前編後編に分けちまった。ごめんなさい。
本編先生の解像度低めかもです、難しくて難しくて……
マルチバース
この世界に宇宙は1つではなく複数存在していると考える理論。
つまりはマッシュがレグロに拾われた世界線もあれば、拾われなかった世界線もあるということ。
これはマッシュが、別世界の先生と会ったお話しである。
―――――――――――――――――――
「――んーー…ふぅ、これで今日の仕事は終わり。残りは明日でも大丈夫そうだね」
そう言って私は入れ立てのコーヒーを飲む……うん、我ながらとても美味しい。
窓から見える景色を見ながらこのコーヒーを飲むのが私は好きなんだ。
あ、自己紹介がまだだったね…私はシャーレの先生。
ここキヴォトスで先生として働いている、凛として品がある誠実で清楚な大人だよ。
「今日も疲れたなぁ」
ここにきて色々あった……ありすぎた。最初に先生として呼ばれたあの日からもう結構時間が経っている
アビドス対策委員会、ゲーム開発部、エデン条約、色々なことがあったけど……先生としての役目はちゃんと果たしていると思っているよ。
「ふぅ…」
話は変わるけど、
例えキヴォトス内の仕事がびっくりするぐらい忙しくても、いつも問題を起こしまくっている生徒の相手をするときでも、私は特にイライラはしない。
なぜって?それは簡単、今まで積み重ねてきた経験がストレスに対処する方法を教えてくれるんだ。
ガタガタガタガタガタッッ
「………ドアの方から…?」
そう……ストレスの対s
バキッ!
「ルァァァァァァァッッ‼︎?」
「あ、先生。お疲れ様です」
「お疲れ様、じゃないよね⁉︎ なんで⁉︎なんでドアを壊して入ってきたのマッシュ君! あのワカモでもちゃんと普通に入ってくるよ!?」
「押し戸か引き戸かわからなくって」
「何回ここの扉通ってきてると思ってるの!?」
「だからなんとかしようかと」
「結果的に壊してるけどね!」
「……ごめんなさい先生、なおすよ」ズゥゥン
「いや……まぁ―うん、反省してるならいいんだよ」
素直…うん、ほんと素直なんだよね、この子。
ガンガンガンガンガンガンッ‼︎
「ルァァァァァァッ!?向き向き向きィィィィィィ!!」
「おかしいなハマらない」
「いや向きぃ!!」
「え?なんて言ってるんですか?」
「それを一度やめなさい!」
「俺の尻をなめろ?」
「イヤァァァァァァッッ!!!」
バキッ!!
「あっ」
「あぁ……またユウカに怒られる」
「ごめんなさい先生……」
悪意は無いんだよねぇ素直だし……
彼の名前はマッシュ・バーンデッド、どうやら別世界でのシャーレの先生……らしい。
彼がこの世界へ来たのは数週間前。私がいつも通り仕事をしていた時だった。
―――――――――――――――――――
その日はユウカとリンちゃ……ちゃんはダメだったね、リンと一緒に書類を片付けていたんだ。リンはたまたま私に用事があって、ユウカは今日のシャーレ当番。
「仕事が全然終わらない……」
「頑張ってください先生、後もう少しじゃないですか」
「そうは言っても……色々あったからね、元気があまり出ないんだ」
「そうは言いましても…」
「……ユウカとリンが膝枕をしてくれれば元気出るかもしれないなぁ〜?」
「なっ、なっなっに、を!言っているんですか!」
「そ、そうですよ!」
「ごめんごめん、二人の照れた顔を見たら元気出てきちゃった。よーしやるぞー」
『先生!!』
「ご、ごめんって…」
そんな感じの会話していた時だった、突然空から何かが降ってきたんだ。それもすごい勢いで
「!」
「先生は後ろに!」
「う、うん!」
初めは誰かの襲撃か?と思ってシッテムの箱を用意して、ユウカとリンの後ろで身構えた。
「……あれ、ここってシャーレ?…なんで僕、空から?」
煙が晴れ降ってきた物の姿がはっきりと見える、黒髪のマッシュルームカット、それ以外は特に目立ったところは無かったけど。
その子が子供だと言う事はすぐにわかった。
「そこ!手を上げて大人しくしなさい!貴方は一体何者なの!?」
「何者って……え、僕ら知り合いだよね?」
「……?何を言っているのですか?」
「え?」
「え?」
そう。その落ちてきた子供というのがマッシュ君で、どうやらユウカとリンのことを知っていたようだった。
