ほぼ温泉開発部撃退回になっちゃいました、お許しを。
今必死になってベアオバをどう潰すか考え中、ただでは退場させん。
それでは本編へ…どうぞ!
前回のあらすじ
「――はぁぁぁぁぁぁぁぁっっ……」(クソデカため息)カチャッ
「あれ、ヒナさんから黒いオーラが」
今度はヒナがキレた。
―――――――――――――――――――――
温泉開発部
ゲヘナ学園の部活の一つで、名前の通り各地で温泉を求めて開拓活動をしている。
これだけ聞くと物珍しくもアウトドア系の真っ当そうな部活だが、問題なのは温泉開発のためならそこが市街地だろうが他校自治区だろうが首を突っ込んでは、それを口実とするかのような大規模な破壊活動を行う、異常としか表現しようがない熱意と
『実際温泉が見つかるかどうかや、開発の過程で周囲にもたらす被害など知ったこっちゃない』
としか考えてないようなそれ以外への無頓着さ。
はっきり言おう、彼女らがやっているのは部活動ではなく大規模なテロである。
ドォォォォォォン!!!
ドガァァァァァァン!!
そしてそのテロを、彼女らは現在進行形で行っており、ハンマー片手に物を破壊、ショベルカーなどの重機を動かしながら暴れ回っていた。
「掘れ掘れ掘れ!!」
「掘って掘って掘りまくれ〜〜!」
「周りの被害なんて気にするな〜〜〜!!」
爆発音が鳴り響き、地面や周りの物がどんどん破壊されていく。彼女達に罪の意識なんて一切ない、なんなら悪い事だとも思っていない。
『ハッーハッハッハッ!!よし!そのまま手を休めずどんどんっ掘り進め〜!』
『温泉開発のためにはちょっと犠牲は必要だよね〜〜』
それを指揮している者達
臙脂色の温泉開発部のロゴ入りシャツに黒い短パン、その上から萌え袖状態の白衣を羽織っている部長の
火炎放射器を持ちながら能天気に笑っている副部長の
この二人も頭がおかしい、いや、部長に関してはバカというわけではない、ただただ倫理観が終わっているのだ。
「でもいいの〜部長、また風紀委員がこっちにくるよ?」
「メグよ……だからなんだというのだ?奴らを恐れていてなんになる?ここで歩みを止めて何になる!我々は我々のために、戦うのみだ!」
「おおかっこいいー!」
「ふふ、そうだろうそうだろう?それにだ……今……あの…あの、風紀委員長はエデン条約前で、忙しいはずだ……大丈夫、大丈夫絶対に来ない……来ないで」
「あーはいはい部長ー?大丈夫大丈夫ー」
部長であるカスミがヒナの顔を少し思い出して泣きそうになるのをメグが慰める、今行っている状況さえなければ微笑ましい光景なのに……勿体無い。
「会長ー!そろそろ準備ができますよー!」
「そうかそうか!……よし…温泉開発部!」
もっと掘れ!とカスミが大声で叫ぼうとしたその瞬間、カスミにとって最悪な音が聞こえた。
ドドドドドドドッッ!!!
「ギャッ!?」
「ぬぎゃ!?」
「ぬぁっ!!」
「…こ……この……音は……」
「あいつだ!あいつが出たんだ!全員武ぬぁぁぁっっ!!?」
「あ、あれ!?なんか今日いきぉぉぉぅぁぁっ!?」
温泉開発部部員達に放たれたのは無数の弾丸、それもただの弾丸では無く強力な物。それを一才の躊躇や手加減なく浴びせてくる存在に、温泉開発部は恐怖した。
「………せっかく、せっかく先生といっぱい話せるチャンスだったのに…だったのに……最悪…本当に最悪…」
「ヒナさん、ヒナさん。顔が、顔が怖いです」
「安心して先生……別に怒ってないから」
「その顔とその殺気でそれは無理がありますよ」
彼女らの目の前に現れたのはマッシュとヒナ、ヒナの目つきは鋭くなっており、眼力だけで人を殺しそうなほど……マッシュは必死にヒナを宥めていた。
「そもそもあの人達は……なんなんですか?テロリスト?」
「彼女らは温泉開発部…簡潔にまとめると、温泉を作り出すためにあたりの建物を破壊して更地にする部活。よ」
「ただのテロリストでは?」
「薄々私もそう思ってる」
「それで……あのわかりやすく白衣を着ている人が、部長さん?」
「そう。……けど安心して?あの子はもう動けないわ」
「どうしてですか?」
「今にわかる」
そう言って前を向きカスミの方をじっと見る、カスミとヒナの目があった瞬間……
『ひ、ひ、ひえええぇっ!!!』
