今考えている物をお話しします。
『ゲヘナ二大テロリストが起こした爆発にマッシュ君が巻き込まれ、地面にシュークリームが落ちる』と言う物です。
『……お°?』って言うのが見たい。
ゲーム開発部部室へやって来たマッシュ達、レグロはゲームと呼ばれる物を生まれて初めて見るので、興味深そうに眺めていた。
「なるほど……これら全てがゲームと呼ばれるものか」
「どれも面白いものばかりだよ、むしろ面白くないものが少ないってくらい」
「マッシュが筋トレ以外でそこまで言うとは……随分と気に入ったんじゃな」
「うん、ゲームのおかげで強くなれたし」
「え、それ以上にまた強くなったの?嘘じゃろ?」
「大丈夫、まだ人間辞めてないから」
「強くなる=人間を辞めるなの!?」
「僕は人を辞めるぞじいちゃん!―ってやつ」
「何に影響されたんじゃマッシュ……」
レグロはそろそろ人を辞めそうなほど強くなっているマッシュを見て心配したが、まあ人を辞めてもマッシュはマッシュじゃしな…と納得した。
「……あ、そうじゃん!!」
「そう?」
「ねえねえお爺さん!お爺さんの世界って異世界なんですよね?」
「うむ」
「だったらそっちの世界のお話を聞かせて欲しいんです!」
「ワシらの世界の話を?」
「うん! 異世界に住んでいる人の話なんて滅多に聞けないし、本当に住んでいる人からの話なんてリアリティがあっていいんです!」
「確かに……レグロさん、教えてくれませんか?」
「う、うーーん……あんまり面白い話ではないぞ?」
「それでも気になります!マッシュ先生の世界のこと、アリスはずっと気になっていましたから!」
「わ、私も知りたいな」
「そこまで言われたら―って誰!?」
「あぅ、えっと……ユズ、です。ここゲーム開発部の部長…花岡ユズ…です、ちょうど新しいゲームのアイデアがなくって……教えて、欲しい…です」
レグロは少し悩む、ちらっとモモイ達の方を見ると。上目遣いでうるうるとした目を向けている……
「ワシ、オシエル」
『やったー!!!!』
レグロは生徒達に勝てなかった。
「包み隠さず!全部教えてね!」
「よーし、おじいちゃん全部教えちゃうぞー」
『わーーい!!』
「…あ、そういや僕もあんまり知らなかったな」
レグロはモモイ達に負け、自分の世界のことを包み隠さず教えた……具体的には
1・魔法のこと(固有・セコンズ・サモンズ・サードなど)
2・アザのこと
3・神格者のこと
4・杖のこと
これらを全て詳しく話し、ゲーム部にアイデアを与えた。モモイ達の目はびっくりするぐらい光り輝いていて、レグロが眩し!っとなるほど。
「魔法ってすごいな」
「そう、魔法はすごいんじゃぞ?」
「……まあ別に全部肉体で対処できそうだけど」
「それはお主だけじゃ」
「浮かぶ、浮かんでくる!!アイデアがどんどん出てくる!!」
「あとは設定やキャラ、ストーリーを色々考えて制作開始………うん、いける」
「そうと決まれば早速取り掛かろう!―あ、アリスはちょっと待っててね、おじいちゃんありがとう!」
「何か助けになったようで何よりじゃ」
「先生もまた後で!試作品ができたらまたプレイしてね!」
「……………………うん」
「タメが長い!」
「よーしそうと決まれば準備をしないと、また後で!」
才羽姉妹とユズは部屋を飛び出し何かの準備に取り掛かった、そして部屋に残されたのはマッシュ、レグロ、アリスの三名。
「元気な子らじゃな」
「子供はあれぐらいがちょうどいいって言うしね……あれ、じゃあ一個上の僕は?」
「マッシュはそれでいいんじゃよ、元気すぎるマッシュはなんと言うか……あーあれじゃあれ」
「解釈違い!ってやつですね」
「多分それじゃ」
「まあ……ちょっとわかる」
「お爺様、アリスは、もっと魔法が知りたいです!」
アリスはレグロの話を聞いてますます魔法に興味を持ち出していたようだった。しかしレグロが知っていることはもうほとんど話したので、教えることが何一つない。
