メイド部達とのバトル、難しくない?
むずい!くっっそむずい!!けど頑張るぞい!
今回はバトル要素はありません、まだ作戦会議なので。
それでは本編へ……どうぞ!
「そのためにも!!やっぱりもう一度廃墟へ行かないと!」
「やっぱりそうなるよねぇ……」
「G.Bibleを探しに、また廃墟に行くなら……私も、一緒に行く」
「え、ユズちゃんも!?」
「ユズちゃん、もう半年近く校舎の外に出てないのに、授業もインターネット受講だけだし……」
「………元々は、私のせい………だから、それにこの部室は……もう私だけのものじゃない……一緒に守りたいの」
「ユズちゃん……」
「パンパカパーン!ユズがパーティーに参加しました」
「よし…ゲーム開発部、G.Bibleを探しに廃墟へ……ゴー」
『ゴー!!』
「ご…ゴー!」
マッシュ達はまた廃墟へと足を運んだのであった。
――――――――――――――――――――
廃墟にやってきたマッシュパーティ、そしてその前にはそのパーティを待っていたと言わんばかりにロボット兵達が銃を構えていた。
「な、なんでもうバレてるの!?」
「この前ここに僕達が侵入したから、警備を強化したんだと思う」
「か…数が多い…ね、武器も多種多様だし」
「モンスターの数が多い時は高い火力を持って一掃するのが一番!―って事でアリス、お願い!」
「はい……先生!」
「うん、プランAだね」
「そう!プラン……なんて?」
アリスは背負っていたスーパーノヴァを構え、マッシュはそのアリスを抱えて砲台のようにする。
「走行型固定砲台、準備完了」バンッ!
「チャージ開始します!」バンッ!
「ちょっと待ってなにその合体!いつ考えたの!?」
「走る固定砲台なんて聞いたことないんですけど!?」
「ひ…光の剣って、140㎏以上あるはずだよね?…って思ったけど、先生が持っている鉄の杖は1tあるんだった」
アリスを抱えたマッシュはロボット達の方をじっと見る、『今から撃つぞ』と言う警告でもあったため、ロボット達は歩みを止めた。
しかし誰も撃たないとは言っていないのでアリスはチャージをやめず、エネルギーを満タンにする。
「スーパーノヴァ、チャージ完了です!」チュイイイイン
「よし……撃ち方始め、ヤー」
「ヤー!」チュドン!!
マッシュはスーパーノヴァを持ったアリスを抱えながら走っていく、ロボット達はそれを止めようと銃弾を撃つが
「喰らわぬ」
「フフッ、我々の前に銃弾なんぞ無力!ってやつですね!」
全てマッシュに避けられ、逆にスーパーノヴァのエネルギー弾を喰らってしまう。
ドドドドドッ!!
銃弾を避けれる速度で移動されさらに高威力の攻撃を連発されるので、ロボット達はそれに対処できず次々と倒されてゆく。
「動きまくるレールガンとか……ゲームバランス完全に崩壊してるね」
「わ、私たちもカバーしよう!」
「うん!」
モモイ達も見てるだけでは無く、エネルギー弾が当たっていない敵に対して攻撃を行う。5人の猛攻が厳しくなってきたのかロボット兵達は逃げ出そうと後ろを向く……しかし
「逃がさぬ」
「アリスは言います……お前達はもう死んでいる!」
アリスを抱えたマッシュはロボット兵達の前へ回り込み、スーパーノヴァのエネルギー弾を喰らわせる。
「光よ!!」
ドガアアァァァン!!
