男が希少な世界で僕は、女っぽい格好してるけど実は男でしたムーブを満喫する 改訂版   作:霧夢龍人

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閑話 とあるボッチ女子の独り言

───男の子って、なんであんなにいい匂いがするでしょうか?

 

と私、『伏満(ふしみつ) (はな)』は何度も思います。

 

ちょっと痩せてる子でも、ちょっとぽっちゃりな子でも、皆何故かいい匂いがするんです。多分これは、私が変態なだけじゃなくて、多分女子全員に聞いても頷いてくれると思います。

 

でも、でもです。実は女子の中にも、男の子みたいにいい香りがする人がいるんですよ!

 

その子は───『春峰(ハルミネ) (ミナト)』ちゃん。

 

我が高校、《青峰学園》で“男女混合”のもと密かに行われる人気投票大会。その中で男子に集まった票をぶっちぎりで抜いて、圧倒的1位に輝いた美少女です。

 

にも関わらず、共学であるためにかなり高い偏差値を要求するこの高校に置いてもトップクラスの成績を収めていますし、身体能力に関しても、同年代の私達じゃ敵わないくらいなんです。

そしてなにより、めちゃくちゃ優しくて可愛いんです!

 

分け隔てないって言うんでしょうか?

違うクラスですけど、たまに陰キャの私に話しかけてくることがあります。その度に私は迸る陽キャオーラに身を焼かれそうになるんですけど……悔いは無いです。

 

ちなみに何故か私湊ちゃんのRAINを持ってるんですが、それも湊ちゃんから言ってくれました。

「あっ、僕華ちゃんのRAIN持ってないや!ってことでこーかんしよ?」

 

なんて、しれっとこうかんしてくれたんです。

私が重いものを運んでる時とかも、クラス合同のグループワークの時に仲間が作れなくても、彼女はいっつも私を助けてくれるんですよ!?

天使ですか?天使ですね(断言)

 

あとあの笑顔は反則だと思います、はい。性癖が歪むので責任取って結婚してください。ていうかもう歪みました。

湊ちゃんの笑顔を見ると、陰キャの私が危うく浄化されて陽キャになっちゃいそうです……それはないか、うん。

 

まぁ兎も角です。

 

なぜ私がこんなことを思い出したのか、それは私に───友達が!出来たから!です!

 

信じられるでしょうか?

ボッチの私に湊さん以外の友達が出来たんです。違うクラスの子なんですが、その子の名前は、『遠野(トオノ)(リン)』ちゃんといいます。おっパイ大きいです。

 

私もそこそこ大きい方なんですけど、凛ちゃんの前だと貧乳みたいなもんです。

男性の中では胸が大きい女性はあまり好ましくないらしいですが、なんで世の中の男性は胸の良さが分からないんでしょうか?もし分からないなら、私が湊ちゃんのちっぱいと凛ちゃんのおっぱいを揉みしだいてもいいんですよ?

 

………おっと、ついモテない怒りが出てしまいました。でも今の私は無敵です。なぜなら、今日はその子と一緒に駅まで遊びに行く日なんですから!

インドア派の私に対して凛ちゃんが、華は気飾れば可愛くなるんだから、かわいい服のお店紹介するから一緒に行こう?と可愛らしく誘ってくるものですから、正直鼻血が出るかと思いました。

 

だって凛ちゃんが話すたびに、おっパイが上下左右に振られて、思わず凛ちゃんの頭が三つあるのかと錯覚しましたもん。

 

───なるほど、これがケルベロスですか。

なんていう私の呟きが凛ちゃんに聞こえてなくて本当に良かったと思います。聞こえてたら多分あのデカパイでビンタされると思います。あれ!もしかして最高では?

 

「や、ヤバいです!どきどきしますぅ〜!」

 

そんな私ですが今現在、駅の近くの公園で凛ちゃんを待っています。

集合時間は17時なんですが、私はその30分前に来てしまいました。もちろん凛ちゃんはまだ到着していません。ちなみに少し寝不足です、昨日楽しみすぎて寝れなかったせいでしょうか?