「いやいや、僕だよ?ほら、マッシュ・バーンデッド」
「マッシュ……バーンデッド……ユウカさん、知ってますか?」
「知らないわよそんな人……適当言って誤魔化そうとしても無駄よ!」
「そんな……あんなに仲良くシュークリームを食べたのに」
「貴方とシュークリームを食べた記憶なんてありません」
「り、リンさんはこの前、一緒にストレスを解消しにいきましたよね?久々に休みが取れたって」
「そんな記憶ありませんし……そもそも私が休みなど取れるわけありませんよ」
「そんな……?」
マッシュ君は頭を捻り始めて、本気で困っているようだった。子供が困っている……なら私が動かないわけにはいかない。
「君、マッシュ君だっけ?」
「はい……貴方は?」
「私はここ、シャーレに所属している先生だよ」
「先生…?え、貴方もシャーレの先生なんですか?」
「貴方……も?」
「僕もシャーレの先生なんです、同じ職業だなんて奇跡ですね」
その言葉に私達は驚く、なんと目の前の少年は自分がシャーレの先生だと言い始めたんだ…私という本物がいる前で。
「な、何を、言っているんですか?」
「証拠はあるの証拠は!」
「えっと確か……あった、これをどうぞ」
「―し、シッテムの…箱!?」
「起動もできますよ」
信じられなかった。目の前にはもう一つのシッテムの箱、そしてシッテムの箱を起動できるのは私以外にありえない……はずなのに彼は起動した。
「ど……どう言う…こと?」
「………先生、どういたしましょう」
「うーーん………とりあえず話を聞きたいから、手を上げてくれるかな?」
「はい」
(え、そんなすんなりあげる?)
「ではボディーチェックを行います、動かないでくださいね」
「うす」
怪しいものはないか、それを探るためリンとユウカがマッシュ君の体を隅々まで調べる……絵面が、絵面がちょっと…うん。
「……?」
「何かありましたか?」
「一応……これって」スッ
マッシュ君の体が出てきたものは――シュークリーム……シュークリーム?
『シュークリーム!?』
「よかった、シュークリームが潰れてなくて」
「ま、まって…え?懐に…シュークリーム?それでなんで形を保っているの?」
「ほ、ほかには…」
リンとユウカが次々とマッシュ君の懐に手を入れていき、見つけたものを出してゆく……そのほとんどがシュークリーム。
「四次元ポケットか何かなんですか!?」
「なんでこれだけのシュークリームを…?」
「シュークリームは僕の主食なので」
「答えになってませんよ!」
「と、とりあえず!他に何かないかな?」
「それが特には…… !?」
「ユウカ?」
「先生……あの……これ」
ユウカが渡してきた一枚の写真、そこにはマッシュ君と、アビドス対策委員会のみんなが仲良く写真に映っていた。
それを見て私はすぐにホシノへ連絡、ホシノは『マッシュなんて人は知らないよ?』と言い、続けて『みんなも知らないってさ』と言った、
そして確信した……この子、マッシュ・バーンデッドは
「別世界の……先生」
「?」
別世界での、私と同じ先生だった。
――――――――――――――――――
そして現在
「いやぁ……まさか別の世界線に飛ばされるなんて」
「うん……私もびっくりしたけど、こんなこともあるんだね」
ユウカとリンには私から説得して、マッシュ君が元の世界に帰るまでここにいさせると言うことで納得してもらった。
『先生に手を出したら…許しませんよ』
『先生、十分にお気をつけください……それでは』
最後の最後まで二人はマッシュ君のことを警戒していた、別世界から来た先生!とわかっていても信じることは無理だったみたい。
「ユウカちゃんとリンさんにあんな冷たい目をされるなんて……ちょっとショックだったな」
「ごめんね、最近色々あったから…二人とも疑心暗鬼になってるんだ」
「色々?」
「うん、色々とね」
聞いた話、まだマッシュ君の世界ではエデン条約が始まっていないらしい。教えよう!と思ったのだが……何かまずい気がしたので黙っている。
「……質問いいかな?」
「はい」
「そっちの世界で、君はどうやってアビドスとゲーム開発部を救ったの?」
「多分先生と同じだと思います」
「同じ…ね」
同じと聞いて、私は少し考えてしまう。私と同じと言う事は、私と同じ経験をマッシュ君が行ったと言う事。