ロボット達は光に包まれ文字通り消し飛んだ。どんなに逃げても、アリスを抱えて状態のマッシュに追いつかれ至近距離で撃たれる。
「あの二人…バランスブレイカーだ」
「即死攻撃を移動しながら連発してくる負けイベのキャラだ」
「じ、実装して…一日で修正されるキャラクターだ」
「敵パーティ全滅、アリス達の勝利!勝利のハイタッチです!」
「いえい」
「まあ、でも勝ったし……イェーイ!」
「い、いえーい…」
マッシュパーティはハイタッチを行い勝利を確信。そしてミドリが何やら工場のような場所を見つけたのでそこへ向かう事にした。
――――――――――――――――――――
工場内部。
電気も通っておらず、暗い道が広がる空間。
「すんなり入れたね」
「先生とアリスちゃんが色々やってくれたおかげだよ〜おかげで楽ちん楽ちん!弾薬もたくさん残ってるし!」
「それにしても……本当に不気味だよね……ここ」
「うん、まるでダンジョンみたいな………?アリス、どうしたの?」
「……えっと」
「気分が悪いなら無理しちゃダメだよ、おぶろうか?」
「いえ大丈夫です……」
アリスは不思議そうな顔を浮かべながら辺りを見渡す。マッシュは気になりアリスに聞く。
「ここ、知ってるの?」
「…分かりません……ですが、どこか見慣れた景色です。…………こちらのほうに行かないと、いけないような……」
「えっ?」
「追いかけよう」
追いかけた先でアリスはキョロキョロと辺りを見ていた。
「……アリスの記憶にはありませんが……まるでセーブデータを持っているような……」
「どういうこと……? 確かに、元々アリスがいたところと似たような場所だけど……」
「あっ、あそこにコンピューターが一台…………あれ?」
「あのコンピューター、電源が点いてる……?」
ピピッ
『!』
明かりすらなく電源すら通って居ない筈のその場所、ポツンと存在するコンピューター。それがマッシュ達が近づいた瞬間、明かりがついた。
『Di:viSion Systemへ、ようこそお越しくださいました。お探しの項目を入力してください』
「めっちゃ怪しい……叩いてみる?」
「だ、ダメですよ先生。もしも壊しちゃダメな物だったら……ほら、後が大変…だから」
「キーボードを発見……G.Bible、と入力してみます」
「あっ、何か出てきた!」
【……】
アリスはキーボードのエンターキーをポチッと押す……すると次の瞬間
【……#$@#$$%#%^*&(#@】
画面の文字がバグり聞いたことのない音が鳴る。
「こ、壊れた!? アリス、一体何を入力したの!?」
「い、いえ、まだエンターは押していないはずですが……」
「アリスちゃんが触れたからバグったのかな……すごいねアリスちゃん、触れるだけで機械が壊れる能力を持っているなんて」
「そんなわけないでしょ!?」
「いや、もしかしたら電気を操る系の奴かもしれない」
「それもある」
「ないよ!」
「電子操作!…とか、ああいうキャラクター…いいよね」
『いい』
「ユズちゃんまでそっちに行かないで!――あと、雷キャラはなんの武器を持ってもかっこいい」
『わかる』
ゲーム開発部・部室の中にあるゲームはほとんどアリスとやったのでそれなりの知識は入っているマッシュ、魅力的なキャラクターの話は大いに盛り上がっていく。
そのマッシュ達をよそに、コンピュータが動き始めた。
【あなたは―AL-1Sですか?】
そうコンピュータから音声が流れる……が
「自身の筋肉のみで戦うキャラクター、いいよね」
「わかる!けど魔法を使って支援するってのも良くない?」
「私は素早い動きで相手を翻弄する感じのキャラクターかなー、アリスちゃんは?」
「はい!アリスは正義感が強く、圧倒的な光の力を持っているキャラクターがいいです!」
「わ…わたしは……こう、エネルギーを操る系の敵キャラもいいかなって思うな」
【…………あなたはAL-1Sですか?】
「裏切りキャラは……まあ、許せる場合もあるけど!許さない場合もある!」
「理由が意味不明な裏切りキャラには愛着は湧かないかな……先生は裏切りとかは大丈夫な人ですか?」
「うーん…ショックではあるけど、何か理由があるなら聞く、聞いてから戦うか判断するかな……まあ、迷惑かけた人達には死んでも謝らせようと思ってるけど」
「先生らしいね〜」
【…聞こえていないのですか?……んんっ、もう一度…あなたはAL-――】
「ラスボスが自分の父親って設定……よくある展開だなーって思ってたけど、よくよく考えたら重くない?」
「重いよ……それが外道中の外道ならもっと重い、私だったらショックで動けなくなっちゃうな」