 

早く来すぎて不安になり、ちらっと周りを見渡せば、私なんかよりオシャレで可愛い女性達がわんさかいます。

 

「アホです、私アホです……」

 

やばいです。

早速私の場違い感出てます。やっぱり私みたいな地味な陰キャが来ていい場所じゃなかったんですぅ!

不安と緊張で涙目になりながらスマホを取り出して、凛ちゃんにRAINを送ります。

 

エマージェンシーエマージェンシー、此方華、我場違いなり。と凛ちゃんへ打ち込み、応援を要請しました。

さすがに私一人だけでは戦力が足りません。ここがゲームの世界なら、私と凛ちゃんがパーティーを組んでます。凛ちゃんがアタッカーで私は味方にデバフをかける要因です……あれ、これ私要らない子では?

 

くっ、これだから陽キャはッ!

 

……でも今は正直、そんなことどうだっていいんです。

 

このまま凛ちゃんの到着を待つのにどう過ごすか?それが今の私に課された議題です!

 

素直にスマホをいじくるってのもありですが、それだと何か感じが悪いというか……私は他人と遊びに行くことがない上にかなりの陰キャですので、こういう時の暇の潰し方がどうすればいいか分からないです。

 

なんて虚しいことでしょう。あれ、目から涙が。

 

「うーん、適当に周りの風景を楽しむ、くらいしか私に出来ることはなさそうですね……」

 

近くのベンチに座ってブラブラと足を揺らし、私と比べたら月とミジンコレベルの凄く綺麗なファッションをしている女性達を眺める。

なんて暇なんでしょう。通っていく人を観察するのは楽しいですが、それも結局持って数分です。

 

あ〜あ、いっそ湊ちゃんでも目の前を通れば楽しいの……に………?

 

……あれ?あの儚げかつとても直視できないような美少女オーラを放っている人はも、もしかして?

 

「あれってもしかして、湊ちゃん?」

 

私は幻想でも見てるんでしょうか?もし幻想なら、誰か私の巫山戯た幻想をぶち壊してください。

そう思って目を何度も擦りますが、目の前で堂々と歩く湊ちゃんの姿は変わりません。あまりにも輝きすぎて、何だか後光が差しているような気さえします。

 

いや、ほんとになんか眩しっ!?うっ、目が焼けそうです!?それに何かいい香りもする!

 

「くっ、この眩しさと(かぐわ)しい香りは間違いなく湊ちゃんですね、間違いないです!」

 

湊ちゃんマイスターの私が間違えるわけないので、間違いないです。大事な事だから四回言いました。

にしても何て可愛さ、そして綺麗さを誇ってるんでしょうか。

学校にいる時はあんなにふわふわして可愛いのに、今日は何かカッコよくてキリッとしてます。

 

あぁ、また私の性癖がぁ……ただでさえ歪んでるのに、これ以上さらに向こうへしたら真理の扉を開いちゃいそうです。

等価交換はきっと私の命ですね(真顔)

 

「ていうか何ですかあれ、凄いですね。モーセの十戒か何かですか?」

 

湊ちゃんが歩く度に、周りにいたオシャレな女性達の人混みがわぁっと縦に割かれ、まるで海を割ったモーセのように湊ちゃんは堂々した立ち振る舞いでその間を歩いてきます。

 

そしてその光景は、私が湊ちゃんの姿を追えなくなるまでずっと続いていました。周りにいた女性達はほぅっとため息を吐いて、その後姿をじっと眺めています……って、何頬赤く染めてるんですか貴女達?湊ちゃんはあげませんよ!!

 

がるるるっとばかりに威嚇する私。

いやまぁ私如きじゃ勝ち目はないんですけどね?

 

「ごめーん、お待たせしちゃった?」

 

周りにいた人たちに目を付けられないくらいの声量で、威嚇していた私に声をかけたのは二つのおっぱい!……違いました、私の友です。

大きい胸を上下させて、目尻を下げて私に微笑みかけます───うん、流石ですね。今日もおっパイおっきいです。一揉み幾らですか?

 

「いいえ、待ってないですよ!今来たとこですし」

 

できる女、伏満 華。

友を不快にさせるほど私は落ちぶれちゃいないのですよ。あ、やっぱり二揉みに変更出来ません?