戦場に立ち生徒達の指揮をした……同じ子供が、私と同じことを行った。……子供が背負うべきではないはずなのに。
「はい、同じです」
「……よく頑張ったね、怖かったでしょ?銃弾が飛び交ったりする場所に立つのは」
「そんなに」
「……そんなに?」
「先生も僕と同じことをしたんですね……ちょっと大変だったんでは?」
「…まあ、それはね。けど君の方が―」
大変だったでしょ?そう言おうと思った時、マッシュ君の口らから聞いたのは衝撃の言葉。
「まずワカモちゃんの弾丸をキャッチして」
「そうそうキャッ……なんて?」
「戦車を破壊して」
「破壊?」
「カタカタヘルメット団を壊滅させて」
「壊……滅?」
「便利屋の人たちを鎮圧して」
「鎮圧…」
「銀行強盗をして」
「ま、まあそこは一緒…」
「後カイザーを埋めて」
「埋めて!?カイザー理事を埋めたの!?」
「黒服さんに技を食らわせて、ホシノさんとの契約を無かったことにして」
「黒服に技を仕掛けた?!」
「カイザー理事にヘルフォールを食らわせて」
「ヘルフォールってなに?なにその物騒な名前」
「そしてでっかい蛇をボッコボコにして」
「でっかい蛇―ビナーのこと!?え、出たの?砂漠に出たの!?」
「最後はアビドスの借金を結構減らした……我ながら結構やってますね。先生も大変でしたでしょ?」
「私そんなことやってない!!」
今マッシュ君が言った事はきっと嘘……嘘…だよね?だった普通の人間がそんなことできるわけないもん――あれ、そもそも空から降ってきた時に無傷だったのはおかしいよな……いや!違う!きっとアロナが守ったんだ!間違いない!
「そうなんですか?……じゃあ逆にどうやってみんなを助けたんですか?」
「それこそ色々と……」
「まあ砂漠の方はヒナさんが手伝ってくれたから助かりましたけど」
「ヒナさん……つまり風紀委員の協力を得たんだね――て事はつまり……そっか、マッシュ君もそうだったんだね」
そうかマッシュ君も……
舐めたんだね、イオリの足を。
まああの時は切羽詰まってたし仕方ない……仕方ないよね?私は悪くないよね?
「マッシュ君…君も、イオリの足を舐めたんだね」
「……………………えっ」
「大丈夫、私も舐めたからね……けどあの時はお互い切羽詰まってたし、恥ずかしがる事は」
「……あの……舐めるって…なんですか?」
「…?風紀委員の協力を得るためにイオリの足を……舐めて……あれっ?」
「あ、足を、舐める…って……人の足、女の子の足を?」
「もしかして……マッシュ君は、舐めて…ない?」
「先生は舐めたんですか?」
「……………うん」
頷いた瞬間、マッシュ君は足を隠しながら私から離れた。待って、違う!違うんだマッシュ君!!!
「あの、大丈夫です。人ってそれぞれ違いますし、そう言うが趣味な人や、それが好きな人がいるって、わかってますから」
「待ってくれ!違う!違うんだマッシュ君!私は決して、ど変態ではない!変人なだけなんだ!」
「足を舐めた人が変態じゃないわけ無いじゃないですか」(真顔)
「お願いだ話を聞いてくれ!私は確かにイオリの足を舐めたし、シロコの頭やヒナの頭の匂いを吸ったりもしたけど」
「――えっ」(ドン引きしながらもっと離れていく)
「あ、違う!違うんだマッシュくーーーん!!!」
その後10分ぐらい……マッシュ君はわかりやすく、わかりやすーく目を背けていました。…違うんだマッシュ君…。
――――――――――――――――――
あの後、なんとか誤解を解いた私は一息をつき、マッシュ君と話しを続ける。
そしてわたしはマッシュにある約束を交わした……それは、元の世界に帰るまでの算段がつくまでシャーレからでないと言う事。
この世界……キヴォトスは、ヘイローのない人間がほとんどいない。しかもマッシュ君は子供で、別世界から来た存在だ……もしも面倒な大人に見つかってしまえば大事だ。
「だから、外にでちゃダメだよ?」
「うす」
「私はちょっと用事で出かけるけど……絶対にダメだよ?」
「うす」
「よし、マッシュ君は素直でいい子だね……それじゃあ」
……本当に大丈夫だろうか…とりあえず私は自分の用事を済ませるため、手早く動いた。
「………」(シュークリーム屋のチラシを見る)
ガチャッ
「ごめんなさい先生、背に腹は変えられないんです」バンッ!
