ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
前回のあらすじ(大嘘)!!
天災と称される天才フェルズにより開発された宇宙活動を目的としたパワードスーツIS。女性にしか使えないはずのそれを、ある日ベルは動かしてしまい!?
ベル 世界初の男性IS操縦者。
アルゴノゥト ベルの専用機。
アルフィア ベルの義母。世界最強のIS操縦者。
静寂 エネルギー消失機能を持ち、汎ゆる攻撃を無効化する。
リリウス ISで武装したテロリストをたった2人で撃退した傭兵の片割れ。世界的指名手配犯。
スカディ リリウスの専用機。分子レベルで慣性停止を行い汎ゆる物を凍らせる。
エピメテウス リリウスの相方。以下同文。
パンドラ エピメテウスの専用機。空間分子加速による業火を操る機体。
フェルズ 科学面白いヒャッホーと狂喜乱舞して色々作りすぎた。リリウスに頼んで犯罪組織、軍事国家に渡ったISの回収を依頼中。
アイズ ベルの幼馴染。
アリア 慣性制御システムにより大気を操る。
「色々あって遅れましたが………リリウス、貴方に感謝を」
「アルヴの王森を救ってくれて、ありがとう」
と、エルフのリューとセルティが頭を下げる。
先日は純粋に彼の帰還を喜びたかったので、後日言うつもりだったが模擬戦を行うことになり、余計な気をお互い使わないために終わってから言ったのだ。
「ああ、あったなそんな事」
「もう一人いたそうですが、その方は何処に?」
「ギルドでダンジョンの基礎知識勉強してる」
そういえば、その相手もエルフだとか。知ったらどんな反応するのだろう。
「そういやエルフの森にも精霊いたんだろ? そいつは人間と契約しなかったのか?」
と、ライラが尋ねる。ドゥルガーの発言が、まるで初めて見たかのような言葉だったからだろう。
「まあ人間と契約する精霊ってより、可愛い子に目をつけたおっさんだしな。あれを自分と同じ扱いはしたくないんだろ」
「? 精霊の話ですよね?」
「そうだが?」
ネプトゥヌスの詳細については知られてないようだ。
「俺としては中位とはいえ、精霊の契約者がいることに驚きだがな」
「あなたはなかま? あなたもなかま?」
精霊馬としての本性を隠し、半透明の空飛ぶ幼児と化したユーフィはリリウスの周りをクルクル飛ぶ。
リリウスが食った下位精霊の気配に反応しているのだろうか? とアリーゼ達は考える。
「こおりのなかま!」
「ああ、スカディの気配か」
「スカディ?」
「旅の道中、俺の失った心臓になった精霊。そうだな、お前の仲間だ」
今さらっと心臓失ったって言わなかったか此奴。
Lv.7だったリリウスが心臓失うってどんな相手なのだろう? オラリオに伝わってくるどの怪物?
「ユーフィはゾーリンゲンの近くに住む精霊だったんだけど、なんか勝手についてきて」
「むっ!」
セシルの言葉にユーフィはぷぅ、と頬を膨らませLv.3がすっ転ぶ程の強風を放った。
「わっ!? ちょっと、何すんの!!」
「べーっだ!」
舌を突き出しさっとリリウスの後ろに隠れるユーフィ。姉と喧嘩し兄に甘える妹のよう。
「精霊が契約してついてくる理由なんて簡単だろ」
「え?」
「こいつはお前が大好きなのさ」
リリウスに頭を撫でられ気持ちよさそうに目を細めるユーフィ。住処を離れ、一人の人間に固執するならそれは精霊の愛だろう。
「ええ、でもこいつ全然私認めなくて、『滴』だってくれなかったし」
「それが何か知らねえが、お前がそればっかり欲しがるからあげたらもうこないとでも思ったんだろ」
「それは………」
結構心当たりがある。と、リリウスの膝に頭を乗せ撫でられるユーフィを見る。
「でも、それならあなたの精霊も貴方が大好きってことになるじゃない」
「妾は当然主様が大好きじゃが?」
と、リリウスにしなだれかかるドゥルガーにアミッドとアーディが目を見開きアリーゼがあらまあ、と口を覆いイスカがおー、と感心する。
「流石私のリリウス! モテるねぇ……私も大好きだよ。子供作ろう!」
「「なっ!?」」
アミッドとアーディが思わず振り返る。
「イスカ!?」
「これだからアマゾネスは…………」
リューは耳まで真っ赤になり、輝夜は性に奔放なアマゾネスに呆れ、ふとアリーゼを見る。
アリーゼは固まっていた。
「ああ、いいぞ」
「「「えっ」」」
そしてリリウスがあっさり了承した事によりイスカ本人も固まった。
「え、いいの!?」
「「「駄目!」」」
