運転手転生~異世界いったから旅をする~   作:TSっていいよね

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『冒険者としての一ヶ月』とか書いてるけど、半分以上は初日の宿での話です。
一ヶ月部分はダイジェストでお送りいたします。


運転手、冒険者としての一ヶ月を送る

 

 

 

やあ。我が名はリィリル、元運送企業で働く旅行が趣味の一般トラック運転手。

今は宿で夕食を食べる為部屋から出てきたところさ。

 

 

さて、そんなわけでロビーに降りて来たわけだけど、どうやら…というより、やっぱり先客が三人いた。そりゃあ、ここに泊まってる冒険者が俺だけなわけないよね。

 

それでその三人は、一人目は白髪の鬼みたいな二本角に赤井は肌の美少年、二人目は黄色い羽毛をもった鳥人間の少年、三人目は四本腕バージョンの幼少期父上って感じの見た目の少年だ。

そして服装は、俺と同じように貧相な装備に身を包んでいる、いかにもな駆け出しの少年冒険者達って感じの見た目。

『色』も純粋な黄色で、精神状態も最高の、驚くくらいただの駆け出し冒険者だった。

 

 

そんな風に見定めていると、あっちも俺の視線に気付いたのか、三人がバッと俺に背中を向けて緊急会議を始めてしまう。

そしてそれから数秒経って、白髪の美少年が声をかけてきた。

 

「もっもしかして、きき、君も新人なのかかい?」

 

うっわすっごい声震えてる。

 

そんなに緊張してるなら話しかけなければいいのに。今の俺のコネクションとか全然価値ないよ?せいぜい、ピンチのときに父上が来てくれる可能性が無きにしも非ずくらい。

 

まぁ、とりあえず無難に返すかな。

 

「そうだけど、君たちも?」

 

「あっああぁ、そうなんだっぁ!よよ、よよろしゅければしょ…食っ、食事でもいいい一緒にどっddddだだい?」

 

「え?…ごめん、なんて言った?声震えすぎて分かんなかった」

 

「…ふぐぅ」

 

情けなくそんな呻き声をあげる白髪美少年くん。そしてその後ろで必死に笑いを堪えてる残りの二人。

そこのお二人さん、ちょっとくらい白髪美少年くんを慰めてあげてもよくない…?友達でしょ?白髪美少年くん、『色』が青っぽくなって薄暗くなるくらいには精神にダメージ受けてるよ?ね?

 

 

膝をついて項垂れる白髪美少年くんと、それを見て笑いを堪える二人、そしてそれを見て困惑する俺。

そんな状態がしばらく続いて、こんな状態のままなのもなぁ…と、仕方なく俺からアクションをおこしてみる。

 

 

「えーと、そっちの二人はさっき白髪美少年くんが何言ってたか分かる?」

 

「「───ッ!──ッッ!!──プッッ!!」」

 

そう訪ねても返ってくるのは堪えて漏れ出した笑い声だけだった。若干『色』をオレンジに傾けて。

 

「くはっっ!!」

 

そして何故か白髪美少年は謎の追加ダメージを受けた。もう『色』は目がチカチカするほどのビビッドイエローになってるけど。

 

……え?ホントに何で?

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

結局しばらく白髪美少年くんが復活しそうにないし、残りの二人も笑いを堪えているばかりで会話が成立しないから、そもそもの目的である夕食を食べることにした。

 

うーん…あの三人は結局俺に何を伝えたかったんだろ?……あっ、もしかして言語が違うとか?…いや、最初は声が震えてただけだったから単純に聞き取れない程声が震えてただけか。

なら逆に怖いよ。本当にナニを伝えたかったんだよ。

 

 

そんなことを考えながら、味のしないマズいスープと硬いパンを食べ進めていってもう少しで食べ終わるというときに、ついさっき聞いた声が耳に飛び込んできた。

 

「さ、さっきはごめん。取り乱したりして…オレはクルト」

 

そう、白髪美少年くん改めクルトくんが復活して自己紹介までしてくれた。これはご丁寧にどうも。

 

「バチロウ」

 

するとさっきまで笑いを堪えてたうちの一人の四本腕くんがクルトくんの隣に立って自己紹介をしてくれる。

 

