男が希少な世界で僕は、女っぽい格好してるけど実は男でしたムーブを満喫する 改訂版   作:霧夢龍人

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男の子・・・?

「君たちねぇ・・・分かってるの?もう高校生なんだよ?君に至っては生徒会役員なのにさぁ」

 

「「ごめんなさい・・・」」

 

「だいたいねぇ・・・」

 

生徒指導の先生から、遅刻した僕たちに指導が入った。

きちんと遅れた理由は伝えたけど、遅刻理由証明書?みたいなのがないって言われて、尚更怒られた。

 

どうやら信じて貰えてないらしい。

 

でも確かに遅れたのは事実だし・・・そういうことで、僕と女慰さんは大人しく怒られていた。

 

「あと君さ・・・うちのランキング1位なんだからさ、それらしい行動をしてくれない?それとも調子乗ってる?自分が可愛いって分かってるから、なんでも許されると思ってるでしょ」

 

「っへ!?お、思ってないです!」

 

ランキングとは美少女ランキングの事だと思うけど、それはさすがに納得いかない。

 

だって・・・僕、男だよ?

 

いつの間にか立候補されてて、いつの間にか投票されてて、いつの間にかランキング一位になってた。

嫌味に聞こえるかもしれないけど、本当に僕は無関係だ。

 

美少女ランキング1位になった日から、いきなり湊ちゃーんって周りの人達に呼ばれだした時は何がなんだが分からなかったし、ランキング1位になってるっていうのも、遥と雫から聞いただけだ。

 

神様がいたら、きっと僕は全力でデコピンしてやるねッ!

 

「前々から思ってたんだよ。君は美少女ランキング一位に相応しくないって・・・君みたいなやつが一位になるなら、私でも一位取れるなぁきっと」

 

・・・そ、そうなんだ?

なら立候補してもいいと思うんだけどなぁ・・・でもきっと忙しいんだ。

 

正直僕は美少女ランキング一位なんていう、男の僕からしたら不名誉なモノは早く誰かに変わりたいです。

 

イケメンランキング一位なら全然いいけどね?

 

ちなみに先生からの指導は、30分ほど続いた。

 

───

──

 

「はぁ、酷い目にあった・・・」

 

無事に先生から開放された僕たちは、各々の教室には戻るために廊下を歩く。

外では違うクラスの女の子たちが、元気よくソフトボールをしていた。

 

・・・あの大きさは、多分Fかな。

 

何がとは言わないけどブルンブルン揺れるものを一瞥し、短期記憶。

自分で言うのもなんだけど僕は頭がいい方なので、こういったことは忘れずに保存できる。

 

今日ほど神様に感謝したことはないかもしれない。

 

ありがとう神様。もしいたらキスしてあげます。

 

「ほ、ホントですね・・・あ、あの、ちょっといいですか?」

 

「ん?なぁに?」

 

「美少女ランキング一位って・・・本当ですか?」

 

グラウンドを眺めながら女慰さんの話を聞くと、唐突にそんなことを言われた。

 

あれ、僕の顔忘れたのかな?

 

この前思いっきり女慰さんに痴姦されたばっかりだし、その後思い切り逃げ出されたから、名前知ってるのかなって思ってたけど。

 

「ホントだよ?いつの間にかランキング一位になってたんだ」

 

「い、いつの間に・・・ってことは、“青峰“湊さんですか?」

 

───青峰?

 

「青峰じゃないよ?僕の名前は春峰湊っていうんだ」

 

「青峰じゃなくて・・・春峰?ご、ごめんなさい、どうやら名前を間違って覚えていたみたいです。“生徒会長”が貴方のことをずっと青峰って言っていた気がしていたのですが・・・多分聞き間違えてました」

 

「あはは、ううんいいよ!名前を間違って覚えるくらい誰にでもあるしね!」

 

どうやら名前を間違って覚えていたらしい。

今世では名前を間違えた事なんてなかったけど、前世ではしょっちゅうだった。

 

だから間違えちゃう気持ちも分かる。

 

お互い少し笑いながら廊下を歩いていると、再び女慰さんが僕に聞いてきた。

 

「き、今日はありがとうございました・・・ところで、なんで私を助けてくれたんですか?」

 

「なんで・・・か。うーんとね、この前女慰さんが僕に痴漢してきたことがあるじゃん?だから本当は「えっ!?ちょ、ちょっと待ってください!?」・・・ん?なになに?」

 

聞かれたとおりにそのまま答えようとしたら、今度はストップがかかる。

 

なんでだろう、めっちゃ慌ててる?

