ダンジョンで飯を食うのは間違っているだろうか? 作:超高校級の切望
時を少し遡り、リリウス達がリヴィラでハシャーナを癒している頃。
地上にてベートはロキと共に歩いていた。
自身の眷族を襲った謎のモンスター。その情報を調べるために下水路に潜ってみたのだが、見つけたのは凍りついたモンスターの死体。
異様な硬さの氷を砕いて魔石を取り出してみれば、50階層で【ロキ・ファミリア】が撤退する一因となった芋虫型からティオネが手に入れた魔石と同じく紫紺の中に極彩色が混ざっていた。
「うう〜、寒かったあ。しっかし、何者やろうなああれ…………」
魔力の残滓からして1日は間違いなく経過しているそうだ。その上で、地下とはいえまるで溶けない氷像。リヴェリアの魔法にすら匹敵するだろう。
そんな事が出来る魔導士などすぐにでも有名になりそうなものだが。
一応匂いはあったらしいが、件の術者の匂いかは不明。
「んん? ディオニュソスか」
考え事をしながら歩いていると見知った顔と出会う。別段話すことはないが、無視するような間柄でもない。よう、と軽く挨拶しようとして………
「待て。そいつらだ」
「……どゆこと?」
「あの地下水路に残っていた残り香………
その言葉に糸のように細められていたロキの目が開きディオニュソスを見据える。
付き人のエルフが直ぐ様前に出た。
「よせ、アウラ」
「しかし、ディオニュソス様!」
「後ろの彼はLv.6。お前では勝てない」
主神の言葉におとなしく引き下がるエルフ。アウラというらしい………ベートは勿論、ロキも聞き覚えがない。となると、良くてLv.2か。
「逃げも隠れもしない。だからロキ、話を聞いてくれないか? できれば
「……………ま、ええやろ」
ディオニュソスの提案に、ロキが乗る。ベートは良いのか、と尋ねれば何かあれば呼ぶと軽口を吐かれた。
「よし、おら話せ」
「ああ…」
余計な前置きはなし。本題に入れと促すロキに、ディオニュソスも素直に応える。
一ヶ月前、彼の眷族が殺された。
殺し方は単純。正面から近づき、その首を掴み、折った。
殺されたのは3人で、内一人はLv.2。
その判断材料だと机に置かれたのは極彩色の魔石。
「一ヶ月前見つけたのは、ほんの欠片だがね」
ロキに見せたのは、『
眷族の死体と魔石の欠片があった都市東、寂れた街路で近日行われる予定の『
その後モンスターの出処を調査し、氷漬けとなった貯水槽に辿り着いた。魔力で出来た氷像は固く、長居していれば凍えてしまうので調査も中途半端に終わったが、匂いはその時残ったのだろう。
「しかしLv.2の冒険者を正面から即死させるとなると、その
Lv.3以上の眷族を保有するファミリアは限られているが、神の中には眷族の位階を偽る者もいる。しかし、一ヶ月………ロキの脳裏にふとよぎる、世界最強。正確に戻ってきた日は知らないが………。
「彼は違うさ」
「……………」
それを察したようなディオニュソスの言葉に、まあそうか。Lv.9………かつてオラリオを滅ぼしかけた最強の眷族達よりも上。神時代の最高位。オラリオ壊滅が目的なら、その日その時に行えた。
Lv.8、9を知る数少ない神として断言しよう。あれは人の形をした災害だ。
眷族を傷つけられたこと、まだ自分でも気付かぬ程度には根に持っていたらしい。さて、となると他の候補は………モンスターを地上に持ってくるとなると、【ガネーシャ】が怪しく思えてしまうが………。
まあ、普段の言動はあれだがガネーシャはガチで人類を想う数少ない人格神。部下の独断か、第三者が横から掻っ攫ったか………
「違うぞ、ロキ。前提を違えている。ガネーシャにモンスターの捕獲を命じたのは誰だ? それ以前に『
「…………
あり得ない、とは思うがここ数年のギルドの動向がおかしいのは確か。『
「そこで提案なんだが、ギルドに探りを入れてみてくれないか?」
そして、リヴィラの攻防戦が終わった頃、ロキはウラノスと対峙していた。
公正中立であるギルドであっても、主神の言葉は絶対。故に本来彼と対面出来る者は限られている筈だが、その彼が止めるギルド職員やギルド長のロイマンを止めロキを招いた。
「今年は色々あったなあ。リリウスたんが戻ってきたり、かと思えば祭りで大騒動。うちの子も、怪我して大変やったよ」
「そうか。それで?」
「あれが誰が持ち込んで放ったか気になってなあ。食人花のモンスターの糸を引いてんのは、ギルドか?」
「それは違う」
「邪魔して悪かった。ほな、お勤め頑張ってな」
そう言うとロキはその場を後にする。先程からこちらを見張っている者もいるが、まあいい。
ウラノスは首謀者ではないだろう。彼の手を離れ、ギルド職員が動いている可能性はあるが……。
オラリオで何かが動き出している。それだけは確かだ。
「【ロキ・ファミリア】か……深入りされると面倒だが」
と、闇の中から現れる黒ローブの人物。ウラノスの私兵、フェルズだ。
「何れは知られる事だ。時期があるのは認めるが、何時までも隠しておくことは出来ない」
「それはそうだが…………ああ、そうだ、その事。多少のトラブルはあったが、再び『聖女』を連れ潜ったらしい。助かるよ、私はこれでも多忙でね、彼等の治療を出来るのは実質4人だ」
厳密にはある2人の血を使えば別だが、水の都はそこそこ冒険者も居る。不用意に移動はしたくないのだ。
「一人増えるだけで………それも、世界最高位の
問題は、仲良くやれるか、だが。
「仲良く出来る気がしません。彼女とだけは」
リリウスに臭いを移すように体を擦り付けるハーピィ、フィアを見てアミッドはそう呟いた。彼女の後ろで
「どうですかリリウス! 私も、喋るのが得意になったでしょう?」
「ああ、お前は人一倍人類が好きだからな」
「えへへ〜」
頭を撫でられ頬をほんのり赤く染めるフィア。 彼女達は
人と同等の理知を備えたモンスター。人に敵意を持つモンスターと異なる異端。
一応人に敵意を持つ者も居るが、それ等は人と敵対し仲間を殺されたりと後天的な者らしい。
「リリウスの恩人らしい」
そんな彼等と行動する二人の人類の内一人、フィルヴィス・シャリアは基本的に敵意を持たない誰かを拒絶こそしないが懐に入れないリリウスがされるがままの光景に眉根を寄せるアミッドに説明する。
「命の恩人? それは、どういう…………」
「それは………」
「くたばれええええ!!」
「ぐはぁ!!」
「…………え?」
フィルヴィスが説明しようとした瞬間、
何を言っているか解らないと思うが、アミッドにだって解らない。
そろそろ200話。みんなは何が読みたい?
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シヲモトメルノハ【タナトス】
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モトメルノハ【ディオニュソス】
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チカラヲモトメルノハ【フレイヤ】
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ヒビカスノハ【ゼノス】
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ドウケルノハ【ロキ】
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勇蹄再演【バロール戦】