その場で大粒の涙を流しながらしゃがみ込んだ、突然の出来事にマッシュは混乱する。
「どゆこと?」
「だ、ダメだ!部長がまたパニックに!」
「風紀委員長が来るといつもこうだからなぁ…」
カスミはよほど酷いトラウマを負っているのか実戦でヒナと相対すると、パニック発作で泣き叫びながら崩れ落ち、完全に行動不能となってしまう。
「どうするんですか副部長!」
「落ち着いてみんな、大丈夫……私達の部長は、これぐらいじゃやられない。くじけない!」
(テロリストが何言ってるの……ああなったらあの子は―)
「――ふ―ふふ……そうだ……私は挫けない」
「……嘘でしょ?」
「あ、立ち上がった」
「今までそんなことなかったのに」
酷いトラウマ映像がずっと頭の中に流れているが、カスミはなんと立ち上がった、その顔は変わっておらず泣きじゃくっているが……彼女は強くいう。
「私は温泉開発部……この行動に誇りを持って行動している、そんな私が……たかが一人の生徒に!負けるわけにはいかない!!」(大号泣)
『おおー!!部長ぉぉぉー!!』
そんなかっこいいセリフを言っているが、彼女はゲヘナ1の問題児であり厄介者、あのトリニティにも警戒されているほどだ。
「あのー、すみません」
「グスッ……ん?君は初めて見る顔だな……キノコ頭の男で、それにヘイローを持っていない…………―!?」
「え、もしかして……シャーレの先生?」
「あれ、ひょっとして僕って有名人? いやぁ照れますな」
シャーレの先生、その単語を聞いた瞬間温泉開発部はわかりやすく動揺し震える。
「嘘だろ……なんで、なんで…風紀委員長と、人間兵器が!?」
「人間兵器……なんか傷つくな」
「ほ、本当にどうしよう部長!シャーレの先生って、あれでしょ?風紀委員と同じぐらい強いんでしょ!?」
「ま、待て…焦るな……焦るんじゃない!」
カスミが一喝すると温泉開発部はピタッ!と動きが止まる、そして何か策を考えていたようでカスミはゆっくりとマッシュに近づく。
ヒナが間近にいると思うと恐怖でおかしくなりそうになるが、我慢。
「ヒッ…ヒナ……オチツケ、オチツクンダ……ンンッ、初めまして先生、温泉開発部部長、鬼怒川カスミだ」
「……カスミ、貴方達に勝ち目はない。だから諦めて降参して」
「……今は、この先生と話しているんだ。君には関係ない」
「は?」チャキ
「ヒナさんステイ、ステイです。とりあえず話は聞きたいんで」
「……分かった」
(あの空崎ヒナに命令を!?――くっ、恐れるなカスミ……大丈夫、一見よく見ると、知能はそこまで高くなさそうだ……上手く丸め込めれば、私たちが有利になる!)
カスミは正直言って知能が高い、普段の言動からは単純で思考回路も浅いような印象を受けるが、実際は非常に狡猾で賢い人物。普段見せているアホっぽい言動も全て『そのほうが色々と動きやすい』という理由で意図的に装ったキャラ付けである。
そういった仮面を外した彼女は僅かな情報だけで利害関係に落とし込んで相手を味方につけたり、その場の状況を利用して多数の人間を唆し自分に都合の良い方向に持っていくなど、人心掌握に長けた知能犯として大暴れする……これを今までずっとやり続け、カスミは難を逃れてきた。
「先生、少し話をしよう……これは君にとっても良い案だ」
「…ふむ…まあ、とりあえず話は聞きます」
「よし!…先生、我々は――」
そこからカスミは長い事話し始める、内容は自分たちが今行なっている行動の意味、自分たちの誇り、このまま良い関係になれば先生にとって良いことが起きる…などなどだ。
ヒナは気づく、カスミはうまいこと先生を丸め込みここを逃れようとしている……ヒナはマッシュに『話すだけ無駄だ』だ、そう言おうと決めた。
「――というわけだ……先生、どうかな?」
「……………………」(吐血しながら白目を剥く)
「気絶!? な、なぜだ!?」
「情報量が多くて気絶しちゃったのね…可哀想に……許さない」
「これは私が悪いのか!?」
「…はっ、いけない、またパンクしちゃってた」
マッシュはカスミの長い話を聞いて脳がパンク、会話の内容は難しすぎて理解できなかったが要するに、『ここで自分たちを見逃してもらえれば、先生のことを悪いようにはしない』ということ。
「成程成程………つまりは」
「理解してくれたかな?それで返事は」