 

「・・・わ、私いつの間に湊ちゃんに痴姦を?」

 

・・・え?気付いてないの?

もしかして覚えてるの僕だけ?

 

「もーひどいよぉ!あんなに僕をめちゃくちゃにしたのにぃ!」

 

「そ、そんな・・・私が学園一の美少女を・・・痴姦?」

 

「覚えてないの?」

 

「は、はい・・・ごめんなさいぃ」

 

どうやら本当に覚えていないらしい。

めっちゃ凹む。

 

「あの、その、ごめんなさい!私、いつそんなことしたか分からなくて・・・」

 

「・・・ふーん、へぇそうなんだ?助けたのになぁ」

 

「ぁぁぁああほんとにほんとにごめんなさいぃ!!」

 

・・・なんだろう、めっちゃ楽しいかも。

僕がこうして拗ねた振りをするだけで、アワアワしながら謝ってくるんだもん。

 

ごめん、母さん。

僕、悪い男になりました。

 

でもこれ以上意地悪するのも可哀想だし、これくらいで許してあげちゃう。

 

「ふふっ、ごめんごめん。からかい過ぎかも。でも、覚えてないのはダメだよ?」

 

「ぬぉっ・・・ご、ごめんなさい。あ、じゃあ何かその時のこと言ってくれませんか?思い出すかもしれないです」

 

・・・その時のことかぁ。

あっ、そういえばアレがあった!アレなら思い出すかな?

 

「んーとね・・・動かないでね?」

 

「?わかりました」

 

疑問符を浮かべながら、廊下で立ち止まる女慰さん。

僕はニヤニヤしながら女慰さんに近づく。

 

「ヒェッ!?か、顔ちか・・・」

 

急に僕が近づいて頬を赤くする女慰さん・・・の耳に口元を寄せると。

 

「───え っ ち ♡」

 

と言ってあげた。

 

「~~~~っ!?」

 

瞬間、ボフッという音ともに目をグルグルさせる女慰さん。

 

「思い出した?」

 

「~~~~っ、はいいい!!!」

 

「あはは、顔真っ赤だよー?」

 

頭から湯気を出しながら高速で頷く女慰さんが面白くて、ついつい意地悪をしてしまう。

 

なんか、好きな子に意地悪しちゃう男子みたいだな僕。

 

・・・っ、も、もしや!?

 

───トゥンク。

 

これが、恋!?

 

・・・まぁ、そんなわけないんだけどね。

 

「え、て、てことは私っ、痴姦しちゃった人の前であんなに偉そうに言ってんですか!?」

 

「うん!」

 

「ぐぉぉぉ~~・・・死にたい」

 

魂が抜けたように床にへたり込む女慰さん。

ご愁傷さまです?

 

あまりにも顔が死んでたから、とりあえず頭をポンポンと触って落ち着かせてあげる。

 

姉さんも頭を撫でたら落ち着いてくれるんだけど・・・どうかな?

 

なんて考えていたら。

 

「・・・み、湊ちゃん!あの時は本当にごめんなさい!!!私もう、二度とあんなことはしません!・・・ということで、私今から自首してきます!」

 

急に覚醒した。

この子は0か100しかないんだろうか?

 

ていうか自首って・・・もう気にしてないのになぁ。

 

「待って!あの日のことは僕もう気にしてないし、君ももう懲りただろうから今更警察に通報なんてことはしないよ!」

 

「で、でもそれじゃあ私の気が済みません!」

 

「僕の気はもう済んでるよ!君だって冤罪被害にあったのに、その人たちを雇ってあげてたじゃん!それと一緒で、僕はもう本当に気にしてないから!」

 

目が覚悟を決めた男の目をしていたので、必死で止める。

僕がとめないと、この子は間違いなく自首しに行っちゃいそうだもん。

 

とりあえずこの子が冷静さを取り戻すまで、行かせないように手を繋いで阻止する。

 

因みに僕は今まで、綱引きで負けたことがない。

 

小学生の時は、僕一人で綱引きの戦況をひっくり返してたものだ。

 

確かその時についたあだ名が力士だったなぁ・・・主に男子たちが言ってた気がする。

しかも、僕が近づいただけで顔を赤くして逃げていくから、多分嫌われてたんだと思う・・・まぁ、僕イケメンだし?嫌われるのもしょうがないかなって。

 

