透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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お待たせしすぎました………まじでぇ!!


このタイミングでさぁ!!!!ワイルドハントがさぁ!!!アリウスがさぁぁぁ!!!うがぁぁかわぁぁかむむきかゆぬむきにぉこむおまぉあむゆあまぁぁぁ!!!!!!!!!!



ミニって言ってたじゃん!!!!!!!!


世界最強の金属

 

 

 

「オリハルコス」

 

 

 

 そうエピデムが呟いた瞬間、無数の鉄の柱がアスナ達へ向けて放たれた。リオの指令のもとアバンギャルド君が疾走、飛来する柱に武器を向けて破壊を試みる。ガトリング砲が軌道をそらしつつ、拡散バズーカとミサイルが柱へと放たれ、柱が砕け散る───ことはなかった。

 

 柱は攻撃を弾きながらもなお止まらず、リオはアバンギャルド君にC&Cを拾わせて回避行動に移る。柱は地面へと突き刺さった瞬間、枝分かれするようにしてまた飛んでくる。

 

 

「アバンギャルド君の攻撃が効かないなんて…!」

 

「リーダーの攻撃が効かなかったんだから有り得る話だと思う……けど、一体なんなんだあの鉄の塊」

 

『魔力によって生み出された金属ではあるでしょうけど……少しだけ待って、アバンギャルド君にスキャンさせて、調べるわ』

 

「んじゃあ…その間耐えるしかねえな。カリン!援護するからイカれやろうを撃て!」

 

「ラジャー!」

 

 

 アバンギャルド君が攻撃を回避する中、ネルはカリンに対して、棒立ちのまま彼女たちを俯瞰するエピデムへの攻撃を指示した。

 ネル達の援護を信じたカリンは、エピデムに狙撃を開始する。エピデムは避けることすらせず棒立ちをし続けている、そもそも避ける必要がないのだ……エピデムの魔法が常に、彼を守っているからだ。

 

 カリンがエピデムに向かって撃ち込んでいる弾丸は対物用……なのにも関わらずエピデムの魔法は傷一つもついていなかった。

 

 

「くそっ…外すよりも、効いていない方が心に来る…!」

 

「速度も上がってきてやがんな…!トキ、お前の魔法でアバンギャルドの速度上げられねぇのか?」

 

「ソニックスは操る物の大きさによってギアの速度が変わってしまうんです、あまりにも早くしすぎると私たちが乗り切れないし、最悪アバンギャルド君が速度に耐えれず大破します」

 

「ならカリンの弾丸を上げるのはどうだ」

 

「それ採用です、ちなみに私の方が先にその案を思いついていました、本当ですよ」

 

「わーかったから早くやれ!」

 

 

 

 カリンの銃に触れたトキの魔力が銃身にソニックスの効果を帯びさせ、放たれる弾の速度を上げる、流石にいきなり速度が上がった弾丸にはエビデムも驚き頬に傷を受けてしまった。そこで彼女らは確信する、あの鉄は自動で彼を守っているわけではない……と。

 

 つまりエピデムが捉えきれない攻撃をすればチャンスはある――そう希望を持っていた。

 

 

 

『―――どういうこと……?』

 

「会長、如何しましたか?」

 

『…何十……何千と…検索して、ミレニアムのデータベースにもアクセスをして探していたのだけれど―あの金属についての情報が一つも存在していないの…!』

 

「っチ!やっぱ魔法界の鉱物ってやつか?」

 

「少し違います。それにしてもいいですねその反応、少しばかり嬉しいです。」

 

「違うってどういうこと!」

 

 

 

 エピデムは攻撃の手を一度止め、自分の手元に自身の魔法である金属を丸めたものを作り出す。ソレを彼女らに見せながら、彼は説明を行っていく。

 

 

 

「私の魔法の名はオリハルコス、その能力はズバリ。伝説の金属であるオリハルコンを自在に操ることができる能力です」

 

『なん……ですって……⁇』

 

「オリハルコン……⁇ なんだソレ」

 

『この世で一番の硬さを持つと呼ばれている伝説の金属よ……でも、有りえないわ。アレはおとぎ話や創作上の存在とされているはずよ!』

 

「魔法とは、不可能を可能にする神聖なる力。ソレに存在していない? いいえ……今この私が、使っている時点で、ソレはもう存在しているのですよ」

 

 

 オリハルコン、ソレはまさしく誇張無しの伝説の金属である。鉄、金、ダイヤモンドと言った鉱石すらも超える強度を持つと言われ、現在では存在していない存在とまで言われた存在。