 

「そ、そー?じゃあ行こーか!」

 

「えぇ、そうしましょう!」

 

ブルルンという返事が返ってきました。

どうやらダメみたいですが、気を取り直して行きましょう。

 

───

 

「つ、疲れましたぁ………ッ!」

 

ぐでぇ、と全力でオシャレな喫茶店のテーブルに伸びをすると、疲れを噛み締めた言葉を吐きます。長時間ずっと歩いていたので、足がプルプルして産まれたての子鹿みたいです。

 

「ん、そーお?私はまだまだいけるかなー」

 

対して我が友はどうやら経験豊富な様子。まぁ、私の服とか色々買ってくれたので何の文句も言えないんですが。

 

疲れた以上に楽しかったですしね。

 

「飲み終わったら出ましょうか」

 

「んー?分かったー」

 

何とか私が声を絞り出してそう言うと、凛ちゃんはちょっと残念そうな顔をした後に買ったビニールの袋を抱えて立ち上がる。

って、結構な量あったのにもう飲み終わったんですか!?

 

まぁでも、言い出したのは私なので少食な私なりに急いで、ふらぺちーの?とかいう飲み物を飲み終えた。オシャレすぎて目眩がします。

 

その後はお店を出てすぐ近くのエスカレーターまで歩きます。

 

私も凛ちゃんもかなりの大荷物で移動が少し遅いですけど、ゆっくり行く方が体力的にありがたいですね。

そう考えながら、エスカレーターに乗って下に下りようとした時でした。

 

「あれ?もしかして華ちゃん?」

 

………えっ?

 

どこかで聞き覚えのある、ウルトラスーパーキューティープリティー(ヴォイス)が聞こえたので、思わずエスカレーターの手前で立ち止まります。

 

「あ、やっぱり華ちゃんじゃん!」

 

おうふ、あぁ神様……まさか、まさかまさか。

ゆっくりと後ろを振り向きます。

するとそこにはやっぱり───

 

「み、湊ちゃん!」

 

「華ちゃんも駅の方に来てたんだね!」

 

───私の憧れる人である湊ちゃんが、にこやかな笑顔を携えながら私の方に歩み寄ってくる。

あっ、だめです!直視したら破壊力が高すぎます!あといい香りします!

 

ほら、周りの人たちも皆胸抑えてますよ!気付いてください!

湊ちゃんは汗をかいてるのか、服がちょっと透けててエッチです。しかも香りが凝縮されて、慣れてない女性達はノックアウトされてますよ!?

 

「は、はい。ちょうど友達と一緒に」

 

「へぇ!いいなぁ楽しそうで……僕も誘ってくれたら良かったのにぃ〜!」

 

ヴッ、その寂しそうな表情もポイント高い!?

ヤバいです。非常にヤバいです。

破壊力が高すぎて、鼻血が出そうです。あといい香りします!

 

なのにその本人はまるで自覚がないように、「ん?どしたの?」なんてニコニコしながら微笑みかけてきます。

な、なんて罪作りな女の子なんでしょうか!?これは歩く天災ですよ間違いなく!

 

湊ちゃんがいないとダメな身体になったらどうするんですか?責任取って早く結婚してくださいよコンチキショー!!

 

……おっと、危ないです。

陰キャがパリピ(?)に染るところでした。

 

「むー。華ちゃんその人だれー?」

 

とここで新たな刺客が拗ねたように私に話し掛けます。

私の後ろにたっている凛ちゃんは、ぷよよんと不満げに揺れるおっぱいで私を掻き乱そうとしてきます!

 

くっ、ちょっと不満そうな顔が絶妙にキュート!

 

……あぁ、ヤバいです。命の危機ですよ私。

こんな天使たちに囲まれたら、ただの人間である私は生きていけません。

こんな聖域(サンクチュアリ)が実在していいのでしょうか?きっとここが天国なんでしょうね。

 

でもダメですよ凛ちゃん!私の為に争わないでください!