(あるとすれば禁忌じゃが…うーむ、流石にそれは教えるのは少し違う気が……)
「―アリスちゃん、今度はアリスちゃんがじいちゃんにもゲームの事を教えてあげてみたら?」
「ゲームのこと…―はい!アリスは教えます!魔法のことを色々と教えてくれたお礼です」
「そ、そうじゃな!うん!教えてもらおう!(ナイスじゃマッシュ!)」
魔法を教えてもらったアリスが今度はレグロにゲームのことを教える、マッシュと違いレグロはゲーム初心者。なので簡単なゲームを―
「まずはこれです、格ゲーの一つ『天拳』!」
全然簡単ではなかった、むしろ難易度が結構高きゲームをアリスは選んだ。『流石に…』とマッシュとレグロは止めようとしたが
「早くやりましょう!✨✨」
『やろうか』
アリスの笑顔には勝てずそのまま天拳をやり始めるのであった。
天拳プレイ中
「息子を崖に突き落とすとか……ダメじゃろ」カチカチッ
「数年後にやり返されてるね、仲良くすればいいのに」カチカチッ
「ほんとにのぉ……所でマッシュ」
「ん?」
「なぜさっきからワシを画面端に寄せて攻撃しておる?」
「……ハメ技…入るなーって」
「マッシュ先生大人気ないです!」
ファイナル・ファンタジアX
「こんなことあっていいんかの……」
「主人公が死亡とかの作品はみたことはありますが…うぅ」
「親と喧嘩……と言うか、戦うのは嫌だな……じいちゃんと戦うなんて――じいちゃん死んじゃう」
「そっち?」
レグロはアリスに勧めるがままゲームをやってゆく、ゲームの話をしている時のアリスはいつも以上に楽しそうであり、キラキラとしていた。
そしてしばらくゲームをやり続けた結果。
「…スゥ……スゥ…」
「寝ちゃった」
「随分と長いこと遊んだの……ここまで何かに夢中になったのは初めてじゃ」
「タオルか何か持ってこようか?」
「おお頼むぞ、……随分と可愛らしい寝顔じゃなあ」
レグロの膝の上に頭を乗せぐっすりと眠るアリス、どうやら遊び疲れていたようだ。マッシュは持ってきたタオルをアリスにかける。
「……それにしても、このテイルズ・サガ・クロニクルはあの子達が作ったんじゃろ?すごいの〜」
「それの2も、みんな頑張って作ったんだ。僕の力を使わずに…自分たちの力で」
「マッシュも何もしなかったわけじゃないんじゃろ?」
「肩を揉んだりシュークリームを運んだりしたぐらいだよ」
「それだけでも十分なんじゃ、ほんの少しの手伝いが、大きく貢献する時もある」
マッシュはレグロの隣に座りながら談話を楽しんでいた、そこでマッシュは気になったことを聞いてみる。
「じいちゃん、テイルズ・サガ・クロニクルはどうだった?」
「む?…うーむ……なんと言うか、ストーリーは確かに難解で、ゲーム性?とやらも結構な物じゃった……即死…おおすぎんか?とも思った」
「ふむふむ」
「しかし……よくこれを作ったと感心したんじゃ、あんなに小さい子達がこれを作ったと思った時は…なんじゃろうな、心がグッ!ときた」
「テイルズ・サガ・クロニクルは、ゲーム開発部の努力の結晶だからね」
「努力……フフッ、ワシもやっておけば、何かが変わっていたのかもしれんな…」
レグロは幼い頃から周りに否定されて育ってきた、どれだけ頑張っても周りに認められず、努力なんて途中で諦めていた。
だからこそレグロはマッシュに努力を怠らないように少し厳しく言いつけてきた……その結果が今のマッシュ。
「あの子達の努力や頑張りは本当に素晴らしい物じゃ……まあ他人のワシから称賛されても嬉しくはないじゃろうが……あの子達は本当にすごい子達じゃ」
「もっと褒めてあげて」
「…? 絵もシステム?とやらも素晴らしい」
「もっと」
「ストーリーも途中までは―?と思ったが、わかってしまえばとても面白い物じゃった」
「総合評価」
「神ゲー……とやらじゃな、ワシの中では」
「…みんな、神ゲーだって」
バンッ!!!!
