一日遅れの小説だぜ!
おかしいな、ギャグがなかなかいられない……困ったな。
とりあえず本編へ……どうぞ!
『――と言った感じです、ここは難しく考えず、簡潔にまとめれば……先生、ここまで大丈夫ですか?』
「ぅん…だい…だ…ぅ……大丈夫……」
『全然そんなふうに見ませんね…』
「簡潔に……簡潔………あれ、簡潔ってなんだっけ」
『うーん……先生、一度休憩をはさみましょう!そろそろ脳がパンクしちゃいますし』
「………そうだね、ちょっとだけ、ほんのちょっとだけ……」
水遊びを楽しんだマッシュは一人、寮の部屋で一人勉学に勤しんでいた。偉そうに自分はナギサに対し
『あの子達は、僕が守ります』
とは言ったものの、それは暴力や理不尽なことに対してのこと……頭脳に関しては助けるどころか助けられることが多い、のでマッシュはスーパーAIのアロナに色々と教えてもらっていた。
「今日学んだ事を…まとめて、あとは資料にして……うん、時間はたっぷりある」
『先生……本当に無茶はダメですよ?慣れない事を連日でやってるので、お身体の方が…』
「大丈夫大丈夫、死にはしないし」
『初めて一緒に勉強の資料を作った時、倒れてしまいましたよね?脳がパンク、心肺停止になってしまい。その後リンさんやユウカさん、そしてノアさんに発見されて――』
『心肺停止!脳も……これどうなってんの!?』
『確かに脳の方も気になりますが、今はとりあえず心肺蘇生を最優先!AEDは!』
『持ってきました!』
『準備完了、危険ですか――……なんてたくましい筋肉』
『首席行政官!!?』
『あ、ごめんなさい、つい……と、とにかく!危険ですので下がって!』
『なんとか蘇生されましたけど……』
「…………あったねそんな事」
『忘れないでくださいよ!本当に心配したんですから……』
小一時間、勉強と資料作りを行った。
たったそれだけでマッシュの脳はパンクし心肺停止にまで陥ってしまい、ユウカ達からは無理しすぎるなと結構怒られたマッシュ。
今は流石にそこまでにはならないが、身体的にも精神的にも結構キツく、普段行っている仕事の数倍マッシュを苦しめた。
「……けど辞めちゃダメなんだ、これは僕が受けると言った仕事…なら僕がちゃんとしないと。僕がみんなと同じくらいの……いや、それ以上に勉強して、まとめて、それを頑張って教える。それが今、僕にできる事だから」
『先生……』
「アロナちゃん、もうちょっとだけ付き合ってくれないかな?ここの問題は……多分コハルちゃんができないやつだから」
『―わかりました!このスーパーAIアロナ、最後までサポートいたします!』
「ありがとう………よし」
マッシュは懐からシュークリームを出し一口で食べ終えると、『目指せ合格』と書かれた鉢巻を頭につけ
「――続き、お願いします」
勉強の資料作りを再開した。
――――――――――――――――――――
「………眠れない…コハルちゃん…は、寝てる。アズサちゃんにハナコちゃんは…いない、二人とも眠れないんですかね…」
真夜中の一室、そこでヒフミはなかなか寝付けずにいた。前のベットではコハルがスウスウと気持ちよさそうに眠っているが、ハナコとアズサの姿が見当たらない。きっと二人も自分と同じなのだろう、そう思いますヒフミは立ち上がる。
「少しだけ…ほんの少しだけ歩いて………」
とて、とて…と歩き扉を開き部屋を出る、リビングにでも行こう、そう思っていた時
『〜――は…〜だから……えーと……あ、そっか、ありがとう。……じゃあここをまとめて…こう教えるようにして……』
「…先生?こんな時間に何を……そう言えば、この前も徹夜で筋トレをしていたと…」
ヒフミはマッシュのことが気になり抜き足、差し足、忍足でマッシュの部屋の前近づくと、気づかれないようにこっそりと部屋の扉を少し開けた。
「………!」
「……………」カキカキ
目に映ったのはマッシュが必死になって資料を作っている姿、いつもの奇想天外なマッシュの姿が一変、今のマッシュは真剣に、何よりも真面目にそれに取り組んでいた。
「……やばい、眠気が……フンッ」ベシンッ!
