ハーメルンよ!!私は帰って来たァァァ!!!………
すみません、本当にお待たせいたしました……疲れた。野暮用というか、やらなければいけないことが死ぬほど忙しくて、スマホにも触れていませんでした。
とりあえず復活!これからもよろしくお願いいたします。それでは本編へ……どうぞ!(美食研推しの方々はご注意ください)
「――ねぇぇぇええッ!? 何でこんなところまで来ちゃったの!? トリニティのど真ん中じゃん!? 色んな人に追われるしっ、服はずぶ濡れだしっ、走り回って疲れるしッ!」
「仕方ありません、あのゴールドマグロと聞いては黙って見ている訳にもいきませんし⭐︎」
「ふふっ、あの伝説のマグロを只の観賞用として扱うだなんて……そんな事、美食に対する礼儀がなっていないというものですわ」
トリニティ自治区、交差点。背後を頻りに気にしながら叫ぶのは美食研の一人ジュンコ。そんな彼女の叫びを聞きながら、微笑むのは金髪な髪を持つアカリ。
そして皆を率い、先頭を駆けるのは銀髪を靡かせ、改造制服の裾を揺らす美食研究会、会長のハルナ。
これに巨大なゴールドマグロを抱えたイズミを含めた四名が、ゲヘナでも悪名高いテロリスト集団、美食研究会。この小説では2回目の登場である。
「美食というものは、孤高でありながら普遍的でなくてはなりません……ただ見世物としてお金稼ぎの手段に終わるなど、このゴールドマグロさんも望んでいない筈……私達はただ、その声に共鳴しただけ――そうですよね、フウカさん?」
「んんっ!? んーっ!? んんんッ!?」(なんで連れて来たの!? ねぇー!!)
「んもう♡そんなに興奮して……よほどこのゴールドマグロが食べたいのですね!」
「んんっーーーー!!!!」(違うわー!)
先頭を駆けるハルナは、肩に担いだ人物――ゲヘナ給食部部長、フウカに語り掛ける。簀巻きにされ口に布を噛ませられたフウカは、ハルナに顔全体で『怒』と訴えかける、しかしハルナには伝わらなかったようだ。
「御覧なさい、このゲヘナ給食部部長の感涙に咽び泣く程の同意をッ!」
「猿轡のせいで、何を云っているのかさっぱりですけれどね☆」
「わっ、このマグロまだびちびち跳ねてるっ、ヒレでびんたされ、ひぶっ!?」
「イズミ、ちゃんと捕まえていてっ! それ、すっごく高いんだからッ!」
「わ、分かってるよぉ!」
「せっかく隙をついてフウカさんを拉致し、そのまま逃げてこのゴールドマグロを手にしたのです……無下にしてはいけませんよ?」
「分かってるってばー!」
大きすぎるゴールドマグロを担ぎ上げながら走り逃げ出す美食研究会、彼女らは少し前、マッシュにお仕置きとして給食部でしばらく働くことなっていたのだが……ゴールドマグロの存在を知り、美食研究会としての血が騒ぎ、フウカを拉致&誘拐し、ゴールドマグロを奪い去った。
「ところで、コレいつ食べられるの? マグロにはビンタされるし、黒いセーラー服の子達には追いかけられるし、そろそろお腹空いたんだけれど!」
「ん~、流石にこんな場所で実食、とはいきませんよねぇ」
「あの黒いセーラー服って、正義実現委員会だよね? こっちの風紀委員会と同じ位ヤバい連中だよ! どうするのハルナ、逃げ切れるの!?」
「ふふっ、逃げ切れるかどうかなんて、大した問題ではありませんわ……正義実現委員会なんて――
先生に比べれば子ヤギ同然ですわ」(空目)
『それは―――そう』(納得の顔)
美食研究会から見て、マッシュは腹が飢えている猛獣だった。逃げても逃げても追いつかれ、何をしても無意味になる。
そんな猛獣に比べてみれば、正義実現委員会やあのゲヘナ風紀委員会でさえも子ヤギ同然…彼女達はそう思っていた。
「ゲヘナに帰った後……きっと私たちは先生に叱られてしまいます…しかし」
ハルナは愛銃アイディールを構え、高らかに気高く叫ぶ。
「――大事なのは食べられるか、否か……つまりは食べるか、死ぬか その二択、それこそが私達美食研究会が歩むべき孤高の道なのですッ!」
「ふふっ、結局そういう事ですよね☆」
美食研究会部員全員がその言葉に同意し、正義実現委員会と戦闘をすることに決めた。怒られる?もう知ったこっちゃない精神である。
「居たぞッ! 例の連中だっ!」
「逃すなッ!」
「わわっ、また来た!? 適当に戦って早く逃げないとっ!」
「えぇ――さぁ、包囲を破って退却します! 一刻も早く、フウカさんに新鮮なマグロのお造りを作って頂かなければっ!」
「んんんッ~~!?」(盗難品を捌けと!?)