「敵ってことですね」
「話を聞いていたのか!?」
カスミの話術はマッシュには全く効かなかった、マッシュからしてみれば温泉開発部がやっていることはただのテロであり、ヒナを困らせている悪い子達だと言う認識なので、見逃す、もしくは味方になるなんてありえない。
「カスミ、わかったでしょ?先生に何を言っても無駄だって」
「く、くぅ、ここまで話が通じないとは……―仕方ない!ここはゲヘナ生らしく……暴れてやろうじゃないか!」
カスミが何か合図を送ると、離れていたメグが頷き周りにちょっとした指示を出す。その場にいる温泉開発部達は動き出し陣形を整える。
「今の私は、ヒナ委員長にビビって、泣いて、動けなかった私ではない――私がいる限り、温泉開発部は負けない」
『そうだそうだー!』と温泉開発部部員達の士気は一気に上がる……カリスマ×知能が高いと言うのは、かなり厄介でありめんどくさい。
「…厄介ね、先生気をつけて……カスミは狡猾、こっちが不利になるような策をいくつも考えている。それにあっちの数はざっと100人越え……さらに重機もある…」
「その通り!……さあ先生!噂通りというのなら、この状況をどうにかしてみてくれ……まあ、先生がどう動くかは大体わかるがな!ハーハッハッハッ!」
カスミは考えていた、マッシュをどう大人しくさせるのかを。
マッシュの戦闘スタイルや能力などは大体噂で聞いており、それを元に50を超えるほどの策を事前に練っていた……ヒナに関しても大人しくさせたマッシュを人質にすればあとはなんとか対処できると考えていた。
「さあ先生、ヒナ、どう動く!」
カスミはそう叫び大笑いする…まるで勝ちを確信したかのように。
「ヒナさん、僕ならどうするか、わかりますか?」
「……そうよね、危険なんて先生には関係ないものね」
マッシュと二人は何かを話し合い、前に出ると
「ヒナさん……いきましょう」
「ええ―さっさと終わらせる」
そう言って構えを取り始めた。
―――――――――――――――――――――ーー
二人は戦闘体制を取り始める、それを見たカスミはすぐに攻撃を指示、部員達が引き金を引こうとした……その瞬間。
「すぅぅ――千本ノック、いくわよ」
「……千本ノック?」
「しっかり避けるかしてくださいね」スッ
「待て先生、そのバットはなんだ!?」
「鉄の杖で作り出した、バットです」
「バット!?」
「そしてこっちが私が普段使っている弾丸」
「そ、そんなものを、どうするつもりだ?」
『こうする』
マッシュはバットを構え温泉開発部の方を向く、そしてヒナはその横で銃の弾丸を持ち準備万端、温泉開発部達がマッシュ達の謎行動に?を浮かべていた今がチャンス。
「一球目」
「フン」
「二球目」
「フン」
「三、四、五球目」
「フン、フン――フンフンフンフンフン」ブンブンブンッ
「な、なにぃぃぃっっ!!?」
ヒナが弾丸を軽く上に上げ、それをマッシュがバットで打つ。そうすることによって弾丸はものすごい勢いで飛んでいき温泉開発部部員達を攻撃。
「あだっ!?」
「おごっ!!」
「うべゃぁぁっ!!!?」
マッシュの筋力で打たれたその弾丸の威力は普通では無く、鉄球をモロに体に喰らったかのような痛みが襲ってくる。
「フンフンフンフンフンフンフンフンッッ」
「次、その次、その次も次」
ヒナの方も素早く動き、マッシュの方にどんどん弾丸を上げていく。二人の速さが凄すぎるのかカスミはその動きをちゃんと捉えられなかった。
「マシンガンとかそう言うスピードじゃ無い!!もうなんかそれ以上の威力で飛んでくるよ!?」
「こ、こうなれば重機だ!あれを動かせ!」
マッシュ達の千本ノックにより部員達は次々にやられていき残るは重機を動かすほんの数名。
彼女らはクレーン車やショベルカーを動かしながらマッシュ達に迫ってくる。
「…突っ込んでくる気?」
「そうみたいですね」
「そんな悪いことをする子達には?」
「勿論、君ら全員……この次の言葉…わかります?」
「ええ」
「それでは一緒に―」
マッシュとヒナは迫ってくる重機を前に落ち着いた表情を作り、それぞれの武器を構え
『お仕置き』
そう言う。
「そ、そのまま突っ込め!!」
カスミがそう言った瞬間。先にヒナが動き出しクレーン車の運転席にある窓に向かって銃弾を発射、中に乗っていた生徒は前が見えず焦り始めブレーキをかける。
