吹き荒ぶ灰色の風が、雪原の上で粉雪を攫い、透き通るような白い衣を纏った。純白のドレスを自慢げにたなびかせ、風は死人たちの間を縫うように美しく舞う。
夢の一時も束の間、風もドレスも魔法がとけたように空に消え、跡形も残らない。
「ウウウゥ……」
掠れた呻き声を上げ、彷徨う死人の群れは一心不乱に小人たちの家を目指していた。
動きこそ緩慢だが力は生前よりも強く、古びた鉄のアーチや柵を薙ぎ倒しながら進んでいる。ドアや窓など、入れそうなところから入ろうとするが、多くはそれらに手が届く前に地面に倒れ伏した。
「はあっ!」
気合いの声とともに王子が細剣を振るうと、瞬く間に三人の『死人返り』が頭蓋を穿たれ、ものも言わずに崩れ落ちる。返す剣で後ろを抜けようとした一人の首筋を断ち切り、行動不能にした。
彼のまわりには、すでに十を超える数の黒ずんだ死体が積み重なっている。
だが沼地を挟んだ森の向こうからはぞろぞろと後続の群れが迫っており、終わりが一向に見えない。
「……」
王子の後ろで特に何かするでもなく、ぽつんと立ったままの『くしゃみ』。
どういうわけかコルクの栓を鼻の穴に詰めており、お得意のくしゃみを封じて静かにしている。
「『くしゃみ』さん! ここは危ないので、家の中にいてください!」
王子の言葉にも耳を貸さず、彼はただじっと立ち尽くしていた。
よそ見をした王子の隙をつき、数人が彼の脇をすり抜け、『くしゃみ』に近づいていく。
「くっ……!」
王子は慌てて追撃しようとしたが、その必要はなかった。
「ぶえっくしょい!!」
コルクを外した『くしゃみ』の鼻から放たれた爆風が、死人二体を軽々と吹き飛ばす。二体は王子の頭上を越え、数メートル後方に落下した。
「す、すごい……!」
「えっへん」
王子が感嘆の声を洩らすと、彼は自慢げに胸を張る。再びコルクを鼻の穴に詰め、次のくしゃみを『溜め』始めた。
「ウウウ……」
沼地を越えてきた『死人返り』が、背後から彼らに襲いかかる。
王子は先陣を切る一体に剣先を向けたが、突きを放つ前にその頭部に矢が刺さり、倒れて動かなくなった。
「王子様、手伝うよ!」
家の屋根に上った『おとぼけ』が、小ぶりの弓に矢を番えながら叫ぶ。素早い手の動きで数本の矢を連続して放ち、死人の群れに浴びせかけた。
頭に矢を受けた死人はものも言わずに倒れるが、胸や肩に食らった者は動きこそ鈍れど、歩みを止める様子はない。
「頭を狙ってください! 脳を壊せば、死なずとも足は止まります!」
動きの鈍った死人たちに鋭いステップで肉薄し、とどめを刺す王子。短く息をついて辺りを見渡したとき、ようやく気づいた。
何処からともなく生じた青白い霧が、彼の周囲をじわり、じわりと取り巻いていることに。
「……っ」
王子は息を呑んだあと、悔しげに表情を歪めた。
狩人ならいち早く魔女の気配を察し、何らかの対処をしただろう。魔法の兆候を見逃した自分を、とんだ間抜けと責め立てていた。
霧は見る見るうちに濃く、深くなっていき、とうとう視界が白一色に塗り潰される。一歩先も見通せず、誰の気配も感じず、声や足音すら聞こえない。
「……」
王子は叫び出したい衝動に駆られたが、黙って恐怖に耐えていた。しっかりしろ。お前が白雪姫を守らねば誰が守るのだと、己を叱咤する。
「怯えを見せないのね。勇敢な坊やだこと」
クスクスと魔女の笑い声が響いた。