『おじいちゃん!!!』
「と、扉の先におったのか?」
「資料がまとまったのでここに戻ってきたんです……そしたら、レグロさんがそんなふうに言ってくれていて」
「ありがとうおじいちゃん!私達!これからも頑張る!!」
「神ゲー……フフッ…神ゲー…」
ゲーム開発部メンバー達は神ゲーと言われたことに対しとっても喜んでいた。少ししてアリスが目を覚ます。
「…ぁっ、眠ってしまいました…?モモイ達が何か喜んでいます」
「アリスちゃん!レグロおじいちゃんが、テイルズ・サガ・クロニクルは神ゲーだって!」
「―そう、そうです!あのゲームは神ゲーです!
アリスにゲームとはなんたるかを教えてくれた、最初のゲームですから!」
「僕もファンだから、神ゲーって言われたのは嬉しかったな」
「レグロさ……いや、レグロおじいちゃん、褒めてくれてありがとうございます」
「全然いいんじゃよ――これからも、頑張るんじゃぞ?」(にこっ)
『うん!!』
ゲーム開発部はレグロに懐き、しばらくの間『レグロおじいちゃん』と呼ばれ続けたのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
ミレニアムへと迷い込んだレグロはゲーム開発部とエンジニア部との交流を深めており、ゲーム開発部の生徒達のことをレグロは孫娘のようだった。
しばらく話をしていたのち、レグロはエンジニア部に呼ばれ部室へ足を運ぶ、念のためマッシュもついていく。
「やあレグロさん……よく来てくれたね、感謝するよ…フフフフ」
「レグロさんのおかげですごい物ができました……それも!実用性が今までで一番高い!」
「
「みんなの目が狂気的になってる」
「怖い、やっぱり研究者って怖い……と言うか、ワシを呼んだということは……魔法関連の物なのか?」
『正解!!』
「この数時間で魔法関連の道具を使った…じゃと?」
「やっぱりすごいな」
エンジニア部はなんとレグロの体を調べた時に出た魔力を理解し、それを利用した新たな発明品を作り出した。
未知のものを一瞬で理解する、発明家とは恐ろしい者である。
「さあレグロさん!早速こちらをどうぞ」
「これは……杖?それもワシが持っている物ではなく体を支える用のちゃんとした方」
コトリから手渡されたのは一つのL型の鉄の杖、重さはレグロが軽々と上に持ち上げられるほど軽い。そして持ち手にはいくつかのボタンが付いていて、何やら意味深なトリガーもある。
「ほぉ〜これはこれは!…うむ、サイズも丁度良い。丁度買おうか悩んでおったんじゃよ」
「それはよかったです!ちなみにそれの名前はマジックステッキです」
「マジックステッキ…良い名じゃな。持ち手も持ちやすく軽い、いやぁこれはいいのぉ」
レグロはぐるぐると杖を回しながらそう言って喜ぶ、喜んでいる姿にエンジニア部の三人は大満足でありマッシュも嬉しそうだった。
「よかったねじいちゃん」
「これは貰っても良いものなのか?」
「勿論、あんな事をしてしまった謝礼として受け取ってほしい」
「そう言うことなら……ふっふっふっ、どうじゃマッシュ。似合っておるか?」
「勿論……あっそうだ、ねえじいちゃん」
「んん?」
「ちょっとカッコつけて『鼻◯三丁 矢◯斬り』って言ってみてくれない?」
「な、なんじゃいきなり」
「いいからいいから」
「は…鼻唄三丁」(杖を刀のように持ちながら)
「矢◯斬り!!」
「おお……うん、大満足」
「ねえなんなのこれ」
「ありがとうみんな、じいちゃんにすごい物をプレゼントしてくれて」
「無視?」
礼を言うマッシュにエンジニア部三人はふっふっふっと笑い怪しい笑顔を浮かべる。
「…フフフッ、礼を言うのはまだ早いよ先生」
「?」
「その杖には、ものすごい機能をつけているんだ」
「ものすごい機能?」
「はい!レグロさん、杖の持ち手にある赤いボタンを押してください」
「赤いボタン……これか」ポチッ
レグロがボタンを押したその時、杖の内部から軽い機械音が鳴ると、杖の先端がパカっと開き何やら光始める。
「え、なにこれ」
「今、ワシの手から何か吸われたような気がしたぞ!?」
「レグロさん!レグロさんが知っている攻撃の魔法の名前を叫びながらトリガーを引いてください!」
「さ、叫ぶ意味は?!」
「ロマンです!」
「ロマン!?」
「さあ早く!✨」
「え、えーと…基礎攻撃魔法と言えば……確か……ええい!!」
レグロは自分の知っている基礎攻撃魔法を口に出しながらトリガーを引く。
「ナルコス!」ドォン!
