GRIM WOOD   作:無職のプーさん

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【挿絵表示】

↑はAIに書かせた顧問官の画像です。
若干老け気味です。



ⅩⅩ 劇薬

 

 狩人は凍りついた槍の騎士の腕から黒い蝋燭を奪い取る。消えていた火は彼の手の中でわずかに灯ったが、風もないのに揺らぐほどか細かった。

 

「役立たずが」

 

口の中で吐き捨て、地面に投げ捨てる。

気温は徐々に上がっているはずだが、身体の芯から冷え切っていく心地がした。

 

「あのお姫様ならさらっと生き返りそうだが、こいつはダメそうだな」

 

狩人は騎士の凍った尻を銃口の先でつつく。

この男抜きでどう魔女に勝つか。思考を巡らせようとして、途中でやめた。

 

「如何なる武人とて、真面目に頭を働かせた王妃様には敵わない」

 

『鏡』の呟きに、狩人は怪訝そうな視線を向ける。「今までのは遊びだったってことか?」

 

「その通り」

 

「なら、俺も今までのは遊びだ」

 

狩人が目を細めて言うと、『鏡』は「そうだろうな」と静かに返した。

 

「お前も王妃様も能力こそ高いが、物事を単純にしたがる。思慮深く行動すれば、痛い目を見ることもないのに」

 

「余計なお世話だ」

 

狩人は吐き捨ててから、屈み込んで地面を凝視する。雪に鼻を近づけ匂いを嗅いだり、手の平で触れたり。

入念に周囲の状況を調べてから、顔をしかめて立ち上がる。

 

「他に誰かがいた痕跡はないな。……こいつ、何で凍死したんだ? マッチを持ってるはずなのに、火を起こそうともしてないぞ」

 

「お前は吹雪を甘く見ている。風を凌げなければ火など起こせぬし、人が十数秒で立ったまま凍りつくこともあるのだ。特に今回は、魔法で無理やり起こした自然の調和に欠いたもの。何が起ころうと不思議はない」

 

「じゃあ、こいつが生き返る可能性は?」

 

狩人が槍の騎士を指さして訊ねると、『鏡』は間を置くことなく答えた。「ここで死ぬのは、その男の運命だった。お前に非はない」

 

「別に責任なんか感じてない。人を舐めるのも大概に……」

 

狩人はそう返しつつ、槍の騎士の方を見る。

そして眉をひそめ、言いかけた言葉を忘れてしまった。鹿の親子の方に伸ばされたその手に、何かが握られていたからだ。

 

「……?」

 

見間違いではない。よく見てみれば、それは真新しい羽ペンだった。凍ったり霜でふやけたりすることもなく、新品同然の姿を保っている。華美な装飾もない地味なものだが、それは月明かりの中でいやにくっきりと鮮明で、周囲の風景から浮いて見えた。

 

まるでそれ自体が一つの光。一つの星であるかのように。

 

「……」

 

狩人は無言で槍の騎士の姿を凝視した。

凍りついた身体は先ほど蹴り飛ばしたときと寸分違わず同じ姿勢で、顔は雪の中に突っ伏したままだ。

 

何も変わっていない。そのはずだが、何かがおかしい。この状況、この現在に違和感がある。そもそも過去すらはっきりしない。つい数分前のことのはずなのに。何故か思い出せなかった。

 

……()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「馬鹿な。これは……」

 

『鏡』の上擦った声に我に帰り、狩人は肩に止まった蝿を見た。

いつも静かな調子で話す彼が、動揺を見せるのは初めてのことだ。槍の騎士に視線を戻すと、その手に握っていたはずのものが、いつの間にか消え失せている。

 

……いや、待て。()()()()()()()()()()()()? 何も握っていなかったはずだ。見間違いだろう。

黒い蝋燭を持ってはいたが、あれは俺が取り上げたのだから、何かを新しく持つはずがない。死体は動かぬからこそ死体なのだ。この森にはいくつか例外こそあるが。

 

「……猟犬」

 

魂の抜けたような『鏡』の声に、狩人は振り返った。そこには()()()()()()()()()()鹿()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

何故かその光景に目眩を覚え、狩人は頭を押さえた。さっきからどうにも何かがおかしい。だが、何がおかしいのか説明できない。寒さに頭をやられてしまったのだろうか。

 

「……!」

 

狩人ははっと目を見開き、木影に素早く身を寄せる。シャク、シャク、と雪を踏む足音が聞こえてきたからだ。

 

音の大きさや間隔から察するに、魔女ではない。背の高い男だ。それも重装備か、あるいは何か重いものを運んでいるらしい。

冷たい空気が匂いの分散を妨げているため、嗅覚からの情報は拾えない。それ以上のことは、直接見た方が早いだろう。狩人はそう判断し、猟銃を胸に抱いた。

 

