透き通る世界に拳を一つ   作:六科

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長くなっちゃった。

一様ネタ帳のようなものを活動報告に書いたので、どうかごらんなってくださいませ。

もっとマッシュ君の無茶苦茶さを見せたい!!


それでは本編へ…どうぞ!


マッシュ・バーンデッドと黒猫

 

 

「………なにやってんの、あれ」

 

 

ここはアビドス住宅街、相変わらず誰もいない街でいつものようにバイトへ向かおうとしていたセリカ。

 

そこで奇妙、と言うか何してるの?と思う光景が目に入った。

 

 

 

 

「こ…これ…重いです〜〜!!」

 

「ほらほら〜これぐらい持てないとダメだよー?」

 

「アヤネちゃんはこれぐらいで限界ですね〜、私はまあ普段あれ(愛用武器のミニガン)を担いでますのでダンベルなんて余裕ですけど」

 

「おじさんもダンベルぐらいなら全然かな〜」

 

「先輩は鉄の物を持ててるじゃないですか…私なんてゴムだし」

 

「まあまあ〜鉄のダンベルを持てる人なんてそういないですし」

 

「ん………ノノミ、じゃああれは?」

 

 

 

 

 

 

『フンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフンフン』

 

 

 

 

 

 

「あれは〜……シロコちゃん?あの人と比べちゃダメですよ?」

 

「ん、だよね」

 

「普通あんな動きできないんだけどなー」

 

「腕の残像が見えます…」

 

 

 

 

 

セリカが見たのは、お馴染みのメンバーとマッシュがダンベルを持ちながら集まっており、その中でもマッシュは馬鹿でかいダンベルを両手に持ちめちゃくちゃ上下に振っていた。

 

 

 

 

 

 

「…ほんとに何してるの?」

 

「あれー?セリカちゃんじゃんー」

 

「ホシノ先輩…何してるんですか?」

 

「先生がね?『強くなるためにどうすればいいのか?……筋トレ』って言ってたからみんなで筋トレしよーってことになったんだー」

 

「セリカちゃんも誘おうとしたんですよ?けど今日はバイトだって言ってたから…」

 

「…別に、誘われても行くつもりないし」

 

「あはは…厳しいですね〜」

 

「私は!まだ信用とかしてないし……それじゃあね」

 

 

 

 

セリカ不服そうにその場から立ち去った、マッシュは腕を上下にしながらそれを見送る。

 

 

 

「僕、結構嫌われちゃってるのかな」ブンブンブン

 

「まあ今まで…助けてあげる!なんてそんな人いなかったしね〜」

 

「ん…けどセリカのはいいすぎ」

 

「それは少し思います、先生だって頑張ってくれてるのに」

 

「まあまあ〜とりあえず今は筋トレの続きをしましょう!次は何ですか?」

 

「そうだな…とりあえず走り込みかな、ここから学校まで」

 

「わかりました〜………え?ここからですか?

 

「うん」

 

「ん、先生、ここから学校までロードバイクでも30分かかるよ?

 

「30分ぐらいなら余裕でしょ?」

 

「それは先生だけですよ!!」

 

 

 

 

 

アヤネが思わず大声を出して突っ込む、マッシュ基準で筋トレをしていればたぶんみんなの身が持たない、仕方ないので周りを軽く走る程度にしておいた。

 

 

 

 

 

「……先生、走りながらダンベルを持つと危ないですよ?」

 

 

 

 

マッシュは小さいダンベル(30kgはある物)を振りながら走っていて、生徒達は軽く引いていた。

 

 

 

―――――――――――――――――

 

 

 

 

「いらっしゃいませー!柴関ラーメンへようこそー!」

 

 

 

ここは柴関ラーメン。今も少数の人が暮らしているアビドス自治区に位置するラーメン店である。他の自治区からもこの店の味を求めて客がやってくるほどの名店だった

 

 

 

「セリカちゃん、柴関特製ラーメン出来たよ」

 

「あ、はーい!お客様ー!柴関特製ラーメンでーす!熱いうちにどうぞー!」

 

 

 

柴犬の姿をした大将が日々ラーメンを作るその店の店員は、セリカ以外はみんな犬の姿をしていた。

 

 

