ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか?   作:超高校級の切望

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道化と美の女神

 竜の壺を越え、何故か一部がジャングルになっていた凍える59階層で泳いでいた黒蛇との戦い、その余波で崩れかけたダンジョンから現れたアレン以上の速度で走るモンスターとの戦い。

 

 それらを乗り越え地上に帰還する【フレイヤ・ファミリア】。

 遠征でそれなりに金を使ったが、深層の魔石にドロップアイテム。稼ぎとしては黒字だろう。

 

 壁を抜けたと、確信する者数名。

 あと少しで地上。と、上層6階層。彼等の前に立つ一人の影。

 

「…………お前は」

 

 【(カリ)】リリウス・アーデ。正真正銘世界最強。ヘイズに治療されたとはいえ、それでも疲労が残る彼等で……………いや、疲労が抜けていたとしても勝ち目はあるか………そんな相手。

 

「何の用だチビ………」

 

 【フレイヤ・ファミリア】でリリウスと一番会話回数が多く一番仲の悪いアレンが最初に声を掛ける。

 

 敵対派閥をダンジョンで強襲。良くある話に警戒する他の団員と異なり、アレンは地上で【フレイヤ・ファミリア】と………と言うよりは何か起きたのだろうと確信する。そうでもなければこいつは態々自分達の前に現れない。

 

「金目の物を置いていけ」

「………………は?」

 

 だから、その俗物めいた言葉に固まる。

 

「お前等の主神が祭りで迷惑かけてきやがった。だから、金を寄越せ」

「これは我等が女神への捧げ物。それを奪うおつもりで?」

 

 と、気丈に睨むヘイズだがリリウスは()()()()の怒りなど取り合わない。

 

「お前は、そこまで金に執着する男だったか?」

「黙れよ猪。てめぇ等の端金なんざ余裕で集められるんだよ俺は………この祭りはなぁ、崇高とは言わねえがそれなりの目的があってやってんだ。それを発情して邪魔しやがって」

 

 どうやら地上でフレイヤがベル・クラネルに試練を与えたらしい、と察する幹部達。祭りの目的までは分からないが、その祭りの目的がリリウスにとって無視出来ない何かだったのだろう。

 

「なんでてめぇ等の主神(おや)が起こした騒動でアーディ達が金払うんだよ。てめぇ等が払え。ギルドが解っても揉み消すから今すぐ金目の物寄越せ」

 

 つまりは、【ガネーシャ・ファミリア】が払う分の賠償金を【フレイヤ・ファミリア】の稼ぎで補填する。

 余剰分はそのままガネーシャ達への謝礼金にしろと。

 

「俺達の全ては女神の財産。それが女神の意志でないのなら、その頼みは聞けん」

「そうか、じゃあ奪う」

 

 リリウス・アーデ。レベルは8()。ならば、油断なくこの場の総力を結集すれば………と、まずはオッタルが吹き飛ばされる。

 派閥最速のアレンが振り返る頃には軌跡を渦巻く大気が第二級冒険者を薙ぎ払い、アレンの槍は空を貫き頭蓋に踵が叩き込まれる。

 

「お前、治療師(ヒーラー)か? ちょうどいい。俺がスッキリするまで治し続けろ」

 

 ヘイズ・ベルベット。『洗礼』で殺し合う団員達を治療する『満たす煤者達(アンドフリームニル)』の顔役。フレイヤの所有物である眷族達を死なせるわけにもいかず、今日も今日とて酷使された。

 

 

 

 

 フレイヤの眷族達がサンドバッグにされている頃、フレイヤはロキと会合していた。

 

「…………なんやその、顔の傷」

「貴方が呼びだした理由でリリウスを怒らせちゃって………彼に踏まれたの」

 

 はぁ、と何処か熱を帯びた息を吐き頬を撫でるフレイヤ。不変の神は本来なら如何なる傷も治るが、力を封印した下界では傷跡は消えるだろうが治る速度は人並み。ポーションなどいくらでも用意できるだろうにわざわざ残しているらしい。

 

「自分の子供達が荒れるやろ」

「そうなの。気にしないでって言ったのに、あの子達自分の頬の皮を剥いじゃって………」

 

 困った子達よね、と微笑ましそうにとんでもない事を笑うフレイヤにロキは引いた。フレイヤは基本的に魅了を行使しない。つまり、フレイヤの眷族達は素でそれだけフレイヤに心酔しているのだ。

 

「自分の狙いはリリウスか?」

「あら、弱い子だって言ったじゃない?」

 