王子は恐怖に震えだす己の膝に、剣の柄を叩きつけて黙らせる。少し迷ったあと剣先を下げ、静かな声で語りかけた。
「魔の森の魔女よ。提案があります」
「あら、何かしら」
「大人しく投降してくだされば、身の安全は……」
「フンッ」
魔女の不機嫌そうに鼻を鳴らす音が響く。
「勇敢という言葉は取り消すべきかしら。自分が助かりたいなら、素直にそう言えば良いものを」
「ち、違います! 僕は……!」
王子は慌てて首を振り、一歩踏み出した。
すると突然前方の霧が晴れ、魔女の姿が目前に現れる。彼女は驚き退こうとした王子の利き腕を掴んでぐいと引き寄せ、その水色の唇を彼のに重ねた。
「っ?!」
目を見開く王子。暴れて逃れようとするが、魔女の方が力は強い。身体の芯から熱を奪われていく感覚と、心地良い眠気が彼を襲った。
一度目を閉じれば永遠に醒めることはないだろう。それが分かっていても、抗いがたい魔力が彼の意識を死の淵へと引っ張っていく。
「へえっくしゅ!!」
『くしゃみ』の爆風が轟き、霧の大半が吹き飛ばされる。沼地の向こうから死人の群れを蹴散らし、『怒りんぼう』たちが駆けつけてきていた。
「お先に失礼」
銀の弾丸を惜しげもなく使い、いち早く群れを抜ける狩人。
魔女に抱かれた王子の姿に気づくと、獣じみた力強い踏み込みと軽やかな跳躍でひとっ飛びに沼地を越える。
「おいおいおい! 何やってんだババア!! ガキに変な性癖を植えつけてどうすんだ!」
大慌てで走ってきた狩人は猟銃を振りかぶり、魔女に向けて叩きつけた。だが彼女は高速移動で逃れたため、代わりに王子が殴られてしまう。
地面に転がり雪塗れになった彼を、狩人は呆然と見下ろした。「悪い。大丈夫か?」
「うう、平気です」
王子に肩を貸し、立ち上がらせる狩人。
「その、いちおう手加減はした。何となくこうなる気がしてたからな」
「ひどい……」
べそをかく王子の頭に付いた雪を払ってやってから、狩人は魔女を横目で睨む。「お早いご到着だ。まさか先を越されるとはな」
「……」
魔女は眉間に皺を寄せ、狩人を睨み返していた。「聞き間違いかしら。さっき、私のことババアって言った?」
彼女の言葉に、狩人はすっと目を細める。「言ったが、それがどうした?」
「取り消しなさい。他の言葉はともかく、ババアだけは許さないわ」
「何故だ?」
「何故って、こんな美しいババアがいるわけないでしょ!」
「ババアにババアって言って何が悪いんだ?」
「私はババアじゃない!」
「ババアだろうが!」
「取り消しなさい!」
「うっせえババア!」
「この……!」
魔女は唇をわなわなと震わせたが、深呼吸をして落ち着くと、にやりと不敵に笑う。
「いいわ。聞かなかったことにしてあげる。所詮は負け犬の遠吠えだもの。相手にするのも馬鹿らしいわね」
「寛大なババアだな」
「……」
魔女はヒクヒクと頬を引きつらせながらも、辛うじて余裕の笑みを崩さなかった。
「ゴホッゴホッ!」
王子が突然苦しげに咳き込み、地面に膝をつく。
狩人は眉をひそめ、彼の顔に触れた。頬は氷のように冷たいのに、額は驚くほど熱い。よく見れば顔色も悪く、目は虚ろになりつつあった。
上着を脱ぎ、王子の肩にかけてやってから、魔女の方に振り返る。彼の暗い瞳は、怒りと軽蔑で鋭く歪んでいた。
「……こいつの精気を吸ったな?」
「ほんの少しだけよ。殺しはしないわ。可愛い男の子は好きだもの」