 

私の後ろで湊ちゃんを睨んでいる拗ねた凛ちゃんに、湊ちゃんを紹介したいのですが、鼻血が出そうなのを堪えることしか出来ません。無力すぎません私?

 

しかし湊ちゃんは私の様子を察してか、自分から自己紹介してくれました。

 

「あ、ごめんね?僕は───『 春峰(ハルミネ) (ミナト)』。君が華ちゃんの友達であるように、僕も華ちゃんの友達なんだぁ。だから仲良くて欲しいな……?」

 

「ふぇ!?あ、あの湊さんですかぁ〜!?すごーい!私ファンなんです!」

 

……なんだ、湊ちゃんのこと知ってたんですか。でも確かに、今の湊ちゃんは普段の湊ちゃんとはまた違う雰囲気を纏っていますけどね?

まぁ?仲のいい私なら??直ぐに気づくことが出来ましたけど???

 

「君は確か、遠野凛ちゃんだよね?」

 

「知ってるんですかー?」

 

「ふっふっふ、もちろん!これでも一年生の皆の顔と名前は、全員覚えてるつもりだよ?」

 

何でもないように告げられたその言葉に、思わず愕然とします。

え、何ですかそれ?一年生全員で八百人以上いるんですけど、その全員を覚えてるんですか、凄すぎません?

 

「あ、でも僕がこうして駅に来てることは秘密にしてくれないかな?ほら、僕たち三人だけの秘密ってことで……ね?」

 

と、付けていた黒いマスクとキャスケットを外して、パチッとカッコよくウィンクする湊ちゃん。私と凛ちゃんはその光景を目の当たりにして、自然と胸を抑えてしまいます。

 

何でしょう、これがもして……恋?

 

お、おうふ……しかもウィンクって、そ、それはまさか、超絶美少女にしか許容されていないというあの伝説の!?

 

でも湊ちゃんなら許される!いや、私が許す!だってむしろ様になってるんだもん!あとまつ毛長すぎない?

 

「ふ、ふぁい……」

 

あ、凛ちゃん堕ちましたねこれ。

まーた湊ちゃんはそうやってノーマルの子をその道に落とすんですから……ところでさっきのウィンクもう一回私に向けてやってくれません?大丈夫です、いつでも尊死する覚悟は出来てきます。

 

と、私が鼻を抑えながら念じますが、願いは通じず───

 

「ありゃ、もうそろそろ門限だから、僕先に帰るねー!二人ともまた明日ー!」

 

───といって、私達に手を振って去っていく湊ちゃん。

 

いやぁ、去り際も様になってますね。しかもあの儚い笑み。

ママにしたいです……あ、鼻血が治まってきました。

 

「よし、それじゃあ帰りましょうか!」

 

「………へっ!?そ、そうだねー!」

 

あちゃ〜、これは大分湊ちゃんに侵食されてますね。

凛ちゃんはどこか心ここにあらずといった感じで、ずっと虚空を見つめてます。あれは重症ですね、もう手の施しようがありません。

 

けど、湊ちゃんなら仕方がない気がします。

 

「今日は楽しかったですよ」

 

「うん、私もー……噂の湊ちゃんにも会えたしー?何より華ちゃんと一緒に遊べて、とっても楽しかったよー?」

 

もう鼻血が垂れないように鼻を抑えながら凛ちゃんを見ると、ニコニコと嬉しそうに私に微笑み返してくれました。全くもう、凛ちゃんはどうしてこうも恥ずかしいセリフを吐けるんでしょうか?

 

「そうですか……な、なら!また一緒に行きませんか?」

 

「もちろん!また一緒に行こー!」

 

「ほんとですか!?約束ですよ!?」

 

「うん!」

 

三つの()がブルンと縦に揺れて、私の言葉を肯定してくれます。

私は地味でインドア派な陰キャですけど、凛ちゃんと遊ぶためなら外出するのも悪くない、改めてそう思いました。

 

ちなみに、帰りにこっそり乳ベロスを揉みしだいたのですが、あの感触は筆舌に尽くし難い……そう、まるで宇宙でした。

いずれは湊ちゃんのちっぱいと凛ちゃんの乳ベロスを並べて揉みしだくのが、私の目標です。

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