黄色バーになっちゃった!けどお気に入りとコメントが増えたからプラマイゼロ!!
それでは本編へ、どうぞ!
マッシュ・バーンデッドとアビドスとカタカタヘルメット団
マッシュがシャーレに属してから早5日、周りがびっくりするぐらいの機械音痴(触れただけで壊す)だったがなんとか気合いで乗り切った。
そして難しい書類の山を纏めた後は
「フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフン」
マッシュ・バーンデッドは、今日もまた日課の筋トレを行う。
シャーレ部室奪還とD.U.での暴動沈静化の報酬として手に入れた初任給でダンベルやバーベルを購入したマッシュは、日頃のトレーニングメニューに従って腕を鍛えていた。
『…先生はとんでもない人なんですね』
「そうかな、別に普通と思うけど」ブンブンブン
『普通の人はそんなに大きなダンベルを軽く持ち上げたりなんてしません!!それにこの前なんて、街で暴れている不良集団を鎮圧しましたよね?一人で!』
「うん」ブンブンブン
『普通は絶対にできませんよ!相手の持っている銃を壊れた車で防ぎながら近づいて拳骨なんて!』
「悪い子は叱らないと」ブンブンブン
『それはそうですが……あの、話をしている時は一度筋トレをやめてください!』
「ごめん」ピタッ…スッ
(すぐに止めた!?すごく素直…)
ダンベルを下ろしたマッシュはすぐにシュークリームを食して糖分とタンパク質を補給した。5日間に渡ってこれをルーティーンとして繰り返すマッシュに、アロナは慣れつつある自分を恐ろしく感じている。
『あ、そういえば先生!』
「ん?」モギュモギュ
アロナが手紙の山から一つ取り出し、シュークリームを食べているマッシュへと見せる。
『こちら緊急性が高いかもしれない事案です。ちょっと不穏な内容で。読んでもらったほうがいいかなと』
「どれどれ…」
『連邦捜査部の先生へ。こんにちは。私はアビドス高等学校の奥空アヤネと申します。
今回どうしても先生にお願いしたいことがありまして、こうしてお手紙を書きました。
単刀直入に言いますと、今、私たちの学校は追い詰められています。
それも、地域の暴力組織によってです。
こうなってしまった事情はかなり複雑なのですが…。
どうやら、私たちの校舎が狙われているようです。今はどうにか食い止めていますが、そろそろ弾薬などの補給が底を尽いてしまいます…。
このままでは、暴力組織に学校を占拠されてしまいそうな状況です。それで、今回先生にお願いできればと思いました。先生、どうか私たちの力になっていただけませんか?』
『以上です。あ、地図も添付されてますね。アビドス高等学校。…アビドス高等学校ですかぁ…先生、どうしますか?』
「勿論行くよ」
『即決ですね』
「力になって欲しい…つまり今すぐにでも助けが必要って事でしょ?なら早く行かないと」
『流石は先生です!…あ、でも気をつけないといけませんよ?』
「どうして?」
『あそこは昔、かなり大きい自治区でしたが…気候の変化で街が厳しい状況になっているのだとか。確か現在の地図だと…ありました!ここです。写真も出しますね』
マッシュは、画面に映ったアビドスの様子を見る。そこは完全に砂漠地帯であり、多くの建物は砂に埋もれてほとんど見えていない。
「ひどいなこれ」
『砂嵐の影響で砂漠化が拡大。対策も間に合わなかったようで、住宅街も砂漠化の波に飲まれたようです…そう、砂漠化は進みましたが、今でもアビドス自治区はとっても広いんですよ!街のど真ん中で遭難する人もいるのだとか!』
「そんなに広いんだ…僕も気をつけないといけないな…よし、準備はしっかりしておこう」
マッシュはアビドスへ行くための準備をし始める。
「えーと…ダンベル、トレーニングチューブに腹筋ローラー…あとはケトルベルとチンニングスタンド…バランスボールにBOSUやハンドグリップ、メディシンボール、アブマットも入れておこう。」
『先生、遭難した時にいらない物ランキング一位ですよそれ』
「……え?」