そう、犬が二足歩行で歩いているし喋っていた……流石にびっくりせざるを得ない状況だがこの世界では普通なのだ。

 

 

 

ガラッと店の扉が開く

 

 

 

「いらっしゃいませー!柴関ラーメンへ…わわっ!」

 

「あのー☆5人なんですけどー!」

 

 

 

先輩だった。満面の笑みで手を広げて「5人でーす」と主張していて、後ろには対策委員会のみんなと

 

 

 

「あ、セリカちゃんだ」ブンブンブン

 

「何振ってるのよ!!」

 

 

 

 

プロテインを振っているマッシュがいた。

 

 

 

 

「え、プロテイン」

 

「ここは食べ物や飲み物持ち込み禁止!!」

 

「そうなの?ごめん」ズイッ!

 

(一瞬で空に!?)

 

「ここで働いてたんだね、若いのに感心感心」

 

「あなた私と一個違いでしょ!?」

 

「そうだった」

 

「どしたーセリカちゃん…ん?見ない顔だな」

 

 

 

セリカの叫び声を聞きやってきたのは柴犬、彼こそこの店の店長でありセリカの恩人である柴大将。

 

 

 

「シャーレの先生をやっています、マッシュ・バーンデッドです」

 

「じゃああんたが…あの?」

 

「知ってるんですか?大将」

 

「知ってるも何も…知らないのか?最近ここらじゃ有名だぞ?他生徒らが問題を起こすたびに現れて、その身一つで全て解決する、そんなすげぇ先生がいるって」

 

 

 

確実にマッシュだと確信するアビドス生徒達、たぶんその身一つっていうのも銃火器を壊したり手榴弾を投げ返したりしてるってことだろう。

 

 

 

「いやー照れますな」

 

(表情筋ひとつ変わってませんけど?)

 

「こんなところで会えるなんて奇跡だな、どうか食べていってくれ。ちょうどあそこ空いてるしな」

 

「ありがとうございます」

 

「ほら、アビドスの生徒さんたちも早く座んな、セリカちゃん、おしゃべりはそのくらいにして注文受けてくれな」

 

「あ、うう…はい、大将。それでは、こちらへどうぞ…」

 

 

 

セリカに案内された席にアビドス生徒達が座る、その後マッシュも座るのだが

 

 

 

「じゃあ私はここで♪マッシュ先生!私の隣が空いてますよー!」

 

「…ん。私の隣も空いてる」

 

 

 

 

ノノミの隣かシロコの隣か究極の二択を選ぶこととなっていた、世の男性がここにいたら血涙を流しながら羨ましがっていただろう。

 

 

どっちの方に座ってもやましいことにはならないであろう…何故なら

 

 

 

「いや、僕はここでいいよ」

 

 

 

マッシュだからだ。

 

 

「え?でもそこは何も無いですよ?」

 

「大丈夫、それに僕が座っちゃったらギュウギュウになっちゃうでしょ?だからここでいい」

 

「……ん、どういうこと?」

 

「―先生?まさかとは思うけど……」

 

 

 

マッシュはテーブル席の机の横、つまりは道の方に立つと…そのまま腰を落とす。

 

 

 

「これで完璧」

 

『く―――空気椅子ぅぅぅぅぅっ!!?』

 

 

 

空気椅子だった、それもしっかりと体勢を維持して…なんなら優雅に水も飲んでいた。

 

 

 

「辛く無いんですか?」

 

「全然」

 

「と……とりあえず!注文しましょうか!」

 

「ほら…注文は!?」

 

「ご注文はお決まりですか、でしょー?セリカちゃーん。おじさんだって此処によく来るんだから接客の時の台詞は知ってるよー?ほらほらー、笑顔で親切にー」

 

「う、うう…ご、ご注文は、お決まりですか…?」

 

 

 

 

セリカはどうにか笑顔を絞り出していた。口角は引きつっていたが……それにマッシュがまた一言多くいう。

 

 

「ぎこちないね」

 

 

 

プチンッ

 

 

 

『やってやろうじゃないのぉぉぉ!!!』

 

「わーセリカちゃんストップストップ!」

 

『シャァァー!!!!』

 

「セリカちゃん!シャーはダメですよシャーは!」

 

 

 

