万魔殿の大切な2年生 作:アンクシャTYPE=B
「イア、今日は私が当番です。二人だけで、一緒にまたサボりましょうか。」
「......はい。」
前の出来事から一週間くらい経った。私はあの病室から離れ、ほぼ全てを私の為だけに整えられたような万魔殿の一室に移されることになった......なってしまった。
なにか部屋に対して不満がある訳じゃない。むしろこの部屋は、私なんかが使っていいような部屋じゃないほど快適な部屋だった。ベッドはフカフカだし、部屋は広いし、どこから持ってきたのかとっても大きいテレビ兼シアターに、眩しすぎるほどの超巨大な窓。ホテルのスイートルームの一室と呼ばれてもおかしくないような部屋に、私は住まわせてもらっていた。
皆に迷惑をかけ続けた私なんかが、いていい部屋じゃないのに。
「そんなに暗い顔をしないでください。ちょっと面白い知らせがあるんですよ。」
「あれ、私そんなに暗い顔をしていましたか......?あ、すみません、いい知らせとは......」
「マコト先輩がイアの為にパーティーを開くだそうです。マコト先輩がわざわざ給食部に料理を習って今まで食べれなかったイアの為に作ってあげるんだとか言ってましたよ。」
「マコト様が......」
............まただ。また私のせいで、マコト様に余計な手間をかけさせてしまっている......でも、それはそうとしてマコト様の手料理、どんな味が気になるな。きっと美味しいんだろうなぁ......ここで生活してから、食事だけは点滴で賄うしかなかったから、そういう意味でも楽しみ......
「あの、それっていつですか?」
「今日の夜からです。でも、それまで時間はありますし、その間は私とまったりしましょう?」
「え、でも、私なんかと......」
「......なんか?」
「何を言っているんです?イアは私の宝物じゃないですか。そんなあたかも自分を低く見積もるような発言はやめてください。」
「私たちがどれだけイアを愛しているか分かりますよね?ずっと一緒にいて、お互いに二人だけの秘密の部屋でサボっていつも通り楽しい日々を過ごせると思っていた大切な人が、ある日突然いなくなって、やっとの思いで見つけ出したらとても傷ついて死にそうになっていたときを。」
「心が張り裂けて、もう二度と会えないのかもしれないと思って、ただイアの名残を感じられる布団をずっと抱きしめて、温もりのしない絶望を感じていた時のことを今でも思い出すんです。それでも、イアが目を覚まして、またやっと希望を持てたと思ったら、そんなことを言いだして......」
「だからダメなんですよ。こんないつかいなくなってしまうかのような言動を繰り返すから......ずっと、ず~っと、ここで私に愛され、保護されてなきゃいけないんです。分かりましたか?」
「え、あ、えっと、はい......」
まただ。あの日私がただの役立たずになり果てた瞬間から、みんなが変わってしまった。私なんかに、皆に守られるような価値はないのに。こんな部屋と、万魔殿の誰かが毎日私の元についてくれる権利のようなものまで用意されても、私には到底身に余るもので......本当に、申し訳なくなる。
イロハさんは私の、残ったもう一つの方の腕を抱きしめながら私のベッドの中にいる。度々何かの言葉をつぶやきながら。それがどんな言葉なのかは、理解したくない、理解したら、本当にもう離れられなくなってしまうと思うから。機会を見出して、皆の元からいなくならないと。みんなにも迷惑が掛かっているから......