『え?じゃなくて!普通は食料とか道具とかですよ!遭難してまで筋トレなんてしなくてもいいですから!』
「…分かった、じゃあ食料を入れるよ」
『それから水分もですからね?』
「うん」
そしてマッシュがささっと何かを準備しリュックサックへと入れようとする。
「よし、これでいいな」
『先生、その手に持っているものはなんですか?』
「…シュークリームとプロテインだけど?」
『何故!!?何故シュークリームだけなんですか!?朝昼晩全てそれで済ませる気ですか!後プロテインは水分補給にならないでしょ!?』
「大丈夫、ちゃんと水っけが多い物だから」
『そう言う問題じゃありませぇぇぇん!!』
アロナに叱られ、ちゃんとしたものを準備したマッシュでした。
―――――――――――――――――――
おおよそ人間一人が背負える大きさではない特大のリュックサックを軽々と背負い、完璧に準備を終えていざ出発、と意気込んだマッシュ……
しかし
「……ここどこ?」
アビドス自治区に辿り着いたものの、肝心の学校が見つからないまま数日が経過していた。
「おかしいな、地図の通りならここら辺にあるはずなんだけど」
マッシュは、シッテムの箱とは別に支給されたスマホを取り出す。
実はこのスマホは二台目であり、初代は初めて触った瞬間の指圧だけで画面とフレームが砕けてしまったので、リンが極めて高い強度を持つフレームで製造されたオーダーメイド品を特注し、改めて支給してくれた。
「あ、地図逆に見てた」
スマホを逆さにして見ていたことに気付いたマッシュは溜息をつき、背中に背負っていた特大サイズのリュックサックからシュークリームを取り出す。
「とりあえず食べながら考えよう、これで十回目だけど……」
マッシュが持ってきた特大リュックサック内にはシュークリームだけではなく、弾薬や食料などの支援物資が色々と入っており、さらにそこには少しだけだが筋トレ道具もある。
「そろそろシュークリームも無くなっちゃうし、本気でまずいのでは?」
気づくのが遅い。
とりあえず歩こう、そう思ったマッシュはシュークリームを食べながら道に進んで行く。
『…あれ、人?』
「ん?」モギュモギュ
マッシュが振り返った先に、特徴的な銀髪とオオカミの獣耳を揺らした少女が現れた。白いアサルトライフルを背負ってロードバイクに乗っていた少女が、サドルから降りて自転車を転がしながらマッシュに近づく。
「こんなところでどうしたの?…もしかして迷った?」
「正解、助けてくれるとありがたいです」
「ん、そっか…私はアビドス高等学校の2年生、
「アビドス高等学校?…僕もそこへ行きたいんだけど」
「ん…どうして?」
「あ、自己紹介がまだだったね。僕はシャーレの先生、マッシュ・バーンデッドだよ」
「シャーレの…先生!?」
「うん」
「シャーレの先生」と名乗ったマッシュに驚いたシロコは、まじまじと穴が開くまでマッシュを見つめる。信じられないような顔で首を傾げたシロコは、改めてマッシュに問いかける。
「…いくつ?」
「16歳」
「同い年!?」
「それで学校って何処かな…あ、あと同い年だからシロコちゃんって呼んでもいい?」
「い、いいけど」
「ありがとう、学校まで案内してもらえる?」
「ん……分かった、こっちだよ」
砂狼シロコは、期待半分・懐疑半分でマッシュを連れ、自らの学校であるアビドスへと向かう。その間もマッシュは、変わらずシュークリームを食べ続けていた。
「いやー助かった…危うくこのまま一生を終えるとこだったよ」
「ん…そのリュックサックの中には何が入ってるの?」
「弾薬と医療に使う物…と、あとは食料」
「良かった、ちょうど足りなかった…―え、待って、それだけの物を一人で運んできたの?」
「うん」
「先生って…何者?」
「人間」
「いやそれは分かってるけど」
「シロコちゃんもシュークリーム食べる?チョコレートとカスタード、どっちがいい?」
「じゃあカス………え、いまバッグの中から出した?」
「いっぱいあるから心配しなくても大丈夫だよ」
「そこじゃなくて……ん、考えるの辞めた」