「アリスは勇者として、その父親と戦います!」
「まだ……同情できるキャラなら……倒すのは心苦しいかな……先生は、どう思います?」
「いや、僕の家族は育ててくれた人だけだって思ってるから……今更『私が父親だ!』って言われても…ふーんぐらいにしか思わないかな」
「流石先生、マイペース!」
「なんなら『そんなの関係ないんで……倒します』っていうよ」
『かっこいい……』
ゲームの話で盛り上がってしまったマッシュパーティはコンピュータの言葉が耳に入っていない。
そしてこちらが話しかけているのに答えようとしないマッシュパーティに、ついにコンピュータの方がキレた。
ブチっ
【あなたは!!AL-1S!!ですか!!?】(大音量)
「うわぁっ!?」
「なんか流れてる……急に大声出されるからびっくりしちゃった」
【何度も何度も何度も何度も話しかけました、しかし、あなた方はこちらの話に耳を傾けず自分達の世界に入って……失礼だとは思わないんですか?】
『ごめんなさい』
【………まあ、反省しているのならいいでしょう…では改めまして―あなたは、AL-1Sですか?…もう音声認証をしてしまったんですが】
「い、いいえ!わたしはアリスです!」
【音声再認識…お帰りなさいませ、AL-1S】
コンピュータはアリスをAL-1Sと呼び、マッシュ達は驚いていた。
「えっと……AL-1S、っていうのは、アリスちゃんのことなの?」
「あ、ごめん。そういえばユズちゃんには言ってなかったかも」
「……アリスの本当の名前……本当の、私……」
「……」
「……あなたは、AL-1Sについて知っているのですか?」
【……】
【…………】
「反応が遅い……?」
「何か画面もぼんやりしてきたけど、処理に詰まってるのかな?……あ、もしかしてさっきからずっと話してたのに私達が聞いてなかったから…それで?」
【そうで……――@!#%#@!$%@!!!!】
「え、え? なにこれ、どういう意味!?」
コンピュータは再度バグり出す。
【それは……――緊急事態発生。電力限界に達しました、電源が落ちると同時に消失します。残り時間51秒】
「ええっ!? だ、ダメ! せめてG.Bibleのことを教えてからにして!」
【あなたが求めているのは、G.Bibleですか?<Y/N>】
「!?」
「YES!」
【G.Bible……確認完了、コード:遊戯……人間、理解、リファレンス、ライブラリ登録ナンバー193、廃棄対象データ第1号。残り時間35秒】
「廃棄!? どうして!? それはゲーム開発者たちの、いやこの世界の宝物なのに!」
「まかせて、こう言う時こそ僕の記憶力で…………ごめん、無理だった」
「早いよ!!」
【G.Bibleが欲しいのであれば、提案します。データを転送するための保存媒体を接続してください】
「えっ……? G.Bibleの在り処を知ってるの?」
【あなたたちも知っています。……今、目の前に】
「ど、どういうこと!?」
【正確には、私の中にG.Bibleがあります。しかし現在私は消失寸前、新しい保存媒体への移行を希望します】
「そ、そうは言っても急に保存媒体なんて……あ、ゲームガールズアドバンスSPのメモリーカードでも大丈夫?」
コンピュータは少し黙り呆れたように言った。
【……………………まぁ、可能、ではあります】
「すごい嫌そう」
「データケーブル……連結完了!」
【転送開始……保存領域が不足、既存データを削除します。残り時間9秒】
「え、嘘っ!? もしかして私のセーブデータ消してない!? ねぇ!?」
「…あれ、確かモモイちゃんのデータの中には僕のポッケモン達も」
【容量が不足しているため、確保します】
「ダメ! お願いだからセーブデータは残して!」
「せ、せめて、せめてシューミとシューコとシュージロウだけは」
【削除完了】
「ちょっとおおおおおおぉぉぉぉぉぉ!?」
「――――――――――」(膝から崩れ落ちる)
「先生が初めてダメージを……そんなに思い入れがあったんだね」
しばらくその場が静かになり、マッシュとモモイの悲しそうな声が響き渡る。まるで我が子を失った親のように。
【…………】
「あれ……電源落ちちゃった……?」
「ああぁぁぁ! 私達のセーブデーターがぁぁぁぁぁぁ!!!」
「あ、画面が……」
【転送完了】
「え?」
【新しいデータを転送しました】
<G.Bible.exe>
「こ、これって!?」
「これ今すぐ実行してみよう! 本物なのか確認しなきゃ! ……って、パスワードが必要!? 何それ!?」