アヤネやノノミがマッシュを襲おうとするセリカを止める、依然マッシュは空気椅子。

 

 

 

「ん、先生一言多い」

 

「ごめんなさい」

 

「アッハッハッハ!なかなか面白い先生じゃねえか!」

 

 

 

その場はしばらく笑いが絶えなかった、マッシュ達はそれぞれ注文し食べる。

 

 

 

「ん…ところでお金はどうするの?またノノミ先輩に奢ってもらうの?」

 

「私は大丈夫ですよー?限度額まではまだ余裕ありますしー」

 

「僕が奢るよ」

 

「いいんですか?」

 

「生徒に奢らせるなんてダメだし」

 

 

 

そう言ってマッシュは財布の中に手を入れる、そこには大人のカードがあった、未成年であるマッシュが持つのは普通ならダメだが…シャーレの先生ということもあって特別にOKをもらったそう。

 

 

 

「あんまり使ってないから、たくさんあるよ」

 

「じゃあ決まりだね〜」

 

 

 

支払いはカードで、これぞかっこいい言葉だとマッシュは思っていたのでマッシュは好都合だと思った…マッシュは、このセリフを言いたかったのだ。

 

 

 

 

「早く出てって二度と来ないで仕事の邪魔もうホント嫌いみんな死んじゃえー!」

 

 

 

仕事中ずっと、主にホシノにからかわれたセリカは幼児のように罵倒して対策委員会とマッシュを追い出した(マッシュが硬すぎて動かせなかったのでマッシュが一人で歩いた。)

 

 

「あははー、元気そうでなによりー。じゃあセリカちゃんまたねー」

 

「あはは…。セリカちゃんまた明日ね」

 

「セリカちゃんまた明日ー!可愛かったですよー!」

 

「ん、また明日」

 

「またねセリカちゃん…あ、そうだ、その格好似合ってるよ」

 

「なっ――バカ!!嫌い!!!」

 

 

そのまま門を閉じられ、マッシュはまたしょげた。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

「お疲れ様ー!」

 

 

 

仕事が終わりふぅと息をつくセリカ。

 

 

 

「ホシノ先輩は前からたまに来てたけどまさか全員で来るとは…」

 

 

騒がしい一日だった。

 

心地好さすら覚える疲労を抱えて帰路につく

 

 

 

「ホシノ先輩は人が働いてるってのにからかってくるわ、シロコ先輩とノノミ先輩は先生の事チヤホヤするわ、先生は終始変なことばっか言ってるわ。アヤネちゃんだけが頼りだったなぁ…」

 

 

 

ぶつくさと不満を口にするセリカだったが、口元は笑みを浮かべている

 

 

 

「ホントいつもいつも騒がしいったら。…先生も、なんか馴染んでるし…私とほぼ同い年なのに……認めない。認められない。…でもなぁ」

 

 

そんなセリカの背後に

 

 

 

 

ドドドドドーーーーーン!!!

 

 

 

 

 

大量の爆撃が降り注ぐ

 

その威力を更に上げるよう改造されたキヴォトスの兵器が、セリカを襲った

 

 

 

 

「…!?」

 

 

(対空砲…?いや、砲撃音は…Flak41改?なんでこんなところに?一体誰が?カタカタヘルメット団?で、でもこの前先生が本拠地を破壊したのに!―そもそもどこから撃ってきたの?)

 

 

 

疑問が一瞬で頭の中を駆け巡る。答えは出ない

 

 

 

(やば…意識が…みんな…)

 

 

 

セリカが倒れる。戦車すら木端微塵になるだろう砲撃の絨毯爆撃には流石に耐えられなかった

 

遠方に影が複数、カタカタヘルメット団の残党だった

 

 

 

「…続けますか?」

 

「いや、生かさなければ意味がない。この程度でいいだろう。車に載せろ、ランデブーポイントへ向かう」

 

「……はぁ…にしても本当に困りましたね、あの男…シャーレの先生が暴れたせいで本拠地が破壊され、物資がもう大変なことになってましたし」

 

「だからこそだ!ここでこいつを誘拐して行方をくらませる…あの先生はきっと後悔するだろうさ」

 

 

 

統率の取れたカタカタヘルメット団の残党はセリカをトラックに載せると、闇に消えていった。

 