水色の唇を舌先でなぞり、妖しく微笑む魔女。
細長い指で頬や首筋に触れ、満足そうに目元を緩める。
「けど、貴方たちから受けた傷は癒えた。穢れを知らない若い子の精気は格別というけど、本当だったのね。これなら、もっと吸ってあげても良かったかしら?」
「テメエ……」
狩人は音が鳴るほど強く銃床を握りしめた。
魔女は苦笑を洩らすと、しなやかな所作で片手を前に出す。
「さっきの続きがしたいようね。言っておくけど、今の私に力づくは通用しないわよ」
「……」
狩人は無言で猟銃を構え、引き金に指をかけた。
だがやがて顔をしかめ、悔しげに呟く。「装填してないの忘れてた」
「同じことよ。どうせ私には当てられないのでしょう?」
「まあ、そうなんだがな」
肩をすくめつつ、狩人の耳は近づいてくる何者かの足音を拾っていた。
『怒りんぼう』たちかと思ったが、彼らのものにしてはあまりに軽い。雪がなければ、音すら立てないだろうと思えるほどに。
「お二人とも、お怪我は?」
一組の男女が、狩人たちを守るように魔女の前に立つ。両者ともみすぼらしい庶民の服に身を包んでいるが、ただの庶民ではないのだろう。もし庶民なら、こんなところに突然現れるのはおかしいからだ。
男は痩せてひょろりと手足が長く、女の方は黒い肌が印象的である。
「……あ」
多少なりとも意識がはっきりした王子が、小さく声を出す。「この人たちは、確か……」
「ああ、何故か俺も見覚えがある。どこで見たかは忘れたが」
狩人は思い出そうと首をひねったが、すぐに諦めて頭を振った。
「サー・ウォルシンガムが到着するまで、我々で時間を稼ぎます」
痩せた男はそれだけ言うと、銀製の短剣を懐から取り出した。おそらく魔女狩りの死体から拝借したものだろう。
「やめとけ! 馬の骨相手に、そいつは手加減してくれんぞ!」
狩人の警告にも、二人は退くそぶりすら見せない。それどころか、いつの間にか彼らの数が増えている。音もなく現れた数人の男たちが、王子と狩人の四方を囲うように立っていた。
身なりはやはり庶民風で、ほぼ全員が丸腰である。武器を用意する時間すらなかったのだろう。
「……お前ら、肉の壁になる覚悟はできてるんだろうな?」
脅しめいた狩人の言葉に、男たちの一人が苦笑する。「そのつもりです」
魔女はうんざりしたように溜息を吐き、片手を空に向かって掲げた。虚空に薄氷の刃が無数に現れると、男たちの間に緊張が走る。
ここは雪原の真ん中で、遮蔽物がない。あの数の飛び道具が放たれれば、何人かは間違いなく蜂の巣にされてしまうだろう。王子と狩人の盾となるなら、尚更である。
「華のない者たちは、せめて美しく散りなさい」
冷酷な魔女の声とともに、その腕が振り下ろされる。
だが顎の下まで行かぬところで、再び跳ね上がった。一息に距離を詰めてきた黒い女の、掬い上げるような後ろ蹴りが命中したのだ。
「ぐっ……!」
食いしばった歯の隙間から、魔女の呻き声が洩れた。火薬が爆ぜたような衝撃に痺れる腕を抑え、高速移動で大きく後方に逃れる。
「距離を取らせるな!」
痩せた男の叫びが雪原に響いた。彼は短剣を二本の指で挟み、鞭のように腕をしならせて投擲する。
その刃は鋭い軌跡を描いて飛び、地面に降り立つ寸前の魔女の膝に突き刺さった。
「ちっ!」
体勢を崩し、片膝をつく魔女。舌打ちとともに短剣を力任せに抜き、地面に投げ捨てる。
