運転手転生~異世界いったから旅をする~ 作:TSっていいよね
運転手、ギルドに行く
やあ。我が名はリィリル、元運送企業で働く旅行が趣味の一般トラック運転手。
今は路銀を稼げる程度に強くなると決意したあの時から1年が経過して、これから俺が死ぬための旅に出るところさ。
そんな御託はさて置いて、行こうか。この城の城下町、リカリスへ。
そうして、俺は宙に孤立した城からリカリスの町へと落ちていったのだった。
◇◇◇◇◇
「──…っは!」
そんな鳴き声を小さく漏らしながら俺の意識が覚醒する。
うーん…城から地面までの高さを舐めてたな。というより死なないと高をくくってた、が正しいか。まぁそんなことは置いといて、どのくらいの時間かは分からないけど完全に意識を失ってたな…
今日からのために見繕った装備とか、換金用に適当に城から取ってきた物とかがスられてないといいけど……うん、とりあえず装備は大丈夫だね。まぁ見るからに安い見た目してるし、そもそも籠手とナイフしかないから当然か。
それで肝心の換金用の物だけど………ありゃ、こっちはほとんどスられちゃったか。
でもよかった。本命の腕と籠手のスキマの中に入れてたなんかソレっぽい赤い石は無事だ。多分籠手が見るからに安物だったから見落としたんだろうな。
ありがたい…まぁそれを狙ってたんだけどね!
因みにこの赤い石を本命にしてた理由は『どんな世界でも宝石は高価なはず!』っていう実に安直な理由だったりする。うーん、我ながら単純過ぎるな…あながち間違ってないとは思うけどね。
さて、こんなところでぐだくだしてても時間が過ぎてくだけだし、なんかこう……ほら、魔術とかの戦闘能力が必要~みたいな……うん…とにかく俺に出来るような仕事が受けれるところに行こう!
そのためには聞き込みだね!ちょうど馬頭の人…人?が通りかかったから話しかけようか。
「おーいそこの~」
俺がそう馬頭に声をかけると、こちらに振り返って一瞬固まる。
「あぁ?何だぁ嬢ちゃん?」
「どこかに路銀を稼げるような場所ある?ついでに換金出来るところも」
「あ?……あーそうだな…へへへ、そんじゃあ俺に付いてこい。ちょーど俺もそこに用があんだ」
よし!ビンゴ!しかも案内までしてくれるなんて…!どうやら滅茶苦茶いい人に出会えたらしい。
スられた上に右も左も分からないような状態で、こんないい人と会えるなんて俺は幸せ者だな。
◇◇◇◇◇
「よーし、着いたぜ。ここが冒険者ギルドだ」
馬頭のいい人に着いていくと、他の建物と比べてかなり立派な建物──冒険者ギルドの前まで来た。
いやー本当に助かった!この人は一世一代の大恩人だ!…それは少し大げさか。でもそのくらい助かっ──
「案内料は鉄銭7枚…いや、嬢ちゃん可愛いからな、へへへ、4枚でいいぜ」
──は?案内した程度で鉄銭4枚だと?*1この馬頭…さてはいい人を装ったクズだな?俺が子供だからって舐めてるな?いいだろう…相手してやる…!
「今手持ちないから無理」
「なぁんだ、そうならそうって言ってくれよ。それじゃあ冒険者登録するぞ」
「え?あ、ああ…??」
そう言って馬頭はギルドの中に入っていった。
…え?ちょっと待って思考が追いつかない…え?これで終わり?鉄銭2枚払わなくていいの?元々払う気なかったけどさ。
…とりあえず着いていくか。結局、冒険者ギルドってところに行くのは変わらないし。
そんなわけでギルドの扉を開けて中に入る。すると馬頭が待ち構えていて、俺に登録の仕方を教えてくる。
「よし、来たな。それじゃああそこのカウンターで冒険者登録出来るから行ってこい。そんで嬢ちゃん、確か換金もしてぇんだったよな?ならそこで登録した後に、ここの裏っ側に買い取りできるところあるからそこで換金してこい」
「分かった…?」
換金の仕方まで教えてくるのはいささか引っかかるけど…まぁ、感謝はしておこうか…な?