「さっきまで気配なんてなかったのに、急に現れやがったが……魔女の手先か?」

 

「いや……」

 

『鏡』のはっきりしない態度に、狩人はフンと鼻を鳴らす。「役立たずは黙ってろ。俺一人で十分だ」

 

彼はじっと足音に耳を澄ませ、近づいてくる人物との距離を計った。

まだだ。まだ遠い。銃を撃てば確実に当たる距離まで、目標を引き寄せる必要がある。

 

狩人は木に背中を預けたまま目を閉じ、全神経を聴覚に集中させる。気配を読まれても不味いので、昂ぶる本能を理性で抑え、殺気を鎮めた。

冷気に研ぎ澄まされた心地良い夜風が、狩人の火照る頬をさっと撫でていく。

 

「そろそろだな」

 

呟き、ここぞとばかりに飛び出す狩人。

十メートルほど先に現れた人影に、銃口を向けて叫ぶ。「武器を捨てて両手を上に上げろ!」

 

「は、はい!?」

 

男は素っ頓狂な声を上げ、手を上げようとした。

しかし何か荷物を抱えて両手が塞がっており、結局手は挙げぬまま、背筋をピンと張っただけだった。

 

狩人は男の抱えたものを一瞥し、眉をひそめる。

それはマントにやさしく包まれた、痩せた子鹿だった。男の懐の中に大人しく収まり、つぶらな瞳で狩人を見返している。

 

「凍死寸前で母鹿の傍にいましてね。騎士としては放っておけず……」

 

そう呟く男の顔を、狩人は近づいてじっと見た。

彫りの深い整った顔立ちに、特徴的な口髭。それは紛れもなく、槍の騎士その人だった。

 

「?!!」

 

狩人は口をあんぐりと開け、ただ呆然と騎士を見つめる。指の間をすり抜けた猟銃が、ぽとりと雪の上に落ちた。

 

「フフッ、何ですその顔は? せっかくの色男が台無しですな」

 

苦笑する槍の騎士に構わず、狩人は口を大きく開けたまま後ろを振り返る。

背後には凍りついた牝鹿の死体があるだけだ。

他には何もないし、あった形跡もない。分かりきっていたことだ。

 

狩人は槍の騎士に視線を戻し、もう一度後ろを振り返り、また正面を向く。

何故後ろを向いたのか。何を確認したかったのか。彼自身にも理解できなかった。

 

槍の騎士は近くの切り株に子鹿を置くと、ニヤニヤと馬鹿にしたような笑みを浮かべる。

狩人は思わず殴ろうとしたが、思い留まって拳を下ろした。しかし結局、我慢できずに殴り飛ばす。

 

「あはぁぁん?!」

 

奇声を上げつつ、槍の騎士は頭から雪に隠れた茨に突っ込んだ。

 

 

 

 

 

「吹雪が収まった矢先に、少々物騒なものを見つけましてね。ちょうど貴方を呼びに行こうとしていたのです」

 

鉱山へと続く山道を槍の騎士が先導し、狩人も後に続く。

両脇には堆高く雪が積もり、視界が良いとは言えなかった。身を隠す場所もないので、上方からの奇襲には対応できないだろう。

 

狩人は敵の気配を探りつつ、子鹿を抱えたままどんどん進む騎士の背中に声をかける。「そいつは置いていった方が良いんじゃないか?」

 

「何故です?」

 

「何故って、邪魔だろ。子鹿ちゃんを抱っこしたまま魔女と戦うつもりか?」

 

槍の騎士は立ち止まり、肩越しに狩人を見る。「いけませんか?」

 

「いけないっていうか……無理だろ」

 

「ご安心を。これも作戦のうちなのです」

 

「本当かよ」

 

「私は嘘はつきません」

 

槍の騎士はウインクし、再び歩き出す。

それから一分と経たずして、二人は目的の場所に着いた。そこは幾分開けた高台で見晴らしが良く、風がビュウビュウと音を立てている。

傾斜に生えた杉林が冷気を受けるたびにパキパキと鳴り、さながら合奏のように音色を重ねていた。

 

眼下には、小人たちの家の明かりがくっきりと見える。反対側には、月明かりを背にした鉱山が黒々とそびえ立っていた。

狩人は眉間に皺を寄せ、思わず鼻を手で押さえる。目眩がするほどの濃厚な死の臭いが、周囲に漂っていたのだ。

 

槍の騎士はおもむろに地面にしゃがみ、こんもり膨れた雪の一部を手で払う。

出てきたのは、黒いコートに身を包んだ男の死体だった。頭部に大きな氷の刃が突き刺さり、絶命している。

 

「『魔女狩り』です」

 

彼はそれだけ言うと、胸の前で十字を切った。狩人は鼻を押さえたまましかめ面で訊ねる。

 