言葉が通じない可能性を考えたシロコは、早々に問答を割り切るとともにツッコミを放棄し、カスタードの入ったシュークリームを手に取り食べた。それと同時に、一つの確信を得た。
「美味しい?」
「…うん」
「良かった」
けれど、どことなく優しさが感じられるようにも思えた。
アビドスの校舎へと到着したマッシュは、シロコの案内を受けて校内へと通された。
「ただいま」
「おかえり、シロコせんぱ………い?」
案内された委員会室の扉をシロコが開くと、救援を待っていたアビドスの生徒たちがそこに揃っていた。
「し、シロコ先輩が彼氏を連れてきたぁっ!!?」
「違う」
「わぁ☆シロコちゃんったら大胆ですね♧」
「…満面の笑みだし、わかってるでしょ、ノノミ」
「お、お、お、落ち着いてください!こ、こういうときはですね、冷静に、冷静に、れいせい…になれるわけないじゃないですかー!?」
「アヤネ、動揺しすぎ。…というか、この人を呼んだのってアヤネじゃなかった?」
「えっ!?アヤネちゃんいつの間に!?」
「へぇっ!?違います違います!心当たり無いです!」
「…先生だよ、この人」
「へ?……先生?」
「どうも」
マッシュは手を上げて挨拶しながら、巨大なリュックサックに詰められた荷物を下ろす。
「せ…先生?何を言ってるの先輩、この人どう見ても…シロコ先輩と同い年ぐらいでしょ?」
「その通り」
「じゃあ先生なんかじゃないじゃない!」
「いや、先生です…ほら」
「…本当だ、確かにシャーレの先生のようですね〜」
「う…嘘でしょ?頼れる大人だと思った…子供だったなんて」
ネームプレートを見せたマッシュに対し、セリカと呼ばれた少女が驚きのあまり落胆を隠さずに崩れ落ちるが…それは、マッシュのような純粋な人間にとっては禁句だった。表情筋こそ動かないが、一瞬にして暗い空気を纏ったマッシュは部屋の隅で膝を抱えて縮こまってしまった。
「ごめんなさい…がっかりさせちゃったよね」
「え…そ、そんなに落ち込まなくてもいいじゃない、ね、ねぇ!悪かったってば!」
「ここまでわかりやすく落ち込む人は初めてですね〜」
「…ん、やっぱり変な人だった」
慰められて謝罪を受けたマッシュは、再び立ち上がって自己紹介を行う。
「初めまして、シャーレの先生でマッシュ・バーンデッドです…よろしくおねがいします」
「本当に先生が―あっ、私!
耳が尖った赤縁眼鏡と黒髪の生徒が、深々と頭を下げてマッシュに謝意を述べた。
「えっと、取り敢えずこれホシノ先輩起こしたほうが良くない?…あ、私、
若干敬語がぎこちないが、猫耳が生えた黒いツインテールの生徒が部屋から飛び出していく。少し経つと、隣室からは「ホシノ先輩起きてー!」と叫ぶ声が響いてきた。
「ホシノ先輩、昨日はお疲れでしたからね〜…直ぐに起きるでしょうか……あ、先生!私はシロコちゃんと同じ、二年生の
「じゃあノノミちゃんで」
ノノミと名乗る金髪の生徒は、愛銃の『
ガチャ、と音を立てて二人入ってくる。
セリカと名乗った先の生徒と、彼女が『ホシノ先輩』と呼んだ相手だった。
「ふわぁ…まだ起きる時間じゃないのになんで…。…ん?」
生徒の中でも特に小さな背丈で桃色の長い髪を持つ生徒。右目は金、左は蒼、その両目がマッシュを捉える…マッシュもまたそんなホシノを見る。
『………』
二人は目だけで相手がどれほどのものか、大体見当がついた…互いに
(この人は…強い)
と確信していた。
「うへぇ…何者かな〜?普通の人じゃなさそうだけど」
「マッシュ、マッシュ・バーンデッドです…シャーレから来ました」
「じゃあ君がその先生?……んー?おじさんの気のせいかな?君、おじさんよりも年下のような気がするんだけど」
「おじさん…?」
「あ、これはホシノ先輩の一人称のようなものなので気にしなくてもいいですよ」
「ん、ホシノ先輩…この人、私と同い年」
「…へぇーそうなんだね、
「よろしくお願いします、ホシノ先輩」
ホシノは怪しみつつもマッシュを迎え入れた。そして早速、話し合いを始めよう…そう思った時。
ダダダダダダダダッ!!