「……大丈夫、パスワードぐらいならヴェリタスが解除できるはず」
「……これがあれば、本当に面白いゲームが……」
「うん、作れるはず!!」
「もうここに用はないよね……よし、そそくさと帰っちゃおう」
『賛成!』
マッシュ達は工場から脱出、お目当ての物のデータのパスワードのようなものを入手したのでゲーム開発部は大満足。
「…………」
アリスだけは、何かが引っ掛かっているような顔をしていた。
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ヴェリタス
ミレニアムサイエンススクールの非公認部活。
ホワイトハッカー集団を標榜しているが、メンバーの倫理観は副部長のチヒロを除いて低く、思い付きなどで度々トラブルを起こし、それが発覚してはチヒロに説教されている様子。
翌日、マッシュ達はそんなヴェリタスにG.Bibleの解析の結果を聞きに来ていた。
「依頼されたデータについて結果が出たよ」
「い、いよいよ………!」
「ドキドキ」
「ワクワク」
「知っての通り私達ヴェリタスはキヴォトス最高のハッカー集団だと自負してる、システムやデータの復旧についてはそれこそ数えきれない程に解決をしてきた。その上で単刀直入に言うね」
2年生でヴェリタス所属の
「モモイ、貴方のゲームのセーブデータを復活させるのは無理」
「うわぁぁぁん!もう駄目だ────!」
モモイはこの世の全てに絶望したような声を上げて、地面に寝そべって撃沈した。彼女だって分かっていた、ゲームのセーブデータの復旧が難しい事くらい。
「シューミ…シューコ…シュージロウ、シュー田、シュンキ…シュンコ、安らかに」
「合掌してる……ゲーム機に合掌してる」
「あと…そんなに悲しそうな顔をしますか?本当に家族が亡くなったみたいな顔ですけど」
今のマッシュの顔はレグロが見たら『マッシュが―泣いとる!?』となるであろうぐらい悲しそうだった。
「シューミ達は僕の大事な友達……いや、家族と同じくらい大事だったんだ……一番はじいちゃんだけど」
「いい息子だ」
「先生って面白い人なんですね、それもびっくりするぐらい」
その場にいるヴェリタスの二人はマッシュに対して『面白いやつ』と言う認識を既にしていた。しかし忘れてはいけない、本来の目的はゲームのセーブデータなのではない。
「そっちじゃないでしょ!? G.Bibleのパスワードの解除はどうしたのさ!?」
「それならマキが作業中ですよ」
椅子を回転させ、此方を見ながらそう言ったのは同じくヴェリタスの少女
「マキちゃんが?」
「おはようミド! 来てくれたんだね、ありがと!」
ドアを一枚隔てた作業スペースから出てきたのは件の少女、
「全然いいよ〜…って、モモと…シャーレの先生?はどうしたの?」
「僕の、僕の息子達が…」
「息子!?」
「ゲームのキャラ達の話だから気にしないで」
「びっくりした……」
「それより、G.Bibleはどうだった?」
「あーそれ?ちゃんと解析できたよ。あれはあの伝説のゲーム開発者が作った神ゲーマニュアル……G.Bibleで間違いないね」
「や、やっぱりそうなんだ!」
『ほんとに!?』『ほんとに?』
「立ち直った!」
満面の笑みを作りミドリやマッシュ達が立ち上がる。マッシュとアリスが強すぎるあまり情報を入手するのは簡単だったが、念願のものをやっと手にしたのでとても嬉しかった。
「ファイルの作成日や最後に転送された日時、ファイル形式から考えても確実。作業者についても、噂の伝説のゲーム開発者のIPと一致していた。それと、あのデータはこれまでに1回しか転送された形跡がない」
「ということは、つまり────」
「うん、オリジナルのG.Bibleだろうね」
「す、凄い! それじゃあ─『でも』」
「ファイルのパスワードについてはまだ解析できていないの」
「えぇッ!? それじゃ結局見れないじゃん!?がっかりだよ!」
「うッ……だって私はあくまでクラッカーであってホワイトハッカーじゃないし……」
「でもオリジナルかどうかわかっただけでも最高だよ、ありがとうマキマちゃん」
「マが一つ多いよ先生!マキ!」
「ごめん」
名前を間違えられすぐに訂正したマキ、コホンと息をつき切り替える。
「兎に角! 解析ができないからって、それ以外に方法が無い訳じゃない」
「そうなの?」
「あのファイルのパスワードを直接解除するのは、多分ほぼ不可能。でも、セキュリティファイルを取り除いて中身を丸ごとコピーするって手段ならいけるんじゃないかな……で、そのためにはOptimus Mirror System……通称、鏡って呼ばれるツールが必要なの」