「!?」
「イッタ……よし、目が覚めた」
(あ、あんなに強く頬を……それに、先生はああ言う作業が苦手で嫌いだって……それなのに)
「…………あ、間違えた……ふぅ」
(あんなに真剣に……私達のために……)
補修授業部のため、合格させるため、マッシュは徹夜で慣れない作業をずっとやり続けている。その事実にヒフミは感動と心配が合わさり変な気分になる
(邪魔するのは…よく無いですね)
ヒフミはゆっくり扉を閉めようとする、しかしその時
キィィッ―
「(し、しまった!)」
「―あれ、ヒフミちゃん?」
「あ、えと、先生……」
「どうしたのこんな時間に」
「その、夜中にすみません……ちょっと寝付けなかったというか、あれこれ考えていたら、その……先生が何をやっているのか気になって……あうぅ」
「そうだったんだ……ヒフミちゃんこの事は内緒にしてくれないかな?」
「……どうしてですか?この事をみんなにも」
「お願い、変な気を使わせたく無いんだ」
「でも……」
「お願い」
「……わかり、ました」
「ありがとう、立ち話もなんだし、入って?シュークリームもあるし」
「お、お邪魔します……けどシュークリームはご遠慮しておきます。太ってしまうので…」
ヒフミはマッシュの部屋へと入り、少し話をすることにした。
――――――――――――――――――――――
「……確かにこの資料なら、大丈夫そうです」
「そう?良かった……これでダメだったら窓から飛び降りてたよ」
「あははっ、そんな大袈裟……いえ、先生ならやりかねませんね」
ふぅ、と息を吐き、ヒフミはマッシュの前の椅子にちょこんと座る。
「今日はお疲れ様でした、先生」
「うん、ヒフミちゃんもね、ちゃんと部長として立ち振る舞えていたよ」
「あ、あはは、そうですかね……?」
「勿論」
「明日から本格的な合宿ですが……私達、このままで大丈夫なのでしょうか?」
「大丈夫、というのは?」
「……もし、一週間後の二次試験に落ちてしまったら次は三次試験になります、そして、万が一それにも落ちてしまったら――」
「全員退学」
「!」
マッシュがそう告げると、ヒフミは目を丸くしてそれから納得したように苦笑を見せた。
「やっぱり、先生も知っていたんですね」
「僕の場合、後から聞かされたけど」
「今回の事は、私もまだ混乱していて……学力試験なのにどうして『全員一斉に』みたいな評価システムなのか、何故、私達の為だけにこんな合宿施設まで提供して貰えるのか、それに――」
「それに?」
「……っ」
ヒフミは何かを言おうとしたが、それを飲み込み黙り込む。そんなヒフミの様子を見たマッシュは、ナギサが何かを隠しているんだと確信。
「うぅ……」
「ヒフミちゃん、他にも何かナギサさんから云われていたりするの?」
「い、いえ、その……」
「…………」
「あぅ…」
ヒフミはやがて観念するようにゆっくりと頷く。
「――……はい」
「……そっか」
「えっと、ナギサ様から、誰にも云わないようにと念を押されていたのですが……私の手に負える様な話では、なくって……その、何と云えば良いか……」
「トリニティの裏切り者を探せ…」
「ッ!先生も…?」
「うん、そう依頼されちゃったんだ」
「……ですか……その、私も、ナギサ様とお話をした時に――」
――――――――――――――――――――――
ティーパーティー・テラス。
補習授業部の部長を頼まれた日とは別の日、彼女は補習授業部、その本当の目的を伝えられていた。
「ヒフミさん、補習授業部にいる裏切り者を、探して頂けませんか?」
「えっ、えぇ!?」
ヒフミにとってかなりショックだった事を、はっきりと言われてしまった。
「正直なところを話しますと、今あの補習授業部について試験の結果など特に気にしてはいません、畢竟、百点だろうが零点だろうが関係がないのです、勿論学生として勉学を疎かにする事は頂けませんが――試験に合格しなければ退学というのは、私達にとっての最終手段」
「さ、最終……ま、待ってください!私、私はそんな!!」
「そんな…なんですか?」
「ぅ………そんな………」
苦楽を共にする仲間を疑え、信用するな、そんな事をヒフミができるはずもない。ヒフミは話を断る気でいた、しかしナギサの眼力にやられ言葉が詰まってしまう。
「ヒフミさんには、出来る限り彼女達の情報を集め、可能な限り早く『裏切り者』を見つけて欲しいのです、それが、残された生徒を救う手段となります――ヒフミさんは今、そのために補習授業部にいるのですから」
「その、どうして……私が?」
「……『どうして』、ですか……その答えはヒフミさんが、シャーレと一際強い繋がりを持っていたから、ですね」
「私が、ですか」
「えぇ、第三勢力であるシャーレの先生が一緒にいる限り、裏切り者は無暗に動く事が出来ません、塵が、ゴミ箱から飛び出さない為の蓋のようなもの――でしょうか」