ははは・・・。

 

「・・・そ、そうですか。ごめんなさい、取り乱しちゃいました」

 

「ううん、いいんだよ」

 

僕が昔のことを思い出してあまりの男子交流のなさに絶望していると、どうやら正気を取り戻したらしい。

 

反対に僕はちょっと泣きそうだ。

 

「本当にいいんですか?こんな私を許して・・・」

 

「許すも許さないも、僕は気にしてないし。それにもう懲りたでしょ?」

 

「は、はい・・・もう二度としないって誓います」

 

「ん!ならよし!」

 

まだちょっと落ち込んでるけど、無理矢理丸め込んだ。

悪いことは悪いことだし、いいことはいいことだ。

 

少なくとも僕が知っている女慰さんは、優しくて面倒みのあるいい子だ。

 

なのに今更前のことを掘り返しても仕方ないし、それはきっと僕がすべきじゃない。

被害者の代わりに怒っても仕方ないしね・・・もう二度としないなら、僕は信じてあげようと思う。

 

「・・・でも、待ってください?」

 

「ん?まだあるの?」

 

「・・・あの時私、思いっきり股間触ってたんですけど・・・その、男性器みたいなのがあって・・・え、えと」

 

「ね、ねぇ!恥ずかしいこと思い出させないでよ!」

 

「ご、ごめんなさいぃ!で、でも・・・ってことは湊ちゃんって───男の子、なんですか?」

 

「もちろん!ていうかどう見ても男じゃん!」

 

そう、僕は男。

いや・・・漢である。

 

ダンディで渋くて筋肉のある、優しいイケメンなのである。

 

なのに何故か皆は僕のことを女の子扱いするし、実際女の子って思ってる子がほとんどだ。

 

僕はこんなにもイケメンなのになぁ・・・ちょっと不服である。

 

「え?えぇぇぇぇえええええええええ!?・・・い、いや、その可愛さはどう考えても女の子だと」

 

「何か言ったかな???」

 

「な、なんでもないですぅ!!」

 

失礼しちゃうよもー!

僕は結構地獄耳だから、遠くにいても僕のことなら聞き分けられるんだ。

 

勝手ながら自分でミナトイヤーって呼んでる。

 

ちなみに見ただけで女の子のおっぱい・・・じゃなくて、身体的特徴が分かる僕の目は、ミナトアイって呼称してます。

 

「でも湊ちゃん・・・湊くん?が男の子なんて信じられないです!だってすっごく可愛いですもん!」

 

「む。僕は可愛いんじゃなくてかっこいいんですぅ!」

 

「そ、ソウデスネ」

 

こらそこ。

目を逸らしながら言わない。

 

まるで僕が女の子みたいじゃないか。

 

・・・あ、でも待てよ?

 

「あのさ、他の子も僕のこと女の子って思ってるのかな?」

 

「え、ど、どうなんでしょう?でもきっとみんな湊くんのことは、世界一可愛い女の子だって思ってますよ?」

 

そ、そっか。

それはそれで傷つく・・・けど、僕の計画的には丁度いい。

 

「それじゃあ、まだ僕が男ってことは秘密にして欲しいかな」

 

「え?いいんですか?」

 

「うん・・・だって、今まで女の子だと思ってた子が男の子だったってさ・・・めっちゃ面白くない?」

 

「そういうものでしょうか?」

 

戸惑った顔で疑問符を浮かべてる女慰さん。

何言ってるんだよoh!

めっちゃ面白いじゃんかyo!

 

僕はそれを伝えるために、笑顔でサムズアップした。

 

「それじゃ、秘密でお願いね!」

 

「わ、わかりました!例え火の中水の中!宇宙空間に放り込まれても喋りません!」

 

「・・・いや、そこまでしなくてもいいよ?」

 

「いいえ大丈夫です!これは私なりの罪滅ぼしなので!」

 

ふんすっ、とやる気に満ち溢れた表情をしている女慰さん。

何事にも全力なんだね・・・。

 

「それじゃ、僕はここの教室なので!また会いましょう!」

 

「はっ、はい!また今度!」

 

暫く会話して、ようやく僕の教室に着く。

女慰さんの教室はこの先なので、ここでお別れだ。

 

いつまでも手を振り続ける女慰さんに僕も手を振り返して、教室に入った。

 

何故か遥と雫が厳しい表情をしていた。

 

え、なんで?

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