―――――――――――――――――
「書類を直で取りに来てくれって…結構無茶言うよねぇ」
手に二十枚ほどの書類を持って私はシャーレへと向かう、マッシュ君を返す方法も考えないとな……最優先はそこだ。
「……シュークリームでも買って帰ってあげようかな、確かあっちらへんに―」
『あの、いきなりなんですか?』
『いいから早く来い!さっさとしろ…!』
『ええー…やだ』
『お前ここらじゃ見ない顔だな……どこから来た』
『シャーレからシュークリームを買いに来ました……あっ、これ言っちゃダメだった』
『……シャーレだ?』
「――嘘だと言ってくれ…!」
なんで、なんで外に出てるんだ!?しかも奴らは……カイザーコーポレーション!!まずい!
「おい、連れていけ」
「っ!」
私はシッテムの箱を持ち急いでマッシュ君の元へと駆け寄る。しかし私の身体能力では――っ!
「待て!!その子に――」
その子に触れるな、そう叫ぼうとした時だった。マッシュ君は掴んでいるカイザー兵士の腕を逆に掴み
「あ?」
「ごめんなさい……けど」ググッ
「なっ―っ!ぐっ…ぉ!?」
そのまま力を入れ始めた……あれ、なんか、ミシミシって音が聞こえるような……
「知らない人について言っちゃダメって言われたので」
「き、貴様!」
「動かないでください、動いた瞬間……掴んでるこの人の腕をへし折ります」
「は、ハッタリだ!んなことできるわけ」
「アイデデデデデ!!!!?う!動かないでくれ!ほ、本気で、折れちまう!!」
「ね?」
マッシュ君が掴んでいるカイザー兵士の腕から軋むような音が聞こえ、さらには火花も出始めている……カイザー兵士の腕って、鉄だったよな?
「ま、マッシュ君」
「あ、先生」
「先生―だ、と?あいだだだだ!!」
「お、おい!お前の生徒だろ!?早く止めろ!」
「えっと…とりあえずマッシュ君、離してあげて?」
「うす」
そう言ってマッシュ君は手を離す……うわ、カイザー兵士の腕が凹んでる。
「貴様よくも……こんなことをしてただで済むと思ってるのか!?」
「どうなるんですか?」
「マッシュ君、挑発しちゃダメだ」
「知りてえか?知りてえなら教えてやるよ!!こうやってなぁ!!」
腕が凹んでる兵士が片手で銃を持ち上げマッシュ君に向ける。わたしはマッシュ君を守ろうと間に入ろうとする……しかしわたしが動くよりも先にマッシュ君が動きだす。
「マッシュ君ダメだ!近づいちゃ―」
ベキッ!!
「だめ………だ………よ?」
…………銃、握り潰しちゃった。
「教えてくれますか?どうなるのか……今、ここで」
マッシュ君はゆっくりと兵士二人に近づく、二人は銃を片手で握りつぶしたマッシュ君にビビりその場から去る。
「ごめんなさい先生、約束を破っちゃって」
「いや……その……もうそれはいいんだ…けど」
「シュークリーム買ったんですけど、食べます?」
「……うん、食べる」(思考停止)
私は確信した。
この子は……アビドスやゲーム開発部の一件を全て
力技で解決したんだと
マッシュ君は本編先生みたいな変態行動はしない(断言)
エデン編の悩みどころは色々あるんですが、我らがミカさんとの戦闘をどうするかいま考えております。正直マッシュ君といい勝負しそうなんですよね。
励みになりますのでコメントと評価、どうぞよろしくお願いします!
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