ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
「〜〜〜〜♪」
森の中に響く美しく、しかし何処か頽廃的な歌声。奏でるのは穢れた精霊の分身。観客は、コリガン一人。
宿り木に寄生されたモンスターも分身体も、下位精霊達も音を立てずコリガンの邪魔をしない。
そんな静寂を、轟音が破る。
「……………」
精霊の分身の淀んだ金の眼球がギョロリと森の入り口を睨む。
美しい相貌が不快そうに歪む。
コリガンは無表情で苔むした墓を見つめていた。
「さて………」
氷の馬に乗るエルフ達を背に、スパルナに背を掴ませたリリウスと炎の馬に乗ったエピメテウスは森の奥から向かってくる異形の群れを見つめる。
「挨拶代わりだ。受け取れ────【ブラフマーストラ】!!」
剣を振るい、
怪物も森も地面も一直線に消し飛ばしながら進む必滅の矢は、しかし大樹と化した精霊の前で勢いが衰え消えた。
「………精霊の奇跡の一つ。『異界』だな」
本来は複数の精霊が必要となるが、相手は集合体。下位精霊の力も借りたのだろう。隔絶された世界に飲み込まれた。
「何発かぶち込めば突破出来そうだが」
「やめておけ。お前が破壊者となるだけだ」
「じゃ、予定通り…………駆け抜けろ!!」
リリウスの号令と共にエルフ達も駆け出す。
響く、エルフの
『馬上詠唱』と呼ばれるそれは、馬よりも疾く駆ける神の眷属ならば覚える必要すらない異端の並行詠唱。
因みにリリウスはシャバラやシュヤーマで初めてやったら出来た。並行詠唱より少しむずかしいがリリウスの並行詠唱のモデルは未だ最強の座を侵されていない魔女なのだから。
「私トコリガンノ、邪魔!!」
残っていたモンスターと分身体が主にとって目障りな存在を潰そうと動き出す。
迷宮下層の『
「「「──────!!」」」
エルフ達の顔に恐怖と後悔が浮かぶも、それを誇りで捻じ伏せる。
「今だ!」
「「「我を守れ!!」」」
紡がれる残りの詠唱により、魔法が完成する。発動するのは障壁魔法。Lv.1の、魔導も持たぬ魔法使いにすら劣る障壁はしかし重なり合い堅牢な城壁の如く怪物達の進軍を一瞬防ぐ。
ほんの一瞬。直ぐ様ひび割れる。
「「「炎よ!!!」」」
そして放たれた炎が怪物達を炎で包む。炎対策に身に染み込ませていた水分が音を立て、蒸発し白い湯気が周囲を覆う。
「「「氷よ!!」」」
続いて放たれた氷の魔法が怪物達を凍らせた。
魔法の範囲外にいた者も視界が悪い中、氷像とぶつかり速度を落とす。
上から向かってくる竜を象る根の大群は、斜めに張られた障壁に流される。
小型の個体が抜けてきたが、雷に焼かれた。
「使えたな……」
「………………」
王都の騎士、総勢400人のエルフの戦士、そのエリート達にリリウスが授けた作戦は至極単純。全員が魔法を扱える特性を生かした役割分担。
50人ずつの防御部隊3つに、100人ずつの攻撃隊2つ。遊撃に残りの50人。
防御部隊が代わる代わる詠唱を補充し、攻撃隊を守護。100人規模の同時発動の魔法がモンスターを倒し、それを逃れた、もしくは詠唱完成前に襲ってきた個体を遊撃隊が威力は後回しに派手で速い………雷や光の魔法で迎撃。
冒険者ではまずありえない、全く同じ魔法故に重ねがけで効果を増す魔法。
エピメテウスの炎の加護とリリウスの精霊の加護も合わせれば、かなり有用な手段となる。
「………………」
エピメテウスは思う。
当時にも軍を指揮する者がいなかった訳では無いが、エルフの魔法の詳細を聞いて数秒で考え付いたリリウスの策。
あの時代に、此奴が居たらと思う。だが、今はそれを振り払う。少なくとも、今ここに、隣で戦っているのだから。
「〜〜〜〜〜!!」
精霊の分身はその光景に苛立たしそうに美しい顔にシワを刻む。
そのまま物量で叩き潰そうと、意識がそちらに向く。
「穿て」
「!?」
水の刃が精霊の巨大な体を引き裂いた。
「!!??!?」
「これが、精霊………!」
魔力に優れたエルフの、その中でも特に高い魔力の素養を持つ
血管内に潮流でも生まれたかのよう。弾けそうなほど熱く、水底に沈むように冷たい感覚にラーファルは顔を歪める。
「ふわーはっはっはっ! その通り! さあ、あの可愛い子ちゃんを助け、我が契約者に! ロリの脳クチュはエヌジーです!!」
「これが、精霊………」
Q.ヴィゾーヴニルは強いですか?
A.滅茶苦茶強いけど、人質さえいなければリリウスとエピメテウスの敵じゃないよ
Q.情報力の暴力ありますか?
A.実はリリウスはLv.8になった時点でLv.9にもなれるだけの上位の
アフロディーテは急激な器の変化、ましてやLv.9とか絶対体をぶち壊すとしてLv.8にとどめた後、リリウスの告白やら何やらですっかり忘れている。