顔を上げた彼女が見たのは、地を這うように迫る黒い女の姿だった。
「よくも女王を足蹴にしたわね。報いを受けなさい!」
女を鋭く睨みつけ、人差し指を向ける。頭上に現れた薄氷の刃は魔女の合図を待たず、形が整い次第、次から次へと標的に向かって飛んだ。
黒い肌の女は足先から滑り込むようにして飛来した氷刃を回避する。
彼女はそのまま立ち上がることなく、低姿勢のまま左右に身体を振りながら雪の上をジグザグに滑走し、片手をつきつつ地を蹴り加速、連射される氷の刃を躱し続ける。
そして魔女に肉薄する刹那、加速と左右の重心移動で練り上げた力を爆発させ、バネのように跳ね上がった。
「っ……!?」
全身の力で放たれた女の蹴りが、魔女の鳩尾に食い込む。魔女の身体はくの字に折れ、ボールか何かのように軽々と吹き飛ばされた。
「え、なんだアイツ。何、あの……何?」
狩人が指をさして訊くが、周囲にいる男たちの表情は暗い。「一発もらったようです」
「あ?」
狩人はもう一度黒い肌の女を注視する。
地面に降り立った彼女の顔色は悪く、よく見れば左の太腿に、深々と薄氷が刺さっていた。
どくどくと血が溢れ、雪原に紅い染みが広がっていく。
「もう躱せません。見捨ててください」
額に汗を滲ませ、黒い女が言った。
痩せた男は溜息を吐くと、無言で彼女を庇うように前に立つ。
「おのれ! 次から次へと……こう、訳の分からない連中ばっかり! 」
おぼつかない足でどうにか立ち上がった魔女が、ヒステリックに叫んだ。醜く顔を歪めて歯軋りしたあと、天に高々と両腕を掲げる。
「もう手加減はしない! 皆殺しにしてくれる!!」
彼女の怒声が辺りに轟きわたった、そのとき。
「へやっ!! えーいっ」
『くしゃみ』の爆風が再び火を噴き、辺りを覆っていた霧が完全に吹き飛ばされる。
やや遅れ、速射で放たれた三本の矢が、魔女の腕や額を掠めて通り過ぎていった。
「う、動くな! 次は当てちゃうぞ!!」
屋根の上で小弓を構えた『おとぼけ』が必死に叫ぶ。しかし魔女は怯むどころか小人をぎろりと睨みつけ、無造作に指先を向けた。
「おーい、逃げた方がいいぞー!」
狩人の声が響くや否や、分厚い氷で象られた巨大な刃が、小人の家に暗い影を落とす。
「わああぁー!」
間抜けな悲鳴を上げながら転がり落ちる『おとぼけ』。刃は重々しい音を立てて屋根の上に突き立ち、二つに引き裂いた。
「あーあ、派手にやりやがって」
他人事のように呟く狩人。
彼の周りを囲む男たちの方が逆に焦り始める。「だ、大丈夫なんですか?」
「あ? 何が?」
狩人が聞き返すと、男たちは狼狽えながらも口を開く。「あの中には確か、この国の王女様がいると……」
「あの程度じゃアイツは死なんさ」
「そ、そうでしょうか」
「お前らの知ったことじゃねえだろ」
空になった紙の薬莢を捨て、狩人は猟銃の撃鉄を上げた。鋭く目を細め、魔女に向けて照準を合わせる。
彼女は狩人を一瞥するが、馬鹿にするように鼻を鳴らしただけだった。
歯牙にもかけぬ様子で視線を戻し、黒い女の前に立つ痩せた男を睨みつける。
「くうううっ!」
妙な声がしたので振り返ると、王子が自分の頭に剣の柄をガンガン叩きつけていた。
「おいおい、何やってんだ。ご乱心か?」
止めようとした狩人を払いのけ、王子は震える膝で立ち上がろうとするが、上手くいかない。「これ以上お荷物になるくらいなら……舌を噛んで死にます!」
「ご立派な王族だな」