 

 

 

――――――――――――――――

 

 

 

 

アビドスでアヤネはセリカの帰りを待っていた

 

 

「………」

 

 

今日は色々あったから愚痴を聞いてあげないと。そう思って待っていたが、いつまで経っても帰ってこない。柴関ラーメンは既に閉店している。

 

大将にも連絡を取ったし帰路につくセリカを見ている人も複数いる。

 

普段通りならもう帰ってきている時間。

 

なのに、部屋にも学校にも、セリカの姿は無い。電話にも出ない

 

合っていて欲しくない予感がアヤネの脳裏に浮かぶ

 

静かに扉が開きシロコが部屋に入ってきた

 

 

 

「ん…。ただいま」

 

「おかえりなさい、シロコ先輩。…あの、どうでした?」

 

「セリカの帰宅ルートを辿ってみたけど、何処にもいない。目撃証言は柴関ラーメンを出て直ぐ側の無人区域で途切れてる。…爆撃の跡があった」

 

「…!?…それは。…そうですか」

 

 

 

嫌な予感は当たっていそうだった、アヤネは膝から崩れ落ち少し震える。

 

 

「…あとはホシノ先輩と先生の連絡待ち」

 

 

シロコは、なにも出来ない無力感に包まれながら、ジッと静かに立っていた

 

 

「みんな、おまたせー」

 

「セリカちゃんの居場所、わかったよ」

 

「本当ですか先生!」

 

「セリカちゃんの端末から居場所を特定したんだ〜…うへぇ。先生ったら連邦生徒会のセントラルネットワークにアクセスして情報抜き取ってきたんだよー?極悪人だよー?バレたら始末書だよー?」

 

「バレなきゃ大丈夫…ありがとうアロナちゃん

 

『いえ!これぐらいお茶の子さいさいです!』

 

 

マッシュはアロナに頼み、セリカの場所を探ってもらった。

 

 

「ん…それで、セリカはどこに?」

 

「ここだよーこの砂漠化が進んでる市街地の端の方。だーれもいないし廃墟になってる。隠れるにはうってつけの場所だね」

 

「確かここはカタカタヘルメット団の存在を多数発見出来たエリアです…。やはりカタカタヘルメット団の仕業…いえ、残党ですね」

 

「帰宅中のセリカちゃんを襲って連れ帰ったんですね。…どうお掃除しましょうかー♪」

 

「ん…でもヘルメット団はこの前先生がほとんどやっつけちゃったんじゃ?」

 

「残党だろうね〜、本拠地の他にいくつかあって、今回もそこから来たんだろうね」

 

「とにかく、急いでセリカちゃんを連れ戻しに行きましょう!」

 

「勿論」

 

 

 

マッシュ達はセリカを助けるため砂漠へと移動した。

 

 

(あーー…先生、これまあまあ怒ってるね〜)

 

 

ホシノだけは、マッシュが怒っていることに気づいた。

 

 

 

――――――――――――――――――――

 

 

 

ガタン…ガタン

 

 

セリカを載せたトラックが砂漠を進んでいくと、少しずつ、セリカの意識が戻ってくる

 

 

「…うーん。…!?ここどこ!?」

 

 

セリカの目が覚める。

 

 

「…ッ!痛いったいわねぇっ!…頭がガンガンする…。拐われた…?」

 

 

頭だけではない、全身バラバラにされるような痛みを我慢しながら、セリカは周囲を確認する。

 

ほぼ真っ暗だが僅かに光が見えたのでセリカはそこから外を覗く。

 

 

「…ここ砂漠?…線路ってことは。…郊外!?…ダメ、ここじゃ通信も繋がらない…!脱出出来たとしても、アビドス校舎は遠いし、食べ物も飲み物も無い……銃は…ダメ、弾が抜かれてる……はは、何よ、ダメな事ばかりじゃない…」

 

 

 

セリカはぺたり、と座り、項垂れる

 

 

 

…心配、するだろうな。みんな

 

…このまま何処かに埋められちゃうのかな

 

…誰にも気付かれないんだろうな

 

…私も、街を去ったと思われるのかな

 

…裏切ったって、思われちゃうのかな

 

…誤解されたまま、死んじゃうのかな

 