杖の先端から野太い紫色のエネルギーが発射され、壁を貫通。レグロは撃った時の反動で少し後ろへ下がるが無事。
「壁に人の頭ぐらいの穴が……なにあれ」
「あれこそあの杖の真骨頂…その名もマジックガン!」
「持ち手部分で使用者の魔力を吸収、そしてトリガーを引くことでその魔力を発射できるんだ。赤いボタンは安全装置だよ」
「力めば力むほど威力が上がる仕様なの……上手くいったね先輩」
「うむ、大満足だ」
「もうなんでも作れるね」
使用者の魔力を吸収という時点でやばいが、それを結構な速さで撃て、さらには使用者の力み次第で威力が上がるトンデモ性能。
「………」スッ
レグロはその杖を持ち上げながら歩き、ウタハの手の上に乗せて
「返品します」
そう言った。
「なぜだい!?」
「危なすぎるからじゃよ、何あの威力!ワシ今まであんな威力の物発射した事ないんじゃけど!?」
「だ、大丈夫ですよ!壁を貫通するぐらいの威力を食らっただけじゃ人は死にません!」
「それは君らの世界の人らだけね?ワシらの世界だと壁貫通とかすごいとかそう言う次元じゃないから!当たったら死ぬから!」
「僕は大丈夫だよ?」
「お前は特例中の特例じゃい!!とにかくこの杖は受け取れんよ……」
そういってレグロは杖を返す。そして返されたエンジニア部達はと言うと
「…………そうか……ふむ」
「残念ですね…」
「結構頑張ったんだけど………仕方ないね」
めっっちゃ落ち込んでいた、どれくらいかと言うと。
せっかく買ってきた物を『え、いらな…』と引き気味に言われた時ぐらいの顔。
「ウグッ」
「じいちゃんにダメージが」
「そ、そんな顔をされたとしても!危険なものは受け取れ―」
「これを作るのに結構な費用をかけたんだが……仕方ない」
「ウグッ」(良心が痛む)
「みんなで頑張って頭を使ったんですが……」
「ウググッ」(良心が痛む2)
「拒否られたら仕方ないね……協力してくれたおじいちゃんの助けになると思って作ったけど」
「ウグググググググッ」(良心が痛むその3)
「じいちゃんの良心が傷みまくって変な感じになってる」
子供らがせっかく作ってくれた物をいらないと言って返す、ということに対しレグロは良心を結構痛めた。その結果。
「………返品はやっぱりキャンセルで、いいです」
『よし!』
「優しさが仇になったね、じいちゃん」
レグロは新たな杖、マジックステッキを手に入れた。これで何かあってもおそらく大丈夫であろう。
「さっきワシが飛ばしてしまったあのエネルギー弾は大丈夫……なのか?」
「大丈夫、そんな都合よく人に当たるわけ『ちょっとエンジニア部!?』………フラグというのは本当にあるようだ」
部室の扉が開き中に入ってきたのは頭にタンコブができているセミナー会計のユウカと、笑いを堪えているネル。
「さっきのエネルギー弾はなんなの!?結構痛かったんだけど!」
「あ、当たってしまっていたのか……すまんのお嬢さんや」
「……?あなたは……誰ですか?」
「ここらじゃ見ねえ顔だな……しかもヘイローもねえ。何もんだ?」
「二人とも紹介するよ、僕のおじいちゃん。レグロ・バーンデッド」
「おじい…ちゃん!?」
「……マジか」
「じいちゃん、この二人がセミナーの会計をしているユウカちゃんと、メイド部部長のネルさん」
「セミナー……メイド部………マッシュと戦ったという?」
「それそれ」
「マッシュ先生のお爺さんがどうしてここに…?」
「わかんない」
「つうか……びっくりするぐらい常識人っぽいな」
「マ、マッシュは二人とはどんな関係なんじゃ?随分と親しいようじゃが」
「ユウカちゃんにはいつもお仕事を手伝って貰ってるんだ、一応お金周りのことも」
「筋トレグッズに50000円かけたのは忘れてませんからね」
「マッシュ!」
「ごめんなさい」
『うちの息子がすみません…』と軽く謝るレグロと『話が通じる……よかった』と安心しているユウカ。
「で、ではこっちのお嬢さんの方は?」
「私はネル、先生とは一戦交え―」