「ご、ゴミ箱……?」
「……失礼しました、忘れて下さい、今のは独り言です、まぁ、兎も角――」
「な、ナギサ様……!」
「――ヒフミさん」
ナギサの強く、圧力のある言葉が、ヒフミの踏み出した一歩を掻き消す。トリニティトップの重圧、権力による凄まじい圧力、それらがヒフミに襲いかかる。
「――他に選択肢はないのです」
「っ、ぅ……!」
「それにやむを得なかったとはいえ、失敗してしまった場合はヒフミさんも同じ末路を辿る事となるのですよ? これは、ヒフミさんの為でもあるのです、ですから――期待していますよ、補習授業部、部長?」
「………」
その時のヒフミには、唇を噛み締め、頭を下げる事しか出来なかった。
――――――――――――――――――――
「……そこまでやるんだね…あの人は」
「わ、私はその、裏切り者だなんて、そんな話……」
マッシュはヒフミがどんな子かを知っている、彼女は実直で素直で他人を思いやる気持ちを強く持った子だと言う事を……そんな子に、ナギサはそんな思いを捨て、ただ裏切り者を見つけ出せ―そう言っているのだ。
「――そんな事、私には……」
「ヒフミちゃんは優しいね」スッ
「…え、えっ……?」
「偉い偉い」
マッシュは左手でヒフミの頭を軽く撫でた、撫でずにはいられなかった……きっとマッシュの中の何かが動いたのであろう。
「話してくれてありがとヒフミちゃん……裏切り者の件は僕に任せて、ヒフミちゃんはヒフミちゃんに出来ることを頑張って欲しい、テスト勉強もしないといけないしね」
「けれど、先生一人では」
「僕はシャーレの先生だよ?これぐらいなんのそのだよ………多分」
「曖昧…!」
「とにかく、あとは任せて――僕は、最後まで君たちを信じ続けるから」
グットサインを作り少し笑顔を見せるマッシュ、そんなマッシュを見てヒフミも少し笑い
「はい……はい! 分かりました! ……あ、その、私に何ができるのかは、まだ分かりませんが……ちょっと考えてみようと思います!先生が私のことを信じてくれたように、私も、先生のことを信じます!」
「その意気だよ……………ところで、一ついいかな」
「はい!なんでも言ってください!」
「ねむたすぎてしにそうだから……はこんでくれないかな………あ、もうだめ…」バタッ
「先生!!?」
「………zzzzzzz」
「もう寝た…って、先生!せめて布団に入らないと……私が運ぶしかありませんね………最後の最後で、台無しですよ」
その後マッシュを布団に中に入れ、自分の部屋に戻り、その日はちゃんと寝れたヒフミであった。
―――――――――――――――――――
同時刻・合宿所ロビー
「――ハナコ?」
「あら、アズサちゃん………どうしてシュークリームを手に?」
「小腹が空いてしまって、こっそり調理場で作ってたんだ……凄いぞ、あの自動シュークリーム製造機は」
「早速使ったんですね……」
シュークリームを頬張りながら歩いていると、夜空を寂しそうに見上げているハナコを見つけたアズサ。
「こんな所で、一体何を?」
「アズサちゃんこそ、まだ起きていたんですか? それに、その恰好――制服ですが、態々着替えて?」
「うん、ある程度睡眠はとった、だから見張りでもしておこうかと」
「見張り……? いえ、それよりも――やっぱりアズサちゃん、全然寝られていないんじゃないですか? しっかり睡眠をとった様なお顔には見えませんよ……?」
「……慣れない場所だと、あんまり寝られなくて」
「………」
嘘つき、ハナコはそう思いながらも笑顔を崩さない、アズサの顔はいいとは言えずむしろ悪い方。
「心配しないでも良い、夜通し動くための訓練もちゃんと受けているから、五日間位なら寝なくても問題ない」
「いえ、そういうお話ではなく……」
「ハナコも散歩? どうやらヒフミも、どこかに行ったみたいだし、みんな慣れない所で不安かなって、それなら見張りでも立てれば、少しでも安心出来るかなって思ったんだ……そういう事だから、気にしないで大丈夫」
「……アズサちゃんこそ、余り無理はしないで下さいね」
「うん、ありがとう」
「それでは」
ハナコはそう手を振りながら去っていき、残されたアズサはシュークリームを頬張りながら空を見上げる。
「……一人で食べるのは……寂しいな」
最近ふと思ったのです、よく二次創作で先生が生徒に襲われるって言うシチュエーションがあるじゃないですか?あれってマッシュ君の場合だと……どうなるんでしょう。押し倒されたら押し返されるのかな。
励みになりますのでコメントと評価、どうぞよろしくお願いします!
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