…みんなに、死んじゃえって言ったのが最後か

 

…ヤだなぁ。また明日って、言ってくれたのに

 

 

 

「うっ…くっ…ぐぅぅ…う、うぅ…」

 

 

 

セリカの目から涙が溢れ、声が出る。

 

 

 

 

「助けて……せんせぇ…」

 

 

 

 

その時だった。

 

 

 

 

「――ん?なんだあいつ…」

 

「あ、あの!このままじゃ轢き殺しちゃいますよ!?」

 

「構わん、どうせここで死んでも砂に埋もれる…いけ」

 

「――わ…わかりました」

 

「…ひと?」

 

 

 

トラックの目の前に人が立っていた、トラックの中にいたリーダーはそのまま轢けと命令

 

 

 

ブゥゥゥゥゥゥンッ!!!!!!

 

 

 

スピードが速くなり目の前の人間を轢き殺そうと近づいていく、運転手の部下は『さいあくだぁ…』と思っていた、始めて人を轢くのだから当然だ

 

しかし

 

 

 

バンッ!!

 

キキッーー!!!!

 

 

 

 

『――え?』

 

「…とまった?」

 

 

トラックが止まった…そう、目の前にいた人間がトラックを片手で止めていたのだ。

 

 

「な、なななな!!?」

 

『あのー…すみません』

 

「―お、おまえは!!」

 

 

 

 

『僕達の仲間――返してください』ブン!!

 

 

 

 

止めていた人間はそのまま拳でトラックを殴り凹ませて、完全にトラックを止めた、たまらず乗っていた者達はその場から立ち去る。

 

 

 

 

 

「っ……なんなの?」

 

「セリカちゃん発見しました!」

 

「こちらも発見した。半泣き…いや、ボロボロに泣いてるセリカを発見!

 

「ちょおっ!?シロコ先輩やめて!?」

 

「なにぃ!?うちのセリカちゃんが泣いてただとぉ!?そんなに寂しかったの!?ママが悪かったわ、ごめんねー!!」

 

「ホシノ先輩いい加減にしないと殴るわよ!?」

 

「泣かないでくださいセリカちゃん!私たちがその涙拭き取ってあげます!さぁ私の胸の中に!」

 

「ノノミ先輩抱き着かないで痛い、痛いってば!」

 

 

 

ワーワーと騒ぐアビドス生徒達、そこへさっきトラックを破壊したばっかりのマッシュが現れる。そう、散々嫌ってきた先生だ。

 

 

 

「怪我はない?」

 

「―せんせい…どうして?…あんなに…酷いことを言ったり、避けたりしてたのに」

 

 

マッシュに対し辛辣な態度を取ったという自覚はあったセリカはそう言いながら泣く、マッシュはそれに対し、目線を合わせていった。

 

 

 

「そんなの、僕気にしてないから」

 

「…気にして、無いの?」

 

「うん、全然」

 

 

 

マッシュは立ち上がりスッと背を向ける、それに釣られるように他生徒達も前を向く。

 

 

 

「言ったでしょ?何があっても君らを守るし助け出すって」

 

「!」

 

「ちょっと待っててね――あいつら、潰してくるから

 

「よーしみんなー!―やるよ!!」

 

『おーー!!!!』

 

 

 

 

ホシノの掛け声と同時に全員が走り出す、アヤネは援護するためセリカの近くで待機。騒ぎを聞きつけたヘルメット団が兵をあげこちらへ向かって走ってくる。

 

 

 

「おじさんの後輩に手を出して…ただで済むと思っちゃってるのかなー?」

 

「お掃除の時間です〜〜」

 

「ん…許さない」

 

 

 

しかしマッシュに加え三人の兵力の前に次々と倒されていく、ショットガン・ミニガン・ドローンからの攻撃、そして強すぎる拳。

 

 

 

「くそっ―くそ!!やっぱあんな仕事受けるんじゃなかった!!」

 

「ど、どうするんですかリーダー!!」

 

「……決まってるだろ、あれで潰す」

 

「わ、わかりました!!」

 

 

 

 

ゴゴゴゴゴゴッッ

 

 

 

 

「!?」

 

「なにあれ!?」

 

「戦車だね…おそらくどこかで盗んだものであの子達が改造したんだろうね」

 