と、聞き慣れた銃声が外から聞こえた、マッシュは『!』となりすぐに準備。
「…またかー」
「あいつら…!!性懲りも無く!」
「いつもの奴ね…この前追い返してきたばっかりなのに…あーもう!」
「とにかく出るしかないですね〜、先生はここで……あれ?先生は何処でしょうか」
「………まさか」
嫌な予感に駆られたシロコは、開いた窓から校庭へと飛び出した。セリカがシロコを呼ぶが、シロコは既に階下に着地している。他の生徒達も大急ぎで装備を整え、校舎玄関から校庭へと飛び出した。
「あぁん!?なんだお前は!」
「アビドスの生徒か?だったらやっちまおうぜ!」
「待て、こいつヘイローを持ってないぞ?撃つのはまずい」
「ッチ…なんだよ…おい、邪魔だからどけ」
ヘルメット団、という勢力がキヴォトスには存在する。ただの不良であったり食い扶持に困ったら取り敢えず此処なバイト先であったり裏社会の傭兵であったりと強さも規模もマチマチだが一つ共通しているのは全員がヘルメットを被っている事である
そんなヘルメット団の中の一つ。カタカタヘルメット団が、今のアビドスの敵だった
「見たことある人らしかいないな…この前倒した人じゃないよね」
『はい、この前会っているのなら逃げるはずなので、あの時とは違う人達ですね!』
マッシュにしか聞こえない声でアロナが答える、すると背後から足音が聞こえシロコ達がやってくる。
「ん!先生離れて!…性懲りもない」
「ヒャハハハハ!性懲りもなくて結構!こんだけ襲い続けりゃそろそろ弾もキレるよなぁ!?」
「とっとと出てけよてめぇらよぉ!ここはうちらカタカタヘルメット団のアジトになんだからさぁ!」
と高らかに笑う集団…そこへ
「カタカタヘルメット…ヘルメットって元々固いものでは?」
マッシュが爆弾を投下した。
「…あ?」
「せ、先生!」
「何煽ってんのよ!」
「煽ってるつもりはないけど」
「テメェ―舐めてんのか!?」
ヘルメッド団の一人が銃口をマッシュへと向ける、先生!と叫ぶノノミの声や『まずい』と言うホシノの声が聞こえる。
「それ、人に撃ったら危ないよ?」
「そんなの知ってんだよ!特にヘイローも持っていない雑魚にはな!」
「…雑魚」
「なんだ?悔しかったら何かしてみろよ…最も、それができたらの話だがな!!」
「危ない!!」
バキッッ!!!
『―――――――――え?』
「言い過ぎだよ、君」
マッシュは向けられていた銃を手で握り潰した。へし曲がった銃が目に入っていたチンピラは、キヴォトスの常識を破壊する光景に腰を抜かし、周囲の不良生徒たちも驚きのあまり顔のパーツが小さく縮んでいる。
そして、驚いていたのはチンピラ達だけではない。
「せ、せせせせせせ先輩!?い、今、あの人、て…手で!銃、壊しましたよね?」
「え…ええ…ちゃんと見てましたよ〜?――あら…?鉄って握り潰せましたっけ?」
「ヘイローを持っているならまだしも…持ってない人…が?」
「ん…やっぱり普通じゃなかった」
「えぇーと…?(この人強いなーとは思ってたけど…うそ、ここまで?)」
マッシュの思いもよらない行動に、彼の正体を知らない周囲は一気にざわつく。
すると
「し――死ねえ!!」
奥の方にいたチンピラが手榴弾のピンを抜き、マッシュへと投げつけた。
そして次の瞬間
轟音と共に爆発した
「―ほ…え?」
投げたチンピラの背後で
マッシュはそんなチンピラのそばにいた。
「こ、今度は何したの!?」
「いつのまにか先生があそこにいますよ!」
「うへぇ…私は見逃さなかったなー」
「ん、わかるの?」
「うん…今さっきね? あの人は手榴弾を投げられたと同時に飛び出して」
「それ」ブンッッ!
「爆発するまでの時間内に投げ飛ばしたんだ〜…………うへぇ?どゆこと?」
『こっちのセリフ!!』
「な、なんなんだよお前!!」
「
マッシュは不良に掴み掛かると、その体制を崩しながら奪い取るようにライフルを取り上げ、その肘を叩き落とす。
バキッ!!
ライフルはロアフレームと銃身が圧し折られ、一瞬で使い物にならなくなる。そしてマッシュは、折れた銃をチンピラたちに見せつけるように掲げ、挑発するように言ってのけた。
「誰が雑魚だって?」
マッシュにとっては自分の実力を見せるデモンストレーションであり、同時に舐められたことに対する挑発のつもりだった……のだが、自らの常識と実力では勝てないことを悟ったチンピラ達は、何かを泣き喚きながら散り散りとその場を去っていく。
「か…カタカタヘルメット団、撤退しました…どうやら、後方からの攻撃を企んで校舎裏と体育館から侵入した不良達も、マッシュさんの存在を知って逃げ出したようです」
「シロコ先輩、私もうダメ。バイトで疲れてて幻覚が見え始めてるわ」
「しっかりして、これは現実」
「と…とってもすごい人が来ましたね!」
「…先生、何者?」
マッシュは振り返りピースをして
「僕はここを助けに来た、ただの先生だよ」
そう言った。
Q・生徒達の出番少なくない?
A・ごめんなさい、マッシュくんを描こうと思ったらどうしても出番が少なくなってしまうのです。許してくださいませ。
励みになるのでどうか評価とコメントのほど!どうかお願いいたします。
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ラビット2章
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