「イロハさん、退屈じゃないんですか?私......と一緒に居て。」
「またなんかって言おうとしましたか?はぁ......まぁいいです、さっきので分かってくれたようなので。イアと一緒に居る時間はとても楽しいですよ。それこそ本当にそれ以外の全ての時間が退屈に感じるくらいは。あ、イブキと遊ぶのは楽しいからそれは除いておいてください。」
「だったらイブキと一緒に居てあげた方が......」
「でも、それ以上にイアがまた失われてしまうのではないかという恐怖が大きいんです。こうやって見ておかないと、またイアが傷つけられてしまったり、はたまた自分でいなくなってしまうかもしれませんから......一緒に居て楽しんで、保護するということが必要なんです。」
「......」
「さぁさ、ちょっとしんみりした雰囲気になってしまいましたね。紛らわすためにも、私と一緒にいましょうか。大丈夫です、退屈はさせませんよ。」
「パーティーの時間が来るまで、二人だけで......ずっと一緒に......ふふ。」
日が暮れてきて、まもなく窓から射し込む光が太陽の暖かい光から月の冷たく美しい月光に差し変わろうかというところ。私とイロハさんは、朝から片時も離れることなく一緒に居た。それこそ、本当に私がイロハさんのスケジュールを圧迫しているのではないかと心配するほどに。
「ふふ......暖かいですね、イア。」
「あはは......私もそう思います。」
イロハさんは私に覆いかぶさって寝ている。そんなにも、私なんかがいなくなることが恐ろしいのだろうか......私なんかいなくても、なんとかなるはずなのに。どうしてなのかは気になるけど......聞かないでおこう。って、あっ、電話......
「あ、電話に出ますね......」
「イア、大丈夫です。私が出ます。もしもし?」
むぅ......本当になんにも役に立ってないから、それくらいはやろうと思ったのに。でも、この時間の電話ってことは、多分......
「イア、マコト様から電話です。そろそろ来いだそうですよ。」
「あっ、やっぱり......!じゃあ、行こう......」
ベッドの淵を掴み、立ち上がろうとする。片足に片腕もないから、すごいバランスがとりづらいけど......よっこいせ.......
「イア、私が支えます。ゆっくり、落ち着いてください。」
「あ、ありがとうございます......」
イロハさんに支えられて、なんとか立ち上がることに成功できた。他の人の介護がないと、こうやって基本的な生活を送ることすら難しいなんて......やっぱり、私って迷惑かけてるなぁ......生きてていいのかな。こんな役立たずで価値のない私が。
「イア?どうしましたか?」
「あっ、なんでもないです......ごめんなさい。」
......イロハさんに読まれてしまった。私はそんなに表情が分かりやすい人間だったかな......次は隠せるよう努力しないと。そうしないと、私が
「イア、無理に立たなくてもいいんですよ。車椅子を持ってきますから、それまでやっぱり座っていてください。」
「......何か何まで、本当にごめんなさい。」
お姫様抱っこのような形で、イロハさんに抱かれてまたベッドに座らせられる。ちょっと恥ずかしいけど、悪い気分じゃない......でも、そんなことをしてくれないとそういう事もできない自分が嫌になってくる感情もある。私って本当に......グズで役立たずで使えないな............心の奥底では、私は失望されてるのかもしれないし......
「持ってきましたよ。さ、座ってください。」
「ありがとうございます......」
イロハさんにまた抱えられて、車椅子に座らせられる。この車椅子も、マコト様が私の為だけに特別に発注した一台だそうだ。これを使うまでは車いすに乗ったことなかったので、普通のものがどんなものなのかは分からないが......少なくとも、座り心地もいいし柔らかいし、かなりお高そうなものであることくらいは分かる。
って、あれは......
「空崎風紀委員長?」
「風紀委員長が何の用ですかね?」
長い廊下の先に、何かを探しているかのような風紀委員長がいた。手には袋を持っていて、あちこちに目を回していた。そしてしばらくして私の方に目を向けると、ハッとしたような表情でこっちに向かってきた。あれ、イロハさんに何か用事でもあるのかな?今は押してもらってるから......
「あれ、何か用でもあるのでしょうか......」
「......イア、私が対応しますからイアはここにいてください。」
そういってイロハさんは私の前へと出てきた。それくらいは私が対応するのに......いや、でもでしゃばっちゃダメだって学んだでしょ、イア......落ち着いて、落ち着いて......