「こいつらの死体は、何でこんなに臭いんだ?」

 

「臭いますか。良い鼻をお持ちのようで」

 

槍の騎士は魔女狩りに鼻を近づけるが、やがて首を振って離れた。

 

「私が確認した限り、ここには五人ほどが雪に埋まっています」

 

「魔女にやられたか」

 

「おそらく」

 

騎士が頷くと、狩人は舌を打って立ち上がった。猟銃の撃鉄を上げ、引き金に指をかける。

彼らの足元を取り巻くように、青白い霧が漂い始めていた。

 

「まだ近くにいるかもしれない。いや、間違いなくいるぞ」

 

「そのようですな。すぐに隠れなさい」

 

槍の騎士の言葉に、狩人は眉をひそめる。「お前はどうする気だ?」

 

「私は貴方ほど上手く気配を消せません。すぐに気づかれてしまうでしょう。……と言うより、すでに気づかれている」

 

槍の騎士の視線を追って、狩人も足元を見た。そして目を丸くする。

凍てつくような青白い霧は狩人を素通りし、騎士の周囲のみを取り巻いていた。まるで壁を作り、逃げ道を塞ぐかのように。

 

「くそったれ。霧で気配を探れるのか!」

 

声を荒げる狩人に、槍の騎士は口元に指を当て、シーッと息を洩らす。

 

「声もそうですが、殺気を出してはいけません。慎重に動いていた貴方は、まだ気づかれていない」

 

狩人は槍の騎士を無言で見返したあと、音もなく背後に飛びすさり、茂みの影に潜んだ。

騎士は満足げに笑うと、狩人に背を向ける。彼の見据える先、廃坑へと続く登り坂に霧が集って渦巻き、夜空へと舞い上がった。

月明かりを受け、星屑のように広がるそのヴェールの奥から、魔女が姿を現す。

 

「美しい……」

 

槍の騎士は熱い吐息を洩らした。

 

「貴方自身の美しさはもちろん、今のは演出が素晴らしい。その黒い衣装も貴方の魅力を引き立て、かつ、まさに悪役といった感じで……つかぬことを聞きますが、演劇の仕事に興味はお有りですかな?」

 

その問いには答えず、魔女は菫色の瞳を鋭く細める。敵の一挙一投足を見逃すまいとする、用心深い目だった。

 

「貴方は一体何者なの?」

 

「おや、私のことに興味が?」

 

槍の騎士はさも嬉しげに片方の眉を上げる。彼女は舌を打ち、不愉快そうに顔を歪めた。「いちいち気色悪いのよね、貴方」

 

「本国では宮廷一の色男で通っているのですが」

 

「どうせブサイクしかいないんでしょ」

 

「フッフッフ」

 

槍の騎士は下を向き、肩を震わせて苦笑する。

魔女は後ろ髪をさっと払ってから、片腕を夜空に向かって掲げた。虚空に無数の薄氷の刃が煌めき、槍の騎士に狙いを定める。

 

「まあいいわ。たとえ奇跡を起こそうが、魔法が使えようが関係ない。私に刃向かう者は、死ぬまで殺すだけよ」

 

「お待ちなさい」

 

殺気立つ魔女に、槍の騎士は手の平を向けて制した。

 

「何よ。命乞いなら聞く気はないわ」

 

彼女の冷酷な言葉を、騎士は鼻で笑ってみせる。

 

「よろしいのですか? そんな強い言葉を使って。後で恥をかくのは貴方ですよ」

 

「何ですって?」

 

魔女の冷たい目の奥で、激しい炎が揺らめいた。

激情に呼応するように周囲の霧が渦巻き、激しく踊る。彼女は一歩前に出ようとしたが、槍の間合いを警戒し、踏み留まった。

 

「……どう恥をかくのか、聞かせてもらおうかしら」

 

「貴方は私に攻撃できない」

 

槍の騎士は自信満々に宣うと、抱えていた子鹿を堂々と魔女に見せつける。

 

「どうです? このつぶらな瞳の子鹿ちゃんを! 貴方にこの子ごと、私が射抜けますか!?」

 

次の瞬間、魔女の頭上で待機する氷刃の一つが飛び出し、槍の騎士の耳たぶを切り裂いた。

 

「はあぁん?!」

 

槍の騎士はまた一段と気色の悪い悲鳴を上げ、雪の上に膝をつく。騎士に抱えられたままの子鹿は、きょとんとした様子で彼を見上げていた。

 

「いろんな男を殺してきたけど、貴方ほどの馬鹿は初めてよ。くだらなすぎて反吐が出る」

 

魔女は吐き捨てると、掲げていた腕を振り下ろす。待機していた無数の薄氷が煌めき、槍の騎士に向かって飛んだ。

 

「あひぃん! ひゃあん! はぁん!」

 

