男が希少な世界で僕は、女っぽい格好してるけど実は男でしたムーブを満喫する 改訂版 作:霧夢龍人
高校、もしくは学園と呼ばれる生徒達の学び舎。
それは中学生に成り立ての子供たちは、ただひたすらに憧れたものであり、大人になって振り返れば、輝かしい青春の数々がひたすらに思い出される。
そんな時期だと僕は思う
だからこそ、この青峰学園はそういう青春に掛ける男女達の応援をモットーにしているらしいしね。
僕はただ、女子ともっと戯れたい!って理由だけで1番いい共学の高校がここだった訳なんだけど……全く後悔はしてない!むしろ女子たちのキャッキャウフフを間近で見られて大変満足です。
だって女子可愛いし、先生たちの授業もわかりやすいしね!
男子達はノーコメントかな、うん。仲良くなりたいんだけど、歓迎されてないというか冷たいというか……同性の友達が欲しいでござる(懇願)
「おはよー!って、なーに辛気臭い顔してんだよぅっ!」
「んひっ!?い、いきなり抱き着くなぁー!!」
そう言って後ろから抱きついてきたのは、我が親友“遥”。
……背中に当たる感触から察するにこれはFだね、間違いない。湊センサーは誤差がないことで有名なのだ。長い茶髪が風でふわりと揺れて、向日葵のような良い香りがする。
遥は僕や雫を見つけるとすぐに抱きつく癖がある。親友とはいえ、異性にいきなり抱き着くのはどうかと思うかもしれないけど……女子って思われてるから仕方ない。
自分でも思うけど、僕はどう見てもイケメン高校生なのになんで女扱いなんだろ。まさか見た目が男っぽくない、みたいな理由じゃないだろうし。
まぁ、合法的に抱きついてきてくれるからありが(ry
「んふふー、湊って何か抱きついたらいい匂いするし、柔らかいだもん。それに親友なんだし抱き着くくらい良いじゃんっ!」
「そうだけどさぁ、僕にも心の準備というものがあるの!」
「お?てことはドキドした?したでしょ?へへっ、やりぃー!」
はい、もういくらでも抱きついてきてください。ていうか、こんなに可愛い女の子に抱きつかれてドキドキしない男子はいません。
あ、もっと近くに寄った方がいいですか?と、思わず敬語で口に出してしまいそうだから大変困る。自分からするのはいいんだけどね?他人からされると大変困るものがあるのですよ、はい。
え?理解できない?理解しろよ。
「疑問。湊達はなぜイチャついている?それとおはよう」
僕と遥がバックハグのような姿で校門でやいのやいのと騒いでいると、もう一人の僕の大切な親友である雫が、首を傾げながら挨拶してきた。赤い眼鏡とワインのような、綺麗なルージュの瞳が僕と遥を見つめる。
病的なまでに白い肌と純白の髪が、 瞳の赤と白のコントラストを強調していてとても良い。
うむ、やっぱり雫はめっちゃ可愛い。
流石は女子の中でも男子人気が高い雫だよ。この世界の男性の落とし方を完璧に把握してるね。まぁきっと本人は無自覚なんだろうけどさ。
「おはよう雫ー!でも残念、今私と湊はイチャついてんだ。雫の席は用意してないから……ごめんねぇ?」
雫の疑問に対して、ニヤニヤしながら更に僕へのハグを強める遥。より胸が強く押し付けられて、乳圧が臨界点を突破した。
うっ、この後ろから感じる圧……もしかしてGか!?い、いや、落ち着くんだ。幼い頃から見てきた僕が、今更遥のサイズを間違えるわけがない!これはまやかしだ!
と、僕は頭を抱えながら馬鹿なことを考えていた。
「更なる疑問。湊は頭を抱えてる、どう見ても嫌がってる」
「え、嘘でしょ湊!?そんなに嫌だったの!?」
「……ん?え、いや全く」
「ほんとかー?実は嫌がってるんじゃなくて?」
冗談じゃないよ!これを機にもし遥が抱き着かなくなったら、合法的に胸に触れられなくなるじゃんか!遥の胸をこれでもかと睨む雫には悪いけど、僕はハルパイを失う訳にはいかないのだ。
うん、こうしちゃ居られない!
僕のベストスポットがなくなる前に雫を止めなければ!
「本当に僕は全然気にしてないよ?というかむしろ、胸の感触が……じゃなくて、抱き付けるくらい仲がいいみたいな感じで嬉しい!」
いつもならなんで男だと思われないんだ!って悲しんでるけど、この時だけは自分のイケメンフェイスに感謝してるくらいだからね。
ビバ、不純異性交友!
そんな純粋(?)を雫に伝えた。
「き、驚愕───湊のばか。あほ。むっつりスケベ」
ゔぅ!?頬っぺを赤くしながら言われると凄く胸に来ます……でも、それはそれでグッド。
でもメンタルに傷を負った僕は素直に喜べない。
「あはははっ!湊言われてやんの!」
「む、むっつりスケベ………」
僕は、むっつりスケベだったのか?
あんなにえっちだって言っといて、実は僕の方がえっちな奴だったのか?
と、僕が軽くショックを受けていると───。
「おいおい、そんなに落ち込むなって。このくらい私達ならふつーだろ?」
「は、遥ぁ!」
───遥が軽く励ましてくれた。
まぁ確かに、この世界は男子が少ないから女子同士のスキンシップが激しくなりがちだと思う。
前に他クラスの女の子2人がちゅっちゅしてるのを目撃してしまって気まずくなってたけど、後から聞いてみれば付き合ってないって言うんだもの。
……百合、最高だよね。
でも男である僕が挟まるのはNGだから、外から見守っていたい。なんなら壁になって、意識してない百合を眺めていたい。
この世界じゃ女性同士でも子供を作れるから、「あれ、
まぁ、そんなんだからクラスメート達と一定以上は仲良く出来ないんだけどね。
「冗談。でもむっつりスケベなのは本当だと思う」
「うぅ、ひどいよ……」
「まぁ、女なのに胸に興味があるってのは確かにむっつりスケベだと思う。けど胸があっても何の得にも何ないからさ、正直湊か雫と変わりたいくらいだわぁ〜?」
そう言いながら肩をクルクルと回して煽る遥……あ、それ雫の地雷踏んだんじゃ───ドゴォンッ!!!!
「「……え?」」
「謝罪。私寝起きだから手が滑った。許して欲しい」
「「え?え?え?」」
今、ありのまま起こったことを話そうと思う。遥が雫の地雷を踏んだから、僕は止めようとした。けど凄い轟音がしたと思ったら、しずくの立っている地面から亀裂が入ったんだ。
何を言っているか分からないかもしれないけど、僕も自分が何を言っているか分からない。
「疑問。なぜ2人とも固まっている?……時間がないから、急ぐ」
「いや、えと……うん。先に行っといてくれ」
「ぼ、僕もちょっと用事あるからさ?先に教室行っといて……」
「ん、了承。では先に教室で待ってる」
そう告げると雫は、スタスタと教室へと進んで行った。まるで亀裂なんてなかったように、普通に。
事態を聞きつけた先生たちがやって来たけど、僕達は何も言えずに知らぬ存ぜぬを突き通した。話してもきっと信じてくれないだろうから。
そしてその日から、僕と遥は互いに誓い合う。
───『雫だけは怒らせないようにしよう』と。