「では、素晴らしき美食の為に――いざ!」
――――――――――――――――――――――
『――どうしますか、先輩?……早くご命令を頂かないと、ツルギ先輩が発射……飛び出しちゃいそうっすけれど』
「どうしますも何も――」
「……」(無言で指を鳴らしまくり、今にも飛び出しそう)
「こちらも先生が怒っていて、今にも飛び出しそうなのです」
『え? 先生も一緒にいるんですか?……ならもういっそのこと先生に鎮圧してもらえればいいのでは?』
「………良いのでしょうか、先生に頼り切りと言うのは…」
「全然いいですよ……むしろ僕が行かないとダメな案件なんで」
一度お仕置きしても治らなかった彼女達、店を爆破して盗みを働いた! なんて結構な犯罪……そしてそんな彼女らの上に立つのは誰か?
上に立ち指導をするものとして、自分はきちんと責任を取って彼女らを止めるべきだ、マッシュはそう強く思う。
「……む、爆発音に……銃声だな、音からして此処から一キロ圏内という所か」
「え、えぇ……」
「はぁ……」
アズサが店の外から突然聞こえてくる爆発音に、凡その距離を呟く。
「先生、突然の事ですみませんが……お力添えをお願い致します」
「お、待ってました」
ハスミが端末をポケットに仕舞いながらそう告げれば、マッシュは待ってましたと言わんばかりに拳を作る。
「今はエデン条約を目前に控えた、色々と過敏な時期です、この問題が傍から見てトリニティとゲヘナ間の衝突と捉えられてしまうと、エデン条約にどのような不具合がおきるか……想像に難くありません」
「そ、それは……」
「うん、確かに」
「そうですねぇ……と、なると」
「僕の出番ですね」
「はい、厚かましいお願いである事は重々承知しておりますが、先生、お願い出来ますか?」
「全然大丈夫ですよ」
「先生、どうやってあの集団を止めるんだ? 私達も手伝えるが」
「ヒフミちゃん達は試験が近いからダメ、何かあってからじゃ遅いし」
「じゃあどうするのよ」
「僕が前線に出て戦う」
『―え?』
そんなマッシュの言葉にヒフミとハスミ以外のメンバー達は驚く、思い返してみれば、彼女らはまだマッシュの異常さのほんの一部しか知らない。
つまり弾丸を掴んだり、避けたり、潰したりできるのを知らないのだ。
「ぜ、前線って、意味分かってる!? 銃弾が飛び交ってるのよ!? 当たったら死んじゃうじゃない!」
「そこは心配いりません」
「ハスミさん、心配がいらないとは?」
「先生は今まで……『戦車を破壊』『弾丸を掴んで投げ返す』『ツルギに勝つ』をやってのけているので」
『……………??』
「ええまぁそうなりますよね……」
「た、確かにとんでもない勢いで移動してたりしてたけど……信じられないわよ」
「本当にそう思います」
水風船合戦もただ肩が強いと言うだけで済んでいる現状、マッシュが、ヘイローを持っていない人間がそんなことできるわけがない、そうコハルは思っており信じてはいなかった。
「まあ見ててよ、僕がただの男じゃないってことを見せるから」
「先生…具体的にどう止めるんですか?」
「そりゃあもちろん」
マッシュはシュークリームを複数取り出し
「シュークリームパーチだよ」
そう強く宣言した。
――――――――――――――――――――
「…………!?」
ふと、逃走を続けながら背後に射撃を繰り返していたハルナの足が止まった。他のメンバー達もそれに釣られ動きを止める。
「っと、急に止まって、どうしたのハルナ!?」
「こ……」
「こ?」
「こ……こ……この………気配は―!」
「……あれ? 前から何かが………」
ハルナは感じた、あの気配を、あの威圧を……あの感覚を