「ん…どうする?見るからに私達の銃弾が通じなさそうだけど」

 

「やるしか無いですよね〜」

 

 

 

アビドス生徒達は銃を構え一斉発射、しかし弾かれきず一つつかない。

 

 

 

『全然効いてない…どうすれば』

 

「何かこれを打開できる策は……!ねえ先生」

 

「…ん?」

 

「あれ、どうにかできる?」

 

「できるよ」

 

 

 

ホシノの質問とマッシュの返答に全員が驚く、いくらマッシュが強くても銃弾が効かない戦車を倒すなんて不可能だと思ったから。

 

 

 

『先生…無茶です!そんな事できるわけがありません!』

 

「大丈夫、僕を…信じて」

 

「けれど…」

 

「アビドスのみんなは僕の大事な生徒で、大事な仲間なんだ…だから」

 

 

 

 

マッシュは手を力一杯握り戦車へと走る、戦車に乗っているリーダーはそんなマッシュの行動をバカにしながらマッシュに向けて砲弾を放つ。

 

 

『バカなやつだ…撃てぇ!!』

 

 

 

 

 

 

ガンっ!!!!!!

 

 

 

 

 

 

 

その砲弾をマッシュは裏拳で弾く。弾かれた砲弾は空中に飛び爆発。

 

 

 

「死んでも守る」

 

『―――――――』

 

「ん…アヤネが口を開けたまま固まってる」

 

「は…ははは…え?どゆこと?」

 

「ホシノ先輩が呆然としてますね…私も同じ気持ちです」

 

「あ、先生が!」

 

 

 

マッシュは裏拳で砲弾を弾いた後、すぐに走っている戦車へと向かい、戦車のキャタピラを殴ると同時に引き抜く。

 

 

 

『リ、リーダー!これじゃ走れないですよ!』

 

『う、狼狽えるな!!ここは一度撤退を…?』

 

 

 

それだけでは終わらずマッシュは戦車の上に立ち

 

 

 

ガシッ――バキバギバキッ!!

 

 

 

砲塔を掴んで無理矢理引っ剥がした、乗っていた二人はそんなマッシュの姿を確認して放心。

 

 

 

「―セリカちゃんの…仇」

 

「に、にげろぉぉ!!」

 

 

 

 

そして下に降り、引っ剥がした砲塔を振り回して下部分を吹き飛ばした。

 

 

 

 

「いや私まだ生きてるんだけど…」

 

「戦車がまるでおもちゃみたいに……」

 

「も、もう何が起きてもおじさん驚かないよ」

 

『――はっ!…て、敵勢力壊滅!今度こそ勝利しました!今そっちに行きます!』

 

 

 

戦車から脱出したリーダーにマッシュは近づく、リーダーはそんなマッシュにビビりジリジリと後ろへ退がっていく。

 

 

 

「ひ、ひぃ!!」

 

「もう2度とアビドスに近づくな…近づいたら、今度こそ容赦しない」 

 

「わ、わかりましたぁぁぁぁっ!!!」

 

 

 

リーダーはその場から退却、周りにいた残党達も武器を捨てその場から去っていった―マッシュと言う脅威がいる限り、2度と彼女らは現れないだろう。

 

 

 

 

「一件落着…だね」

 

「あ………あの、先生…私今まで」

 

「セリカちゃん、気にしなくていいって言ったでしょ?無事で本当によかった」

 

「―っ」

 

「あれれー?セリカちゃん泣いてるのー?」

 

「な、泣いてないです!」

 

「かわいい〜」

 

「泣いてないってばー!!!」

 

 

 

その後、カタカタヘルメット団の残党達が持っていた戦利品が全て違法認定された機種と判明し、それをアヤネが調べることにして、この件はひと段落した。

 

 

 

 

 

 

 

プルルルル…

 

 

 

 

『―はい、便利屋68』

 

 

 

そして、もう一つの賭けが動き始めた。

 

 

 

 





いかがでしたか?マッシュ君なら戦車の弾丸を拳で弾けるでしょ(多分)

さて、次回いよいよ出番ですよ社長!…すごいことになるけど。

励みになりますので評価とコメントのほど!どうかお願いします、そして誤字報告も感謝いたします!!活動報告もよろしくね!

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