氷刃に立て続けに射抜かれ、いちいち甲高い悲鳴を上げる槍の騎士。孤を描いて飛来する刃は子鹿を傷つけず、騎士のみに正確に命中していた。

 

「真っ直ぐ飛ぶしか能のない銃の弾とは違うのよ。指先一つ動かす労力で、こんな芸当だってできる」

 

魔女の声が果たして聞こえているのか、槍の騎士は膝を着いたままの姿勢で俯き、ぴくりとも動かない。しかし彼女は油断せず、鋭い目つきで騎士を睨みつけていた。

 

「まだ息があるようね。しぶとい。その装束の中に胸当か鎖帷子でも着こんでいるんでしょう?」

 

魔女はフンと鼻を鳴らし、再び片手を頭上に掲げる。空中に現れた氷の刃は一つだけだったが、今までの数倍は大きく、鋭い三日月の形をしていた。

 

「両腕を切り落とす。いえ、ひと思いに首を狙った方がいいかしら。どちらか決めさせてあげる。選びなさい」

 

「……くそっ」

 

狩人は小声で悪態をつく。

今撃たなければ、あの男は殺される。それが分かっているのに、彼にはどうしても引き金が引けなかった。

 

銃口は正確に魔女を捉えている。後はただ、指に力を込めるだけ。ただそれだけのはずなのに、今の狩人にはどうしてもできない。何百回、何千回と引いてきたはずの引き金が、今はどうしようもなく重かった。

おまけに指先は震え、力が入らない。寒さのせいか、それとも他の理由か。彼には見当もつかなかった。

 

「俺は……こんなに情けない奴だったのか?」

 

狩人は泣きそうな顔で呟く。そのとき槍の騎士がふと顔を上げ、肩越しに狩人の方を見た。

目が合うと、騎士は不敵な鋭い笑みを見せる。そして魔女に顔を向け、静かな声で言った。「では、ひと思いに首で」

 

「そう。情けない命乞いが見られないのは残念だわ。いくら強がっていても、男なんて大体そうなのに」

 

魔女はつまらなそうに呟き、掲げた腕を振り下ろす。殺傷力を上げるためか、氷の三日月は鋭く回転しながら彼女の頭上から飛び出した。

刃が迫る直前、槍の騎士は笑みを崩さぬまま、小さな声で呟く。

 

「それは劇薬だが、全ての病を癒すであろう」

 

刹那、辺りに金属がしなる甲高い音が響いた。肉と骨が断たれる音ではない。

狩人は目を瞠った。見覚えのある草刈り鎌が氷刃をゆらりとした動きでいなし、軌道を逸らしたのだ。

氷は騎士の首のわずか横を通り過ぎ、背後の大木に突き刺さる。

 

「ふうっ、焦った焦った」

 

あまり焦っているようには見えない『寝ぼすけ』が言った。長い鎌を「よっこいしょ」と肩に担ぎ、魔女の方に向き直る。

彼女は現れた灰色の髭の小人をじろりと睨み、小さく舌を打った。「貴方、『寝ぼすけ』ね」

 

「こんばんわ」

 

名を呼ばれ、彼はぺこりと頭を下げる。魔女は宙に再び薄氷を生み出しながら、小さく笑った。

 

「小人たちは方針を変えたのかしら。私に刃向かうつもり? あんな小娘一人のために」

 

「どうかな。分かんない」

 

『寝ぼすけ』は首を振って答える。とぼけた風ではなく、本当に分からないように見えた。実際、彼は仲間たちの総意など聞いていないし、どうでも良さそうである。

魔女は閉口した後、眉間の皺を指で伸ばした。

 

「……まあ、とにかく。少なくとも貴方は刃向かった。たった一人で、どうやってこの私に勝つ気?」

 

彼女の問いに、『寝ぼすけ』は首を傾げる。「一人?」

 

「?」

 

問いに問いで返され、魔女もつられて首を傾げた。

次の瞬間、轟音とともに飛来した戦斧が、魔女の胸に深々と突き立つ。

 

「?!」

 

肋骨を砕き、肉に食い込む重厚な刃を、魔女は呆然と見下ろした。

 

「よう。直接会うのは初めてか」

 

鋭く飛び出してきた小さな影が、魔女に突き刺さった斧の柄を掴む。

小人にしては大柄で逞しい『怒りんぼう』が、歯を剥き出しにして笑っていた。

 

「ずっと恋い焦がれてたぜ。テメエによぉ!!」

 

彼は魔女の身体を蹴りつけ、力づくで斧を引き抜く。そして反動で身体ごと回転して遠心力をつけ、豪快に一閃した。

重厚で鋭い鉄の刃は、彼女の背後に立っていた枯れ木ごと、その胴を両断する。雪で重みの増した灰色の幹は音を立てて崩れ落ち、にわかに地を揺らした。

 

 

 

 

 

 

 

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