「風紀委員長、どのような用事でここに来ましたか?」
「......イアの様子を見に来た。話がしたい。」
「......どうしてですか?」
「私が見つけるのが遅かったせいで、イアが一生残る傷を負ってしまったから。」
「そうですか。では話なら私が伝えておきますので、それさえ今ここで言ったらお帰り下さい。」
「......本人と直接、顔を合わせて話をしたいのだけれども。」
二人が争っている。私のせいで、私が失敗したせいで、こんな事態を招いてしまっている。ダメだ、私はどうでもいいけど皆の仲が悪くなってしまってはダメだ、止めに入らないと......
「ダメです。彼女は万魔殿以外の人とは会わせれません。」「待ってください!空崎風紀委員長、話を......!」
「......彼女は話していいと言ってそうだけど?」
「......どうぞ。」
また出しゃばってしまった。私が少しだけ声を上げた後、イロハさんがどいたけど、心なしかその顔はあまりいい表情だとは言えない顔をしている。またあとで謝らないと、でもひとまずは空崎風紀委員長の話を聞かないと......
「イア、その......ここじゃ話づらいから、どこか空いている部屋はないかしら?」
「え、えっと、でしたら私の部屋が......」
「待ってください、イアをどこに連れていくつもりですか?」
「二人だけで話したいことがあるの。イアを借りていってもいいかしら?」
「......その、イロハさん、お願いできますか......?」
「............15分。15分だけです。それを越したら、問答無用でイアを連れていきますよ。」
「分かった。イア、行こう。」
空崎風紀委員長に車椅子を押されて、また再び私の部屋に戻る。ゲヘナでもトップクラスに忙しいであろう風紀委員長が、その価値もないような私に話しに来る要件ってなんだろうか。しかも、イロハさんを抜いて二人きりで......本当に何だろう、分からないや。
「あの......どのような話を......?」
車椅子から降ろされ、ベッドの上へと座らせられる。本当に何をするのか分からないから聞いてみても、空崎風紀委員長はただうつむいているだけで何も分からない。えっと、こういうときはどうすれば......どうすれば......
「ごめんなさい......」
「えっ?」
「ごめんなさい、イア......私のせいよ。」
「私が......見つけ出すのが遅かったから......!イアはこんなことに......!ごめんなさい......!」
空崎風紀委員長は私の右足に縋り付いて泣きじゃくっている......いや、ちょっと待って、止めないと......空崎風紀委員長は私なんかに謝るようなお方じゃない。マコト様と同列の、とても偉いお方なのに......どうしたらいいんだろう、言葉で止めた所で意味があるのか分からないし......
「空崎風紀委員長。」
「......?」
「顔を上げてください。」
少しバランスが崩れそうになるけど、未だに泣き続けている空崎風紀委員長の身体を抱きしめる。また余計なことをしたのかもしれないけど、私には泣いている空崎委員長をどうやって止めるかがこれ以外思いつかなかった。イブキやマコト様も、傷心のときには、こうしていれば落ち着いてくれたから。
「ぇ......え......なんで......」
「空崎委員長は悪くありません。悪いのは私なんです。私が......気を抜いていたせいで、皆に多大な迷惑をかけてしまって......」
「えっ......ちがっ......」
「それで、本来なら関係のないはずの空崎風紀委員長まで巻き込んでしまって......本当に申し訳が.......泣かないでください。全て私が悪かったんですから......」
ああ、そうだ。私が全部、全て悪いんだ。私さえいなければ、今頃みんなはまたいつも通り笑い合いながら過ごせるはずだったのに。その事実にもう一度直面して、本当は落ち着かせるつもりだったのに、なぜか私まで涙がこぼれてきて......
こんなのじゃ、ダメなのに。他の人達まで巻き込んで、迷惑をかけ続けて、本当に救えなくて、挙句の果てには涙まで流して......本当に、どこまでいっても私は人間として失格だ。
だけど、本来の目的は達成できたかもしれない。気づけばすすり泣く声は、私一人だけになっていた。私が止めるはずだったのに、気づけば私が泣いているなんて......やっぱり私って......さっきも思ったけど、本当に救えない人だな......