 

 

「そのオリハルコンとかいう金属を破壊する手はあんのか?」

 

『……事例があまりにもなさすぎるの、二次元の世界でオリハルコンは神の金属とも言われてる…キヴォトスの技術でも破壊は不可能なのよ』

 

「あるとしたら先生の拳でしょうが……正直言って今は頼れません」

 

「じゃあどうする?」

 

『――みんな、聞いて。私とヒマリに策があるわ。でもそれは危険な賭けになる……やるかはどうかは』

 

「この状況で拒否なんざできねえよ。それにミレニアムの叡智とビックシスターの作戦なんざ、上手くいくに決まってるからな」

 

『……ありがとう、ネル。――しっかりと聞いてちょうだい』

 

 

 通信でヒマリとリオは互いに考えた策をネル達に伝える、その作戦にネルは笑い、他のメンバー達も準備を整えアバンギャルド君は動きを止める。その行為に対して少しの違和感をを覚えたエピデムは銀のスプーンを下げ、思考を巡らせ、たった0.5秒で結論をつけた。

 

 

(この状態を打開できる策をすでに用意し、それを今から実演するのでしょう。あの機械人形の肩からはネルさんだけが降りて来た、つまりは私と差しでやり合うつもりなのですね。他の人たちはカバー……しかし私を倒すこと、それを目的としていないというパターンを考えましょう―――時間稼ぎ、そのための策とも言えますね)

 

「おい髭メガネ‼︎」

 

「エピデムです」

 

「仮にここで、この場にいる全員を殺ったとしてもお前は逃げられねえ。ミレニアムの天才ハッカーが、すでにこの場の映像を生放送してるんだからな」

 

「…………フフフッ」

 

「何がおかしいんだ」

 

「いえ……ただ――嘘がとっても下手なんだな。そう思っただけです」

 

 

 エピデムはプリンを食べ終え戦闘の体制に入る、ネルは二つの銃を構えながらゆっくりと彼へと近づく。

 

 

「私の姿をキヴォトス全体に流すのはけっこう、その情報を流すのもけっこう……しかし頭のいいミレニアムの叡智はわかっているはずです。その行為が、歯車を動かしてしまうということに」

 

「…………天才が敵に回ると、ここまで鬱陶しいとはな」

 

「自語りになりますか、私の実力はキヴォトスに存在する軍に匹敵します。これは傲慢でも慢心でもない事実です、そんな存在が今このキヴォトスに好き勝手に動けているとなれば…きっとみなさんパニックになります。そんな混沌を沈める役割を担っている会長代理と、シャーレの顧問教師は今現在行動できない………ほら、無理でしょう?」

 

「注意喚起って線もあるだろうが」

 

「注意した所で逆に悪化しますよ、心というのは脆く儚いのです。『そんな奴がいるのならどうして上の人たちが動かないんだ』『さっさと捕まえろよ』『外に出るのはやめよう』、必ずやこうなる―私はそう思います」

 

 

 煽っているわけでも誘っているわけでも無く、エピデムはただ自分の見解を述べていた。騒ぎは火種となり、その火がさらに燃え上がり状況は悪化する、そう彼は言っていた。

 

 

『貴女達の目的はキヴォトスの破滅……どうしてこんな周りくどいやり方をしているのかしら』

 

「我々の力は強大すぎましてね、一度に入り切れるはずが決まっているのですよ。無理やりに来れるとすれば……ドゥウム兄様…あっ、つまりは一番強い人のみです」

 

『…自由すぎるわね』

 

「我々は束縛があまり好きではないので―――さて、時間稼ぎは終わりですか?」

 

「まだまだたらねえよ、だから今から……作んだよ!!」

 

 

 エピデムはその会話一つ一つが時間稼ぎだということに気づいていた、あえて乗ったのは彼自身『彼女ら』に興味を抱いたからだ、ネルは走りエピデムへと向かっていく。エピデムはオリハルコスの雨を降らせ彼女を攻撃する。

 

 

「これを避けてゆきますか、流石は最――おっと、流石にとうしませんよ」

 

(くっ…!そもそもの反射神経がおかしいのか…!!)