狩人はそれ以上は何も言えず、黙って肩をすくめるだけだった。
「大変お待たせいたしました」
銀の槍を担いだ騎士が、ゆったりとした足取りで現れる。
狩人は魔女から視線を逸らさぬまま、強く舌を打った。「遅いぞ。何してた?」
「先に雑事を片付けておきました。後々背中を狙われても面白くないと思いましてね」
ちらりと肩越しに後ろを見ると、沼地の向こうには死人たちが積み重なり、文字通り屍の山を築いている。
魔女の方に視線を戻せば、『寝ぼすけ』がひょこひょこと短い足を動かし、黒い女に走り寄っていた。
「刺し傷にはねぇ、この薬草が効くんだよ」
どこから取り出したのか、得体の知れない濃い色の草を黒い女の太腿に縛り付ける『寝ぼすけ』。
女も痩せた男も、きょとんとした顔で彼を見つめる。魔女もつられてきょとんとしていたが、首を振って我に返ると、再び両腕を頭上に掲げた。
「また会えたなぁ、別嬪さん!」
燃えるような怒気を孕んだ声に、魔女はぴくりと肩を揺らす。振り向くと、風を引き裂く轟音とともに、戦斧が目と鼻の先に迫っていた。
誰もが死を覚悟する光景だが、魔女は違った。
フンと鼻を鳴らすと、片手を前に出し、斧の刃を素手で受け止めたのだ。
「な……!」
渾身の力で投げ放った戦斧を容易く止められ、口をあんぐり開ける『怒りんぼう』。
魔女は悪戯っぽく笑うと、常人が両の手でようやく扱える戦斧を片手で振りかぶり、彼に向かって投げ返す。
「……っ!」
『怒りんぼう』は身構えたが、斧ははるか頭上を通り過ぎていった。
「意外と狙ったところに行かないわね」
魔女は顔をしかめたが、すぐに自慢げな表情に変わる。「でも、これで分かったでしょう。魔術はもちろん知恵でも力でも、貴方たちは私に及ばない。今さら謝ったところでもう遅いわよ」
『怒りんぼう』の顔が青くなるのを見て、魔女は満足そうに笑う。
だが実のところ、彼は魔女の話など聞いていなかった。
「……まずい」
「?」
魔女は眉をひそめ、彼の視線の先を追った。
小人の家の隣に並ぶ物置小屋に、先ほどの戦斧が突き立っている。
分厚い石造りの扉に亀裂が走り、かんぬきを固定する金具がぽろりと落ちた。
「あの物置が何だって言うの?」
魔女の問いに、答える者はいない。
小人でない者は知らないし、事情を知る小人たちは皆一様に青ざめ、絶句していた。
「ウウウゥ……!」
唸り声が微かに地を揺らす。聞く者の焦燥を掻き立てる、不吉な声だ。
狩人は銃の狙いを魔女から物置に移した。いつも暢気な槍の騎士さえ、思わず身構えている。
「……あの中には何が?」
「分からん。『先生』が何か言ってた気がするが……いや、待てよ。確か……」
狩人が何か口にしかけた、そのとき。ひび割れた石の扉が、内側からの圧で粉々に砕け散る。
「ウウウガアアアッ!!」
物置の中から飛び出してきたのは小人、いや、小人とも形容し難い、奇妙な生き物だった。
図体は小人の中でも背が高い『怒りんぼう』よりもさらに大きい。痩せ細っているが、異様に長く伸びた手足には歪な形に筋肉がついている。身につけた衣服はぼろぼろの腰巻きだけで、上半身はごわごわとした髭に覆われていた。
ぼさぼさの眉の奥にある落ち窪んだ目をギョロつかせ、魔女の姿を認めるや、この世のものとは思えない金切り声を上げる。「キョオオオオオッ!!?」
「思い出した。『幸せ』だ」
狩人が合点がいったように呟いた。