『シュークリームパーチ、シュークリームパーチ、シュークリームパーチ』
あの時の経験を、鮮明に思い出していた。自分にとってトラウマであり、自分が初めて恐怖を覚えた相手……
「シュークリームパ〜チ、こんばんわ」(シュークリームを両手に装備)
『イヤァァァァァァッッ!!!!!?』
マッシュ・バーンデッドが、両手にシュークリームを持ちその場に立っていた。……どうやら先周りをして待っていたようだ。
美食研究会達は足を止めて、ゴールドマグロを片手に持ちながら、もう片方の手で武器を持ち構える。
「いやぁぁぁっ!!? なんで!? なんでここに先生が!?」
「シュークリームのいい匂いがする〜……もうこのまま捕まっちゃえばいいんじゃないの〜?」
「そんなわけないでしょう!? 忘れたのですか?……あの、あの恐ろしい拷問を!」
「拷問……ぁ、思い出しちゃった……けどシュークリームを食べながら死ぬのなら本望じゃない?」
「馬鹿を言わない!!」
「……シュークリームでそこまで怯えるって…なに?」
「先生、一体何をなさったのですか?」
「シュークリームパーチ」
「しゅ、シュークリーム……パーチ?」
「なんで、なんで戦場でシュークリームを持ってんの?」
「まあまあ、武器を使わず制圧……まさしく平和ですね!」
「甘い匂いがしまくる戦場なんて嫌よ!」
「同意見です………ジュルリ」
「食べてはダメですよ?」
「わ、わかってます……わかってますよ…」
シュークリームを持っている筋肉質な男と、その後ろにいる補習授業部の面々と正義実現委員会の副委員長、この謎の並びに、美食研究会は恐怖を感じていた。
「くっ……まさかここでシュークリームの魔の手が迫るとは!」
(シュークリームの…魔の手?)
「そのゴールドマグロ盗んできたんだよね?ダメだよ盗みは…そもそもそれ食べるための物じゃなさそうだし」
「こんなに美味しそうなマグロをただ見てるだけだなんて勿体ないと思いませんか? だから私たちで食べてあげようかと」
「だとしても盗みはダメ、しかも爆破って……後拉致も」
「ム〜!!」(先生〜!!)
「フウカちゃんとゴールドマグロを大人しく返すのなら何もしないよ……どうするの?」
「そんなこと……聞く必要がありますか?」
もはや逃げる術なし、ハルナはそう思いながら銃を構える。ジュンコはあまり乗り気では無かったが、他二人はやる気満々。マッシュはそれを見て『…仕方ない』と頷き、グッと構える。
「全員まとめて、シュークリームバーチの刑に…処す―――の前に」
「来ます―みなさん!ゴールドマグロをしっかりと持って……っ!」
「ゴールドマグロとフウカちゃん、返してね」
マッシュは前へ軽く走りゴールドマグロとフウカを救い出すべくシュークリームを口に咥えたまま動き、それに合わせて美食研究会は攻撃を開始。
「先生!」
コハルが思わず声を上げるがモーマンタイ、マッシュは弾幕を口にシュークリームを咥えながら避けていく。
「っ、やはり凄まじい筋力ですね!」
「ふぉふぁふぉふぅふぉ(そりゃどうも)」
「うそ……弾丸を全部避けてる?」
「しかも口にシュークリームを咥えながら……余裕だな」
各々がマッシュの異次元スピードに驚愕している中、マッシュは弾幕が少し止まった隙を狙い前へジャンプ、そのままゴールドマグロとフウカを縛っている縄を持ち強引に奪い去る。
「きゃっ!?」
「す、すごい力―無理!」
「ああ!ゴールドマグロとフウカさんが!」
地面へと着地したマッシュは片手でゴールドマグロ、片手でフウカを持ち美食研究会の方を向く……しかし両手が塞がっておりこのままでは攻撃できない、ので。
「……」グググッ
「……ん?―んん!?」(先生?―先生!?)