「ナイス」
それを確認したマッシュは窓ガラスをそのまま割り中にいる生徒を無理矢理引き摺り出すと、そのまま拳に力を込めて全力で殴り飛ばす。
『だったら……こっちはどうだぁぁ!!』
「先生!」
「わかってるよ」
アームをマッシュの方へ向けて振り下ろすショベルカー、そのアームをマッシュは両手で掴み止める。
『嘘だろ!?』
「危ないわよ、そんなことしたら」
「えっ―コベッ!?」
ヒナは運転席の方へと周り運転していた生徒を蹴り飛ばし、自分も外へと出る。そして外へ出た事を確認したマッシュはショベルカーを腕力で持ち上げ遠くの方へと投げる。勿論投げた先でショベルカーは爆破。
「め……メグゥゥ!!火炎放射ぁぁ!!」
「わかった、わかったって!」
待機していたメグが飛び出し、マッシュとヒナに向かって火炎放射を発射。それも結構な大火力。
「は、ハッーハッハッハッ!!先生!いくら先生といえど! 炎は現象!それを弾くことなんて――」
「スゥゥゥゥゥッッ――」
マッシュは腹にいっぱい空気を吸い込み、それを勢いよく前に吐く。
「ふっ〜〜〜」ビュォォォォォッッ!!
「え、うそ……炎が、消し飛んで…?」
「隙ありよ」
「あ…しまっ――」
マッシュは勢いよく吹き出した息により炎は消し飛び、呆然としたメグをヒナが攻撃。メグは撃沈された。
「馬鹿な……あれだけの……あれだけの、人数をたった二人で……?そ…空崎ヒナなら、まだわかる!しかし何故ヘイローを持っていないただの先生が―」
「それは僕が……普通じゃ無いからですよ」
「――あっ」
カスミの目の前には拳を構えているマッシュ、カスミの顔に向かってマッシュはその拳を思いっきり振るう。
「ヒェッッッ!!!」
ピタッ
「僕らの勝ちですね」
「…―――――――」バタンッ
「成功した……これいいな」
「顔に当たる寸前で止めた……優しいのね」
「まあほら……女性は顔が命って言いますし…あれ、髪だっけ」
カスミの意識を刈り取ったマッシュはカスミとメグを拘束、あとは風紀委員に任せ。
『パトロール―再開!』
二人はまたパトロールを再開した。
―――――――――――――――――――
「すっかり遅くなっちゃいましたな」
「…………そうね」
「元気ないですね、どうしました?」
「……ちょっと……ね」
あの後温泉開発部のことは一度忘れ、二人は心ゆくまでにパトロールを行っていた。そして時間がどんどん過ぎていき、いつの間にか夕方になるまでに至った。
ヒナはもう終わるのか……と悲しい思いを抱いていた。
「先生、温泉開発部の時……私一人に任せてくれてもよかったのに」
「いや…ヒナさんは疲れてるだろうから、手伝わないとって思って」
「また私のことを……」
「それに早めに片付けておきたかったんです……ヒナさんと、もっとおしゃべりをしたかったので」
「…!」
「今日はありがとうございました、いろんなことが話せて……とっても楽しかったです」
マッシュの表情を見て理解する……先生も自分と同じように、悲しいのだと。
「お互い忙しくてあんまり会えないので……またしばらく会えないと思うと……えっと……悲しくて」
「それは……私と同じ―も…もっと先生と、おしゃべりがしたかった」
「……本当に似てますね、僕ら」
「―ええ」
二人は互いに少し笑い、ここまで気が合うのかと嬉しくなる。そしてそろそろ別れの時間。
「――先生」
「?」
「エデン条約が終わった後……また、一緒に……パトロールをしてくれる?」
「勿論」
「……ありがとう、先生―また、今度!」
「うす」
二人は手を振り合いその場から退散、友との別れはとても辛いが、永遠に会えないわけでは無い。
((次会った時が……楽しみだな))
二人は全く同じ考えを持ちながら、自分の場所へと帰って行った。
マッシュのやることなすことに慣れちゃったヒナさん〔大声〕
周りの影響を受けるってこう言うことを言うんですかね、なんか……ここのヒナさんはシナシナにならなそうな気がして来ました。
励みになりますのでコメントと評価、よろしくお願いいたします
百花繚乱後に見たい話
-
まだ交流がない生徒との話
-
アイデェア箱から選んだお話
-
ラビット2章
-
愛が重い生徒との話