「イア......」
「ごめんなさい、空崎委員長......情けないものを見せてしまいました。私から言ったのに......」
「......許してもらえるの?」
「え?」
「私って、間に合わなかったのに、許してもらえるの?」
「.....許すも何も、そんなこと気にしないでください。私の事なんて、どうでもいいですから。」
「..............」
「心配させて、ごめんなさい。私は大丈夫です。それよりもほら、今日はマコト様が主催でパーティーがあるんだそうです。よかったら空崎委員長も来ませんか?」
「......行く。」
私と空崎委員長で勝手に決めちゃったけど......大丈夫かな。まぁ、怒られても私の責任だし、大丈夫......うん、大丈夫なはず。
そうと決まれば戻らないと。未だに咽続ける身体を抑えて、ふらつきながらも立ち上がる。ああっ、やっぱりバランスが取れないな......ちょっと倒れそう。でもこんなので苦労してたら、私が万魔殿から出ていくときに困るし......一人でも、歩けるようにならないと。
「んしょ......」
「イア、私が支える。はい、どうぞ。」
「ありがとうございます......」
そうしてまた車椅子に引かれて、再び廊下へと戻る。扉を開けて廊下へ出ると、そこには待ちくたびれたような表情をしたイロハさんが待っていて、心なしかちょっと怒っているようにも見えた。しまった、私は分からなかったけど結構時間が経っちゃったかな......
「あっ、あの、時間......大丈夫でしたか?」
「14分39秒。あと少しでも遅れていたら、部屋に入って無理やりにでも連れて行くところでした。ところで、何故泣いた跡があるんです?」
「......えっと、気にしないでください。それよりも、マコト様も待ちくたびれているでしょうし、早くパーティー会場に行きましょう。」
「わぁ......!すごい......!」
綺麗に飾り付けられたパーティー会場。本当に私なんかがいていいのかと疑うほど美しい会場には、煌びやかな料理や景色が沢山広がっていた。中心にはマコト様やチアキさんがいて、上に取り付けられている看板には、私のためのパーティーだということを証明するかのような文面が描かれていて、ちょっと嬉しいけど申し訳ないような気分にもなってくる。
でも、せっかく用意してくれて、その上でマコト様の手料理が食べられるなんて、楽しみだなぁ......一体どんな味だろう。わざわざ給食部に料理を習ってまで作ってくれたって言ってたし、美味しいんだろうなぁ......それに久々にこういうちゃんとしたご飯を食べるし、
「キキキッ......どうだ?喜んでくれるか?」
「は......はい!凄いです......こんなにいっぱい......!」
「ふふふ、久々にイアちゃんが笑っている姿を見れました!せっかくのパーティーですし、録画を回しておきましょう!」
「イア先輩!イブキの隣座ろ!」
「......マコト。私もどこか適当な席に座らせてもらってもいいかしら。」
「......いいだろう。お前には借りがあるからな。」
ヒナさんも空いている席に着き、私の車椅子を押してくれていたイロハさんも席について、おそらくこの場にいるメンバー全員が机を囲んだ。うぅ、私なんかがこんな場所にいるなんて......ご飯を食べる前なのに、ちょっとお腹が痛くなってきたかもしれない。緊張してきた......
私の隣にはイブキとマコト様がそれぞれ座っていて、向かい側にはイロハさんとサツキさん、空崎委員長にチアキさんという順番で座っている。チアキさんは手元にカメラを置いていて、さっき言った通り録画を回しているようだ。みんなが円満の様子を後で見れるのは、確かにいいかも......
「さ、それじゃそろそろ食べましょうか。マコト先輩、いいですよね?」
「ああ。じゃあ、イア、合図を頼む。」
「えっ、私です......か?」
あまりにも突拍子もなかったので、思わず聞き返してしまう。私じゃそんなことを言っていいのか分からないけど......でも望むなら、やった方がいいのかな......?