「僕が生まれて初めて告白された人だよ」
「告白!?」(レグロ)
『告白!!?』(周り)
「あれはちげぇって言ってんだろ!?」
「ネル先輩詳しく」
「メモ取ろうとしてんじゃねえよウタハ!」
「そうか……そうか!マッシュにも未来のお嫁さんが……近いうちにひ孫も見れるのかのぉ」
「違うって言ってんだろ!?」
「名前はスマッシュで」
「乗ってんじゃねえよバカ先生!!」
その後しばらくそのノリが続くのであった。
ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
エンジニア部・部室内にて
「お…おお……こりゃ…すげぇな」
「あ、ありえない……こんなのありえない!―いや…けど…先生もありえないことをやってのけているし、その祖父がこんなことをしても………?」
「……………外の世界の人達は…みんなこうなのか?」
「多分先生の世界の人達だけですよ」
「おじいちゃんすっごーい!」
「流石じいちゃん、物を浮かせるなんてお茶の子さいさいだ」
「い"や"ぁ"〜これ結構!きついんじゃけど!?」
「レグロさーん!もう少しですよ〜〜!」
レグロは現在エンジニア部部室にして、少し大きめの発明品を魔法を使い宙に浮かせて運んでいた。
強力な杖を作ってもらった礼としてレグロはエンジニア部を手伝うことに。
部室には物音が聞こえ、駆けつけていたゲーム開発部とメイド部のメンバー達がおり。彼女らは最初、『お年寄りにそれは……』と思っていたが、レグロの魔法を見てそんな考えは飛んだ。
「ふぃぃ……ふぅ……やっぱり歳には…勝てんの…」
「お爺様は凄いですね!まるで歴戦の魔術師のようです!」
「本物の魔法……初めて見た、すごかったねミドリ!」
「うん、余計にアイデアが溢れてきた……」
「め、メモしなきゃ…」
ゲーム開発部はレグロの魔法に目を輝かせていて、メイド部は信じられない物を見たような顔をしていた。
「ボケたわけじゃなくて……マジで魔法使いだったのか爺さん」
「凄いでしょ僕のじいちゃん。褒めてもシュークリームしか出ないよ」
「シュークリームは出んのかよ」
「数学的にも……物理的にも、ありえない……そう、絶対にありえないから!」
(新鮮な表情じゃなー)
ユウカはレグロの魔法を見てしばらく放心し、一向に魔法の事を信じなかった。
「こ、これは…ほら、あれでしょ?エンジニア部の発明品なんでしょ?」
「流石の私達も物を浮かせる杖なんて作れないよ」
「じゃあこっそり先生が持ち上げている!」
「僕ずっとここにいたよ?」
「ユウカ…いい加減認めろって、信じられねえが、爺さんのあれはマジもんの魔法だ」
「うぅ…だって……」
「他の奴ら言っても信じねぇだろうな、年寄りの爺さんが魔法で物を浮かせたなんて」
「ですね」
ネルの言葉にアカネが同意していると、レグロは肩に手を当てながら椅子に座りこむ。どうやら肩を痛めてしまったらしい。
「お爺様…大丈夫ですか?」
「少し腕を上げすぎたようじゃ……アイテテ」
「だったらアリスが、肩揉みをしてあげます!」
「よいのか?」
「はい!お年寄りには優しくしなければいけない!っと先生に教わったので!」
「そうかそうか……フフッ、なら遠慮なくやってもらおうかの?」
「ミッション、レグロお爺様の肩揉みを開始します!」
アリスが笑顔でレグロの肩を持ちレグロも孫見ているかのような表情で開始するのを待つ、周りはそれを微笑ましく見ていた。
「いい絵面だね」
「孫娘と祖父……フフッ、なんだか微笑ましいですね」
「肩揉みね〜…最近私も肩が凝ってきたから、後でアリスちゃんにやってもらおうかしら」
「僕に頼んでくれればいくらでもやるよ?」
「怖いので結構です」
「ひどい」
「……おい待て、爺さんってヘイロー持ってねえよな」
「ああ、先生と同じで…………ただの人間…?」
「ま、待ってそれってやばいやつ!!」
「アリスちゃん止まって!ストープ!!」
「はい?」
アリスが少し腕に力を入れた瞬間
ミシミシミシミシミシッッ!