 実はロキとフレイヤは昼間も接触している。フレイヤが何かをしようとしていると察したロキはまた男漁りでも始めたのだろうと探りを入れたのだが、その途中で席を立ち、その後あの騒動だ。

 

「理由は分かっとるんやな」

 

 モンスターを取り逃がした【ガネーシャ・ファミリア】の警備は全員腰砕け、調教(テイム)を施されていない筈のモンスターは一般人を傷つけることなく街中で何かを探す素振り。

 

 間違いなく『魅了』されていた。どうせギルド、と言うか【ガネーシャ・ファミリア】もそこまで掴んでいるだろうが、ギルドと近い彼等は都市の平穏と民に不安を与えないため【フレイヤ・ファミリア】相手に泣き寝入りだろう。

 だが同格の【ロキ・ファミリア】の主神からの言葉となればギルドも動ける。と言うか動かざるを得ない。

 

 【ガネーシャ・ファミリア】も嬉々として動くだろうし、もし武力で踏み倒そうとするならロキもガネーシャと手を組むつもりだ。

 

「鷹の羽衣」

「は?」

「貴方に貸したあの羽衣、まだ返ってきてないわ。私をギルドに売るんだったら、その前に返してくれない?」

 

 ロキは顔を驚きに染めた。

 鷹の羽衣。それは天界時代ロキが借りパク………もとい返す約束をして永遠に借りようとした、ロキのお気に入り。

 

 今日の事を黙り、今後の行動に目を瞑るなら差し出すと笑うフレイヤにロキは不承不承ながら交渉を受け入れた。

 

「たく、けったいなモンスターに子供も怪我させられるし、損な役回りやで」

 

 これが取り返しのつかない怪我だったり、それこそ死んでいたらロキはそもそも交渉などせず戦争に持ち込んでいただろうがそうはならなかった。

 

「? 貴方の子供が?」

「ああ? おったやろ、やたら強い花みたいなモンスター」

「ああ………それは私じゃないわよ。あれは私の目的も邪魔して………結果として、もっといいもの見れたけど」

「はあ? じゃあどっからあのモンスターは現れたっちゅうねん」

「それは私も知りたいわね」

 

 

 

 

 

 オラリオの何処か。窓一つなく、空気の冷えた地下。

 

 仮面の人物ははぁ、と溜息を吐く。

 唐突にモンスターを地上に放つと仮面の男に言われ、未成熟個体を放ったりしたのだが、それでも被害が出た。勝手に放つ数を増やされていたからだ。

 

 まあ何でも【ガネーシャ・ファミリア】が捕らえていたモンスターが脱走したとかでその結果冒険者が動き避難も進み被害は少なかったが。

 

 そう思うのは仮面の人物と今回の黒幕の思惑は別にあるからだ。だからこそ、仮面の人物は黒幕の正体を探っている。

 

 もう潜入して4年近く。全く、何の情報も集められていないがそこは相手が流石神と言うことだろう。

 

「エイン、30階層で宝玉(タネ)が盗まれた。私は24階層の苗花(プラント)に向かう。貴様も『彼女』のためになると思う行動をしろ」

 

 と、偉そうに言ってくる白髪の男。仮面の人物は、この男が何故かとても気に入らない。レアルコスと名乗るこの男は件の神に最も近い人物で取り入るべきなのだが、そもそもこちらを見下し話にならない。

 

 24階層に()()を向かわせて殺してもらおうかな、と思ったがそれで神に隠れられても困るので仕方なく見送ることにした。

 

 


 

59階層の精霊

まだ階層改造中なので居なかった。居てもまあ、原作見る限りオッタルに瞬殺されてた。

 

レアルコス

一体何処の何アクトなんだ。

本作最強の怪人(クリーチャー)()。本編に比べかなり出世してる。

 

仮面の人物

『あっち』は皆と楽しくしてるんだろうな〜と思うと殺意が湧いてる。計画の全貌も知らない下っ端ではないけど上役でもない、強いて言うなら中管理職。

中管理職はストレスが溜まって気が立っているんだ。

やめろよ、■■■■の争いは醜いものだ。

そろそろ200話。みんなは何が読みたい?

  • シヲモトメルノハ【タナトス】
  • モトメルノハ【ディオニュソス】
  • チカラヲモトメルノハ【フレイヤ】
  • ヒビカスノハ【ゼノス】
  • ドウケルノハ【ロキ】
  • 勇蹄再演【バロール戦】
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