「え、まさか…嘘嘘嘘!?」
「フンッ」ブンッ
「ん〜〜〜〜!!!!?」
マッシュはヒフミ達の方へフウカを軽く投げる、そしてゴールドマグロだけはかなり上空へと投げる。
「キャ、キャッチ!」
「危なかった……先生もかなり無茶をする」
「今縄を解きます」
「ん……んん〜……」
「白目を剥きかけてる!!」
美食研究会達は半分がゴールドマグロに、半分が補習授業部にキャッチされたフウカに目が行ってしまい、マッシュの動きに対応できなかった。
「あ、しまっ―」
「シュークリームパーチ」ズンッ!
「むごぅ―――」
「シュークリームパーチ」ズンッ!
「んむむぅ――」
先にジュンコとイズミの口にマッシュはシュークリームを結構な勢いと速度で突っ込み意識を刈り取る。そして次にアカリとハルナが銃弾を放って来たので
「フッ」シュバ!
「裏回し蹴りで弾丸を弾いた!?」
「や、やっぱりそう来ますかー?」
「アカリさん退避を!」
「ごめんなさい……それは……無理です⭐︎」
マッシュは無常にもアカリの口にシュークリームを突っ込み、アカリの意識を完全に刈り取る。残すは愛用武器アイディールを持って立ち尽くしているハルナのみ。
「アカリさん!!ああそんな!」
(セリフは……セリフはシリアスっぽいんだけど)
(絵面が……)
「ゴクッ――残すは貴方だけ、降参しますか?」ガシッ!
「………くっ」
上に飛ばしたゴールドマグロをキャッチし、シュークリームを食べ終えたマッシュはハルナにそう言う。もはやハルナに逃げ場はない……ここで一つ、ハルナはなんとかして先生のお仕置きを回避できないかと考えた……その結果。
「――――ご……ごめん…グスッ…なさい……」
「………」
「ほ、ほんとうに…反省……しています……グスッ」
泣き寝入りをすることにした、今回の件、ハルナは反省なんてまっったくしていない……これでこそゲヘナ生なのだが。
ハルナはマッシュが優しすぎるのを知っていた、反省しているそぶりを見せればなんとかお仕置きは免れ、他のメンバーも助かる、そう思っていた。
「先生…その、反省しているようですし」
「……はぁ…………はぁ、先生! 騙されちゃダメ…!その子、全然! 反省してないから!」
「…………」
「せ、先生は……女の人の顔を殴ったりなんて……しません…よね?」
そう立ちながら泣く(嘘泣き)をするハルナ、そんなハルナの後ろ、ゴールドマグロをおろして近づいだマッシュは
「―大丈夫」ギュッ
『!?』
「あ……あら…ら?」
ハルナを後ろから抱きしめた。マッシュのその突然な行動に色々と言いたいことがあるヒフミ達と『や、やった!』と喜んでいたハルナ……
ガシッ!
であったが
「―――え?」フワッ
「僕は」
「男女平等に扱うから」ゴッ!
マッシュはハルナにジャーマンスープレックスをお見舞いした、ハルナの演技を見抜いての行動だった。ハルナは泡を吹きながら気絶。
「あ、でもちゃんと生徒には手加減するよ………あれ、矛盾してるかな」
「う……うわぁ」
「よ、容赦ないですね……」
「なっちゃダメな音してたけど?」
「……私もあれができるようになれば」
「アズサちゃん絶対にダメですよ?」
「…むぅ」
こうして、一連の事件はマッシュのジャーマンスープレックスによって幕を閉じ、後から来た正義実現委員会の生徒達はこの惨状を見て軽く引いていた。
『ただいま………』
『お兄おかえり〜お疲れ様〜』
『うす……メイドミドモモ来たらしいね』
『うんめちゃんこ可愛い……八十連でどっちも来てくれたよ♪』
『本当は?』
『天井まで回しましたけど?』
『ごめんやん……弟先生は?』
『もやしの美味しい食べ方を検索してる』
『どんなけ使う気やあのバカ』
『どっちも引かない選択肢があるか?どけぇ!俺は、俺はお兄ちゃんだが!!?…やって』
『やばぁ……』
以上が今日の出来事でした、弟先生はどっちも天井を回して二人をお迎えしました、わたしは……聞かないでください。
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