「ノァァァァァァァァァァッッ!!!?」
「レグロさん!?」
「しまった。アリスちゃんの力はとんでもないんだった」
レグロの肩からなっちゃダメな音が響いた、アリスはその音にびっくりして手を離す。そしてレグロは両手で肩を持ちながら倒れる。
「レグロさん!」
「肩から血が出てるよ!?」
「ヒビキ、こういう時のためのイタクナクナールだ!」
「でもあれってまだ試作段階なんじゃ」
「だからこそさ!ハリー!!」
「なんか……ワシの…体、また実験に使われてない…?アイダダダダッッ…!」
「お、お爺様…!―…ご…ごめんなさい!……わざとじゃ…無くて………えっと……」ウルウル
アリスはレグロの肩を揉もうと力を少し入れたが、その結果レグロの肩に結構なダメージを与えてしまった。
もちろんアリスにはそんな気は一切なく、むしろ善意でレグロの肩を揉んだ。
「だ、大丈夫じゃよ〜アリスちゃん」ビュービュー
「おい爺さん喋んなって!」
「大丈夫大丈夫……ちょっとヒビが入っているだけじゃから…」
「それ大丈夫って言わない!あと血が出てる!」
「じいちゃん、無理しちゃダメだ」
「マッシュや、心配してくれてありがとう……しかし今は、動かねばならないんじゃ」
レグロは両肩を抑えながらも頑張って動きアリスの側による、フルフルと震えているアリスにレグロは優しい声で言う。
「大丈夫じゃアリスちゃん、大丈夫」
「け、けど、お爺様の肩が…」
「いやいいんじゃよアリスちゃん、そう落ち込むでない」
「アリスの……力のせいで…」
「力とは使い方によっては人を助けるにも繋がるのじゃ、それはマッシュも同じ。それにキヴォトス人の力を忘れていたワシも悪いしの」
「……うぅ」
「アリスちゃんはワシの肩を揉もうとしてくれたんじゃろ?ならワシが怒るような事はない、むしろ……ありがとうと言わせてもらうぞ?ハハッ…イテテ」
アリスは泣きそうになりながらもレグロの隣に移動してレグロを支える。
周りはレグロに対し度肝を抜かれていた、事故であったとしても自分の肩に怪我をさせた相手に怒るどころかむしろ感謝した……それに対して周りは『マジか…』と言うような表情をしていた。
「……思い出した。昔…僕もじいちゃんの肩を壊したことがあったんだ…その時もじいちゃんはああ言ってた」
「とんでもない人ね……少しくらい怒ってもいいのに」
「じいちゃんの肩を壊して以来かな……僕がちゃんと力をセーブするようになったの」
「大事な物を傷つけたくないから力をセーブしている……うん、先生らしいね」
しばらくしてヒビキとコトリが一つのスプレーを持ってきた。
「キズイタクナクナール持ってきたよー!」
「いいタイミング、さあレグロさん。肩を」
「アイテテテテ……あの…ウタハさんや?そのスプレーはなんじゃ?」
「少し前に発明した物で、名をキズイタクナクナール」
「名前まんまじゃな」
「簡単に言えば痛み止めだね、これで少しはマシになると思う」
「おおそれはそれは……本当になんでも作れるの」
ウタハはレグロの肩にスプレーを使う、レグロは次第に痛みが無くなっていくのを感じ『ふぅ…』と軽い息を吐く。
「本当に痛く無くなっていく――おお、すごいのこれ!」
「キヴォトス人用に作っていたからね、きっとレグロさんには凄い効き目さ」
「……副作用とかない?大丈夫?」
「大丈夫大丈夫、少し前に先生に試してもらったから」
「いやマッシュって君らとほとんど同じぐらいの耐久力なんじゃけど」
肩の痛みが無くなり、治療して血も止まったレグロは改めてアリスを撫でる。
「今度、また頼んでも良いか?」
「け、けど………いえ、そうですね!今度からアリスはもっと気をつけます!そして…次こそレグロお爺様を笑顔にします!」
「ハッハッハ、そりゃいいのぉ」
「僕もやるよ」
「おおマッシュ…は………………うん、お願いね」
「間が長い」
少しして笑いがで始める一同、いつの間にかレグロと言う人間は生徒達の間に馴染んでいた。生徒達もレグロのことを『先生の祖父』ではなく
『一人の大人』としてレグロを受け入れていた、そしてレグロは生徒達に言われて魔法のことを教えていくことに。
