ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
前回のあらすじ(大嘘)!!
ただの学生ヴェルフ・クロッゾは、ひょんなことから吸血鬼ウェルカヌスに第四真祖の力を譲られてしまう!
彼を監視に現れたアリシア。彼女との出会いが、物語を加速させる。
こっから先は、俺の
ヴェルフ 第四真祖。眷獣に変な名前をつけようとするから言う事を聞いてもらえない。血を飲もう。
アリシア 第四真祖の監視役。
ベル ヴェルフの親友。その血には雷の剣が宿っている。ヴェルフの剣を借りて戦う事もある。
ヘファイストス ヴェルフの担任。ヴェルフは彼女に惚れている。
ダイダロス 監獄島を造った人。現在は無許可で広げている。
ヴァトラー ヴェルフを食べたい吸血鬼。最近別の少年にも目をつけている。
エニュオ 嘗て数多の都市で疑心暗鬼の殺し合いを起こさせた古き世代。現代では身寄りがない子供を集め血の従者にして、殺し合わせていた(過去形)。
リリウス 古き世代どころか若い吸血鬼ですらない元擬似吸血鬼だったが、主を直接食うことで血の従者の宿命から完全解放。吸血鬼の討伐部隊を食い尽くし、古き世代を凌駕する魔力を得た。
珍しい獣を血の従者として連れている。
ベヒーモス リリウスの眷獣。
ドゥルガー リリウスの眷獣。
ヴリトラ リリウスが殺した雑多な吸血鬼の眷獣………の筈が、何故か異界に帰らず顕現し続けリリウスを狙う。時折魔力を求め吸血鬼を襲う。
【アストレア・ファミリア】。
Lv.6を3人、Lv.5が新しくランクアップしたライラを含めて4人。Lv.4が4人に、ファミリア新人の4人の内1人がLv.3で残り3人がLv.2。つまり全員上級冒険者という超少数精鋭。
新しい団員は何時でも受け入れるつもりだが、邪な欲望を秘めた男は追い払われるし、半端な覚悟では副団長に追い払われる。
合格しても意外とスパルタなアストレアの特訓で逃げ出す者ばかり。
優しいイメージがあるが、裁きの女神だけあり意外と武闘派な彼女はLv.6で一時入団した当時のリリウスにも剣の手ほどきをした事がある。
リリウス曰く『遅いのに躱せない。見えてるのに反応できない。向こうは一般人と変わらないのに攻撃を流される』との事。
手段を選ばなければやりようはあるが、少なくとも剣技と言う面では下界の子供達より遥かに超絶している。
そんな入団条件が厳しい【アストレア・ファミリア】
「あれ、入団希望者?」
「………………」
その声に振り返ると藍色の髪を左側頭部に結わえた少女がいた。
「…………アストレアの血の匂い。アストレアの眷族か」
「貴方……誰?」
「リリウス」
「!? 【
ばっと距離を取る少女。警戒されてる?
「アリーゼ先輩から聞いたわ、あ、貴方、女の子を食べちゃうって!」
『え? リリウスがどんな人かって? そうねえ、気を付けないと食べられちゃうわ。色んな意味でね、バチコーン☆』
リリウスの脳内でアリーゼがウインクする。リリウスは脳内アリーゼの脛を蹴った。
「お前は食わない」
「わ、私に魅力がないって言うの!?」
「魅力…………」
見たところLv.3。リリウスが出て行った時期を考えれば、5年程度で2度の
「でもまだ早いな…………」
仮に食うならもっと育ってからの方が美味そう。それがリリウスの評価。それは味的な意味だが桃色の勘違いをしている少女は別の意味で顔を赤くする。
「た、確かにアリーゼ団長達程はないけど、ライラ先輩やリオン先輩よりあるもん!」
「………………?」
「セシル、何騒いでるの?」
「いや本当、何叫んでるの?」
獣人と
「此奴、リリウス・アーデ! 気を付けて、美味しく頂かれるわ!」
「元とは言え、派閥の後輩を食べたりしない。お前が喧嘩売るなら別だがな」
相手してないとでもいうような態度にセシルと呼ばれた少女はカチンと頭にきた。と、その時………
「リリウス!」
「アリーゼ」