と、迫るイスカからアーディとアミッド、アリーゼの3人がリリウスを剥がす。プランとアリーゼに抱き寄せられるリリウス。
「リリウス、いい? そう言うのは好きな人とやるべきよ。そうやって簡単に受け入れてたら、ハーレム作っちゃうんだから」
「ああ、俺はハーレムを作る気だ」
「「「…………えっ」」」
「と言うよりは、好意には応えるつもりだ。まあ、俺だって相手を選ぶが、イスカは好きだぞ」
臆面もなく言い切るリリウスに、潔癖なエルフでさえ何も言えない。ライラも目を見開き、アストレアはあらあらと頬に手を添え輝夜だけは面白そうに見ている。
「やったー! じゃ、子供作ろう!!」
「待ちなさいイスカ! そういう事はまずは恋文から始め、愛を育み夜の森で精霊に誓い合ってから!」
「え、リューそれ本気?」
「セルティ!? なぜ同胞の貴方までそんな顔を!?」
ぎゃいぎゃい騒がしくなる【アストレア・ファミリア】+α。終止符を打つのは、やはり神の言葉。
「はい、そこまで」
「アストレア………」
「リリウス………大人になったわね、色んな意味で。人の好意に応えようとするのも、良いことだと思うわ」
と、アストレアがリリウスの頭を撫でればウランダがブツブツ呪詛を唱え始めた。
「でもね、今の貴方は好意に好意を返しているようで、少し違う。嫌いじゃない人が好きになってくれたから、は………その子にとっても失礼よ」
「そうなのか?」
「う〜ん。まあ、私はやっぱり好きになってほしいかな」
アマゾネスという種族自体羞恥心は少なく、性に奔放ではあるがイスカは【イシュタル・ファミリア】の
やっぱり好きな人には好きになってほしいと思うぐらいには、乙女だ。
「だからリリウス。一緒に居ても良いじゃなくて、一緒に居たいと、そう思えたらイスカ達の気持ちに応えてあげて」
「…………………」
「良い子達だもの。一緒に笑って、冒険して………そしたら直ぐに、そう思えるわ」
「……………解った」
リリウスの言葉にアストレアは微笑み、もう一度リリウスの頭を撫でた。
「リ、リリウスが男の人になっちゃった…………」
「アーディさん、彼は元々男です」
数日後、【ゴブニュ・ファミリア】。
「………すごいな」
「調整をしただけだ。下手にいじれば、それはお前の剣でなくなるからな」
「それでも十分だ。俺ではこうは出来ない」
少なくとも、良し悪しが見抜ける程度にはリリウスも鍛冶師としての側面を持っているが、やはり鍛冶神には劣る。
「何億年も、この概念を持ち生まれたのだ。数年前に始めた若造に到れる程、低い壁ではない」
「それもそうだ」
軽く振り、剣を背中に収めるリリウスを見てゴブニュは目を細める。彼も『使い手』として仕上がっている。
「…………ダンジョンの攻略でもするのか?」
「いいや。因縁とケリを付けに………まあ、性懲りもなく現れるだろうが」
耐火装備を身に纏い、リリウスはバベルへ向かった。
ダンジョン深層。極寒の冷気に支配された空間にて、白いクジラ型のモンスターが巨大な氷山を砕きながら現れる。
しかしその身は傷だらけ。飛び出したのではなく、吹き飛ばされた。
氷河湖の水流が渦巻き煮立ち、氷が溶けていく。
ジュウジュウと蒸気を挙げながら湯だつ熱湯から顔を出すのは巨大な蛇。
蛇の姿をした竜の系譜。
「オ、オオ…………オオオオオオオオオオッ!!」
甚だしい嫌悪感と怒りを胸に、異端の同胞へと敵意を露わに叫ぶクジラは、死にかけであろうとその戦意を衰えさせない。
階層主なのか、或は強化種なのか、答えを知るのは【ゼウス・ファミリア】か【ヘラ・ファミリア】しかいない未踏の領域に住まう怪物はプライドめいた物を持つ程度には、他と隔絶した力を持っていた筈だった。
それをただの『餌』とだけ認識していた蛇は死を前に恐怖ではなく戦意を持つ姿に『敵』と認識し、目を細める。
宿る感情は、歓喜。笑っているのだ。
クジラの
蛇は笑い、蹂躙が行われた。
魔石を喰らい己の力とする蛇は、不意に顔を上げる。『異端の同胞』達が憧れる地上を見ている……とは少し違う。そこに住んでいる筈の、己の宿敵を思う。
帰ってきたと、同胞でも人でもない彼女は言っていた。何時来るかは聞いていない。それでも、蛇は確信していた。まもなく、来る。
「オオオオオオオオオオッッ!!」
ただの咆哮で氷塊が罅割れ、水面が波立つ。
再戦の時は近い。
アストレア・ファミリアのレベル
Lv.6
アリーゼ
輝夜
リュー
Lv.5
ライラ
イスカ
ネーゼ
アスタ
Lv.4
マリュー
ノイン
セルティ
リャーナ
Lv.3
セシル
Lv.2
シャウ
ウランダ
イセリナ