さあこっからどんどん難しくなっていきます……いやほんとにここからむずい。
この小説の先生、つまりマッシュ君は、キヴォトスに必要不可欠な存在として書いていってます。それ故に……背負わせているものがとても重いです。ごめんね、
それでは本編へ……どうぞ!
久しぶりにあった生徒に対し、名前をガッツリ間違えてしまったマッシュ。そして名前を間違えられてちょっと傷ついたミカ。
「あのね先生?私は……ほら、まだ先生と会ったばかりだし話すのもこれで2回目だし、そこまで先生とも関わりがないから仕方ないと思うよ? けどさ、磯野は流石に無いんじゃないの?……そもそもなんでフルネームで言ったの?ミカって覚えててくれたんならそう呼んでくれてもよかったよね?☆――あ、別に怒ってるわけじゃないんだよ?でもちょっと傷ついちゃったな〜って……」
「………すみません」
マッシュは正座しながらミカの怒りを聞く、ミカが怒るの理由もわかるが、言い過ぎだと思うのは内緒。そしてマッシュの反応を見て少し面白がったミカが演技をしながら話す。
「ひどいよ先生……先生からしたら私なんてそんなに印象が薄い生徒だったんだ…シクシク」
「ごめんなさい…………本当に」ズーーン
「(あ、あれ?そんなに落ち込む?ちょっとからかったつもりだったんだけど……)そ、そうだな〜!もう一回!もう一回だけチャンスをあげる!私のちゃんとした苗字を当てれたら、許してあげるね⭐︎」
「ほんとですか?」パァァッ
「う、うん!(分かりやす…)」
「じゃあ……えーと」
マッシュは今度こそミカの名字を当てるため本気で考える、ミカはこの時(そんなに悩むこと…?)と思っていた。
「あ、思い出した」
「ほんと?じゃあ言ってみて!☆」
マッシュはキリッと、ドヤっとした顔でミカの名字を当てに行く。
「三日月」
「うーーん先生それは、『ミカァ!!』の方じゃない?私ロボットアニメになんて出てないよ?」
「ロボット?」
「あ、こっちの話だよ〜……みはあってるよ、み!は」
「……味噌」
「それは調味料……先生、わざとやってる?」
「いえ全然そんなことありません」(早口)
「もう……み、そ、の!ミカだよ?覚えてね?」
「う、うす(……初めて会った時よりも…怖い)」
感情の変わりようがすごいと言うのか、マッシュは密かにミカに対して怒らせたらヤバいランキング2位に君臨させていた。(一位はホシノ)
「それにしてもナギちゃん、随分と入れ込んでいるみたいだねー、こんな施設まで貸し出しちゃって、多分中堅クラスの部活が使用申請だしても、使用許可下りないよ、ここの合宿所」
「でも、此処に着いたばかりの時は結構放置されていて、掃除が大変だったんですよ?」
「あはは、まぁ、そこは……ほら? トリニティは大きいし、手の廻らないところの方が多いから、管理自体は兎も角、景観云々とか二の次、三の次ってね」
「勿体無いですね」
「派閥とか、政治的配慮とか、色々あるらしいんだよね~」
そう云って苦笑を浮かべるミカ。トリニティはキヴォトス内でも一二を争うほどのマンモス校、隅々まで意識が届かない事もあるのであろう。
「ところで、肝心の合宿の中身はどう? 本校舎から遠いのを良い事に、何か楽しそうな事したりしてない? 皆でパジャマパーティーとか、ここでプールパーティーとか!」
「一応、名目は勉強合宿なんで、そういうのは難しいです」
「えー、でもさ、折角の合宿何て楽しいイベントなんだし、そういう事の一つや二つくらいないと……」
「………あの、ミカさん」
「な〜に?」
「ほんとに、何のようで僕を呼んだんですか?」
「…………」
疑問を浮かべながらマッシュはそうミカに問いかける、それに対しミカは少ししょげたようなそぶり見せたあと、『あはっ』と嬉しそうに笑う。
「そこまで警戒されちゃうのは心外だなー、私こう見えても繊細で、傷つきやすいんだよ?」
「それは……さっきのでわかりました」
「……というか先生、顔色良くないよ? ちゃんとご飯とか食べられているの? 何か美味しいものでも送ろうか? ケーキとか、紅茶とか」
「シュークリームがあるのでご心配なく……それを言ったらミカさんこそ」
「私?私がどうかした?」
「隈、出来てますよ?」