「ガブリン」

 

今度は鳥人間くんが逆サイドに立って自己紹介。

そして三人は戦隊ものみたいに変なポーズをとって言う。

 

「三人揃って『トクラブ村愚連隊』!」

 

なんだこいつら。

 

とりあえず…俺も自己紹介しとくか…元社会人として礼節はしっかりしないとね。

 

「お──…あー、僕はリィリル。よろしくね」

 

おっと危ない危ない…仮にも俺は女の子の身。俺っていう一人称はマズいでしょ。

うん、そう思うんだけど私はちょっと…その、ね?恥ずかしいから、間をとって僕にした。因みにこれは逃げたわけじゃない。逃げたわけじゃないんだよ。いいね?

 

 

「そ、そうかリィリルって言うのか…そ、それでリィリル、よければうちのパーティに入ってくれないかい?」

 

……はー、なるほど。さっきはそれを伝えたかったのね、俺に。どうでもいい悩みが一つ消えたよ。作ったのもクルトくんだけど。

 

さて、それで何だっけ?パーティへのお誘いだっけか。

えーと…パーティって舞踏会的なアレじゃなくて冒険者として活動するチームって意味の方だよね?たしか複数人で一つの依頼を受けれるってやつ。

 

「…え?嫌だけど?」

 

「えっ」

 

「えっ」

 

「…あ、パーティを知らないのか。パーティはね、全員で依頼できるんだ。だから入れば安全に──」

 

「それは知ってる。でだけど、入る理由無くない?今できる低ランクの依頼なんて複数人でやるようなものじゃないし」

 

そう、依頼に軽くでも目を通せば分かるんだけど、危険なのはCランクの依頼から。それより下のランクの依頼で複数人なんてバカバカしいでしょ。そもそも、危険なんて俺にとって危険じゃないしね。

 

「え、あ…えっ…と……あ!ここってパーティだと飯がタダになるんだ!」

 

…ほう?タダだって?

そうか、朝夕食べてもタダか…それは悩むな…どれだけリカリスに滞在するか分からないからなぁ…ほんの少しでも出費は減らしたい。

減らしたいけど…正直、一日石銭1枚浮くくらいは割とどうでもいい…うーむ、困った。

 

悩みまくってる俺を見ていけると思ったのか、クルトくんは更にもう一押しと入るメリットを挙げる。

 

「ほ、ほら!数日といってもオレ達の方が先輩だろ?だから少しくらい他の冒険者に顔がきくよ!」

 

「それはいらない。というかそれ嘘でしょ、今も声震えてるのに」

 

「うっ」

 

予想通り図星のようで、クルトくんはシナシナになってしまった。何でそんな見栄張ったの?指摘されてそんなに傷つくのに…?すっごい浅葱色してるよ?君の『色』。

うーん、最近の若者の考える事が分からない…俺も十分若者だけど。…因みに30代はまだギリッギリ若者判定でいいよね?…ダメですね。はい。

 

 

「そ、それで、パーティ入ってくれる…?」

 

うっ、そんな泣きそうな顔しないで…やめてそんな『しゅんっ…』って感じの表情しないで…

 

「…まぁ手伝いくらいならやっても良いかな」

 

「え!?ほ、本当!?本当に本当!?!?」

 

そんなに嬉しかったのか、返事した瞬間グイッとその美少年足りうる顔を近づけてくる。

ちょ、近っ!?近いって!

 

「えっう、うん。手伝うからちょっと離れて」

 

「あっ…………ごめん」

 

黄緑に染まった『色』見せながら、クルトくんはそう一言謝って俺から離れていく。

まぁ、『色』は俺にしか視えてないんだけどね。

 

 

 

 

 

──そこからは特にこれといった会話もなく、俺は夕食を食べ終えて、寝るために部屋に戻る…前に、クルトくん達トクラブなんちゃら隊の三人に挨拶する。

コミュニケーションは大事だからね。本当に。

 

「それじゃあ手伝って欲しいことあった手伝うね。おやすみ」

 

「お、おやすみ」

 

 

そうして部屋に戻った俺は、直ぐに寝るのだった。

眠気も限界だったし仕方ないよね。

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

やあ。我が名はリィリル、元運送企業で働く旅行が趣味の一般トラック運転手。

今は人生二回目の依頼にして人生二回目の害虫駆除を終わらせたところさ。

 

 

さて、いきなりだけど、連続で害虫駆除の依頼を受けたのには理由がある。そう、自分でもしょうもないと思うような理由がね。

 

それは、駆除した虫を食べれば昼食代が浮くんじゃないかという何ともセコい考えだ!