いや、やっぱり辞めておこう。絶対にもう一回以上はお金を支払わせようとしてくるからね、こういうクズ野郎は。
そんなことを考えつつカウンターに移動して、受付嬢の人に話しかける。
「あの、冒険者になりたいんだけど」
あえて敬語を使わずに話しかける。少なくともこのギルド内に敬語使ってる人なんていなかったから、敬語使うと目立つだろうからね。タメ口なのは許してくれ。
「はい。冒険者登録ですね。それではこちらの用紙にご記入ください」
そう言うと、受付嬢の評価から一枚の紙と細くとがった炭が渡される。なるほど、この世界だとこういうのがペン代わりになるのか。面白いな。
まぁそんなことはさておき、渡された紙には規約や注意事項、そして名前と職業の記入欄がある。
ところで、ここで言う職業ってあれだよね?魔術師とか剣士とかそういうやつだよね?そうだとして、それにならうとしたら俺って職業何だ?格闘家とかインファイターとかかな?でも魔術使うから魔術師なのか…?いや、どれも微妙に違うような…
うーん…そしたらどう書こうか…
……うん、とりあえず、格闘家って書いとくか。多分ここはそんな正確じゃなくていいだろうしね。
そんなこんなで記入欄を全部埋めて受付嬢の人に渡す。すると受付嬢の人がそこそこの大きさがある透明の箱みたいな物と、薄い鉄の板を持ってきた。
「こちらに手を乗せてください」
そう言われたので、透明の箱に手を乗せてみる。
というかよく見ればこの箱に魔法陣付いてるじゃん!なるほど、これは魔術を使うのか。ところでこれはいったい何をやってるんだ?何ができるか楽しみだね。
そこから受付嬢の人が何やかんやして、さっき透明の箱と一緒に持ってきていた薄い鉄の板に俺の個人情報が書かれて、それを貰う。受付嬢の人曰く、冒険者カードという物らしい。
書かれている俺の個人情報の内容はこうだ。
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名前:リィリル
性別:女
種族:魔族
年齢:8
職業:格闘家
ランク:F
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!?!?名前と職業はさっき紙に書いたから良いけど、種族と年齢の情報はどこで手に入れたんだよ!!どこで!!というか俺って8歳だったんだね!?初めて知ったわ!!
さて、そんなことは置いといて、これで冒険者登録は終わりらしい。
最後に依頼の受け方と買い取りの場所を教えて貰って、俺はとりあえずその買い取りの場所へ向かった。
登録終わって馬頭が話しかけてきたけど、無視した。だってウザいじゃんあいつ。
◇◇◇◇◇
さて、赤い石の換金を済ませて来たわけだけど、どうするか…
多分このまま入ってもあの馬頭にカツアゲされるだけだと思うんだよね。
せっかく手に入れた緑鉱銭3枚がいきなり減るのは不安だ。食費はなくても一ヶ月は余裕で耐えられるけど、流石にたべた方が成長面で良いに決まってるし、肝心の路銀がどれだけあっても足りない物だしね。
あ、手に入れた緑鉱銭3枚ってのはあの赤い石の買い取り価格が緑鉱銭3枚ね?
どうやらあの赤い石、魔石ってやつらしく、結構高価な物だったらしい。それでもサイズが小さめだったのと、供給が間に合ってる物だから緑鉱銭3枚ってことになった。それでも十分高価なんだけどね。
閑話休題。
それでどうするか何だけど、ここでぐだくだ考えてても仕方ないし、とりあえず冒険者ギルドに行って何か適当に依頼を受けてこよう!
馬頭にカツアゲされそうになっても無視を決め込む!完璧な作戦だな!ヨシ!
そうして自信満々に冒険者ギルドの中に入ると、予想通り馬頭が待ち構えていた。
「換金出来たか?」
当然、それを俺は無視して、依頼が貼ってあるところに向かって進んでいく。
「オイオイ無視かよ。こりゃひでぇ」
もちろんそれも無視して歩いて、目的地に到着する。
確か受けられるのは上下差1ランクまでだったかな?そうすると俺はFランクだから受けられるのはFランクとEランクの依頼か。
「聞こえてんだろ?返事くらいしろよ」
Fだと…倉庫整理に帳簿記入、落とし物探しetc、って感じか。それでEは…害虫駆除と迷子のペット探し…って害虫駆除はともかく、ペット探しってこれEランクなのか?落とし物はFなのに?うーん…勝手に動くからって理由なのかな?分からないけど。
まぁ、それはどうでも良いか。
「チッうんともすんとも言わねぇ…まぁ良いか。元々ラッキーくらいだったしな」
お、馬頭が離れていった。そりゃあピクリともしないやつの相手なんて無駄でしかないもんね。賢明な判断だよ。うんうん。
さてさて、それじゃあとりあえず依頼を受けようか。
うーん……そうだな…この害虫駆除でもやるかな。報酬も良いし。それじゃあ受付嬢の人に持って行こう。
こうして、俺の初めての依頼はこの害虫駆除になった。
多分、この依頼の報酬より上のEランクの依頼は一生受けられないと思うくらいにはEランクにしては報酬が良い。これを基準にしちゃいけないな。
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E
・仕事:害虫駆除
・報酬:屑鉄銭2枚と鉄銭6枚
・仕事内容:店に作られた蜂の巣の破壊、蜂の駆除
・場所:リカリス町4番地・肉屋ターテル
・期間:駆除し終わるまで
・期限:決まってないが、できるだけ早く
・依頼主の名前:オルテ族のマズデ
・備考:店の天井に巣を作られて、自分も客も刺されるわ商品は食われるわで真面に営業なんてやってられない。報酬は弾むから早く駆除してくれ。
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Q,何で半年飛んだんです?
A,修行期間の書きたいところ書いたから。結果発表は少々お待ちを。
Q,名前出なかったけど結局あの馬頭って誰?
A,元リカリス愚連隊のアイツです。
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