「……あーはは……あー、一応隠したつもりだったんだけれど」
そう言ってミカは恥ずかしそうに頬を掻いて、目を逸らす。
「睡眠不足ですか?」
「あー、いや、うん、まぁ、睡眠不足なの……かな?」
「無理しちゃダメですよ?」
「……ふふっ、心配してくれるんだ、私の事、嬉しいなぁ」
「そりゃあ勿論、心配しますよ」
「先生は優しいね」
そうミカは微笑み、そっと先生の手を放すと腕を後ろで組み、一歩後ろへと下がった。
「まぁ、先生に私の事を知って貰うのも悪くないけれど、そろそろ本題に入ろうか! あっ、因みに私が此処に居る事について、ナギちゃんは知らないから、見ての通り、付き添いもなしの単独行動!」
「信じます」
「あ……えへへ」
疑いを全く抱かず、まっすぐな目を向けてくるマッシュに、ミカは頬を掻く。
「それで、改めて本題だけれど――先生、ナギちゃんから取引とか提案されなかった?」
「取引、というと?」
「例えば、そうだなぁ……トリニティの裏切者を探して欲しい、とか」
「……されましたね、と言うかちょっと口論みたいにもなっちゃいました」
そう答えると、ミカは明らかに不満げな顔で溜息を零した。
「……ふぅ、やっぱり、もうナギちゃんったら、予想通りなんだから――それで、何か詳しい情報とかは? そういうのは何もなしで、ただ探してって云われた感じ? 理由とか目的は? どうして補習授業部がこういうメンバーで構成されているかとか、ナギちゃんは教えてくれなかった?」
「多少は説明されたました、けど詳しい所までは、余り」
「そっかー……もう、ちゃんと説明しないで先生にこんな重荷を背負わせる何て……」
「あ、でもあのお話は断りましたよ」
サラッとそう答えたマッシュにミカは目を瞬かせ、驚きの表情を浮かべる。
「えっ、そうなの? どうして? 自分達の生徒を疑いたくないから? それとも――」
「疑いたくないって言うのもありますけど……でもそれ以上に僕は、生徒を信じたいんです」
「……へぇ」
マッシュの答えを前に、ミカの目が興味に輝く。両腕を組んだ彼女は、何かに納得するような素振りを見せ、何度も頷いた。
「そっか、そっかぁ……まぁ確かに先生はシャーレの所属だもんね、トリニティとは本来無関係な第三者、私達にとってはずっとトリニティそのものが世界の中心みたいな感じだからアレだけれど、先生にとってはそうじゃない」
「……なんか棘ありますね」
「……面白い答えだね、成程、新鮮かも――先生の答えは、それはそれで正しいよね」
「…ものの見方は立場によって変わります、でも僕は、僕が正しいと思った道を選んだつもりです…それは胸を張ってそう言えます」
「ふーん……それじゃあ、先生は誰の味方?」
好奇心に光るミカの目は、マッシュを捉えて離さない。マッシュはゲヘナの生徒達と結構仲がいいと聞いていたミカは、ここで改めて、誰の味方かを問いただした。
「もしトリニティの味方じゃないんだとしたら、ゲヘナの味方? それとも所属的に連邦生徒会とか? 前に騒動に巻き込まれたって云う、アビドスかな? 或いは――誰の味方でもない、とか?」
「どれも違います」
「じゃあ…なんなの?」
「僕は……………
キヴォトスにいる生徒達全員、その味方です」
ミカはまたもや驚いた、マッシュの言葉には嘘の感じはなく、本気でそう言っている。その事実にミカは、目を丸くしていた。
「そっ、かぁ……生徒達の味方、かぁ……それは予想外だったなー……」
「……」
「うーん、なら、あ、あのさ、先生?」
「うん」
「生徒の味方って事は、その……」
指先を擦り合わせ、ミカは顔を俯かせながら恐る恐る問いかける。
「先生は一応、私の味方でもあるって考えても良いのかな? 私もほら、ティーパーティーの一員だけれど、トリニティの生徒って立場だし……困っていたら、助けてくれるのかな……なーんて」
「当たり前です、年上だろうが偉い人だろうが関係ありませんし」
「関係…ない?」
マッシュはミカの目を見て、はっきりと言う。
「ミカさんが困っているのなら助けます、迷っているのなら手を取って、一緒にどうするか考えますし、辛い事があれば、僕のこの胸筋を貸します。
ミカさんがミカさんらしくいられるように、僕は僕がどうなろうとも、貴方に寄り添います…絶対に」