アリーゼ達も戻って来た。モンスターの血の匂いに、ヴァリス硬貨の入った袋。ダンジョン帰りだろう。
3人は先に帰って風呂か食事の準備でもしていたのだろう。そしてセシルがアストレアに一番にお帰りと言ってほしくて走ったか……【アストレア・ファミリア】ではよく見た光景だ。
「久し振り! 大きく……はなってないわね。軽いまま」
ヒョイと持ち上げるアリーゼ。リリウスはされるがままだ。
「つったって、もう17だろ? ガキ扱いはやめてやれよ」
と、ライラも会話に入ってくる。すると………
「ワフ!」
「バウ!」
「どわ!?」
シャバラとシュヤーマが飛びついた。匂いをかぎながら鼻をこすりつける。
「な、なんだこの犬は!?」
「シャバラとシュヤーマだ。ライラの事が好きになったらしい」
「知るか! てか、アタシこの前Lv.5になったんだぞ!? なんで剥がせねえ!」
「成りたてだからだろ。シャバラ達もLv.4としてステイタスを極めているし」
「「「……………Lv.4?」」」
と、リリウスの言葉に誰もが固まる。
「え、犬が?」
「犬だな」
「Lv.4の犬って、なんだそれは」
「? Lv.4の犬だろ」
輝夜の言葉にリリウスは説明しただろと首を傾げた。
「私より、上…………」
「ちなみにこの鳥はLv.3だ」
「キィ!」
「まあ、Lv.7がLv.8になるような冒険だからなあ、そりゃLv.4にもなるか…………いや、でも動物」
「便利ね〜。私達もお仲間とか出来ないかしら」
「せめて忠誠心の高い犬にしておけ。それか、馬」
と、アリーゼの言葉に輝夜が呆れながら応えた。
「何人かいないな」
「アストレア様の護衛よ。定期的に
家の中には人の気配がない。と、リリウスが振り返る。
馬車がこちらに向かってきた。その馬車から、眷族に手を引かれたアストレアが降りてくる。
「あら、リリウス?」
「アストレア………」
「久し振りね。色々、大変だったでしょう?」
リリウスを見て少し驚いたアストレアは、しかし直ぐに微笑みを浮かべリリウスの頭を撫でる。
「…………貴方を変えたのは、アフロディーテだったみたいだけど」
「それは違う」
少し寂しそうなアストレアの言葉をリリウスは否定した。
「お前達と出会ったばかりの俺のままだったら、俺はアフロディーテに恋をすることも無かったし、そもそもオラリオから出ることもしなかった。クソ共除いて、これまでの出会いが俺を変えた。もちろん、お前も」
「…………そう」
アストレアは、再び微笑んだ。そのままリリウスに視線を合わせるように膝をついて抱き寄せる。
「お帰りなさい、リリウス」
「ただいまアストレア」
因みに、周りは
(アストレア様に抱きしめられてる………アストレア様のおっぱいに!)
(でっっか………いやいや、うらやまっっっ…………!!)
(いいなぁ、アタシも抱きしめられて尻尾と頭撫でられてえ)
等と少し不埒な事を考える者もいれば
(次は私が抱きしめましょう。お姉ちゃんとして)
と狙う者
(私達でも恐れ多くて出来ないのに! なんなのよこの破廉恥
嫉妬の炎を燃やす者など様々だ。
悩ましく豊満な胸に埋もれたリリウスは、しかし直ぐにプハッと顔を出す。
「じゃ」
「あら、もう行っちゃうの? ご飯食べていけばいいのに」
「馬鹿を言うな団長。此奴に飯を食わせるなら、事前に食材を買っておく必要がある」
そうしないと下手したら屋敷ごと食われてしまうかもしれない。
「お金貯めたら準備するからきてねー」
去っていくリリウスに手を振るアリーゼ。あっさりしてるようだが、宴の時に飽きるまで抱きしめるつもりなのだ。
「アーディにも伝えておきましょう。リリウス、下手したらガネーシャ様に伝えて終わらせそうだし」
「見つけました」
「…………アミッド?」
その頃、リリウスはアミッドと対面していた。
小柄な体軀も相まり人形のようだと称される彼女は表情の変化に乏しいが、リリウスはそこそこの付き合いなので怒っているのが解る。
「色々言いたいことはありますが、まずは脱ぎなさい」