから!?!?』

 

 

 

 

 

 





次回、マッシュ君人生で初めてのゲーム。

アンケートに答えてくれた方々には感謝しております、アクションゲームをするマッシュ君……面白くない?

励みになりますのでコメントと評価、よろしくお願いします!

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