マッシュの強烈な殺し文句に、ミカの頬がさっと赤くなる。マッシュは別にカッコをつけてるわけでもなく、本気でそう言っている……そうわかっているからこそ、余計に顔が赤くなっていく。
「さ、さらっと凄い事を云ってのけるね、先生……」
「嘘は吐けない人間なんで」
「そ、そうなんだ……へー……ふーん……大人だねぇ、そういう話術? って思う気持ちもあるけれど……多分、何となく、うん、先生が本気だって分かるし……ちょっと純粋に嬉しいかも、えへへ……先生は……
どれだけ傷つけられても、どれだけ辛くても――先生は、生徒の傍に寄り添い続けるんだ?」
「勿論……それが頭の悪い僕にできる、唯一のことなので」
「…………そっか、あんまり自分のことを卑下しちゃダメだよ?」
「…うす」
「なら……私から先生に、取引を提案させて貰おうかな?」
「取引?」
「うん、そう」
けれどミカは、そんな感情を呑み込み……重い口調で淡々と告げていった。
「補習授業部の中に居る裏切者が誰なのか、教えてあげる」
「…………え?」
突然そんなことを言われ、マッシュは唖然としながらもとりあえずミカの話を聞く。
「ナギちゃんの言うトリニティの裏切り者、……今必死に探して退学にさせようとしているその相手、実際のところ、もう少し複雑で大きい問題もあるんだけど……、今このまま、二人がナギちゃんに振り回される姿をただただ見てる……なんていうのは、ちょっと申し訳ないなって――そもそも、先生の事を補習授業部の担任として招待したのは私だから、この事は知っていた?」
「……いえ」
「そう? ナギちゃんにはずっと反対されていたんだ、せっかくの借りをこんな風に使うのはどうこだのこうだの、って……先生とナギちゃんの間に、色々あったみたいだね? ――まぁ、私の方も色々あったけれど……あぁ、ごめん、それより裏切り者のお話だったね」
「補習授業部の裏切者、その正体は―――」
白洲アズサ
「―――…何を、言っているんですか?」
―――――――――――――――――――
昨日。
合宿二日目の夜――廃校舎。
皆が完全に寝静まったその日、アズサは一人部屋を出て……ある人物に会いにいっていた。
「――遅かったな、アズサ」
「………」
目深く帽子を被り、ライフルを担いだまま沈黙を守っている。その口元は防弾性のマスクに覆われ、その姿は影に溶ける様に輪郭をあやふやにしているその人物……名を
「首尾は?」
「……今のところ、計画通り。サオリの方は……」
「……私の方も問題ない……彼女は未だ不機嫌だがな」
「まだ……機嫌が治っていないの?」
「ああ……この話はやめておこう、また彼女の気に触るようなことがあれば……あれば…」
サオリと呼ばれた少女は一瞬ブルっと体が震え、少し息が荒れる……しかし少しして元状態になり、話を続ける。
「マッシュ・バーンデッド……奴に関して、何か情報は?」
「特にこれといったものはない……けど、身体能力がやっぱり……おかしい」
「……あの話は本当だったか」
「うん」
「だが……なんの問題もない、我々にはアレがある……彼女が用意した――
対シャーレの先生用の兵器…がな」
「……………」
対シャーレの先生用兵器
それは彼女と呼ばれた人物がマッシュを殺すためだけに作り上げた物
それは彼女がマッシュという存在を消すために、用意した絶望である。
対シャーレの先生用兵器ってなんだ!?と思ってると思われますが、対シャーレの先生用兵器はこの小説オリジナルです。原作にはないのでご注意を(アニメ勢の方にも配慮しております)
と言うかそもそも、この小説の読者の方々に、アニメ勢の方とかいらっしゃるのでしょうか……いたら、死ぬほど嬉しいです…。
一応言っておきますと、原作の先生とアニメの先生は全くの別人であり、アニメの先生はあくまでもアニメの世界での先生と言うことです。
アニメ版の先生 プレイヤー(我々)ではないので、マッシュ君=プレイヤー(我々)でもないです、当たり前か。
励みになりますのでコメントと評価、どうぞよろしくお願いします!
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