「えっと、やっていいんですか?」
「ああ。むしろやってくれ。」
「......で、では、皆、かんぱ~い......?」
「かんぱ~い!」
「頂きます。」
みんなが料理に手を付け始める。私も手を付けようとして......なぜか止められる。止められた手の先には、マコト様がスプーンを持ってこっちを見ていた。
「......あの、マコト様......どうしたのですか?」
「?何って......それだと食べづらそうだから、食べさせてやろうと思っただけだが?ほら、口を開けろ。」
そういってマコト様に口元にスプーンを差し出される。う、嬉しいけど......でもちょっと恥ずかしいし、なにより私なんかにそんなことをする価値は......本当にいいのかな?
「いいんですか?」
「いいも何も、やりたいからやってるんだ。ほら、食べてくれ。私が作ってみたんだ。」
「で、では......」
マコト様の料理......一体どんな味なんだろう?では......いただきます......!
「............ぇ?」
「......どうしたんだ?まさか......不味かったか?」
違う。不味いんじゃない。美味しいわけでもない。違う、違う、違う、違う、違う違う違う違う違う違う......!そんなわけない......『味が分からない』なんて、そんなことある訳ない、せっかくマコト様が作ってくれたのに、そんなことあっていい訳がない......!
「マコト様、もう一口貰ってもいいですか......?」
「あ、あぁ、いいが......」
これは何かの間違いだ。絶対に違う、嘘だ、嘘だ、嘘に違いない。きっともう一口食べれば分かるはずだ。だってこんなにも美味しそうな匂いがしているんだから、マコト様が作ってくれたんだから、味が、分からないなんて、そんなこと......
「ぁ......どうして......?」
「なんで、味が......分からないの.....!?」
現実はそう理想的にはいかなかった。口の中で咀嚼するたびに、異物を噛みしめているかのような違和感が脳を刺激する。それはきっと美味しいはずなのに、味が分からないという一辺だけで吐き気がせり上がってくる。口を抑えて止めようとしても、もう遅かった。
「うっ......ぅ......」
「イア!!」
「イア先輩!」
汚らしく床に吐いてしまう。何度吐いても、一向に吐き気は止まらず、むしろ悪化するばかりで、身体が壊れていくような感覚を覚える。とうとう、吐いたものをそのままに床に倒れ伏してしまった。
「そんな......イア先輩!やだよ!イブキは......また......」
「イア!しっかりしてください!チアキ、救急医学部を!」
「あ、うん!」
あぁ、また私は迷惑をかけてしまっている。私はこれ以上、どこまで他の人に、皆に迷惑をかければ気が済むのだろう。もう分からない。四肢を欠損して、ただ支えられてばかりで。
私って、やっぱりいなくなった方が、皆は......幸せになれるんだろうな。
イアが救急医学部に連れられて、また医療施設へ運ばれていく。イロハも、イブキも、チアキも、サツキも、ヒナもイアを助けるために動いていたのに、私はただ地面にへたり込んで座っていることしかできなかった。
どうしてなんだ。なんでイアが、あんな目に遭わなくちゃいけないんだ。いや違う、イアに、あの考えるだけでも恐ろしいような地獄を経験させたのは誰だ?
私だ。私が、イアに一方的に頼っていてばかりで、今回も任せきってしまった結果がこれだ。そして、イアに四肢を欠損させて、普通だったら体験できるはずの、楽しくて幸せな、当たり前な生活を送らせることも不可能にして、それでいて、大事なイアの味覚まで私が殺したんだ。
全部、私が......私が、無責任だったばかりに起こったんだ。私は最低だ。イアは『マコト様』と、心底信頼してくれているような目で私を呼んでくれているが、私はそんな、慕われるような目で見られるような人じゃない。むしろ、軽蔑されてもおかしくないような人なのに。
「......どうして、イアは......」
「私は、本当に最低だ......」
教えてくれ、イア。私はどうしたら......お前に償いが出来るんだ......?
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