 

どう?しょうもない理由でしょ?

でも我ながらいい考えだとは思うんだよね、害虫駆除で虫食べるの。

ギルドもとい依頼主は依頼が消化されて嬉しい、俺は昼食代が浮いて何なら金稼ぎ出来て一石二鳥のまさにwin-winの関係。

因みに昨日蜂食べて美味しかったから思い付いた。ありがとうあのときの依頼主さん!

 

 

ってことで、今それを実践してたわけよ。

結果は大成功。虫への抵抗感とかは昨日口に入って美味しいって分かったから無かったし、今回のはイモムシだったから大丈夫かとは思ったけど、こっちも焼いて食べたら普通に美味しかった。種類によって違うけど量もそこそこ食べれるし、まさに次世代のスーパーフードって感じだよね。

 

でも今回は満腹にはほど遠いかな。ほら、イモムシって群れたり大量発生したりするような虫じゃないからさ、ま十数匹しか食べれてないんだよね。

 

 

そういうわけでまだまだ食べ足りないし、本日二回目の依頼といこうかな。もちろん害虫駆除のね!

 

 

 

 

 

 

 

────この時の俺は知らなかった。二週間後に、害虫駆除の依頼を毎日受ける上に虫を食べてるせいで『小鳥』なんていうふざけた二つ名を付けられるとは──

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

やあ。我が名はリィリル、元運送企業で働く旅行が趣味の一般トラック運転手。

今はクルトくん達トクラブ村愚連隊を手伝いに行くところさ。

 

 

さて、どうして手伝うことになったかと言うと、どうもあの三人、依頼のペット探しに難航しているらしく、そこで手伝うって約束した俺にヘルプを求めてきたってわけらしい。

 

正直、ペット探しが難航して三日経ってる状況に困惑してるんだけど、まぁ、そこは手伝わない理由にはならないから一つの情報として受け取っておこう。

 

 

それでなんだけど、色々話し合った結果、捜索箇所を分けることになった。まぁ、二人以上で固まる意味ないから当然といえばそうなんだけどね。

 

因みに俺が担当する場所は4番地と5番地ね。

なんか俺がパーティメンバーじゃないからだとか女の子だからだとかで、不本意ながら範囲を狭くして貰った。ありがたいと言えばありがたいけど、そんな気に使わなくて良いのにね。

 

閑話休題。

 

それじゃあペット探しを頑張るか。

 

 

 

 

 

 

───結果としては、依頼主がしびれを切らして依頼失敗扱いにされてしまった。後日、その依頼はペット探しの専門家のパーティが成功させたらしい。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

◇◇◇◇◇

 

 

 

 

 

 

 

毎日大体三つ依頼をこなして、クルトくん達トクラブ村愚連隊の手伝いに呼ばれたときは手伝って。

 

そんな生活を始めて約一ヶ月が経った。

俺もDランクまで上がり、そろそろこのリカリスから飛び出て本格的に旅を始めるかを迷い始めできた。

どんな旅になるか分かんないからできるだけ貯蓄を増やしてから行きたいけど、そうやってダラダラ依頼こなしてるだけじゃ始まんないもんなぁ…

 

なんて考えているそんなとき、『デッドエンド』──つまり悪魔のようだと悪名高いスペルド族を名乗る、可笑しな集団がギルドに現れた。

 

 

 

 

 

 

 

──当時の僕は知らなかったけど、多分この時が目に見える形で、僕の物語が大きく動き出す始まりだった。運命が変わっていくという意味で。

 

 

 

 

 

 

 

 






(前半部分を見て)
某デウス・グレイラット「かーっ!見んねエリス!卑しか女ばい!」
エリス・某レアス・グレイラット「?そうね!」

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