「ぜ、全然話についていけない……」
「さっぱりですな」
「うーん……つまり、今のままじゃG.Bibleは見れないから、『鏡』ってプログラムが必要だってことだよね?」
ミドリがある程度内容を簡潔にまとめて話すと、マッシュとモモイは納得した様子で頷く。
「じゃあその鏡はどこにあるの?」
「あたし達ヴェリタスが……持ってた」
「何だ、それなら今すぐ……え、待って!? 過去形!?」
「そう。今は持ってない。セミナーに押収されちゃったの、もうっ!」
「セミナー……ユウカちゃんやノアちゃんがいる所か」
「急に押しかけて来てさー!?『不法な用途の機器の所持は禁止』、それだけ言ってプログラムを回収していったんだよ!もう本当にやだ!」
「わたしの盗聴器もその時に持っていかれましたね」
「サラッととんでもない言葉が聞こえて来た」
「その鏡ってやつはそこまで危険なものなの?」
「そんな事はないよ。暗号化されたシステムを開くのに最適化されたツールってだけ」
ハレは「ただ……」と言葉を続けて。
「世界に一つしかない、私達の部長ヒマリ先輩が直々に製作したハッキングツールで…」
「ヒマリ…?」
「ヒマリ先輩はヴェリタスの部長さんなの。ちょっと身体が不自由で車椅子に乗っているから、見かけたらすぐ分かると思う……本当に、凄い人でね。身体の事はあるけど、それであの人に同情したり軽視したりするような人は、少なくともこのミレニアムにはいない。天才、っていうのかな。ミレニアム史上、まだたった3人しか貰えてない学位、全知を持ってる人なの」
「なるほど、つまりめちゃくちゃ頭が良くてめちゃくちゃすごい人なんだ」
「簡単にまとめれば…そうだね」
「うん、本当に凄い……けど、それはそれとして、どうしてせっかく作った装備を取られちゃったの?」
その問いに対し、わかりやすくそっぽを向くコタマ。
「……私はただ、先生のスマホのメッセージを確認したかっただけです。そのために鏡が必要で……不純な意図は全くなかったのですが」
「どう考えても不純だよ!何しようとしてるのさ!」
「別に見てもいいですよ?」
「本当ですか!?」
「先生!一応プライベートな事なんだから、そう簡単に渡しちゃダメ!」
「そっか」
「うわあぁん!早く鏡を回収しないと部長に怒られちゃう!」
「兎に角……整理すると、私達も鏡を取り戻したい。それに、G.Bibleのパスワードを解くためには、あなた達にとっても鏡は必要……そうでしょ?」
頭を抱えるマキと流し目で此方を見るハレ。セミナーに押収された、ヒマリが作成した暗号解除ツール。
そんな大事なものは早く取り返したいが、セミナーと押し問答を繰り広げるのは流石にやばい。
ならば実力行使!と考えるが、それはもうほとんど自殺行為。何処かに力を借りたいが…セミナーに一緒に喧嘩をしに行ってくれる者なんていない……そう、いなかった。
この場にゲーム開発部が来るまでは。
「……うん、大体分かったよ」
「ふふ、流石モモ。話が早いね」
「目的地が一緒なんだし、旅は道連れってね」
「共にレイドバトルを始めるのであれば、私達はパーティーメンバーです!」
「ま…まさか…まさかみんな……本気で?」
「……なるほど、つまりあれですな」
『セミナーを襲撃する』
その場にいるミドリ以外の意見は一致した。
―――――――――――――――――――
最初の頃、ミドリはやめておこう、まずい。と止めていたが、このままではゲーム開発部に未来は全くないのでやるしかないと決めた。
「けど…大きな問題がある」
「問題?」
「『鏡』は生徒会の差押品保管所に保管されているんだけど、其処を守っているのが実は……メイド部、なんだよね」
「……え?メイド部、ってもしかして……」
「メイドって、あのフリフリをつけている可愛い服装を着ている人たちの事?それの何が問題なの?」
「先生、セミナーのメイドは……普通じゃないんです」
コタマが説明を聞き衝撃を受けるマッシュ。
メイド部
ミレニアムサイエンススクールで活動する組織で、略称はC&C。凄腕のエージェント集団で、戦闘力は同校でトップクラス。
制服はメイド服であり「メイド部」と呼ばれる時もある。エンブレムも「M16を携えたメイドの横顔」になっている。
そして流麗な所作で優雅に敵を『清掃』する。
「コエー」
「じゃあ…あのメイド部が鏡を?」
「そうそう!まあ、些細な問題なんだけどさ~」
「そっか~!そうだねー、うーんなるほど~……よし、諦めよう! ゲーム開発部、回れ右!前進ッ!」