「オプティアース」ガチャッ
「本当に開いた!」
「鍵を開けるイメージを魔力に送り込むんじゃ、そしたらこんな感じで―『ガチャッ!』」
「できた」
「開けたんじゃなくて壊したんじゃん!」
レグロの話を聞き、楽しくなった生徒達はもっと話がしたい、もっと知りたいそう思っていた………
しかし
ピカッ
別れは突然やってくる。
―――――――――――――――――
「レグロさんの体が光り出した!?」
「この前にもあった……そっか、帰るんだ」
「そうみたいじゃのぉ…」
「ええ嘘!!?」
「せっかく作った台本を見せようと思ったのに…」
「げ、ゲームも…やって欲しかったなあ…」
「もう少しお話がしたかったな〜」
「…残念だ」
「うーんワシももうちょっとこっちにいたい……ああ泣かないで胸痛い」
レグロは貰った杖を手に取り改めてお礼を言う。
「杖をどうもありがとう、大事に使わせてもらう」
「ああ……またこっちに来たら是非ともここへ来てくれ。それよりももっとすごい発明品を作っておくから」
「それは楽しみにしておくぞ、二人もありがとう」
「いえいえ!……今起こってる現象も調べたいですね」
「サンプル取ろう」
「怖いって!」
メイド部とユウカにも目を合わせる。
「ユウカさんや、これからもマッシュのことを…よろしくおねがいします。メイド部のみんなも、どうか仲良くしてやってほしい」
「任せてください!レグロさんの分まで、マッシュ先生のお手伝いをしますので!」
「先生には色々と借りがあるしな……それを返し終えるまでは守ってやるよ」
「それは心強い」
最後にゲーム開発部の方を向く、アリス達は必死に涙を堪えていた。
「レグロお爺様……」
「すまんのぉアリスちゃんや、しばしのお別れじゃ」
「……わがままは言いません、レグロお爺様を困らせてしまいますので。けれど――やっぱり…寂しいです」
「あのねおじいちゃん!次!次ここに来たら絶対にこっちによってね!?次来るまでに凄いゲームを用意しておくから!」
「あっちでも私達のこと、ゲームのこと!忘れないでくださいね!」
「私達のゲームを褒めてくれて、ありがとうございました!」
「うんうん……アリスちゃんや」
「はい」
「ゲームでもよくあるじゃろ?『また会う日まで』って……じゃから、これで完全にお別れというわけではない……またの、アリスちゃん」
レグロは笑顔でそういい、アリスも涙を流しながらもとびきりの笑顔を見せる。
「じいちゃん」
「マッシュ、どうじゃ?少しはこの世界になれたか?」
「……うん、友達も増えた」
「ならばよし……マッシュよ。この前も言ったんじゃが、ここにはまだお前の助けを必要としている子達が大勢おることじゃろう、だからその子達を死んでも助けるんじゃぞ?―たとえ、その子達が過ちを犯してしまったとしても…な?」
「―うん。じいちゃん……元気でね」
「うむ」
光がどんどん強くなっていき、やがてレグロは完全に見えなくなっていく。最後にレグロは大声で
『みんな〜〜!困った時は、人に頼るんじゃぞ〜〜!!!』
そう言って、その場から消えた。
「……アリス…知ってます。この気持ちは……とても…悲しいです」
「僕も同じだよ………うん、やっぱり寂しいや」
アリスとマッシュの気持ちは同じであり、二人の頭の中には
『頑張るんじゃぞ〜〜』
イマジナリーじいちゃんが生まれるのであった。
―――――――――――――――――――
魔法界 レグロ家
「……ナルコス」ビュン!!
ドゴォォォ!!
「…………しばらくワシの身は、大丈夫じゃな」
容姿完璧なのに性格とやったことで損しているキャラ……勿体無くない?と最近思います。マコト様とか……見た目クールなのになぁ〜エデンの一件がなー
マコト様とミカさんにシュークリームを突っ込みたいって言う欲が最近出てきている。
励みになりますのでコメントと評価、どうぞよろしくお願いします!
百花繚乱後に見たい話
-
まだ交流がない生徒との話
-
アイデェア箱から選んだお話
-
ラビット2章
-
愛が重い生徒との話