 

「カリン先輩続けましょう、何がなんでも意識を分担させるんです―お二人とも、どうかお願いします」

 

「オッケー!」

 

「おまかせを」

 

 

 アスナとアカネは先ほどと同じようにエピデムの周りを走りながら攻撃、エピデムだって一人の人間だ。複数のことを同時に考えるのは難しい。

 

 

(久しぶりにめんどくさい戦闘ですね、キヴォトスの弾丸は私にもちゃんと効きますし……だからと言ってネルさんの攻撃を喰らうのも嫌ですし――ならこうするのが手っ取り早いですね)

 

 

 エピデムはスプーンを下に下げた後、クイッと上に上げるが

 

 

 

 

「先生直伝」

 

(―ああ成程、そういうことでしたか)

 

「バリスタナックル!」

 

 

 ソニックズで近づいて来たトキが彼の溝に向かって拳を叩き込もうとするが、エピデムはそれをスプーンを持っていていない手で防ぐ……しかもただの手では無い。オリハルコンを纏わせた手だ。

 

 

「捕らえました」

 

(―3に…反応して来ますか…‼︎)

 

「…おや?」

 

「おい寂しいじゃねえか…無視すんじゃねえよ!!」

 

 

 その一瞬の隙を狙い、ネルが銃についているチェーンをエピデムの首に巻き付ける。そのまま力を入れ意識を刈り取ろうとするも――そこはエピデムの計算内のことだった。

 

 

「頭の回転が早い…こったな!」

 

 

 エピデムの手に纏わりついているオリハルコンがネルへと伸び、そのままに彼女の体へと纏わりつかせる。救い出そうとアスナ達が動くも、別のオリハルコンに阻まれ、トキとネルの動きを止めている為意識が他へと集中できるエピデムによって。

 

 

『アスナ先輩!!』

 

「わっ…!!?」

 

 

 3人まとめて質量の塊を当てられ、飛ばされる。そしてリオはアバンギャルド君と共にエピデムに攻撃、チェーンソーやらミサイルやらで攻撃できるのだが……そばにはトキとネルがいる。

 

 

「やはり貴女方キヴォトス人の弱点は、その甘さですね」

 

 

 図太い一本の柱が、アバンギャルド君を潰すようにして壁へと打ち付け、アバンギャルド君は全く動けなくなっていた。

 

 

『―ギッ、ギッ、ウゴケナ…イ』

 

『アバンギャルド君!(見えなかった……予測もできなかった…!これが……これが、魔法界の人間の力とでもいうの!?)』

 

 

 エピデムはアスナ達の方へ向けて、トキとネルを投げつける。トキとネルはすぐにアスナ達の方を確認。

 

 

「お前らぶ……っ、ちくしょう…‼︎」

 

「二人とも…!ねぇったら!ねぇ!」

 

「やはりアスナさんを守りましたね、流石は……絆の力?です、高速で動ける魔法でも、強い肉体を持っているリーダーでも、動きを止めて仕舞えば対処はできます……動かないほうがいいですよネルさん、確実に足は折れました」

 

 

 カリンとアカネはアスナを守らんの体を張った為、頭に傷を負い気絶。様々な事が重なっているいまのアスナが、真の力である感を十分に発揮できないと踏んでのことだった。

 

 

「私のオリハルコンは無敵です、ドゥウム兄様とあの人以外に負けるなんてことはありません……さて、ここで選択問題です」

 

 

 エピデムは2本の鋭利な無数のオリハルコンの柱を生成に、彼女らに向ける。

 

 

「このまま頑張って私に一撃を叩きこむか、それともそこの二人を庇って逃げるか……ああすみません、その隙すら無いんでしたね」

 

(ソニックズで―――あの男…!逃げた先にも…あのオリハルコンを!)

 

「……いえ、やはり選択肢なんてやめておきましょう――勝率になんら影響はありませんので」

 

 

 

 そしてスプーンを下げると同時に、オリハルコンが彼女らに向かって放たれた。煙が立ち昇り、エピデムは悠々とした顔つきでプリンを食べる。

 

 

(アスナさんには当たらないようにと配慮しましたが……――――――?)

 

 

 

 

 しかし、彼の攻撃はアスナ達には当たっていなかった―――彼女らを守る者がいたからだ。

 

 

 

 

 

 

 

 

『――リオ―命令―違反……ゴメン―ナサイ』

 

「――アバン………ギャルド……お前…!!」

 

『何故―ど…して…どうして、勝手に…!?そんな操作はしていないのに…!?私の手で動かすようにと…私は…!!』

 

「………やっぱり、この世界は本当に…いい世界ですね」

 

 

 

 

 無数の柱に体を貫かれ、ボロボロの状態のアバンギャルド君が………そこにはいた。





魔法界でこの人、神格者の人、軽くボコって瞬殺しているんですよね………ファーマン兄様もデリザスタも。




次回・勇者降臨、おたのしみに

百花繚乱後に見たい話

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