モモイは徐に立ち上がり、右手の人差し指でヴェリタスから出るためのドアを指し逃げ始めた。アリスがすぐに動き、羽交締めをして止める。
「諦めちゃダメだよモモ!G.Bibleが欲しいんでしょ!?」
「そりゃ欲しいよ!でもだからって、メイド部と戦うなんて冗談じゃない!そんなの、走ってる列車に乗り込めとか、燃え盛る火山に飛び込めって言われた方がまだマシ!」
「で、でもこのままじゃ、あたし部長に怒られ……じゃなくて! ゲーム開発部も終わりだよ! このままじゃ廃部になっちゃうんでしょ!?」
「うぐっ……も、勿論廃部は嫌だけど……でもこれは、話の次元が違う。C&Cのご奉仕で壊滅させられた過激団体や武装サークルは数えきれないもん」
「……最後には痕跡すら残さず、綺麗に掃除される。有名な話だね」
「すごく怖い」
メイド部が仕事を終えた後には何も残らない。まるではじめから無だったように。それほどまでに強力で恐ろしい集団、それがメイド部なのだ。
「そりゃ、私も部活は守りたい。でも、ミドリにアリス、ユズの方が圧倒的に大事!危険すぎる!」
「た、確かにそうだけど…」
「それに!いくらアリスがとんでもなく強くても限界はある!私たちなんて足手纏いだし……もっと強い戦力、ゲームで言うとチートキャラ!そんな人がいないとダメだよ〜〜!!」
「それは………あれ?」
モモイの言葉に待って?と思うミドリ、そう、モモイは忘れていた。
この場にそのチートキャラがいると言うことを。
「お姉ちゃん……その場所に行くのは誰?」
「グスッ…え?私達とヴェリタス…それから………―あっ!」
「な、なに?そんなにすごい助っ人いるの?」
「わ、忘れていました……そう!そうです!私たちには―先生がいます!」
そう、この襲撃メンバーには……
「そうだよ!先生がいるじゃん!わーいわーい!!」
「待って待って待って!?何勝手に言ってんの!?」
「先生って……ヘイローも持ってない、そんな人をメイド達と戦わせる気?」
「モモイ、流石にそれはあんまりじゃ……」
「フッフッフッ…みんなは先生のことを何も知らないからそう言えるんだよ。先生、ちょっと力を見せて!」カチャ
モモイは銃をマッシュに向ける、顔ではなく胸の方を狙って。ヴェリタス面々は止めようと動くが、大丈夫だとアリスが止める。
「ばっちこい」
「行くよ?…3・2・1……ファイヤ!」パンっ!
モモイはマッシュに向けて銃弾を放つ、マッシュはスッと腕を出し、パシッ!と簡単に素手で掴んでみせた。
『え……は――えぇ!?』
「うん、わかる。そうなるよね」
「先生……本当に、本当に何者なんですか?」
「鍛えまくった普通の人間」
「嘘だ!」
「本当だよ」
「ね?先生なら大丈夫でしょ?この前だって1tの鉄の杖を軽々と持ち上げて、握力でそれを加工したんだから」
「どう言うこと!?」
「そう言うこと」
マッシュのありえない行動にヴェリタスはかなり動揺するが、それだけ強いならワンチャンあるのでは?と考えるようになる。
「先生ならメイド部の人達なんて余裕だよね?」
「多分、その人達全員がもしツルギさんと同レベルなら……流石にキツイかな」
(ツルギって……トリニティのあのツルギ!?)
(それと戦って生きてるってなに!?)
「あ、あの人のようなクラスの方なら一人…メイド部の部長さんがいます」
「ほうほう」
「けど安心してください…今現在その人は―不在なので」
「ほう?」
その部長が不在という情報は、マッシュ達がハッピーエンドになる可能性を強くしていた。
知ってるかい?もうそろそろパヴァーヌが終わるんだぜ?そのあとは小話……そしてその次がエデンだぜ?早いなぁ……本当に早い。
この作品にコメントを貰ってる以上、エデンはめっちゃ頑張りたい。けどむずいんじゃこれが……
励みになりますのだコメントと評価、ぜひよろしくおねがいします!コメント一つでモチベーションが上がりまくります。
百花繚乱後に見たい話
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まだ交流がない生徒との話
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アイデェア箱から選んだお話
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ラビット2章
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愛が重い生徒との話